- 更新日 : 2024年12月24日
介護保険サービスの自己負担額は?負担割合や計算方法も解説
介護保険サービスを利用することになった際に、気になる点の一つとして「いくらかかるのか?」ということがあります。サービスを安心して受けられるようにするためにも、かかる費用についての目安を知っておくことが必要でしょう。
今回は、介護保険サービス提供を受けるにあたっての自己負担割合や自己負担額について見ていきます。
目次
介護保険の自己負担額は?
引用:利用者負担割合の見直しに係る周知用リーフレットの送付について|厚生労働省
介護保険サービスを利用する場合、利用金額の一部は介護保険でカバーしてもらえます。そのため、利用者はサービス利用料の全額を負担する必要はありませんが、利用料の一部は負担することになります。
現在は、所得金額等によって上記のような利用者の自己負担割合になっていますが、いつから変更になっているのでしょうか?
自己負担割合は基本は1割
介護保険の介護サービスを利用するとき、利用者には一部の自己負担額が発生します。この自己負担の割合は1割・2割・3割の間で変わりますが、通常は1割負担でサービスの利用ができます。
例えば、自己負担の割合が1割負担の利用者は、毎月2万円の介護保険サービスを利用しても、自分が支払う金額は2,000円になります。
収入などの条件によって、2~3割の場合もある
自己負担の割合は、本人や世帯の所得などに応じて変わります。法改正もあり、平成27年から一定以上の所得者は2割負担に、平成30年からは現役並みの所得者は3割負担に変更になっています。
基本的に、所得が高くなっていくほど自己負担の割合は大きくなっていきます。
自己負担割合の決定要因
介護保険サービスの利用に関する自己負担割合は「本人の合計所得金額」と「65歳以上の人の世帯の人数」で決まります。
「本人の合計所得金額」と「65歳以上の人の世帯の人数」から、1割・2割・3割のどの自己負担割合が決定されるのかは、前段落の「利用者負担の判定の流れ」を参照してご確認ください。
自己負担額の計算方法
介護保険料の計算方法については、下記の記事を参考にしてください。
自己負担額の計算方法についてですが、介護保険サービスには多くの種類があり、一般的にはそれを組み合わせて利用します。
利用する介護保険サービスの種類によって利用金額が変わり、所得によって決まる利用者の自己負担割合もさまざまです。
実際に介護保険サービスを利用することになった際に、お住まいの市区町村の市(区)役所や役場、地域包括支援センターなどに相談し、支給限度額や軽減制度などの説明も受けながら負担の少ない方法を検討していきましょう。
介護保険には支給限度額がある
介護保険には要介護度の区分別に、1か月に介護保険サービスを利用できる支給限度基準額である上限額が決められています。この上限額を超える部分は全額自己負担となります。
介護保険サービスの支給限度基準額については、下記の記事で確認してください。
介護保険が使えるサービスの種類と自己負担割合
介護保険が使えるサービスには、在宅介護サービス、施設入居サービス、地域密着型サービスなどがあります。
それぞれの介護サービスでかかる自己負担割合が1割・2割・3割のどれにあたるかは、介護サービス利用者が所持している「介護保険負担割合証」を確認するか、前述の「利用者負担の判定の流れ」を参照して確認してください。
在宅介護サービス
在宅介護サービスには、自宅で利用できる介護サービスや施設に通って受けることができる介護サービスがあります。
- 訪問型サービス
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問看護 など
- 通所型サービス
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア) など
施設入居サービス
施設入居サービスは、特別養護老人ホームなど、施設に入居して利用する介護サービスです。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設(老健) など
地域密着型サービス
地域密着型介護サービスは、高齢者が施設の立地場所と同じ地域に住んでいる人が利用できる介護サービスです。
- 訪問・通所型サービス
- 小規模多機能型居宅介護
- 夜間対応型訪問介護 など
- 認知症対応型サービス
- 認知症対応型通所介護
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) など
- 施設・特定施設型サービス
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 など
自己負担額を正しく把握して、適切に介護保険サービスを利用しましょう!
今回は、介護保険サービスの利用を受ける際の自己負担額やその計算方法、サービスの種類などについて見てきました。
要介護度の区分に応じた介護保険サービスの支給限度基準額を正確に把握して、利用する介護保険サービスを適切に選択して利用していきましょう。
よくある質問
介護保険の自己負担額はいくらですか?
介護保険の自己負担額は、年金収入+その他の合計所得金額による「合計所得金額」に応じた自己負担割合によって変わります。自己負担割合は原則1割ですが、所得によって2割負担、3割負担になる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。
自己負担額の計算方法について教えてください。
1か月に利用した介護保険サービスの利用額に対して、要介護度に応じた支給限度基準額までは自己負担割合で計算し、限度額を超えた部分や介護サービスの範囲外のサービス利用分は全額自己負担となります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
厚生年金とは?受給額の早見表や計算方法を図解で解説
厚生年金(厚生年金保険)は、会社などに勤務している人が加入する年金です。日本の公的年金には2種類あり、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、「厚生年金」の2階建てになっています。 厚生年金の年金額(受給額)は…
詳しくみる労災保険とは
労災保険とは、業務中や通勤中に起こる不測の事態を保障する制度で、「労働者災害補償保険法」により裏打ちされています。 この労災保険に加入していれば、病気やけがはもちろんのこと、死亡や障害など大事に至った場合にも保険金が給付されます。ここでは、…
詳しくみる雇用保険の傷病手当について
健康保険には、傷病手当の制度が設けられています。私傷病により働くことができない被保険者の生活を守るために設けられた制度で、会社を休んでいる間に十分な賃金が受けられない場合に支給されます。 健康保険の傷病手当と同じように、雇用保険にも傷病手当…
詳しくみる入社手続き中の従業員が退職したら社会保険はどうなる?退職後の手続きも解説!
従業員は、入社日に社会保険の被保険者資格を取得します。そのため、すぐに退職した場合でも被保険者資格取得日・被保険者資格喪失日に応じて必要な社会保険料を納めなければなりません。従業員負担分を給与から控除できない場合は、別に徴収する必要がありま…
詳しくみる高年齢雇用継続給付とは?制度の変更点と計算方法を紹介
従業員が60歳で定年を迎えても、企業は65歳まで継続して雇用する義務があります。企業は非正規雇用に切り替え、給与を減額するのが一般的です。これを補填するのが雇用保険から支給される 高年齢雇用継続給付です。 今回は、受給する際の申請書と添付書…
詳しくみる厚生年金の加入で年金が2万増える?保険料と受給額の計算方法を解説!
会社員や公務員の方が加入する厚生年金保険。厚生年金保険に加入すると、将来もらえる年金額が増加します。 厚生年金保険料は会社から受け取る給与をいくつかの等級に分けて区分した標準報酬月額によって決定されますが、厚生年金保険の年金受給額の計算方法…
詳しくみる