- 更新日 : 2026年3月31日
在職老齢年金とは?手続きの有無や計算方法を解説
会社員等は老齢厚生年金を受けられる年齢になっても在職している場合は、年金を受給しながら厚生年金保険に加入し続けることができます。
ただし、収入によっては年金額が支給停止されてしまう場合があるのです。これを「在職老齢年金」と言います。
今回は在職老齢年金とはどのような制度か、手続きや年金額の計算方法について解説します。
目次
在職老齢年金とは?
在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受け取りながら在職して、厚生年金保険に加入し続けながら受ける老齢厚生年金のことです。
年金額と給料・賞与の合計が47万円を超える額の場合、47万円を超えた金額の2分の1が年金額から支給停止されます。70歳以上の方は保険料の支払いはなくなりますが、支給停止については同じ取り扱いです。
在職老齢年金については、下記で詳しく解説していますので参照してください。
また、2022年4月施行の法改正による在職老齢年金の支給停止の基準の改正などについては、下記の記事で解説していますので参考にしてください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
人事・労務の年間業務カレンダー
毎年大人気!人事労務の年間業務を月別にまとめ、提出や納付が必要な手続きを一覧化しました。
法改正やシーズン業務の対応ポイントについて解説するコラムも掲載していますので、毎月の業務にお役立てください。
70歳定年時代の給与・労務管理ガイドブック
高年齢者雇用安定法の改正で「70歳まで働く時代」が到来しています。
本資料では70歳就業制度導入時の実務対応をはじめ、定年延長・再雇用で給与を見直す際のポイント、健康管理・安全衛生管理で配慮すべきことをまとめました。
シニア社員の給与を見直すときにやってはいけない5つのこと
少子高齢化による人口減少が社会問題となっている今、60歳以上の雇用が企業の課題となっています。
本資料ではシニア社員を取り巻く環境変化を説明するとともに、定年延長や再雇用で給与を見直す際の注意点をまとめました。
同一労働同一賃金 対応マニュアル
働き方改革の推進により、正規社員と非正規社員の待遇差解消を目的とする「同一労働同一賃金」への対応が企業に求められています。
本資料では適切な対応方法を示しながら、非正規社員の給与見直しの手順を解説します。
在職老齢年金の支給停止期間は?
老齢厚生年金をもらいながら、かつ、厚生年金保険の被保険者である場合に、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額によって年金額が支給停止になる場合があります。
支給停止の条件である基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えている間は支給停止になります。この支給停止中であっても、年金額は改定される場合があります。
ここでは、在職定時改定、退職時改定について見ていきます。
在職定時改定
令和4年3月までは、老齢厚生年金の受給権者が厚生年金保険の被保険者であった場合、65歳以降の被保険者期間については、年金額は退職時や70歳到達時の資格喪失時にのみの改定でした。
令和4年4月の法改正により、年金額は在職中であっても毎年10月分から改定する「在職定時改定」という制度が導入されました。
具体的には、毎年9月1日時点での老齢厚生年金受給者の年金額については、前年9月から当年8月までの1年間の被保険者期間を算入し、毎年10月分の年金から改定されることになります。
対象となるのは65歳以上70歳未満である老齢厚生年金の受給者です。
退職時改定
厚生年金保険の被保険者となっている老齢厚生年金の受給権者が会社等を退職した場合、厚生年金保険の資格を喪失します。
その被保険者の資格を喪失した日から再度被保険者になることなく1か月経った場合は、1か月を経過した月から年金額が改定されます。
この改定を「退職時改定」と言います。
在職老齢年金の手続きは必要?
在職老齢年金は、日本年金機構に対して行った手続きにより支給されるかどうかが決まります。
厚生年金保険の老齢年金は、年金の基本月額と給料・賞与によって決められる総報酬月額相当額の合計額に応じて、年金額の一部または全部が自動的に支給停止になります。
給料に変動があったことにより、給料によって決められる標準報酬月額が改定になった場合には、会社が日本年金機構に届け出を行うことになっています。また、賞与が支給される毎に、会社は日本年金機構に届け出を行うことにもなっています。
その結果、総報酬月額相当額が変動し支給される在職老齢年金の年金額が変わった時には、直接本人に日本年金機構からお知らせが届きます。
在職老齢年金の計算方法
在職老齢年金は、以下のようにして判定・計算されます。

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を境にして計算方法が変わります。それぞれの場合の計算方法を見ていきましょう。
基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円以下の場合
在職老齢年金による調整はなく、老齢年金は全額支給されます。
基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円超の場合
在職老齢年金による調整後の年金支給月額は、以下の式で計算して求めます。
在職老齢年金を正しく理解して生活設計を立てましょう
在職老齢年金は、年金をもらいながら働き続ける場合に、総報酬月額相当額に応じて受給できる年金が一部または全部支給停止になることがあると説明しました。
年金が調整されて支給停止になるかどうかは、会社が日本年金機構に対して手続きを行った結果の個人個人の総報酬月額相当額によります。
- 自分の総報酬月額相当額は支給停止になるのかどうか
- 支給停止になるとしたらいくらが支給停止になるのか
自分で計算する、会社に相談する、年金事務所で相談するなどの方法で把握して、生活設計をしていきましょう。
よくある質問
在職老齢年金とは?
厚生年金保険に加入し続けながらもらえる老齢厚生年金の制度のことです。年金月額と給料・賞与の合計が47万円を超えた場合、その半額が年金額から支給停止されます。47万円以下の場合は支給停止されません。詳しくはこちらをご覧ください。
在職老齢年金の計算方法は?
年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超える場合には、超えた分の半額、式に示すと「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2」が支給停止されて基本月額から減額されます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 社会保険業務
試用期間中も社会保険への加入は必要?転職先で加入しないとどうなる?
従業員を正社員として採用した場合でも、試用期間を設けている企業は少なくありません。「転職したが、試用期間中という理由で社会保険に加入させてくれない」という話を聞くことがありますが、…
詳しくみる -
# 社会保険業務
労働保険の一般拠出金とは
労働保険では、2007年4月1日から「一般拠出金」についての申告および納付を行うことになっています。この「一般拠出金」は、「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づいたものです…
詳しくみる -
# 社会保険業務
育休中は本当に8割もらえる?育児休業給付と出生後休業支援給付の仕組みを解説
育休中は本当に手取り8割もらえるのでしょうか? 育休中の手取りは制度上おおむね8割確保されます。 給付率は原則67% 社保免除で実質8割 出生後休業支援給付金で80%(最大28日)…
詳しくみる -
# 社会保険業務
労災は使わない方がいい?メリット・デメリットを徹底比較
仕事中や通勤途中にケガや病気をしたとき、労災保険を使うかどうか悩む方は非常に多くいます。「会社に迷惑をかけるのではないか」「申請手続きが面倒そう」など、不安や疑問は尽きないものです…
詳しくみる -
# 社会保険業務
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(育児)の記入例とポイント解説
従業員が育児休業を取得する際、初回申請書(育児休業給付受給資格確認票)とあわせて提出が必要になるのが「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」です。 この書類の作成は担当者の方に…
詳しくみる -
# 社会保険業務
労災で複数の病院にかかった場合、手続きや補償はどうなる?請求方法を解説
労災(労働災害)でケガや病気を負った場合、治療を受ける病院は1か所とは限りません。救急搬送された後、自宅近くの病院に通院を切り替えたり、専門治療やリハビリ目的で複数の医療機関を受診…
詳しくみる




