- 更新日 : 2024年10月25日
セクハラの始末書とは?書き方や注意点を解説【無料テンプレートつき】
ハラスメントには、パワハラやマタハラなど、様々な類型があります。どれもが決して許されるものではありませんが、なかでもセクハラは、被害者の心に深い傷を残してしまいます。セクハラが起きてしまった場合には、始末書を作成させ、再発防止に努めなくてはなりません。当記事では、セクハラの始末書の書き方や注意点を解説します。
目次
セクハラの始末書とは
始末書とは、ミスや不祥事が起きた場合に、作成が指示される書類です。始末書を作成し、事の経緯を報告するとともに、反省や防止策を講じることで、再発を防ぐ目的があります。
職場内でセクハラが起きた際にも、会社から加害者に始末書の作成が指示されることがあります。なお、セクハラとは、セクシャルハラスメントの略で、職場における性的な言動によって、就業環境を害する行為を指します。また、セクハラは、男性から女性に対してだけではなく、女性から男性、または同性同士でも成立する行為です。
セクハラは、社内における懲戒処分の対象となるのはもちろんのこと、暴行や強制わいせつなど、刑事責任を問われかねない行為です。始末書の作成によって、再発を防止しなければ、加害者本人の評価が落ちるだけでなく、会社自体の評価も落ちてしまう恐れがあります。そのため、セクハラの始末書は、極めて重要な意味を持つ書類といえるでしょう。
セクハラの始末書の書き方
セクハラが起きた際に、作成される始末書には、決まった様式がありません。しかし、一般的に記載を要する項目が存在するため、項目ごとに解説します。
セクハラの発生日時
セクハラがいつ行われたのかの日時を記載します。始末書には会社への報告という意味もあるため、できる限り正確な日時を記載しましょう。
セクハラの状況内容
セクハラが発生した状況を記載します。誰に対して、どのような言動を行ったのかを結果とともに具体的に記載します。「5W1H」を心掛け、分かりやすく記載しましょう。長文である必要はないため、分かりやすさを重視します。
セクハラの反省等
起こしてしまったセクハラへの反省を記載します。被害者への謝罪はもちろん、迷惑を被った会社関係者に対しても、真摯な謝罪が必要です。被害者と関係者の立場に立って、誠実に謝罪しましょう。
今後の防止策
セクハラを繰り返さないための防止策を記載します。「気を付けます」などの漠然としたものではなく、再発防止に結び付く具体的なものであることが必要です。同時に、決して同様の行為を繰り返さない決意を表明しておくとよいでしょう。
備考
上記項目のほかに会社や関係者へ伝えたいことがあれば、備考に記載します。こちらで改めて謝罪と再発防止の決意を記載してもよいでしょう。
セクハラの始末書の無料テンプレート
セクハラの始末書を提出する必要があるものの、どのような項目を備えた始末書を作成すればよいのか分からない方は、テンプレートの利用をおすすめします。テンプレートには、セクハラの始末書に必要な項目があらかじめ備えられており、漏れのない内容とすることが可能です。記載例も載っているため、どのように書けばよいのかも一目で分かります。
下記リンクより、テンプレートをダウンロード可能です。無料で利用できますので、お気軽にご利用ください。
参考:セクハラの始末書(ワード)|マネーフォワード クラウド給与
セクハラの始末書の注意点
セクハラの始末書は、加害者に反省を促し、再発防止策を講じさせることによって、同様の行為を繰り返させないために作成される側面が大きくなっています。そのため、その再発防止策は、具体的で実効性のあるものでなければなりません。「今後気を付けます」といった漠然としたものではなく、「セクハラ防止講習を受講し、性別による偏見を持たないようにする」などの具体的な対策を講じる必要があります。
始末書で反省や謝罪の意を表す際には、言い訳をしないことが重要です。「相手にも落ち度があった」「相手が誘ってきた」などと被害者に責任を転嫁するような態度では、反省の色がないとみなされてしまうでしょう。このような態度では、被害者も謝罪を受け入れようとは思いません。誠実な態度で、反省の意と再発防止に努める意思を示す必要があります。また、決まりきった文句を記載するのではなく、多少不格好ではあっても、自分の言葉で謝罪することも重要です。
セクハラの始末書を作成し再発の防止を
セクハラの始末書は、再発を防止するために重要な意味を持つ書類です。セクハラが横行するような職場では、優秀な人材が集まるはずもありません。しかし、正しく始末書が作成されていなければ、再発防止の効果も薄れてしまうでしょう。当記事での解説を参考に、再発防止につながる効果的な始末書を作成してください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
クレドとは?語源はなに?会社・企業での使い方や目的を紹介
クレドとはラテン語の「Credo」が語源となっており、ビジネスでは企業全体の従業員が心がける信条や行動指針を指す言葉として使用されます。クレドがあることで従業員のモチベーションが向上したり人材育成を行えたりするメリットがあるのです。この記事…
詳しくみる内定通知書とは?無料テンプレート付き!記入例、採用通知書との違い
内定通知書とは、求人に対する応募者のうち選考の結果採用が内定した者に送付する通知書のことです。内定通知書に対する内定承諾書を受け取ると労働契約が締結されたことになり、会社から一方的に取り消すことはできなくなります。内定通知書には、希望通りの…
詳しくみる中途採用の入社手続きの流れは?入社前と後にわけて必要書類や注意点を解説
中途採用が確定した場合、さまざまな入社手続きを行います。新卒採用者と異なり、中途採用は不定期で行われるため、いつでも対応できるよう準備が必要です。 本記事では、中途採用の入社手続きの流れについて解説します。税金や社会保険に関する手続きのほか…
詳しくみる人前での吊し上げはパワハラ?該当するケースや適切な指導との違いを解説
職場での「吊し上げ」は、内容によってはパワハラに該当する行為とみなされることがあります。そのため、問題が深刻化しないよう、適切な指導との違いを正しく理解しておくことが重要です。本記事では、人前での吊し上げがパワハラとされるケースや、正当な指…
詳しくみる入社承諾書とは?テンプレートを基に書き方や内定辞退を減らす方法を解説
入社承諾書とは内定者が企業に入社の意思を伝えるための書類で、内定承諾書とも呼ばれます。法的効力はありませんが、「特別な理由がない限り入社する」という意思を示す書類のため、内定辞退の予防が期待できるでしょう。 今回は、入社承諾書の概要やほかの…
詳しくみるハッカソンとは?意味や目的、アイデアソンとの違い、イベント事例などを解説!
ハッカソンとは、エンジニアやデザイナーがチームを組み、制限時間内にアプリケーションなどを開発し、成果を競うイベントです。アメリカで発祥したハッカソンは、その後日本にも広がり、現在ではさまざまな目的の多様なハッカソンが開かれています。本記事で…
詳しくみる