- 更新日 : 2025年10月31日
人事評価シートとは?書き方やテンプレートを紹介
人事評価シートは人事考課シート・行動評価シート・成果評価シートなどとも呼ばれ、人事評価を行う際に意欲・スキル・成果などを管理するためのシートです。あらかじめ評価項目を定めておき、評価基準に従い人事評価を行います。会社によって評価項目やフォーマットはさまざまです。当記事では、人事評価シートの概要とサンプルを紹介します。
目次
人事評価シートとは?
人事評価シートとは、人事評価を行う際に仕事に対する意欲やスキル、仕事の成果など重要事項を管理するためのシートです。会社の人事評価制度を元にあらかじめ評価項目を定めておき、評価基準に従って人事評価を行います。評価項目は会社のよって異なるのはもちろん、部署・部門によって異なることもあるでしょう。部署・部門の業務内容に則した評価軸で項目は決まります。
評価項目は、意欲・スキル・成果などで構成されるのが一般的です。人事評価への活用はもちろんのこと、評価基準を社員に知らしめることで、仕事への取り組み方を示す役割もあります。
人事評価シートを作る目的
人事評価シートを作成する一番の目的は、公平・公正に人事評価を行うことです。さらに、評価基準を明確化することで会社が求めることも明確となり、社員のモチベーションアップとキャリアアップにも繋がるでしょう。加えて、会社のカルチャーを浸透させるという意味でも、人事評価シートは重要です。ここでは、人事評価シートを作成する目的について、一つずつ紹介します。
人事評価を公平に行うため
人事評価シートを作成する1つめの目的は、公平な人事評価の実現です。人事評価は、客観的かつ公平・公正に行わなければなりません。評価方法や評価基準が複雑だったり、人によって異なっていたりすると、評価される社員は公平に評価されていないと不満を抱く可能性があります。
人事評価シートを作成し評価項目を定めておくことで、評価の根拠が明確になり公平・公正に人事評価を行うことができるでしょう。
なお、人事評価シートは人事評価制度を具体化したものという側面があります。人事評価制度に則ってなるべく具体的でわかりやすく、社員の納得が得られるように作成することが重要です。
社員のキャリアアップに繋げるため
人事評価シートを作成する2つめの目的は、社員のキャリアアップです。人事評価シートは、評価項目・評価基準という形で働き方を示す役割もあります。例えば、成果の評価項目をクリアするためには、業務目標を達成しなければなりません。
目標を達成するためには、社員は何を・いつまでに・どうすればよいかを考えるでしょう。人事評価シートに定められた評価項目・評価基準は、社員に対してどのように働くべきかを指し示すものです。人事評価シートに従って仕事を進めることで、社員のキャリアアップにも繋がります。
なお、評価項目は業務の特性に合わせて定める必要があるため、部署・部門ごとに設定した方がよいでしょう。例えば、営業職と一般事務では評価軸が異なります。人事評価シートを作成する際は、それぞれの評価軸に合った評価項目を設定してください。
評価基準の明確化と社員のやる気アップ
人事評価シートを作成する3つめの目的は、社員のモチベーションアップです。人事評価シートでは評価基準が明確化されるため、評価の根拠も明確になります。
人事評価の根拠が明確になると社員は正しく評価されていると感じ、仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。どのような成果を出せばどのくらい評価が上がるのかという評価基準が明確であれば、仕事のやる気も高まります。
社員は、正しく評価されていないと感じたときに大きくモチベーションがダウンします。社員のモチベーションダウンは業績にも影響するため、人事評価シートで評価基準を明確化し、正しく人事評価を行うことが重要です。
会社のカルチャー浸透
人事評価シートを作成する4つめの目的は、会社のカルチャーを浸透させることです。人事評価シートは人事評価制度を具体化したもので、会社のカルチャーを端的に表しています。
人事評価シートに記載された内容は、会社がどのような評価基準で社員を評価するのか、社員に何を期待しているのか、会社が何を目指しているのかを指し示す、非常に重要なものです。例えば、評価項目に資格取得に関する項目があった場合、会社は社員に対して資格の取得を期待していることがわかります。目標達成に関する項目の比重が大きければ、会社は成果を重視していることが明確です。
このように、人事評価シートは会社としてのあるべき姿と、社員に求めるものを示しています。会社のカルチャーを明示し浸透させるという意味でも、人事評価シートは非常に重要です。
人事評価シートの主な項目
人事評価シートに設定される主な評価項目は、意欲・スキル・成果などです。それぞれの項目に対して目標を設定し、その目標がどの程度達成できたかによって人事評価が行われます。目標の達成度は、数値化できない定性評価と、数値化可能な定量評価の2つの評価軸によって判断されるのが一般的です。ここでは、定性評価と定量評価について具体的に説明します。
目標達成度(定性)
まず、定性評価とは勤務態度や仕事に対する意欲など、数値化ができない目標に対し行う評価です。積極性・規律性・協調性など、抽象的になりがちな項目に対する評価が該当します。一般事務をはじめとした、数値で成果がわかりにくい業務に携わる社員を評価する際に必須の評価手法です。
例えば、「与えられた仕事に積極的に取り組んだか」という評価項目があった場合、数値で評価するのはなかなか難しいでしょう。抽象的な項目を評価する場合は数値化しやすい目標を設定し、達成度合いで判断します。具体的には、「社内勉強会に5回参加する」というような目標を設定すれば、達成度合いは一目瞭然です。
定性評価は難しく、社員の納得を得られにくいという特徴があります。定性評価を行う際は具体的な目標の設定・判断基準の明確化・客観的な評価を心がけましょう。
目標達成度(定量)
一方、定量評価は売上目標や販売目標など、数値化が可能な目標に対して行う評価です。定性評価とは異なり具体的な結果が伴うため、社員の納得を得られやすいという特徴があります。
ただし、社員の努力に関わらず、経済状況の悪化など外的要因で目標が達成できないこともあるでしょう。定量評価だけでは評価が偏るため、定性評価を組み合わせて人事評価を行うことが重要です。
例えば、売上目標は達成できなかったものの、仕事に対する姿勢や積極性・協調性が優れていれば、適切に評価しなければなりません。定量評価と定性評価を組み合わせることで、社員のモチベーションアップにも繋がります。
スキル・資格評価
スキルや資格に関する項目も、人事評価シートではポピュラーな評価項目です。社員に取得してほしいスキル・資格については、あらかじめ評価項目に組み込むことで取得を促すことができるでしょう。
一方、業務に直接関係の無いスキルや資格については、慎重に判断しなければなりません。例えば、自己啓発の一環として英語を勉強し、一定のTOEICスコアを達成したとします。自己研鑽に積極的で高い評価を与えたくなりますが、業務に関係がない場合は人事評価とは区別して判断すべきでしょう。なぜなら、人事評価は業務に関わる評価項目に対して、定性的・定量的に判断すべきだからです。人事評価シートにスキルや資格に関する評価項目を設ける際は、どのようなスキル・資格・自己啓発を対象とするのか基準を定めておくことが重要です。
人事評価シートのテンプレート(事務職)
人事評価シートの内容は会社や部署・部門に応じてさまざまです。マネーフォワードでは、無料で利用可能なテンプレートを用意しました。Word型式で簡単に編集できるため、人事評価制度に合わせて内容を調整してご利用ください。

人事評価シートのテンプレート(事務職)はこちらからダウンロード可能です。
人事評価シートのテンプレート(営業職)
続いて、営業職向けのテンプレートを紹介します。評価項目の一部は営業職の評価軸に合わせて調整済みです。営業職の社員については、こちらのテンプレートを元に人事評価を行うとよいでしょう。一般事務職向けのテンプレートと同様無料でダウンロードできるため、ぜひご利用ください。

人事評価シートのテンプレート(営業職)はこちらからダウンロード可能です。
人事評価シートを活用して公平な人事評価を行おう
今回は、人事評価シートについて解説しました。人事評価シートとは、人事評価を行う際に仕事に対する意欲やスキル、仕事の成果など重要事項を管理するためのシートです。
人事評価シートにはいくつかの目的があります。一番の目的は、正しい人事評価の実現です。評価基準を明確にすることで、客観的かつ公平・公正な人事評価を行うことができます。
正しい人事評価は、社員のモチベーションアップに大きく寄与することでしょう。また、評価項目・評価基準は会社が求る働き方を表すため、社員は人事評価シートに基づき仕事を行うことでキャリアアップが可能です。
さらに、人事評価シートには会社のあるべき姿や社員に求めることなど指し示し、会社のカルチャーを浸透させるという目的もあります。
マネーフォワードが提供する人事評価シートのテンプレートを活用し、公平・公正な人事評価を行いましょう。
よくある質問
人事評価シートとはなんですか?
人事評価を行う際に仕事に対する意欲やスキル、仕事の成果などの重要事項を管理するシートです。人事考課シート・行動評価シート・成果評価シートなどと呼ばれることもあります。 詳しくはこちらをご覧ください。
人事評価シートを作る目的について教えてください
人事評価シートを作成する目的は、公平・公正な人事評価を実現すること、社員のモチベーションやキャリアをアップすること、会社のカルチャーを浸透させることなどです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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