- 更新日 : 2025年9月9日
Web給与明細システムとは?メリットや導入時の注意点
給与明細を紙での配付から電子化してWeb上で見られるようにすると、会社は業務負担軽減やコスト削減を図ることができ、従業員はいつでもどこでも自分の給与明細の閲覧・確認が可能になります。専用型・給与計算一体型・労務管理一体型の3種類のシステムがあり、それぞれのメリット・デメリットを考慮して自社に合うものを導入することが大切です。
目次
給与明細のWeb化とは?
従業員が給与明細をインターネット上で見られるようにすることを、給与明細のWeb化と言います。従来は紙に印刷して渡していたものを、従業員のパソコンやスマホに表示されるようにすることです。
平成19年1月1日より給与所得の源泉徴収票等の電子交付が認められるようになり、平成19年度税制改正において対象書類が拡大されたことにより、給与明細についても電子化されるようになりました。
参考:給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A|国税庁
電子化は、メール送信とWeb化の2つの方法があります。メール送信は、各従業員宛に個別に送信する必要があるため、給与明細の電子化にはWeb給与明細システムが多く用いられています。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
給与明細電子化マニュアル
こちらは「給与明細電子化マニュアル」の資料です。給与明細の電子化をご検討中、または導入を進めている企業様向けの資料となります。
情報収集や実務の参考資料として、ぜひご活用ください。
給与明細(自動計算できる計算式入り)
こちらは「給与明細(自動計算できる計算式入り)」の資料です。給与計算を自動で行うための計算式が設定されています。
日々の給与計算業務の参考資料として、ぜひご活用ください。
給与計算 端数処理ガイドブック
給与計算において端数処理へのルール理解が曖昧だと、計算結果のミスに気づけないことがあります。
本資料では、端数処理の基本ルールをわかりやすくまとめ、実務で参照できるよう具体的な計算例も掲載しています。
給与計算がよくわかるガイド
人事労務を初めて担当される方にも、給与計算や労務管理についてわかりやすく紹介している、必携のガイドです。
複雑なバックオフィス業務に悩まれている方に、ぜひご覧いただきたい入門編の資料となっています。
Web給与明細システムの種類と特徴
給与明細をWeb化するためには、システムを導入する必要があります。システムにはたくさんの種類がありますが、大きく3つの種類に分類されます。それぞれの特徴やメリット・デメリットは以下の通りです。
専用型システム
専用型は、給与明細をWeb化するだけのシステムです。ほかで作成した給与明細データを取り込み、Web化して従業員に配信します。そのため給与明細データは別途に、手計算や給与計算システムによって作成しなければなりません。別途作成した給与明細データをCSV形式で取り込んだり、API連携で読み込んだりして、Web化して従業員に配信します。
専用型のメリット・デメリットは以下の通りです。
- メリット:シンプルなシステムのため、簡単に取り扱える、安価で、試してみやすい
- デメリット:給与計算は別途に行い、データ取り込みの作業をしなければならない
給与計算一体型システム
給与計算一体型は、給与計算から明細のWeb化までが一体になっているシステムです。給与計算に必要な情報(控除内容・勤怠状況の情報)を入力することによって給与計算を行い、給与明細を作成してWeb化後に配信します。
給与計算一体型のメリット・デメリットは以下の通りです。
- メリット:別途に給与計算を行う必要がない
- デメリット:使用中の給与計算システムからの移行作業をしなければならない
労務管理一体型システム
給与明細のWeb化によって給与計算、さらに従業員の労務管理までを一括して行うシステムです。入社手続き・社会保険や雇用保険の管理・マイナンバー管理・所得税や年末調整に関する事柄など、労務に必要な管理をすべて行うことができます。さらに人事管理までできるシステムもあります。
労務管理一体型のメリット・デメリットは以下の通りです。
- メリット:労務管理全般をまとめることができ、業務の負担が軽減できる。一元管理のため、無駄な作業が発生しない
- デメリット:価格が高く、初期費用が高額になる。多機能なため、取り扱いが難しい
給与明細をWeb化するメリット
システムを導入して給与明細を従来の紙のものからWeb上で見られるものに変えると、どのようなことが期待できるのでしょうか?給与明細のWeb化には、次のようなメリットがあります。
いつでもどこでも閲覧できる
Web化された給与明細は、インターネットを通じて従業員宛に配信され、従業員はパソコンやスマホを使って見ることができます。このため従業員は以下が可能になります。
いつでも閲覧できる
Web化された給与明細は時間に関係なく、いつでも見ることができます。必要な場合にすぐに給与明細の閲覧・確認が可能です。
どこでも閲覧できる
紙の給与明細は、手元になければ見ることができません。また出張やテレワークなどで出社していないと給与明細を受け取れず、見ることもできません。Web化された給与明細は、インターネットがつながっていれば、どこでも閲覧することができます。
また、紛失したり誤って廃棄したりする心配も、Web化された給与明細にはありません。収納場所や保管の手間も要らず、必要なときに容易に閲覧・確認が可能です。Web化された給与明細は一度見た後もそのまま残り、期間をおいた後に再び閲覧することもできます。過去分をさかのぼって確認でき、家計管理に役立てることができます。
業務の負担を軽減できる
Web化した給与明細は配信が簡単で、従来の手間に比べて大幅に負担を軽減できます。紙の給与明細は、印刷・封入・配付を行わなければなりませんが、Web化した給与明細はこれら作業を行う必要はありません。データが作成できれば、クリックするだけで配信業務を完了することができます。
また紙の給与明細は違う場所で勤務していたり、テレワークで働く従業員に対しては郵送するなどの対応が必要ですが、Web化すればこの作業も不要になります。紛失などの理由で再発行を希望する従業員にも、簡単に対応できます。
ペーパーレス化でコストが削減できる
Web化すれば当然、紙の給与明細は廃止になります。封筒などと合わせてペーパーレス化でき、紙資源使用量とかかる費用を減らすことができます。専用用紙の購入費用や印刷代も不要になり、コスト削減が可能になります。
また、給与明細を印刷・封入・配付にかかる作業も不要になり、かかる人件費を削減することもできます。出向やテレワークのために手渡しできない従業員に対して送付するための手間や発送費用も要らなくなります。
Web給与明細システムを使用する際の注意点
給与明細は、従業員が自分の給与を確認するために必要な、大切な書類です。給与支給時に各従業員に確実に届くよう、作成・配付には万全を期さなければなりません。給与明細のWeb化を行う際のシステム導入・使用の際は、以下の点に注意する必要があります。
自社に必要な機能が備わっているか
給与明細をWeb化するためには、システムが導入できる体制を整える必要があります。体制の整備には機器の準備、対応にあたる人員の配置、予算の確保などが不可欠です。特に機器は、自社に導入するシステムに対応したものを用意しなければなりません。システムによって違うため、細やかな確認が必要です。
また、従業員の同意がなければ、給与明細のWeb化はできません。同意が得られない従業員に対しては、従来通りに紙の給与明細を出す必要があります。従業員からの意見収集も、給与明細のWeb化で会社に必要な作業のひとつです。
従業員が活用できる環境にあるか
給料明細のWeb化は、会社側が配信できるようにするだけではなく、従業員側がきちんと受け取れるようにしなければなりません。会社には、各従業員がWeb化された給与明細を受け取り・閲覧できる環境にあるかどうかを、確認する必要があります。Web化された給与明細を受け取れない従業員に対しては環境整備を手助けしたり、従来通りの紙の給与明細を出したりするといった対応が求められます。
従業員がきちんと操作できるよう、教育も必要になります。また給与明細がWeb化されると、パスワードを入力しないと自分の給与明細を見ることができなくなります。情報漏洩を防ぐためにパスワードの安全な取り扱い方についての指導も、会社が責任を持って実施することが求められます。
給与明細のWeb化を進める前に、自社の現状を一度確認しよう
給与明細をWeb化することで、業務の負担軽減やコスト削減につながるなど、多くのメリットがあります。
とはいえ、給与明細のWeb化には従業員の同意はもちろん、現在の仕組みが大きく変わることから、従業員がうまく対応できるかについて気を配る必要があります。
せっかくシステムを導入したのに、上手く機能しなかった、ほとんど使用しないかたちになってしまったなど、導入後に後悔をしないためにも、関係者と事前のすり合わせを綿密に行いましょう。
よくある質問
給与明細Web化とは何ですか?
給与明細をパソコンやスマホで見られるようにすることです。詳しくはこちらをご覧ください。
給与明細をWeb化するメリットは何ですか?
従業員に配る手間がなくなることの業務負担軽減、ペーパーレス化によるコスト削減などが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
給与計算ソフトの関連記事
新着記事
働きがいのある職場とは?・特徴・メリット・つくり方を解説
Point働きがいのある職場とは? 働きがいのある職場とは、社員が仕事に誇りと成長を実感し、自律的に貢献できる環境です。 信頼・尊重・公正が職場文化に根づく 意見しやすく成長を支え…
詳しくみる就業規則を会社が守らないときはどこに相談すべき?相談先と対処法を解説
Point会社が就業規則を守らないとき、どこに相談すればいい? 就業規則を会社が守らない場合、違反内容に応じて相談先を使い分けることが最短での解決につながります。 違法性が明確なら…
詳しくみる運送業の就業規則とは?記載必須事項や業界特有の注意点を解説
Point運送業の就業規則は何を定めるべき? 運送業の就業規則は、労働時間管理や安全運行ルールなどを明記する文書です。 改善基準告示と年960時間上限を反映する 36協定と運行・車…
詳しくみる飲食店の就業規則は必要?作成義務・メリット・記載内容と注意点を解説
Point飲食店に就業規則は必要? 就業規則は、飲食店の従業員が常時10人以上いる場合に作成・届け出が義務です。 労働基準法で記載項目が定められている 届け出には労働組合または従業…
詳しくみる給与計算は誰でもできる?業務の基本・必要スキル・効率化の方法を解説
Point給与計算は誰でもできる? 給与計算は資格がなくても可能ですが、正確性と法令対応が求められる専門性の高い業務です。 ソフトで自動化すれば初心者も対応可能 法改正への継続的な…
詳しくみる給与計算の代行には資格が必要?依頼できる業務内容や費用相場を解説
Point給与計算の代行に資格は必要? 給与計算は資格がなくても代行可能ですが、業務範囲により有資格者の関与が必要です。 給与計算自体は資格不要 税務は税理士、労務手続きは社労士 …
詳しくみる
.png)

