- 更新日 : 2025年8月20日
バイトは何連勤までOK?法律上の上限や7連勤以上でも違法にならないケースなどを解説
アルバイトで連勤が続くと、「これって普通なの?」「法律的に大丈夫?」と不安になりますよね。特に掛け持ちをしていたり、初めてのアルバイトだったりすると、何連勤まで働けるのか、はっきりとした基準が分からず戸惑うことも多いでしょう。
この記事では、労働基準法のルールをもとに、アルバイトの連勤上限を分かりやすく解説します。7連勤は違法なのか、高校生や掛け持ちの場合はどうなるのか、そして連勤がきついと感じた時の具体的な対処法まで紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
労働基準法におけるバイトの連勤の上限
労働基準法では、会社は従業員に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないと定められています。これが法定休日と呼ばれるものです。
この原則に従うと、アルバイトで連続して勤務できる日数は最大で6日間ということになります。7日目には必ず休日を取得する必要がある、というのが法律の基本的な考え方です。
バイトで7連勤以上が違法にならないケース
原則は6連勤までですが、例外的に7連勤以上が認められるケースもあります。ただし、これには特別な制度の導入が必要です。自分の職場が当てはまるか、就業規則や雇用契約書を確認してみましょう。
ケース1. 変形労働時間制が導入されている
変形労働時間制は、特定の期間内で休日の合計日数を満たせば、特定の週や日に法定休日を与えなくてもよいとする制度です。
例えば、4週間を通じて4日以上の休日が確保されていれば、1週目に休日がなくても法律違反にはなりません。これにより、結果として7連勤以上の勤務が発生する可能性があります。ただし、この制度を導入するには、会社が就業規則などでその旨を定めている必要があります。
ケース2. 36協定が結ばれている
36協定とは、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働や、法定休日に労働をさせる場合に、会社と従業員の間で結ぶ必要がある取り決めのことです。
36協定が結ばれていれば、法定休日に働くことが可能になります。その結果、7連勤以上のシフトが組まれることがあります。ただし、法定休日に働いた分については、会社は35%以上の割増賃金(休日労働手当)を支払う義務があります。
ケース別|バイトの連勤の上限と注意点
アルバイトの働き方は人それぞれです。複数の仕事を掛け持ちしている場合や、高校生の場合では、連勤に関する注意点が異なります。
バイトを掛け持ちしている場合
複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、労働基準法上の労働時間はすべての勤務先で合算して考えられます。例えば、A社で4日、B社で3日連続で働けば、あなた自身は7連勤したことになります。
さらに、バイトを掛け持ちして連勤になる際に最も注意すべきは、あなた自身の健康管理です。気づかないうちに過労状態にならないよう、意識的に休日を設けましょう。
高校生のアルバイトの場合
高校生など18歳未満の年少者は、労働基準法で手厚く保護されています。原則として、時間外労働(残業)や休日労働は認められていません。
つまり、法定休日である週1日の休みは必ず確保されなければならず、連続勤務は最長でも6日までとなります。変形労働時間制の適用も厳しく制限されているため、高校生のアルバイトは原則として6日間が法律上の連勤の上限です。変形労働時間制や36協定の適用がないことから、この範囲内で勤務する必要があります。
バイトの連勤がきついと感じた場合の対処法
法律で認められていても、連勤がきついと感じるのは心身が疲れているサインです。ここでは、限界を感じた時にどう行動すればよいか、3つのステップで紹介します。
ステップ1. 状況の証拠を集める
まずは、自分の勤務状況を客観的に示せるものを集めましょう。後で会社や専門機関に相談する際に役立ちます。
- タイムカードのコピーや写真
- 給与明細(休日労働手当の有無がわかる)
- シフト表
- 上司とのやり取りがわかるメールやメッセージの記録
ステップ2. 上司や会社に相談する
無理な連勤を頼まれたり、シフトが常態化してきつかったりする場合は、正直にその旨を伝えましょう。健康を守るためには勇気が必要です。
伝え方の例としては、申し訳ありませんが、来週は学業に集中したいため、お休みをいただきたいです、あるいは、連勤が長くなると体調面に不安があるので、今回はお断りさせてください、など具体的な理由を添えて丁寧に断ると、相手も状況を理解しやすくなります。
ステップ3. 外部の専門機関に相談する
会社に相談しても改善されない、または違法の可能性が高い場合は、専門の相談窓口を利用しましょう。相談は無料で、匿名でも可能です。
- 総合労働相談コーナー
全国の労働局や労働基準監督署内にあり、労働問題に関するあらゆる相談に対応してくれます。 - 労働条件相談ほっとライン
厚生労働省が委託している事業で、電話で気軽に相談できます。
自分の健康を最優先に、無理のない働き方を
本記事では、アルバイトの連勤に関するルールを解説しました。
労働基準法により週1回の休日が定められているため、連勤の上限は原則として最大6日間です。例外的に、変形労働時間制の導入や36協定の締結がされている職場では、7連勤以上も可能ですが、これには就業規則の整備や割増賃金の支払いなど厳格な条件が伴います。
法律で許されていても、連勤をきついと感じるのは心身からの大切なサインです。我慢せずに会社へ相談し、状況が変わらなければ労働基準監督署といった専門機関を頼りましょう。あなたの健康を最優先に、無理のない働き方を選択することが重要です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
5連勤は違法?きつい?労働基準法に基づき分かりやすく解説!
従業員の方はもちろん、労務担当者として従業員の労働時間を管理する中で、連続勤務が続く状況に頭を悩ませたこともあるでしょう。連日の勤務は従業員の健康リスクやモチベーション低下につながり、企業にとっても生産性や労務トラブルの原因となりかねません…
詳しくみる労働基準監督署の調査の流れは?対応方法から指摘されやすいポイントまで解説
労働基準法では、最低限の労働条件のルールが定められており、違反することがあれば労働基準監督署による立ち入りや呼び出しなど、調査の対象になることがあります。 当記事では、労働基準監督署の調査の目的や内容、調査の流れについて解説します。対応方法…
詳しくみるテンプレート付き – 残業届とは?目的やルールも解説!
長時間労働を削減するために、残業届の導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。残業を申請制にすることで残業を行うハードルが上がり、不要な残業を予防できます。残業申請制はただ導入するだけでなく、申請ルールを明確化して適切に運用すること…
詳しくみる【社労士監修】障害者雇用納付金・調整金とは?金額や対象企業、計算方法、手続きまとめ
常用雇用労働者数100人を超える民間企業には、「障害者雇用納付金」の申告・納付が義務付けられています。民間企業の障害者法定雇用率は2.5%で、未達成の場合には不足障害者1人につき1ヵ月5万円を納付しなければなりません。 納付された障害者雇用…
詳しくみる36協定における連勤は何日まで可能?連勤の考え方や労働時間のルールを解説
労働基準法では労働者を何日連続で勤務させられるかについて規定があり、違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。しかし条文を読むだけでは分かりづらく、調べても「6日」「7日」「12日」「13日」「24日」…
詳しくみるフレックスタイム制とは?メリット・デメリットや導入の注意点をわかりやすく解説!
フレックスタイム制は、従業員が自由に始業と就業の時刻を決められます。柔軟な働き方をサポートする労働時間制度ですが、「完全自由」「残業代がつかない」など様々な誤解があるのも事実です。 ここでは制度の基本を説明すると共に、メリット・デメリットを…
詳しくみる