• 更新日 : 2025年7月11日

雇用保険被保険者証の再発行に必要なものガイド!手続きや費用、期間を解説

雇用保険被保険者証は、雇用保険の各種手続きで必要になります。もし紛失しても、再発行できますのでご安心ください。ここでは、再発行の手続きに必要なもの、費用、期間についてわかりやすくご説明します。

雇用保険被保険者証がないとどうなる?

雇用保険被保険者証がないと、雇用保険に関わる様々な手続きができません。

雇用保険被保険者証が必要になる場面

労働者側と事業者側で雇用保険被保険者証が必要となる場面があります。

労働者側の必要な場面
  • 失業手当の受給手続き:会社を辞めた後、失業手当(基本手当)を受け取る際に、ハローワークで雇用保険被保険者証の提出が求められます。これは、雇用保険の加入期間や離職理由を確認するために使われます。
  • 教育訓練給付金の申請:厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、費用の一部を給付してもらう際に必要です。受給資格の確認に使われます。
  • 育児休業給付金や介護休業給付金の申請:育児休業や介護休業中に給付金を受け取る際にも、雇用保険被保険者証の提示が必要です。
  • 転職先での手続き:新しい会社に入社する際、多くの場合、雇用保険被保険者証の提出を求められます。これは、新しい会社が雇用保険の加入手続きをするために必要だからです。
事業者側の必要な場面
  • 従業員の雇用保険資格取得手続き:従業員を雇用した際、事業主はハローワークに雇用保険の資格取得届を提出し、雇用保険被保険者証を交付してもらいます。
  • 従業員の雇用保険資格喪失手続き:従業員が退職する際、事業主はハローワークに雇用保険の資格喪失届を提出します。この際、雇用保険被保険者証は従業員に返却されます。
  • 各種助成金の申請:雇用保険に関連する国の助成金を申請する際、雇用保険被保険者証の情報が必要になることがあります。

雇用保険被保険者証が発行されるタイミング

雇用保険被保険者証は、会社に入社し、事業主がハローワークに雇用保険の資格取得届を提出した後に発行されます。通常、入社後1週間から10日程度で会社から従業員に手渡されます。転職する場合は、以前の会社から受け取ったものを引き続き使用します。

雇用保険被保険者証を再発行する方法

雇用保険被保険者証の再発行は、ハローワークで行います。再発行手続きは、ご自身で行う場合と、会社に依頼する場合の2つの方法があります。

自身で再発行する場合

  1. ハローワークに行く:原則として、雇用保険の加入時に手続きを行った事業所を管轄するハローワークで手続きしますが、やむを得ない場合は他のハローワークでも相談可能です。
  2. 「雇用保険被保険者証再交付申請書」を入手する:ハローワークの窓口で申請書を受け取ります。
  3. 必要事項を記入する:申請書に氏名、生年月日、住所、マイナンバー、会社名などを記入します。
  4. 必要書類を提出する:後述する「雇用保険被保険者証の再発行に必要なもの」を準備し、申請書と一緒に窓口に提出します。
  5. 即日交付または郵送で受け取る:窓口で申請すれば、原則として即日交付されます。ただし、混雑状況や申請内容によっては、後日郵送になる場合もあります。郵送を希望する場合は、返信用封筒(切手貼付済み)を用意しましょう。

会社に再発行を依頼する場合

会社の人事部や総務部に依頼すれば、会社が代理で再発行の手続きをしてくれる場合があります。この場合、ご自身でハローワークに行く手間が省けます。

  1. 会社に依頼する:人事担当者や総務担当者に、雇用保険被保険者証を再発行してほしい旨を伝えます。
  2. 必要事項を伝える:会社から求められる氏名、生年月日、会社名などの情報を提供します。
  3. 会社が手続きを行う:会社がハローワークに再交付申請をします。
  4. 会社から受け取る:再発行された雇用保険被保険者証は会社に届くため、会社から受け取ります。

雇用保険被保険者証の再発行に必要なもの

雇用保険被保険者証を再発行する際には、以下のものを用意しましょう。

必要な書類と持ち物の一覧

  • 雇用保険被保険者証再交付申請書:ハローワークの窓口で入手できます。事前に厚生労働省のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。
  • 身元確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、氏名、生年月日、現住所が確認できる公的な書類1点が必要です。顔写真付きでない場合は、健康保険証や住民票の写しなど、氏名、生年月日、現住所が確認できる公的な書類2点が必要です。
  • マイナンバー(個人番号)が確認できる書類:マイナンバーカード、マイナンバーが記載された住民票の写しなどです。マイナンバーカードがある場合は、身元確認書類とマイナンバー確認書類を兼ねることができます。
  • 雇用保険被保険者証の番号(わかれば):以前の雇用保険被保険者証の控えなどがあれば、そこに記載されている番号が手続きをスムーズに進める上で役立ちます。もし不明でも再発行は可能です。

代理人が申請する場合の追加書類

ご自身で手続きできない場合、代理人に依頼することも可能です。その場合は、上記の書類に加えて以下のものが必要です。

  • 委任状:ご本人が自筆で作成し、代理人に手続きを委任する旨を明記した書類です。委任状の有効期限は3カ月であり、ご本人の署名(自筆)が必要です。
  • 代理人の身元確認書類:代理人の運転免許証やマイナンバーカードなどです。

雇用保険被保険者証再交付申請書の書き方

「雇用保険被保険者証再交付申請書」は、ハローワークで入手できるほか、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードして印刷することもできます。

申請書の記入例

申請書には、主に以下の情報を記入します。

  • 被保険者番号:もし以前の被保険者証をお持ちであれば、その番号を記入します。不明な場合は空欄でも問題ありません。ハローワークで調べてくれます。
  • 氏名、フリガナ、生年月日、性別:正確に記入します。
  • 住所、電話番号:現在の住所と連絡の取れる電話番号を記入します。
  • マイナンバー:マイナンバーカードなどに記載されている12桁の番号を記入します。
  • 事業所情報:現在勤めている、または最後に勤務していた会社の名称、所在地、電話番号を記入します。会社を辞めている場合は、最後に勤めていた会社の情報を記入しましょう。
  • 再交付を希望する理由:紛失、破損、記載事項の訂正など、再交付を希望する理由を簡潔に記入します。「紛失」と記載すれば十分です。

記入する際の注意点

正確に記入する

誤字脱字がないよう、正確に記入しましょう。特に氏名や生年月日、マイナンバーは間違いがないように確認が必要です。

ボールペンで記入する

鉛筆や消えるインクのペンではなく、ボールペンで記入しましょう。

不明な点は窓口で質問する

記入方法でわからない点があれば、ハローワークの窓口の職員に遠慮なく質問しましょう。

参考:雇用保険被保険者証再交付申請書|ハローワークインターネットサービス
参考:様式第8号 – 雇用保険被保険者証再交付申請書|厚生労働省

雇用保険被保険者証の再発行にかかる費用と期間

雇用保険被保険者証の再発行にかかる費用は、原則として無料です。ただし、郵送で受け取る場合は、返信用封筒にかかる切手代はご自身の負担となります。

手続きにかかる期間は、ハローワークの混雑状況や申請方法によって異なります。

窓口での申請

ハローワークの窓口で申請すれば、原則として即日交付されます。ただし、申請内容の確認に時間がかかったり、混雑していたりする場合は、数日かかることもあります。

郵送での申請

郵送で申請した場合、手元に届くまでには1週間から2週間程度かかります。郵送期間も考慮する必要があるため、余裕を持って申請しましょう。返信用封筒にかかる切手代が負担となります。

会社を通じての申請

会社が代理で申請する場合も、手続きにかかる期間は上記と同様です。会社内での手続きや郵送のやり取りがあるため、ご自身で申請するよりも時間がかかることがあります。

電子申請(e-Gov)

電子申請(e-Gov)を利用した場合、申請後、ハローワークの審査があり、数日〜1週間で結果が通知されます。その後、自宅に郵送されるまでさらに日数を要します。

もし、急ぎで雇用保険被保険者証が必要な場合は、平日の日中にハローワーク窓口に行くのが最も早く受け取れる方法です。

雇用保険被保険者証を再発行できないケース

基本的には、雇用保険に加入していた事実があれば再発行できます。しかし、ごく稀に再発行が難しいケースもあります。

雇用保険の加入期間が短い場合

ごく短期間しか雇用保険に加入していなかった場合など、システム上の記録が残っていないことがあります。しかし、このケースは非常に稀です。

古い情報で登録されている場合

長期間転職をしていなかった場合や、姓が変わったにもかかわらず変更手続きをしていなかった場合など、現在の情報と登録情報が一致しないことがあります。この場合でも、身元確認書類や戸籍謄本などで本人確認ができれば再発行は可能です。

雇用保険の加入要件を満たしていなかった場合

そもそも雇用保険の加入要件(例えば、週の所定労働時間が20時間未満など)を満たしていなかったため、雇用保険に加入していなかったケースです。この場合は、雇用保険被保険者証自体が発行されていませんので、再発行はできません。

これらのケースに該当する可能性がある場合は、まずはハローワークに相談しましょう。状況に応じて適切なアドバイスがもらえます。

雇用保険被保険者証をもらっていない場合の対処法

会社から雇用保険被保険者証をもらっていない場合でも、焦る必要はありません。

雇用保険被保険者証は、通常、会社がハローワークに資格取得届を提出した後に交付され、従業員に渡されます。もし、入社してから時間が経っているのに手元にない場合は、以下の対応をしましょう。

会社に確認する

まずは、会社の人事部や総務部に「雇用保険被保険者証を受け取っていないのですが、発行されていますか?」と問い合わせてみましょう。会社で保管されている可能性や、渡し忘れの可能性があります。

会社が未交付の理由を確認する

会社が「まだ発行されていない」「保管している」という場合は、今後の受領方法を確認します。もし、「そもそも雇用保険の加入手続きをしていない」という回答であれば、会社に加入手続きを依頼しましょう。

ハローワークに相談する

会社に問い合わせても解決しない場合や、会社が雇用保険の加入手続きを怠っている可能性がある場合は、ご自身でハローワークに相談できます。ハローワークでは、ご自身の雇用保険の加入状況を調べてもらうことができます。その際、勤務期間や会社名などの情報が必要になります。

ハローワークに相談することで、会社に雇用保険の加入手続きを促してもらったり、ご自身の雇用保険被保険者証の情報を確認してもらったりできます。

雇用保険被保険者証の再発行は書類の準備がポイント

雇用保険被保険者証を紛失しても、再発行は難しくありません。ハローワークで手続きを行うか、会社に依頼する方法があります。

再発行には、本人確認書類と『雇用保険被保険者証再交付申請書』が必要です。マイナンバー確認書類は必須ではありませんが、窓口で求められる場合もあります。費用は原則無料で即日交付も可能です。
もし、まだ雇用保険被保険者証をもらっていない場合は、まずは会社に確認し、解決しない場合はハローワークに相談しましょう。


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