- 更新日 : 2024年9月3日
人事評価シートとは?書き方やテンプレートを紹介
人事評価シートは人事考課シート・行動評価シート・成果評価シートなどとも呼ばれ、人事評価を行う際に意欲・スキル・成果などを管理するためのシートです。あらかじめ評価項目を定めておき、評価基準に従い人事評価を行います。会社によって評価項目やフォーマットはさまざまです。当記事では、人事評価シートの概要とサンプルを紹介します。
目次
人事評価シートとは?
人事評価シートとは、人事評価を行う際に仕事に対する意欲やスキル、仕事の成果など重要事項を管理するためのシートです。会社の人事評価制度を元にあらかじめ評価項目を定めておき、評価基準に従って人事評価を行います。評価項目は会社のよって異なるのはもちろん、部署・部門によって異なることもあるでしょう。部署・部門の業務内容に則した評価軸で項目は決まります。
評価項目は、意欲・スキル・成果などで構成されるのが一般的です。人事評価への活用はもちろんのこと、評価基準を社員に知らしめることで、仕事への取り組み方を示す役割もあります。
人事評価シートを作る目的
人事評価シートを作成する一番の目的は、公平・公正に人事評価を行うことです。さらに、評価基準を明確化することで会社が求めることも明確となり、社員のモチベーションアップとキャリアアップにも繋がるでしょう。加えて、会社のカルチャーを浸透させるという意味でも、人事評価シートは重要です。ここでは、人事評価シートを作成する目的について、一つずつ紹介します。
人事評価を公平に行うため
人事評価シートを作成する1つめの目的は、公平な人事評価の実現です。人事評価は、客観的かつ公平・公正に行わなければなりません。評価方法や評価基準が複雑だったり、人によって異なっていたりすると、評価される社員は公平に評価されていないと不満を抱く可能性があります。
人事評価シートを作成し評価項目を定めておくことで、評価の根拠が明確になり公平・公正に人事評価を行うことができるでしょう。
なお、人事評価シートは人事評価制度を具体化したものという側面があります。人事評価制度に則ってなるべく具体的でわかりやすく、社員の納得が得られるように作成することが重要です。
社員のキャリアアップに繋げるため
人事評価シートを作成する2つめの目的は、社員のキャリアアップです。人事評価シートは、評価項目・評価基準という形で働き方を示す役割もあります。例えば、成果の評価項目をクリアするためには、業務目標を達成しなければなりません。
目標を達成するためには、社員は何を・いつまでに・どうすればよいかを考えるでしょう。人事評価シートに定められた評価項目・評価基準は、社員に対してどのように働くべきかを指し示すものです。人事評価シートに従って仕事を進めることで、社員のキャリアアップにも繋がります。
なお、評価項目は業務の特性に合わせて定める必要があるため、部署・部門ごとに設定した方がよいでしょう。例えば、営業職と一般事務では評価軸が異なります。人事評価シートを作成する際は、それぞれの評価軸に合った評価項目を設定してください。
評価基準の明確化と社員のやる気アップ
人事評価シートを作成する3つめの目的は、社員のモチベーションアップです。人事評価シートでは評価基準が明確化されるため、評価の根拠も明確になります。
人事評価の根拠が明確になると社員は正しく評価されていると感じ、仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。どのような成果を出せばどのくらい評価が上がるのかという評価基準が明確であれば、仕事のやる気も高まります。
社員は、正しく評価されていないと感じたときに大きくモチベーションがダウンします。社員のモチベーションダウンは業績にも影響するため、人事評価シートで評価基準を明確化し、正しく人事評価を行うことが重要です。
会社のカルチャー浸透
人事評価シートを作成する4つめの目的は、会社のカルチャーを浸透させることです。人事評価シートは人事評価制度を具体化したもので、会社のカルチャーを端的に表しています。
人事評価シートに記載された内容は、会社がどのような評価基準で社員を評価するのか、社員に何を期待しているのか、会社が何を目指しているのかを指し示す、非常に重要なものです。例えば、評価項目に資格取得に関する項目があった場合、会社は社員に対して資格の取得を期待していることがわかります。目標達成に関する項目の比重が大きければ、会社は成果を重視していることが明確です。
このように、人事評価シートは会社としてのあるべき姿と、社員に求めるものを示しています。会社のカルチャーを明示し浸透させるという意味でも、人事評価シートは非常に重要です。
人事評価シートの主な項目
人事評価シートに設定される主な評価項目は、意欲・スキル・成果などです。それぞれの項目に対して目標を設定し、その目標がどの程度達成できたかによって人事評価が行われます。目標の達成度は、数値化できない定性評価と、数値化可能な定量評価の2つの評価軸によって判断されるのが一般的です。ここでは、定性評価と定量評価について具体的に説明します。
目標達成度(定性)
まず、定性評価とは勤務態度や仕事に対する意欲など、数値化ができない目標に対し行う評価です。積極性・規律性・協調性など、抽象的になりがちな項目に対する評価が該当します。一般事務をはじめとした、数値で成果がわかりにくい業務に携わる社員を評価する際に必須の評価手法です。
例えば、「与えられた仕事に積極的に取り組んだか」という評価項目があった場合、数値で評価するのはなかなか難しいでしょう。抽象的な項目を評価する場合は数値化しやすい目標を設定し、達成度合いで判断します。具体的には、「社内勉強会に5回参加する」というような目標を設定すれば、達成度合いは一目瞭然です。
定性評価は難しく、社員の納得を得られにくいという特徴があります。定性評価を行う際は具体的な目標の設定・判断基準の明確化・客観的な評価を心がけましょう。
目標達成度(定量)
一方、定量評価は売上目標や販売目標など、数値化が可能な目標に対して行う評価です。定性評価とは異なり具体的な結果が伴うため、社員の納得を得られやすいという特徴があります。
ただし、社員の努力に関わらず、経済状況の悪化など外的要因で目標が達成できないこともあるでしょう。定量評価だけでは評価が偏るため、定性評価を組み合わせて人事評価を行うことが重要です。
例えば、売上目標は達成できなかったものの、仕事に対する姿勢や積極性・協調性が優れていれば、適切に評価しなければなりません。定量評価と定性評価を組み合わせることで、社員のモチベーションアップにも繋がります。
スキル・資格評価
スキルや資格に関する項目も、人事評価シートではポピュラーな評価項目です。社員に取得してほしいスキル・資格については、あらかじめ評価項目に組み込むことで取得を促すことができるでしょう。
一方、業務に直接関係の無いスキルや資格については、慎重に判断しなければなりません。例えば、自己啓発の一環として英語を勉強し、一定のTOEICスコアを達成したとします。自己研鑽に積極的で高い評価を与えたくなりますが、業務に関係がない場合は人事評価とは区別して判断すべきでしょう。なぜなら、人事評価は業務に関わる評価項目に対して、定性的・定量的に判断すべきだからです。人事評価シートにスキルや資格に関する評価項目を設ける際は、どのようなスキル・資格・自己啓発を対象とするのか基準を定めておくことが重要です。
人事評価シートのテンプレート(事務職)
人事評価シートの内容は会社や部署・部門に応じてさまざまです。マネーフォワードでは、無料で利用可能なテンプレートを用意しました。Word型式で簡単に編集できるため、人事評価制度に合わせて内容を調整してご利用ください。
人事評価シートのテンプレート(事務職)はこちらからダウンロード可能です。
人事評価シートのテンプレート(営業職)
続いて、営業職向けのテンプレートを紹介します。評価項目の一部は営業職の評価軸に合わせて調整済みです。営業職の社員については、こちらのテンプレートを元に人事評価を行うとよいでしょう。一般事務職向けのテンプレートと同様無料でダウンロードできるため、ぜひご利用ください。
人事評価シートのテンプレート(営業職)はこちらからダウンロード可能です。
人事評価シートを活用して公平な人事評価を行おう
今回は、人事評価シートについて解説しました。人事評価シートとは、人事評価を行う際に仕事に対する意欲やスキル、仕事の成果など重要事項を管理するためのシートです。
人事評価シートにはいくつかの目的があります。一番の目的は、正しい人事評価の実現です。評価基準を明確にすることで、客観的かつ公平・公正な人事評価を行うことができます。
正しい人事評価は、社員のモチベーションアップに大きく寄与することでしょう。また、評価項目・評価基準は会社が求る働き方を表すため、社員は人事評価シートに基づき仕事を行うことでキャリアアップが可能です。
さらに、人事評価シートには会社のあるべき姿や社員に求めることなど指し示し、会社のカルチャーを浸透させるという目的もあります。
マネーフォワードが提供する人事評価シートのテンプレートを活用し、公平・公正な人事評価を行いましょう。
よくある質問
人事評価シートとはなんですか?
人事評価を行う際に仕事に対する意欲やスキル、仕事の成果などの重要事項を管理するシートです。人事考課シート・行動評価シート・成果評価シートなどと呼ばれることもあります。 詳しくはこちらをご覧ください。
人事評価シートを作る目的について教えてください
人事評価シートを作成する目的は、公平・公正な人事評価を実現すること、社員のモチベーションやキャリアをアップすること、会社のカルチャーを浸透させることなどです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
【最新】育休はいつから?男性と女性の違い、給付金の実質10割給付を解説
育休は男女ともに取得でき、女性であれば産後休業後から、男性であれば出産日(出産予定日)から取得可能です。本記事では、育休の基礎情報や女性と男性の育休の違い、育休手当の振り込まれるタイミングなどについて解説します。従業員の育休の取得において、…
詳しくみる競業避止義務とは?定め方や就業規則・誓約書のひな形、記載方法
競業避止義務とは、自社の従業員が競業にあたる事業を行えないようにすることを指します。競業避止義務は、契約締結などによって課されるケースが多いです。 従業員は業務内容によって勤務している企業の重大な情報を共有したり、特別なノウハウを身につけた…
詳しくみる離職票は必要?離職証明書との違い、再発行の方法、退職時・失業保険の手続きを解説
離職票は、従業員が退職した際、企業がハローワークで退職手続きをすると発行される書類です。退職した従業員が雇用保険の求職者給付、いわゆる失業保険を受給するためには、離職票が必要となります。 離職票の発行はどのようにして申請し、いつ従業員に交付…
詳しくみるセクシャル・ハラスメント(セクハラ)とは?定義や行動・発言の例
セクハラとは、他者を不快にさせる職場での性的な内容の発言や行為です。どこからハラスメントに該当するかの範囲については、法律の定義に従い判断されます。健全な職場の実現にはセクハラ防止が重要であるため、2020年には法改正によってセクハラ防止の…
詳しくみるワーキングプアとは?年収の目安や原因、解決策を解説
ワーキングプアとは働いているのにもかかわらずに、貧困状態にある人を指します。一般的には年収200万円以下、収入が生活保護を受ける基準を超えない場合がワーキングプアに該当するとされています。大きな社会問題であるため国が支援するとともに、企業も…
詳しくみる仕事でのジェネレーションギャップとは?問題や世代ごとの違い
職場では、異なる世代の社員が共存しています。異なる世代間ではジェネレーションギャップが生じ、円滑なコミュニケーションが困難になることがあります。 本記事ではジェネレーションギャップが生じる原因や、それが仕事に及ぼす影響、具体例、解消するため…
詳しくみる