• 更新日 : 2023年11月29日

個人事業主とは?定義やメリット、開業方法・フリーランスとの違いを解説

個人事業主とは?開業するメリットや法人・フリーランスとの違いも解説!

個人事業主とは、法人を設立せずに、事業を行っている人を総称した言葉です。個人事業主として事業を新たに開始した場合、原則として1ヵ月以内に管轄の税務署へ開業届を提出する必要があります。

この記事では、個人事業主の定義や法人・フリーランスとの違い、個人事業主になるメリット、個人事業主が納める税金など、「個人事業主」について大まかなイメージがつくように、詳しく解説します。

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個人事業主の定義は?

個人事業主の定義は?

個人事業主とは、事業を営む個人のことを指します。事業とは、原則として独立・反復・継続という3つの要素をすべて満たして行っている仕事のことです。そのため、量的・金額的に一定規模の仕事になることが多いです。

独立・反復・継続して一定規模の仕事をしている場合は、その仕事は事業となり、個人事業主として仕事をしていることになります。サラリーマンの副業であっても、一時的な仕事は事業にはなりません。

個人事業主と法人の違いは?

個人事業主とは、法人を設立せず事業を営む個人のことです。一方、法人とは、法律で個人と同じように権利や義務を持つ資格や人格(法人格)を与えられた組織や団体のことです。そのため、法人になるには、一定の資金(資本金)を用意したり、法務局で登記を行ったりする必要があります。

一般的に、個人に比べて、法人のほうが信用が得やすい、利益が大きい場合の税率が低いなどのメリットがあります。しかし、会計処理や事務処理などの業務が多くなるなどのデメリットもあります。

個人事業主と法人の違いについては、以下の記事や動画で詳しく解説していますのでご参照ください。

個人事業主とフリーランスの違いは?

フリーランスとは、会社などの組織に属さず、独立して個人で仕事を請け負う働き方、もしくはその働き方をしている人のことをいいます。したがって、フリーランスであっても法人の代表となる人もいれば、「個人事業主でフリーランス」という人もいます。個人事業主とフリーランスの違いについては、以下で詳しく解説していますのでご参照ください。

個人事業主か法人で迷ったときの考え方

個人も法人もそれぞれメリット・デメリットがあり、会社形態に応じた明確な有利不利はありません。どちらを選択するか迷ったときは、自身の事業にとって何が最優先であるかを基準に判断するのがベストです。判断基準の例を挙げてみましょう。

1.実効税率の比較

会社の利益(所得)に対して個人事業主は所得税や個人事業税、住民税が課税されます。一方、法人は法人税や法人事業税、法人住民税が課税されます。所得に対して発生する税負担の割合を「実効税率」と呼びますが、自身の所得金額に応じて個人事業主と法人の実効税率を比較して判断する方法です。

個人・法人の実効税率の比較

※個人事業主については基礎控除以外の控除なし、65万円の青色申告特別控除適用あり。個人事業税の税率を5%として計算しています。

※法人については東京都新宿区にある資本金1,000万円、従業員50名以下で計算しています

所得金額が大きくなるほど個人事業主の方が税負担率が高くなりますので、利益が多い場合は法人を選択するのが有利です。

ただし、法人設立の場合、登録免許や定款認証手数料など、20万円以上の初期費用がかかるといった側面もあります。


2.会社の信用力

顧客や取引先に与える信用力で判断する方法です。個人事業主は税務署に「開業届」を提出するだけで開業できる簡便性がメリットです

反面、事業の実態を公的に証明できるものが少ない(確定申告書の控えなど)ため、顧客や取引先、金融機関等に与える信用力が薄くなりがちです。

それに対して法人は、開業するにあたって法務局で「設立登記」を行い商業登記します。登記後は公的な証明として登記事項証明書が取得できるようになり、実態のある会社であることを対外的にアピールできます。会社の信用力向上を重視する場合は、法人のほうが有利でしょう。

個人事業主として開業するメリットは?

会社員などが、個人事業主として開業することには、さまざまなメリットがあります。
代表的なメリットは、次のようなものです。

個人の実力で収入を増やすことができる

個人事業主として開業する理由として多いのが、個人の実力で収入を増やせることです。

会社員の場合は、上司など他者との関係性より、給料が決まることも少なくありません。しかし、個人事業主は、実力次第で自分の力で会社員のときよりも収入を増やせるでしょう。

定年がなく働ける

定年がなく働けることも、個人事業主として開業するメリットです。もちろん、個人事業主であっても、一定の年齢になるとリタイアすることがあります。しかし、工夫次第で会社員よりも長く働けるケースもあるので、定年やリタイア後に生活するための資金についての心配が会社員よりも少なくなります。

青色申告で最大65万円の控除を受けられる

青色申告特別控除とは、青色申告で確定申告を行う場合に受けられる控除のことです。一定の条件を満たすことで、最高65万円の控除が受けられます。

青色申告特別控除の適用を受けるためには、原則、その年の3月15日まで(新規開業した場合は開業後2か月以内 )に「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出する必要があります。

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個人事業主になるための手続きは?

ここからは、個人事業主になるための手続きについて見ていきましょう。

開業届を税務署に提出する

法人は、設立時に法務局で登記をする必要がありますが、個人事業主はどこかに登録する必要はありません。代わりに、税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を、事業開始から1か月以内提出します。

「個人事業の開業・廃業等届出書」とは、新たに事業を開始したときや、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき、または事業を廃止したときに提出するものです。詳しく知りたい方は、下記記事もご参考ください。

また、マネーフォワード クラウド開業届では、ガイドに沿って入力を進めれば最短5分で開業届の作成が可能で、無料でご利用いただけます。

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青色申告承認申請書を提出すれば赤字を繰り越しできる

青色申告承認申請書

青色申告をする場合は、青色申告承認申請書も開業届と併せて提出します。青色申告とは、正規の簿記による帳簿付けを複式簿記などで行うといった一定の条件を満たすことで、最大で65万円の青色申告特別控除などのさまざまな特典が受けられる制度のことです。

青色申告の特典のひとつに、赤字の繰り越しがあります。これは、赤字を翌年以降3年間、繰り越せるというものです。本年の赤字を翌年以降に出た黒字と相殺し、翌年以降の税金を抑えられます。

青色申告承認申請書も、マネーフォワード クラウド開業届を使って作成が可能です。(無料でご利用いただけます)

下記動画では25秒で、マネーフォワード クラウド開業届の簡単なサービス紹介をしていますので、併せてご参考にしてください。

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社会保険に関する手続きも忘れずに

個人事業主であっても、従業員を1人でも雇ったら、雇用保険や労災保険に加入する必要があります。また、物品販売業や製造業などの一定の業種の場合は、常時雇っている従業員が5人以上いれば、健康保険や厚生年金保険などの社会保険に加入する必要があります。条件に当てはまる場合は、社会保険に関する手続きも忘れずに行いましょう。

副業中のサラリーマンは個人事業主として開業が必要?

結論から言うと、サラリーマンの方の副業であっても、それが事業所得に該当すれば「開業届」を税務署に提出し開業する必要があります。

申告義務のあるサラリーマンの方が確定申告をする際、その所得を「事業所得」とするか「業務に係る雑所得」とするかがよく問題となります。事業所得は従来「その取引を営利性をもって反復継続して行うことで得られる所得」であるとされていましたが、青色申告制度を使って不当に税額を低くするケースがみられることから、令和2年新たに判断基準が追加されています。

事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。 なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、 業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。

引用:雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説|国税庁

事業所得と業務に係る雑所得を明確に区分する法律はありませんが、収入金額と帳簿書類の保存によって判断されるという点を覚えておきましょう。

個人事業主になったら確定申告が必要!

そもそも確定申告とは

個人事業主は、納付すべき税額がある場合には原則、税金を納める必要があります。会社員は勤めている会社で年末調整を行い、従業員の給料から天引きして税金を納めているので、年末調整で精算が終わる場合が多く、わざわざ確定申告等の税金の手続きをする必要がありません。

しかし、個人事業主になったら、自分で確定申告をする必要があります。そこで、ここでは個人事業主が納める税金と確定申告の方法を見ていきましょう。

個人事業主が納める税金は?

個人事業主が納める主な税金には、所得税、住民税、個人事業税、消費税の4つがあります。

所得税や住民税は、会社員と同様、所得がある場合に国や自治体に納める税金です。個人事業税は、個人が事業を行っていることに対する税金で、自治体に納めます。消費税は、モノやサービスの消費に課される税金で、一定規模の収入のある個人事業主が、顧客から預かった消費税を国などに納めます。

また、事業で所有しているものなどに応じて、固定資産税、自動車税などがあり、さらに印紙税、登録免許税などもあります。

個人事業主は毎年、忘れずにこれらの税金を納める必要があります。個人事業主が納める税金については以下で詳しく解説していますので、ご参照ください。

個人事業主の確定申告の方法は?

確定申告の大まかな流れ

個人事業主は、毎年翌2月16日から3月15日の間に確定申告を行い、税金を納める必要があります。確定申告では、以下を作成して所轄の税務署に提出します。

  • 「確定申告書」:納める税金の計算を行う書類
  • 「青色申告決算書」もしくは「収支内訳書(白色申告)」:売上や経費の明細等を記載し、所得金額(もうけ)を求める書類

確定申告書や青色申告決算書もしくは収支内訳書を作成するには、普段から帳簿付けや領収書の整理、保存などを行っておく必要があります。また、確定申告の提出方法には、紙ベースで申告書を作成して税務署に提出する方法と、e-Tax(電子申告)をする方法があります。

個人事業主の確定申告の方法については、以下の記事や動画で詳しく解説していますのでご参照ください。

個人事業主が利用できる給付金・助成金は?

実は、個人事業主であっても利用できる給付金や助成金は多くあります。

  • 開業を支援するために自治体が行っている、いわゆる創業支援金
  • ITツールの導入費用を補助するIT導入補助金

給付金や補助金は募集期間などが決まっていることが多いです。募集期間に注意し、利用できる給付金や補助金があれば、積極的に活用しましょう。

個人事業主が経費にできるものは?

個人事業で支払う経費のなかには、事業所得の計算をするにあたって必要経費にできるものとできないものがあります。

必要経費にするためには、その支出が「事業として収益を得るために直接要したもの」であることが要件です。

例えば、商品の仕入は売上(収益)を得るために支出しなければならないものですから必要経費となります。商品を届けるために使用する車両のガソリン代やドライバーの人件費、車両の整備費用なども必要経費に該当します。

プライベートと事業の経費が混同するような支出に注意

ただし、個人事業主の場合、特に注意しなければならないのがプライベートと事業の経費が混同するような支出です。

自宅の一部を事業所として兼用しているような場合、そこで使用する電気料金や電話料金、家賃などをプライベートと事業で明確に区分することが難しいケースがあります。

先にも述べましたが、必要経費となるのは「事業として収益を得るために直接要した」部分だけであり、プライベートの部分まで含めて必要経費とすることはできません。

したがって、プライベートと事業が混同する支出については面積や時間など、客観的に判断できる一定の基準を設けて按分しなければなりません。具体的な基準例を挙げてみましょう。


①自宅兼事業所で支出する家賃や公共料金、固定資産税など

→建物のうち、事業として使用している部分の床面積

車両の経費として支出するガソリン代や車検費用など

→総走行時間のうち、事業として使用している時間

③仕入れた食材を自宅でも使用している場合など

→一回あたりの消費単価を設定し、消費した回数をカウントする


按分計算の結果、プライベート部分とされた支出については必要経費とはなりませんので、事業主貸勘定で処理することになります。

必要経費について詳しく知りたい方は、以下のリンクを参照してください。

個人事業主は消費税を納める必要がある?

消費税は国内で提供される商品の売買、サービスの提供などの取引に対して課される間接税です。

消費税の課税対象となるのは事業者が行う取引であり、個人事業主や法人といった事業形態は関係ありません。したがって、事業を行う個人事業主も消費税の納税義務が生じる可能性があります。

課税事業者に該当するかどうかは、売上や雑収入などの収益のうち消費税が課税される取引の合計額で判定します。これを「課税売上高」と呼びます。なお、課税売上高の判定は「前々年分(基準期間)の課税売上高」で行う点に注意しましょう。

基準期間の課税売上高に応じた消費税の納税義務について見ていきましょう。

課税事業者

1.本則課税事業者

基準期間の課税売上高が5,000万円を超える事業者、または課税売上高が5,000万円以下で本則課税を選択した事業者は本則課税事業者となります。本則課税は、受け取った消費税から負担した消費税を控除し差額を納税する方法です。全ての収益や経費の取引中に含まれる消費税額を計算し、受け取った額と負担した額をそれぞれ集計した額を納税することになります。

2.簡易課税事業者

基準期間の課税売上高が1,000万円超5,000万円以下の事業者のうち「簡易課税制度」を選択した事業者は簡易課税事業者となります。簡易課税は、課税売上高にその取引内容に応じた割合を乗じて負担した消費税額(みなし仕入)を計算し、差額を納税する方法です。本則課税と比べて負担した消費税額を個別に集計する必要がないので簡単に納税額を計算することができます。

免税事業者

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は免税事業者となります。免税事業者の場合、消費税を納税する義務はありません。

収益も経費も全て消費税込みで処理しますが、課税事業者のように取引金額から消費税額を計算し納税する必要はありません。

消費税の納税義務について詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。

個人事業主におすすめのクレジットカードは?

個人事業主の方も、安全かつスピーディに代金決済を行えるクレジットカードがあれば何かと便利です。個人事業主がクレジットカードを選ぶ際のポイントは、年会費や手数料といった経費の負担が少ないこと、ポイント還元率が高いことです。また、カード発行までに時間がかからないこと、与信が通りやすいことなども検討すべき項目でしょう。

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※執筆時の情報となりますので、最新の情報は、マネーフォワード ビジネスカードの詳細ページでご確認ください

個人事業主の確定申告は会計ソフトがおすすめ!

個人事業主は原則として、確定申告を毎年行う必要があります。確定申告では、確定申告書と青色申告決算書もしくは収支内訳書を作成する必要があります。しかし、自分で作成すると、計算間違いや転記間違いなどが発生し、納める税金の金額を誤って計算してしまう可能性があります。

そこで、利用したいのがマネーフォワード クラウド確定申告などの、会計ソフトです。会計ソフトを利用すると、日々の帳簿付けを簡単にできます。また、各科目の合計金額が自動で決算書に転記されるなど、間違いがなく申告書や決算書を作成できます。正しく税金を納めるためにも、個人事業主の確定申告では、会計ソフトを利用しましょう。

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よくある質問

個人事業主とは何ですか?

個人事業主とは簡単にいうと、事業を営む個人のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主とフリーランスの違いは?

フリーランスは働き方、個人事業主は税法の区分を表す言葉です。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主が納める税金は?

個人事業主が納める主な税金には、所得税、住民税、個人事業税、消費税の4つがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

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