- 更新日 : 2026年3月31日
年末調整と住民税の関係
住民税とは、自分の住む地域を維持していくための費用を住民自身が負担するというシステムの下、設定された税金です。所得に応じて課される税のため、基本的なしくみは所得税と同じです。
市町村民税・道府県民税をあわせて、住民税と呼び、その区分は地方税になります。
また、個人として納付する住民税は、正式には「個人住民税」と呼びます。法人が納める「法人住民税」と区別するため、このように呼ばれています。
前年分の年末調整の所得が基準
住民税に関してもっとも注意しなければいけないのは、「前年分の所得に対して課税される」という点です。
給与の場合は、当該月に支払われる給与に応じた所得税が源泉徴収されることになります。一方で住民税は、その年の1月1日時点における住所地で、1月1日から12月31日までの1年間の所得を対象として課税します。基準が1月1日時点のため、仮に1月2日以降に引っ越しを行っても、1月1日時点の住所地における納付が必要です。
また、前年の年末調整における所得を基準とするため、退職によって所得がなくなった場合であっても、前年度の所得に応じた金額を納める必要があります。
前年度の収入が多いほど住民税の金額も増加するため、高収入を得ていた人が急に退職するとなった場合は注意が必要です。
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住民税の納付方法
住民税の納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」の2通りがあります。
一般論として、会社に勤める人は特別徴収で、それ以外であれば、普通徴収によって納付することになります。
特別徴収
特別徴収とは、事業主が本人に代わり納付する方法です。
- 毎年5月の末までに、各市町村から「特別徴収税額通知書」と呼ばれる各従業員が支払うべき住民税額の一覧表が送付されます。2部届くので、1部を切り離し、従業員に渡しましょう。
- 会社は、6月より天引きを開始し、翌年の5月までの1年間、従業員に支払う給与から住民税を毎月天引きします。
- 給与から天引きされた住民税は、給与の支払月の翌月10日までに、各市町村に対し、会社がまとめて納付します。
なお、当該年度において中途入社した従業員がいる場合には、特別徴収へ切り替えるための「特別徴収切替届出(依頼)書」の提出が必要です。
従業員が年度の途中で退職した場合は翌月以降の分を徴収する必要はありませんが、特別徴収異動届を提出する必要があります。
なお、多くの市町村では、従業員が1月以降に退職した場合は「退職月から5月までの住民税」を最後の給与からまとめて徴収して納めることになります。
普通徴収
普通徴収は、個人事業主や年金生活者、退職者など、給与が支給されないために住民税の天引きができない人が対象の納付方法です。
- 毎年5月中に、各市町村より納税通知書・納付書が郵送されます
- 納付書を使い、直接役所・金融機関の窓口・コンビニなどで支払います
市町村により支払月は異なりますが、原則として6月・8月・10月・翌年1月の4期制です。
また、4期分を一括して納付することも可能です。
年末調整においての住民税額の決定方法
では、住民税額の決定はどのようになされているのでしょうか。
住民税額の決定には、年末調整が重要な役割を果たしています。
年末調整は、毎月の給与・賞与などから源泉徴収されている税額と、その年の給与などから所得税額を算出し、比較し、過不足額を精算するために行います。
各会社は、年末調整の作業とあわせて、税務署に提出する「源泉徴収票」と、従業員が1月1日時点で居住している市町村に提出する「給与支払報告書(個人別明細書)」を作成しています。
「源泉徴収票」と「給与支払報告書(個人別明細書)」は、様式がよく似ており、1年間に支払われた金額の総額や、給与所得控除を行った後の金額、所得控除後の合計額に加え、源泉徴収税額なども記載されています。
各市町村は、「給与支払報告書(個人別明細書)」に記載された内容をもとにして、住民税額の計算を行い、「特別徴収税額通知書」を発行することになります。
年末調整を行っていても確定申告が必要な場合
ただし、年末調整を行った場合でも、給与所得以外の収入がある、医療費控除を受けた、2箇所以上から給与がある、などのケースは、確定申告を行う必要があります。
この場合は、確定申告の際に税務署に提出する「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」とあわせて作成する「住民税の確定申告書」をもとに、各市町村が住民税額の計算を行います。
年末調整と住民税の関係について正しい理解を
住民税の金額は、前年の年末調整での所得額を基準に市町村が計算をします。
会社を退職した場合、別の会社に再就職すればその会社で特別徴収を継続することも可能ですが、再就職をしなければ住民税はその個人に直接請求されます。そのため、住民税の負担が退職後の生活に影響を及ぼすことも十分に考えられます。
退職などで前年と比べて所得が大幅に減ることが予想される場合は、住民税の負担を前もって考慮しておく必要があります。
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