- 更新日 : 2025年12月29日
【テンプレ付】労災事故報告書とは?提出義務がある事故や記入例を解説
労災事故報告書は、一定の労災事故があったことを届け出る際に用いる書類です。事業場内で火災などが発生した場合は、労働安全衛生規則第96条の規定により、様式第22号を用いて報告しなければなりません。作成者は事業主、届出先は所轄労働基準監督署、提出期限は「事故発生後遅滞なく」となっています。提出を怠ると、労災隠しとみなされる恐れがあります。
目次
労災事故報告書とは?
一定の労災(労働災害)が発生した場合は、報告義務が課せられています。提出が必要とされる書類の一つが、労災事故報告書です。労災事故報告書とは何か、提出する目的、どんな事故に必要か、誰が作成しどこに提出するか、その義務・期限について説明します。
労災事故報告書とは何か?
労災事故報告書は、報告義務のある労災が発生した場合、提出が求められる書類です。労働安全衛生規則第96条に規定する事業場内での火災や爆発などの事故があった場合に、労働基準監督署へ提出します。労災事故が発生した状況や原因を把握し、再発を防止する目的で作成・提出が義務づけられています。事業者が作成し、労災事故発生後に遅滞なく提出しなければなりません。
労働者死傷病報告との違い
労災が発生した場合の報告に用いる書類には、労災事故報告書の他に労働者死傷病報告があります。労働者死傷病報告は労働安全委衛生規則第97条に規定されている書類で、労働者が労災により死亡、あるいは休業した場合に提出が求められます。労災事故報告書は、被災したことによって死亡・休業した労働者の有無に関わらず提出が必要である点が異なります。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労災対応がよくわかるガイド
前半で労災の基礎知識と実務の流れを、後半でケーススタディとともに労災認定のポイントを解説しています。
一連の実務対応手順をステップにわけて紹介していますので、手元に置いておくと労災発生時の対応にも困りません。
‐入社・退職・異動編‐ 社会保険・労働保険の手続きガイド
企業において社会保険および労働保険の加入・喪失手続きは必ず発生し、手続きを誤れば保険事故が発生した際に従業員が不利益を被る可能性があります。
各保険の基本的な手続き方法を入社・退職・異動のシーン別にギュッとまとめた分かりやすいガイドです。
年度更新の手続きガイドブック
年度更新とは、年間の労働保険料(労災保険料・雇用保険料)を申告・納付するための手続きです。
本ガイドでは、年度更新の具体的な対応手順をはじめ、ミスの発生を防ぐ10のポイントをわかりやすく解説します。
社会保険・労働保険の実務完全ガイド
これ1冊でしっかり網羅!社会保険および労働保険は、従業員の生活上・労働上のリスクに備えるための公的保険制度です。
本資料では社会保険・労働保険で発生する各種手続き方法を、入社・退職時や妊娠・出産時などのシーン別にまとめました。
労災事故報告書の提出義務がある事故やケース
以下のような事故が発生した場合は、労災事故報告書の提出が必要です。
- 事業場や附属建設物内での、次の事故①火災または爆発
②遠心機械、研削といし、その他高速回転体の破裂
③機械集材装置などの切断
④建設物、附属建設物、機械集材装置、煙突などの倒壊 - ボイラーの破裂、煙道ガスの爆発などの事故
- 小型ボイラー、第一種圧力容器などの破裂の事故
- クレーンの逸走などの事故
- 移動式クレーンの転倒などの事故
- デリックの転倒などの事故
- エレベーターの昇降路などの倒壊などの事故
- 建設用リフトの昇降路などの倒壊などの事故
- 簡易リフトの機器の墜落などの事故
- ゴンドラの逸走などの事故
労災事故報告書の書き方
労災事故報告書の必要項目は、以下のとおりです。
- 事業の種類
日本標準産業分類の中分類により記入します。
- 事業場の名称
- 労働者数
- 事業場の所在地
- 労災事故の発生場所
- 労災事故の発生日時
- 事故を発生した機器などの種類
事故発生の原因となった次の機械などについて、それぞれ次の事項を記入します。- (1)ボイラー、圧力容器に係る事故については、ボイラー、第一種圧力容器、第二種圧力容器、小型ボイラー、小型圧力容器のうち該当するもの
- (2)クレーンなどに係る事故については、クレーンなどの種類、型式、吊上げ荷重、積載荷重
- (3)ゴンドラに係る事故については、ゴンドラの種類、型式、積載荷重
- 下請事業の場合は親事業場の名称(建設業の場合は元方事業場の名称)
- 事故の種類
火災、鎖の切断、ボイラーの破裂、クレーンの逸走、ゴンドラの落下など、具体的に記入します。 - 人的被害
「その他の被災者の概数」の欄には、届出事業者の事業場の労働者以外の被災者の数を記入します。 - 物的被害
「建物」の欄には構造及び面積、「機械設備」の欄には台数、「原材料」及び「製品」の欄にはその名称及び数量を記入します。 - 事故の発生状況
- 事故の原因
- 事故の防止対策
事故の発生を防止するために今後実施する対策を記入します。 - 参考事項
労災事故において参考になる事項を記入します。 - 報告書作者氏名
労災事故報告書の記入例
労災事故報告書は、以下のように記入します。

労災事故報告書のテンプレート・ひな形
この記事で紹介した労災事故報告書のテンプレートは、以下からダウンロードすることができます。
労災事故に関わる手続きの流れや対応
労災事故が発生した際に必要な手続きとその方法は、以下の通りです。
- 死亡、重大な労働災害・事故が発生した場合↓直ちに発生地を管轄する労働基準監督署に電話連絡↓遅滞なく労働者死傷病報告書・労災事故報告書を所轄の労働基準監督署に提出
- 1.以外の休業を伴う労働災害が発生した場合↓遅滞なく労働者死傷病報告を所轄の労働基準監督署に提出
- 事業場内での火災や爆発などの事故が発生した場合↓遅滞なく労災事故報告書を所轄の労働基準監督署に提出
労災隠しとならないよう、労災事故報告書はきちんと提出しよう
事業場などで火災や爆発、建設物・クレーンの倒壊、ワイヤロープの切断などの労災事故が発生した場合は、労災事故報告書の提出が必要です。様式第22号の形式を用いて、事故発生後に遅滞なく所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。
労災事故報告書は、死傷した労働者がいる労災事故が発生した場合に提出が必要な労働者死傷病報告とは異なります。対象となる労災事故が発生した場合、必ず所轄労働基準監督署へ提出する必要があります。提出を怠ると労災隠しとみなされる恐れがあるため、事故の大小に関わらず、きちんと提出義務を果たしましょう。
よくある質問
労災事故報告書は、負傷者がいなくても提出しなければなりませんか?
事業場内での火災や爆発など、定められた事故が発生した場合は、負傷者の有無に関わらず労災事故報告書の提出が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
労災事故報告書の提出先は?
労災事故報告書の提出先は、所轄労働基準監督署です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
労災の関連記事
新着記事
役員社宅を賢く経費にする方法は?節税メリットから賃料計算まで徹底解説
Point役員社宅の経費化とは? 役員社宅は、賃料相当額を正しく計算・徴収すれば合法的に経費化でき、大きな節税効果があります。 会社負担の家賃は損金算入可能 賃料相当額の計算が必須…
詳しくみる組織開発とは?人材開発との違いや代表的な手法、成功に導くプロセスを徹底解説
Point組織開発とは、組織全体の関係性と機能を高める取り組み。 組織開発は、人と人の相互作用を改善し、変化に強い組織をつくるプロセスです。 関係性と対話に焦点 個人でなく組織全体…
詳しくみるキャリアパス面談で何を話すべきか?理想の将来を描き自己成長につなげるための完全ガイド
Pointキャリアパス面談とは、将来像を言語化し成長戦略を描く対話です。 キャリアパス面談は、理想の将来と市場価値向上を実現するための戦略設計の場です。 将来像と現状の差を明確化 …
詳しくみるストレスチェック結果の提供同意書とは?取得のタイミングや注意点を徹底解説
Pointストレスチェック結果の提供同意書とは、結果を事業者へ共有するための法定手続きです。 ストレスチェック結果は、本人の明示的同意がなければ会社は取得できません。 事前同意は無…
詳しくみるストレスチェックの方法とは?実施手順から事後措置までの実務を徹底解説
Pointストレスチェック方法とは、労働者の心理的負担を測定し、職場改善につなげる制度。 ストレスチェックは、正しい手順と事後措置まで実施して初めて有効です。 年1回以上の実施が原…
詳しくみるストレスチェック報告書の提出期限や書き方は?労働基準監督署への報告義務と作成手順を解説
Pointストレスチェック報告書とは、実施結果を労働基準監督署へ報告する法定書類です。 ストレスチェック報告書は、常時50名以上の事業場が年1回実施後、遅滞なく提出します。 対象は…
詳しくみる



