- 更新日 : 2025年5月27日
協会けんぽとは?自分の加入健康保険かどうかをわかりやすく解説!
公的医療保険には、自営業者が加入し、市町村と都道府県が運営する国民健康保険と、会社員が加入する健康保険があります。このうち、健康保険は、全国健康保険協会(協会けんぽ)と、健康保険組合(組合健保)の2つが保険者として事業を運営しています。自分が協会けんぽの被保険者であるかどうかは健康保険証で確認することができます。保険者欄に全国健康保険協会と記載されていれば、協会けんぽに加入していることになります。
目次
協会けんぽ(全国健康保険協会)とは?
協会けんぽは、「全国健康保険協会」の略称です。健康保険法を根拠法令に、平成20年(2008年)年10月1日に設立されました。保険者としては日本最大で、対象となるのは中小企業の従業員とその家族です。
前身は、国の事業として厚生労働省の外局である社会保険庁が所管する政府管掌健康保険でしたが、社会保険庁の廃止・解体により業務が引き継がれました。東京都に本部、各都道府県に支部が置かれています。対象者が良質で効率的な医療を受けられるようにすること、健康の保持増進を図ることを目的に、保険給付に関する業務や保険事業・福祉事業に関する業務といった健康保険事業を行っています。
被保険者資格取得や喪失の届出(加入や脱退の処理)、標準報酬月額・標準賞与額の決定、保険料の徴収といった業務は厚生年金保険とともに日本年金機構(年金事務所)が処理するため、協会けんぽでは扱いません。保険料率は支部被保険者単位で設定されるため、各都道府県で異なります。令和4年度の保険料率は以下の通りです。
10.39% | |
10.03% | |
9.91% | |
10.18% | |
10.27% | |
9.99% | |
9.65% | |
9.77% | |
9.90% | |
9.73% | |
9.71% | |
9.76% | |
9.81% | |
9.85% | |
9.51% | |
9.61% | |
9.89% | |
9.96% | |
9.66% | |
9.67% | |
9.82% | |
9.75% | |
9.93% | |
9.91% | |
9.83% | |
9.95% | |
10.22% | |
10.13% | |
9.96% | |
10.18% | |
9.94% | |
10.35% | |
10.25% | |
10.09% | |
10.15% | |
10.43% | |
10.34% | |
10.26% | |
10.30% | |
10.21% | |
11.00% | |
10.47% | |
10.45% | |
10.52% | |
10.14% | |
10.65% | |
10.09% |
参考:令和4年度都道府県単位保険料率|全国健康保険協会(協会けんぽ)
健康保険組合・共済組合・国民健康保険との違いは?
協会けんぽのほかに健康保険組合、共済組合、国民健康保険も健康保険法に基づく保険給付や保健事業を行っています。協会けんぽと健康保険組合、共済組合、国民健康保険はそれぞれ以下のような違いがあります。
協会けんぽと健康保険組合の違い
健康保険法に基づく保険給付を行うため、企業単位または業界単位という小集団のメリットを生かした自主的かつ効果的な運営を目指して設立された公法人です。しかし、近年では、高齢者向け医療への拠出金の増加により、財政は悪化しています。
協会けんぽと共済組合との違い
公務員を被保険者としているのが共済組合です。健康保険組合の公務員版といえます。
協会けんぽと国民健康保険の違い
国民健康保険は、個人事業主などを対象にした健康保険であり、保険事業の運営は市町村と都道府県が担っています。国民健康保険には扶養という概念がなく、被扶養者が存在しません。国民健康保険から保険給付を受ける全員が被保険者で、個人事業主などの家族は子供であっても国民健康保険の被保険者になります。
自分がどこの健康保険に加入しているか確認する方法
健康保険について自分がどこに加入しているかは、健康保険証で確認することができます。まず都道府県名とともに「国民健康保険被保険者証」と記されていれば、自身が加入しているのは国民健康保険です。国民健康保険の場合は各市町村が保険者となるので、健康保険証の保険者名(または交付者名)としても各市町村の名前が記載されています。
健康保険証に保険者名称として「全国健康保険協会」と記載されていれば、協会けんぽに加入していることになります。「全国健康保険協会 ○○支部」と、住所地の支部名も記載されています。
自分が協会けんぽ(全国健康保険協会)加入かどうかを確認しよう
協会けんぽは、全国健康保険協会の略称です。独自の健康保険組合を持たない中小企業の従業員が加入し、健康保険法に基づく保険給付の業務などを行います。中小企業従業員の家族も被扶養者として保険給付を受けることができます。
自分が加入している健康保険が協会けんぽかどうかは、保険証で確認できます。「全国健康保険協会」と記載されていれば協会けんぽに加入していることになるので、確認してみましょう。
よくある質問
協会けんぽ(全国健康保険協会)には誰が加入できる?
協会けんぽは中小企業の従業員とその家族を対象とする健康保険で、中小企業の従業員が加入し、その家族は被扶養者として保険給付を受けます。詳しくはこちらをご覧ください。
自分がどこの健康保険に加入しているかわからない
自分がどこの健康保険に加入しているかは保険証で確認できます。「全国健康保険協会」と記されていれば協会けんぽに加入していることになります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
年金は何種類ある?厚生年金などの公的年金と私的年金の違い
一口に年金といっても、その種類はたくさんあります。国の制度である厚生年金などの公的年金だけでなく私的年金もあり、仕組みも複雑です。 本稿では年金の種類とともに、厚生年金などの公的年金と私的年金の違いについて解説します。 年金は合計6種類ある…
詳しくみる社会保険診療報酬支払基金とは? 保険医療機関との関わり
社会保険支払基金(社会保険診療報酬支払基金)は、病院などの保険医療機関で働いている人にとって目にする機会の多い名称ではないでしょうか。診療費の請求やレセプトの送付など、日々の業務で実際にやり取りをしている人も少なくないと思います。 ここでは…
詳しくみる国民健康保険に扶養はある?加入手続きの注意点も解説
日本は国民皆保険制度を採っているため、全国民に健康保険への加入を義務付けています。退職によって社会保険の資格を喪失した際や、フリーター・アルバイトで親の扶養から外れた場合、自営業の方などは国民健康保険への加入が必要です。この記事では、国民健…
詳しくみる時間外労働の上限規制とは?働き方改革法施行後の変化を読み解く
そもそも時間外労働とは?残業時間との違い 時間外労働の上限規制について解説するうえで、ここではまず時間外労働がどういったものなのか考えていきましょう。 そもそも労働基準法第32条において、「法定労働時間(1日8時間、1週40時間)」が定めら…
詳しくみる社会保険料とは?計算方法や負担額、法改正の内容をわかりやすく解説!
社会保険制度とは、病気やケガ、死亡、出産、老齢、失業、介護などに備えて、企業や被保険者が保険料を負担して保険給付を受けることができる公的な保険制度のことです。 今回は、社会保険料を決定する基準や負担額の計算方法を解説するとともに、法改正で注…
詳しくみる社会保険は口座振替できる?手続きや提出方法を解説!
社会保険料は会社が国に保険料を納付する義務のある保険料です。皆さんの会社では、社会保険料を納付する際にどのような手続きをされているでしょうか。 今回は、社会保険料の納付の手続きについて、支払方法にはどのような種類があるか、口座振替はできるの…
詳しくみる