- 更新日 : 2024年10月30日
バリキャリとは?特徴や年収、多い職業、目指し方を解説
バリキャリとは、バリバリ働く女性を指す言葉です。バリキャリと呼ばれる女性には、キャリア志向があり、昇進や昇給に意欲的という特徴があります。
近年では、女性の社会進出に伴い、バリキャリと称されるように働く女性が増えています。ここでは、バリキャリに当てはまる女性の特徴や多い職業について解説します。
目次
バリキャリとは?バリキャリは死語?
バリキャリとは、バリバリ働くキャリアウーマンの略称です。一般的に、昇進や昇給でキャリアを積んで働く女性を指します。といっても、バリキャリの明確な定義があるわけではありません。管理職に就く女性を意味することもあれば、フルタイム正社員で働く女性を意味することもあり、バリキャリと呼ばれる女性の特徴や、その言葉を使用するメディアや人々によって異なります。
バリキャリの使い方・例文
バリキャリという言葉を使う場合、働く女性を意味するだけではなく、キャリアを意識し、仕事に対してストイックに取り組む女性という意味合いが含まれます。そのため、「あの人はバリキャリだ」「バリキャリ女子」というように使われます。また、「バリキャリになりたい」というセリフを女性自身が使った場合、プライベートや結婚・出産よりも、仕事を優先しているという印象になります。
裏を返せば、女性の社会進出が昔よりも進んだとはいえ、結婚・育児でキャリアを断念する女性がまだまだ少なくないことのあらわれでもあるといえます。
「バリキャリ」の反対語は「ゆるキャリ」
バリキャリの反対語は、ゆるキャリです。ワークライフバランスを重視し、働きつつも趣味や交友関係を大事にして、プライベートの時間を楽しみたいと考える女性を指します。結婚・育児を経て働く女性の割合が増えた昨今、長く就業できる働き方を目指してゆるキャリを選択する人もいます。たとえば、出産を機にテレワーク主体の会社に転職し、昇進はしないものの、在宅とフレックスタイムを活用しながら育児と仕事を両立するような働き方は、ゆるキャリともいえるでしょう。
ゆるキャリといっても、誰もが完全にキャリアを積むことから離れているわけではありません。専門スキルを磨き、キャリアが途絶えない道を選択するケースもあります。
「バリキャリ」の男性バージョンは?
バリキャリの男性バージョンの場合、キャリアがあり高収入な「ハイスペック男性」や「エリート男性」と呼ばれます。
バリキャリ女性の割合は?
令和4年に内閣府男女共同参画局が発表した『女性活躍・男女共同参画における現状と課題』によれば、管理職に占める女性の割合は約4割です。係長級で20.7%、課長相当で12.4%、部長相当で7.7%と、管理職の女性割合は近年上昇傾向にあるものの、上位の役職に占める割合は高いとはいえません。
また、年収別に見た場合、高収入(年収700万円以上)を得るバリキャリ女性の割合は、20代・30代・40代・50代とすべての年代で10%を下回っています。そもそも女性の正社員比率は、25~29歳の58.7%をピークに低下します。これは、結婚や出産・育児が女性のキャリア形成に大きな影響を与えていることを意味します。
参考:P5、9、33 女性活躍・男女共同参画における 現状と課題|内閣府男女共同参画局
一方、若い世代では意識の変化が見られます。令和5年版白書によれば、若い年代ほど昇進やキャリア形成への意欲が高くなっています。「昇進したい」「管理職につきたい」と答える割合は、20代と40~60代の間では10ポイント以上の差があります。比率としては男性と比べると大きくはないものの、女性を取り巻く就業環境の変化が、若い世代の意識にあらわれているといってよいでしょう。
参考:P10 令和5年版 男女共同参画白書|内閣府男女共同参画局
バリキャリ女性の特徴
バリキャリ女性に当てはまる人の特徴を見てみましょう。
仕事・キャリアアップ重視
第一に挙げられるのが、仕事優先という価値観です。バリキャリの女性は、仕事が好きで打ち込んでいることはもちろん、昇進・昇給へも意欲的です。仕事に邁進する姿に、ときには周りから「大変そう」「忙しすぎでは?」といわれることもありますが、本人はやりたいことをやっているため苦になりません。
合理性・効率性を優先
バリキャリの女性は、プライベートよりも仕事を優先し、ときには休日返上で働く人も少なくありません。生産性を上げ成果を出すために、物事の効率を優先する傾向にあります。宅配や振り込みなど、ネットで完結するサービスがあれば多少の出費は厭いません。また、合理性に好み、家事代行など、「他者に任せた方がよいもの」は潔く選択します。
美意識が高い
バリキャリの女性は、仕事に時間を費やしつつ、自分をケアすることも忘れません。身だしなみを整えることは、ときに仕事上で顧客から好印象を持たれることにつながるでしょう。また、仕事で疲れた心身を、エステやネイルなどで癒す人もいます。美意識の高さは、仕事を続け人生で重要なものを守るためにも必要だと考えているのです。
バリキャリの年収は?
「バリキャリ」の年収について明確な定義はありませんが、国税庁が実施した「令和4年 民間給与実態統計調査」 によると、女性の年収で最も多い割合を占めるのが「100万円超200万円以下」の21.5%です。
年収レンジが500万円を超えると割合が急激に減り、年収「500万円超600万円以下」はわずか6.4%となっています。「600万円超700万円」で3.4%、「700万円超800万円」で1.7%、「800万円超900万円」で1.0%という数値を見ると、年収が500万円を超えていればバリキャリと呼べるでしょう。
参考:P23 令和4年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-|国税庁長官官房企画課
バリキャリが多い職業
女性が就業し、バリキャリと呼ばれるようになるには、高い収入を得て正社員としてキャリアを積めることが必須です。バリキャリ女性が多い職業には、医師や弁護士などの専門職や、IT系の職業が挙げられます。
医師
収入とキャリアの両方を考えるバリキャリ女子にとって、生涯活躍できる医師は魅力的な職業といえます。
弁護士
弁護士は医師と同様、資格を取得するにはハードルが高いものの、高収入を得て、生涯をかけて働ける職業といえます。
経営コンサルタント
経営コンサルタントは、情報収集能力や論理的思考力などが問われる仕事です。外資系コンサルティングファームをはじめ、高収入を得られる会社が多く、新卒で入社しバリキャリを目指す人もいます。
IT技術職
システムコンサルタントやソフトウェアエンジニアなど、IT系の職種は働く年数に応じて収入アップが見込める職業です。専門的スキルを磨き、転職を重ねてキャリアアップを図る人や、独立する人もいます。
資産運用・銀行業務
資産運用アドバイスや、銀行の投資業務も、専門性が問われる仕事です。銀行などは、規模と安定性、収入面から長く働きたい女性が就職先に選ぶ傾向にあります。
バリキャリのメリット・デメリット
バリキャリとして仕事第一で働く場合、「高収入」や「キャリアの安定」というメリットがあります。一方、仕事を優先しすぎるあまり、心身への負担やプライベートの時間がなくなるというデメリットも無視できません。
バリキャリのメリットは、高収入・キャリアの安定・人生の自由度
バリキャリでキャリアを積む女性は、高収入を得られます。収入の増加は、老後のための資産運用や可処分所得の増加など、人生の自由度を上げることにもなります。また、仕事を通じて成長し、やりがいを感じられることもバリキャリとして働くメリットです。チャレンジングな仕事に恵まれる機会も多く、「仕事が楽しい」と感じて働く人が少なくありません。
バリキャリのデメリットはストレスやプライベートの時間のなさ
やりがいのある仕事に携わり、キャリアや収入について満足度が高い一方、心身にもたらす影響も無視できません。長時間残業や休日出勤などが当たり前となるような働き方をする場合、体にも心にもストレスが蓄積されます。過労が、鬱などの病気の引き金になることもあります。また、仕事一辺倒でプライベートに割く時間がなく、友人と疎遠になったり、恋人と破局したりというケースもあります。
もちろん、バリキャリの女性のすべてが過重労働をしているわけではありません。しかしながら、長く働き続けるためには、仕事で蓄積されたストレスをリフレッシュする術を持っておく必要があるでしょう。
バリキャリを目指すには?
バリキャリを目指したい場合、専門的なスキルを身に付けることや、女性が活躍できる業界・職種を選ぶのがよいでしょう。
働きながらスキルを高める
バリキャリは、昇進・昇給が不可欠です。専門スキルを身に付けることはもちろん、管理職になることを見据えて、管理職に必要なスキルを身に付けることが求められます。たとえば、マネジメント能力やコミュニケーション能力は管理職にとって重要なスキルです。女性の昇進や昇給について、勤務する企業にどのような制度があるのかを確認してみるのもよいでしょう。
女性が活躍できる業界や職種に転職する
女性が活躍している業界や職種は、長く働きキャリアを積める可能性の高い場所です。たとえば、「なでしこ銘柄」に該当する企業は、女性躍進が評価されており、女性の管理職比率なども高いため、バリキャリを目指す女性に適しています。また、結婚や出産も考えてキャリアを積むことを目指す場合、女性の育休取得率・復職率だけではなく、男性の育休取得率の向上や環境整備に力を入れている企業を選ぶとよいでしょう。
仕事に打ち込むバリキャリの働き方は若い世代ほど好印象
ひと昔前とは異なり、共働き世帯が増えた令和の時代では、女性が働き続けることは珍しくありません。また、日本では婚姻件数が減少傾向にあることから、将来の収入に不安を感じ、高収入が得られる仕事をしたいと考える女性もいるでしょう。人口減少、高齢化社会、出生率の減少など、現在の日本はさまざまな問題を抱えており、若い世代の人々の意識の変化も影響しています。
結婚・出産を経てキャリアを中断することのリスクについて、指摘されることもあり、若い世代ほど「働き続ける」ことに敏感といえます。仕事に打ち込み、キャリアを積むバリキャリの働き方は、自分の人生を切り開く生き方として、今後も若い世代を中心に支持されていくでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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