- 更新日 : 2024年10月30日
研修ニーズ調査を実施する理由は?アンケートフォームの無料テンプレートつき
研修ニーズ調査は、受講者の研修に対する満足度を測定するとともに、研修計画を作成する際の貴重なデータになります。調査の結果を効果的に活用するためには、質問と回答選択肢を工夫するとともに、受講者の多様な意向も確認することも大切です。本記事では、研修ニーズ調査を実施する理由と注意点を中心に解説します。
目次
研修ニーズ調査を実施する理由は?
研修を実施するにあたっては、どんな対象者に対してどのような内容の研修を行うか、どんな成果を目指すかといった検討を行ったうえで、予算や日程などの計画を練ります。そのとき役立つ情報の一つが、これまで実施してきた同種の研修に対する受講者の反応です。研修計画者は、受講者の反応を踏まえ、研修プログラムの改善や講師の変更などを検討します。
とりわけ、VUCAと呼ばれる、経済・経営環境の変化が激しい時代では生の受講者の声を聴くことは重要です。
研修ニーズ調査は、研修効果測定モデルとして知られるカークパトリックモデルにおけるレベル1:反応、満足度調査に当たります。
【無料テンプレート】研修ニーズ調査のためのアンケートフォーム
研修ニーズ調査は、研修終了直後に短時間で行われる調査です。こうした場面で、研修実施者が必要とし、研修参加者が回答可能な調査項目にはどんなものがあるでしょうか。
そんな疑問に役立つのが下記のURLからダウンロードできる研修ニーズ調査の無料テンプレートです。さまざまな研修後のアンケートに是非ご利用ください。
エクセル:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/4307/
ワード:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/4314/
研修ニーズ調査を実施するときの注意点は?
研修ニーズ調査は、研修終了直後に記載してもらうケースが一般的です。受講直後の研修受講者の感想や評価を知る貴重な機会にもなります。この際に研修内容の細部よりも、全体的な評価を聴く調査とする方がよいでしょう。
質問項目として、研修の難易度、講師の評価、テキストや資料の充実度、研修環境が挙げられます。また、短時間で答えやすい調査仕様にすることも大切です。
回答選択肢の作り方に注意
以下のアンケートを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
【質問】この商品に満足しましたか? 【回答】1 非常に満足 2 満足 3 どちらとも言えない 4 不満 5 非常に不満 |
こういった選択肢の設定の仕方をリッカートスケール(リッカート尺度)といいます。顧客満足度調査、広告効果測定調査、企業イメージ調査などでよく使われています。
リッカート尺度を用いる場合に最も注意しなければならないのは、質問文の書き方と回答選択肢との関連性です。質問文が選択肢の一方に偏るような書き方は避けましょう。回答については、選択肢の間隔が均等になるようにすることで精度の高い分析が可能になります。
自由記載欄には研修企画のヒントが満載
研修ニーズ調査には、選択式の回答だけでなく自由記載欄も設けるとよいでしょう。
テンプレートのように、①研修で特に印象に残ったこと、②研修テーマに関連して日頃の業務で悩んでいること・困っていること、③今回のテーマ以外で受講したいテーマなどが考えられます。
①を見ることで、研修のポイントが受講者に理解されているかを知ることができます。また、回答内容を講師にフィードバックすることで次回以降の研修の充実度が高まることも期待できます。
②、③の回答を見ることで、今回と同様のテーマであってもカリキュラムを見直すきっかけになりますし、新たな研修を企画する際の重要なデータとなります。
さらに②の回答内容を人事部門や管理職と共有することによって、業務の見直しにつながる場合も考えられます。自由記載の内容は、読み込んで整理するのに時間がかかりますが、研修企画者にとっては今後の研修運営のヒントにつながるでしょう。
研修体系の再設計を行う場合にもニーズ調査は必要
研修計画の課題として特に重要なのは、次の2点です。
- 時代の変化に対応したプログラムの更新が行われていない。
経営環境や事業環境が変化すれば経営計画・事業計画も変化します。これに応じて求められる知識やスキルをアップデートしたり、新たにインストールしたりする必要があります。また、常に変化するビジネス環境に柔軟かつ迅速に対応できる人材の育成も必要です。 - 内容を詰め込み過ぎてしまう。
研修内容を詰め込み過ぎると、受講者の負担が大きくなるだけで、所期の目標を達成できなくなります。研修の目的・目標を達成するうえで必要なカリキュラムを精査し、受講者に無理のない効果的な研修とすることが大切です。
こうした課題を克服するのに、一番手近なツールが研修ニーズ調査です。
研修の目的や対象者などに応じた質問と回答選択肢を練り上げた調査によって研修体系の改善が可能になります。
必修・選択のバランスが取れた研修メニューの提供を!
研修には、自社の経営計画・事業計画に貢献できる人材を育成するために対象者に受講を義務付けるものと、受講者が自らの課題意識によって選択するものとがあります。
これら2つの研修をバランスよく配置した研修プログラムを作成するためには、研修企画者は社会経済の変化に敏感であるとともに、受講者のニーズの把握にも努める必要があります。研修ニーズ調査は、受講者の満足度を通して研修効果を把握するとともに、今後の研修計画の策定にとっても貴重なデータとなります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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