- 更新日 : 2025年7月3日
介護保険サービスの自己負担額は?負担割合や計算方法も解説
介護保険サービスを利用することになった際に、気になる点の一つとして「いくらかかるのか?」ということがあります。サービスを安心して受けられるようにするためにも、かかる費用についての目安を知っておくことが必要でしょう。
今回は、介護保険サービス提供を受けるにあたっての自己負担割合や自己負担額について見ていきます。
目次
介護保険の自己負担額は?
引用:利用者負担割合の見直しに係る周知用リーフレットの送付について|厚生労働省
介護保険サービスを利用する場合、利用金額の一部は介護保険でカバーしてもらえます。そのため、利用者はサービス利用料の全額を負担する必要はありませんが、利用料の一部は負担することになります。
現在は、所得金額等によって上記のような利用者の自己負担割合になっていますが、いつから変更になっているのでしょうか?
自己負担割合は基本は1割
介護保険の介護サービスを利用するとき、利用者には一部の自己負担額が発生します。この自己負担の割合は1割・2割・3割の間で変わりますが、通常は1割負担でサービスの利用ができます。
例えば、自己負担の割合が1割負担の利用者は、毎月2万円の介護保険サービスを利用しても、自分が支払う金額は2,000円になります。
収入などの条件によって、2~3割の場合もある
自己負担の割合は、本人や世帯の所得などに応じて変わります。法改正もあり、平成27年から一定以上の所得者は2割負担に、平成30年からは現役並みの所得者は3割負担に変更になっています。
基本的に、所得が高くなっていくほど自己負担の割合は大きくなっていきます。
自己負担割合の決定要因
介護保険サービスの利用に関する自己負担割合は「本人の合計所得金額」と「65歳以上の人の世帯の人数」で決まります。
「本人の合計所得金額」と「65歳以上の人の世帯の人数」から、1割・2割・3割のどの自己負担割合が決定されるのかは、前段落の「利用者負担の判定の流れ」を参照してご確認ください。
自己負担額の計算方法
介護保険料の計算方法については、下記の記事を参考にしてください。
自己負担額の計算方法についてですが、介護保険サービスには多くの種類があり、一般的にはそれを組み合わせて利用します。
利用する介護保険サービスの種類によって利用金額が変わり、所得によって決まる利用者の自己負担割合もさまざまです。
実際に介護保険サービスを利用することになった際に、お住まいの市区町村の市(区)役所や役場、地域包括支援センターなどに相談し、支給限度額や軽減制度などの説明も受けながら負担の少ない方法を検討していきましょう。
介護保険には支給限度額がある
介護保険には要介護度の区分別に、1か月に介護保険サービスを利用できる支給限度基準額である上限額が決められています。この上限額を超える部分は全額自己負担となります。
介護保険サービスの支給限度基準額については、下記の記事で確認してください。
介護保険が使えるサービスの種類と自己負担割合
介護保険が使えるサービスには、在宅介護サービス、施設入居サービス、地域密着型サービスなどがあります。
それぞれの介護サービスでかかる自己負担割合が1割・2割・3割のどれにあたるかは、介護サービス利用者が所持している「介護保険負担割合証」を確認するか、前述の「利用者負担の判定の流れ」を参照して確認してください。
在宅介護サービス
在宅介護サービスには、自宅で利用できる介護サービスや施設に通って受けることができる介護サービスがあります。
- 訪問型サービス
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問看護 など
- 通所型サービス
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア) など
施設入居サービス
施設入居サービスは、特別養護老人ホームなど、施設に入居して利用する介護サービスです。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設(老健) など
地域密着型サービス
地域密着型介護サービスは、高齢者が施設の立地場所と同じ地域に住んでいる人が利用できる介護サービスです。
- 訪問・通所型サービス
- 小規模多機能型居宅介護
- 夜間対応型訪問介護 など
- 認知症対応型サービス
- 認知症対応型通所介護
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) など
- 施設・特定施設型サービス
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 など
自己負担額を正しく把握して、適切に介護保険サービスを利用しましょう!
今回は、介護保険サービスの利用を受ける際の自己負担額やその計算方法、サービスの種類などについて見てきました。
要介護度の区分に応じた介護保険サービスの支給限度基準額を正確に把握して、利用する介護保険サービスを適切に選択して利用していきましょう。
よくある質問
介護保険の自己負担額はいくらですか?
介護保険の自己負担額は、年金収入+その他の合計所得金額による「合計所得金額」に応じた自己負担割合によって変わります。自己負担割合は原則1割ですが、所得によって2割負担、3割負担になる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。
自己負担額の計算方法について教えてください。
1か月に利用した介護保険サービスの利用額に対して、要介護度に応じた支給限度基準額までは自己負担割合で計算し、限度額を超えた部分や介護サービスの範囲外のサービス利用分は全額自己負担となります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
標準報酬月額とは?決め方や計算方法、間違えた場合をわかりやすく解説!
毎月の給料から、標準報酬月額をもとにした社会保険料が控除されています。この標準報酬月額は、1年に1度の定時決定や、報酬額が大きく変わった場合に行われる随時改定などで決定されます。ここでは、標準報酬月額の算出方法、決定ならびに改定のタイミング…
詳しくみる基礎年金番号とは?番号の確認方法なども解説
「基礎年金番号」とはなんでしょうか。公的な番号には、マイナンバー(個人番号)、保険証の保険者番号など紛らわしいものもあるため、あらためて聞かれると、正確には何だかよく分からない、ということもあるかもしれません。 今回は、知っているようでよく…
詳しくみる育児休業(育休)とは?産休~育休の給付金や手続き、延長について解説
育児休業(育休)とは、原則として1歳に満たない子どもを養育する従業員が取得できる休業のことです。近年は改正が行われ、より育休取得の推進が求められています。人事でも手続きについて把握し、スムーズに進めていかなければなりません。 本記事では育児…
詳しくみる社会保険の加入条件とは?手続きやパートの場合も解説
2022年10月から社会保険の適用拡大の条件に変更があり、対象企業の範囲が拡大されています。また、育児休業中の社会保険料免除が開始日と終了日の翌日が同月であっても14日以上の育休取得で適用させるなど、さまざまな法改正が行われています。 ここ…
詳しくみる「社会保険」に加入すると会社負担の額は実際いくら?
経営者もサラリーマンも、日本人であれば誰もが切っても切れない社会保険。 しかし、「社会保険とは?」と聞かれても、制度の詳細や具体的な負担金額について説明できる方は多くないでしょう。会社勤めの場合、給与から天引きされているケースが大半のため、…
詳しくみる任意継続被保険者の保険料はいくら?加入期間やメリットについても解説!
退職しても任意継続によって、健康保険被保険者資格をそのまま継続することができます。保険料は会社による1/2負担がなくなるため全額を支払う必要がありますが、国民健康保険保険料と比較して安いほうを選べるというメリットがあります。期間は2年間で、…
詳しくみる