- 更新日 : 2025年10月31日
赤ちゃんが予定日より早く生まれたら?育休開始日や手続き、注意点を解説
出産予定日を心待ちにしている中、赤ちゃんが予定日より少し早く生まれてくることは珍しくありません。喜びとともに、「あれ?育休の開始日ってどうなるんだろう?」「会社への手続きは?」といった疑問や不安が頭をよぎる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に育児休業(育休)の取得を予定している方にとっては、開始日の変更やそれに伴う手続きは気になるところです。この記事では、赤ちゃんが予定日より早く生まれた場合に、育児休業の開始日がどうなるのか、会社への連絡や必要な手続き、育休期間や給付金への影響などについて、2025年5月現在の最新情報に基づいて分かりやすく解説します。
目次
育休の開始日はいつから?
まず、基本的な育児休業の開始日についておさらいしておきましょう。
育児・介護休業法に基づく育休の開始日(原則)
育児休業は、原則として子どもが1歳に達するまで(子が1歳になる誕生日の前日まで)の間で、労働者が申し出た期間取得できます。 育休の開始日は、労働者が申し出る日となりますが、多くの場合、出産に関連して設定されます。
産後休業との関係(女性の場合)
女性の場合、労働基準法により、出産の翌日から8週間は原則として就業させてはならない「産後休業」が定められています(本人が請求し医師が支障ないと認めた場合は6週間経過後から就業可能)。 したがって、女性の育児休業は、この産後休業期間(原則8週間)が終了した翌日から開始するのが一般的です。
男性の育休開始日
男性の場合、産後休業はありませんので、配偶者の出産日当日から育児休業を開始することが可能です。また、2022年10月からスタートした「産後パパ育休(出生時育児休業)」を利用する場合は、子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分けて取得できます。
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出産予定日より早く生まれたらどうなる?
赤ちゃんが予定日より早く生まれた場合、育休の開始日はどのように扱われるのでしょうか。
原則:実際の出産日が基準となる
育児休業の申し出は、通常、出産予定日を基準に行われます。しかし、赤ちゃんが予定日より早く生まれた場合、育児休業の開始日も実際の出産日に合わせて調整されるのが一般的です。
女性の場合
産後休業は実際の出産日の翌日から開始されます。そのため、産後休業終了日も早まり、それに伴い育児休業の開始日も前倒しになります。例えば、予定日より1週間早く出産した場合、産後休業の開始・終了も1週間早まり、育休開始も1週間早まることになります。
男性の場合
配偶者の出産日当日から育休を取得予定だった場合、実際の出産日が早まれば、育休開始日もその早まった実際の出産日に合わせることができます。 産後パパ育休(出生時育児休業)も、実際の出生日から起算して取得できます。
会社への届出と育休開始日の変更手続き
出産予定日より早く生まれた場合、既に会社に提出している育児休業申出書に記載した内容(特に育休開始予定日)に変更が生じるため、速やかに会社に連絡し、必要な手続きを行う必要があります。
産前休業期間の変更(女性の場合)
予定日より早く出産した場合、産前休業期間が予定より短縮されます。この点も会社に報告が必要です。
育児休業開始予定日の前倒し
会社に対して、育児休業の開始日を早めたい旨を伝え、育児休業申出書の内容変更手続きを行います。具体的な手続き方法は会社の就業規則や担当部署の指示に従ってください。
育児休業申出書に記載した開始予定日との関係
育児休業申出書には、育休開始予定日と終了予定日を記載します。出産予定日を基にこれらの日付を記載している場合、実際の出産日がずれると、特に開始日について調整が必要になります。 育児・介護休業法では、事業主は労働者からの育児休業の申し出を原則として拒めません。出産が早まったことによる開始日の変更についても、基本的には柔軟に対応されるべきものです。
会社への速やかな連絡の重要性
赤ちゃんが予定日より早く生まれた場合、母子の健康状態とともに、できるだけ速やかに会社へその旨を連絡することが最も重要です。会社側も、人員配置や業務調整、社会保険料の免除手続きなど、様々な対応が必要になるため、早めの連絡が双方にとってスムーズな進行につながります。
予定日より早く生まれた場合の育休期間への影響
育休開始日が早まる可能性があることは分かりましたが、育休期間全体にはどのような影響があるのでしょうか。
育休終了日は原則変わらない(子が1歳になるまで)
育児休業は、原則として「子が1歳に達する日まで」取得できるものです。したがって、育休の開始日が早まったとしても、育休の終了日(子が1歳になる誕生日の前日)は変わりません。
予定日より早く生まれたら?男性の育休の場合
男性が育児休業や産後パパ育休を取得する場合も、出産が予定日より早まることを想定しておく必要があります。
出生時育児休業(産後パパ育休)の開始日
産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に取得できます。申出書には休業開始予定日と終了予定日を記載しますが、実際の出生日に合わせて柔軟に開始日を設定・変更できます。 例えば、出産予定日に合わせて開始を計画していても、実際の出産が早まれば、その早まった日から取得を開始することが可能です。
通常の育児休業の開始日
通常の育児休業を配偶者の出産直後から取得予定だった場合も同様です。実際の出産が早まった場合は、その日から育休を開始できるよう、会社と調整しましょう。 育児・介護休業法では、育休開始予定日の1ヶ月前までの申し出が原則ですが、出産予定日より早く生まれたなどのやむを得ない事情がある場合は、変更後の休業開始日の1週間前までの申し出でも問題ないとされています。
会社との調整
男性が育休を取得する際は特に、業務の引き継ぎや人員配置について会社との事前の調整が不可欠です。出産予定日が近づいてきたら、予定日より早く生まれる可能性も伝え、万が一の場合の連絡体制や対応について相談しておくとスムーズです。
会社への連絡・手続きで気をつけること
赤ちゃんが予定日より早く生まれた際に、会社への連絡や手続きをスムーズに進めるためのポイントをまとめます。
出産の事実と母子の健康状態を速やかに報告
何よりもまず、無事に出産したこと、そして母子の健康状態を会社に報告しましょう。電話連絡が基本ですが、会社によっては報告ルートが決まっている場合もあります。
育休開始日の変更希望を伝える
報告と併せて、育休開始日を実際の出産に合わせて変更したい旨を明確に伝えます。
必要な書類の確認と提出
育休開始日の変更手続きや、育児休業給付金の申請(または変更申請)のために、会社から追加の書類提出を求められることがあります。一般的には、出生の事実を証明する書類として、「出生届出済証明書」(市区町村に提出した出生届の写しに市区町村長が証明したもの)や母子健康手帳の出生届出済証明のページのコピーなどが必要になります。事前に会社に確認しておきましょう。
就業規則の確認
自社の就業規則や育児休業規程に、出産予定日と実際の出産日がずれた場合の取り扱いや、育休に関する手続きについて記載があるか確認しておくと安心です。
Q&A:出産予定日と育休に関するよくある質問
最後に、出産予定日と育休に関するよくある質問にお答えします。
Q. 予定日より遅く生まれた場合はどうなりますか?
A. 女性の場合:産前休業は出産予定日を基準に開始できますが、実際の出産が遅れた場合、その遅れた期間も産前休業に含まれます。産後休業は実際の出産日の翌日から8週間です。結果として、育休開始日は当初の予定より遅くなります。
男性の場合:
Q. 育休開始日を変更すると、育児休業給付金の申請に影響はありますか?
A. 育休開始日や期間が変更になれば、育児休業給付金の支給対象期間も変わるため、申請内容の変更が必要になる場合があります。会社が手続きを行うため、指示に従ってください。支給開始時期が若干ずれる可能性はありますが、正しく手続きされれば、実際の休業期間に応じて給付金は支給されます。
Q. 会社にいつまでに連絡すれば良いですか?
A. 法律で明確な期限が定められているわけではありませんが、出産後、母子の健康状態が落ち着き次第、できるだけ速やかに連絡するのが望ましいです。会社側も手続きや人員調整が必要なため、早ければ早いほど助かります。
Q. 育休期間の変更は必ず認められますか?
A. 育児・介護休業法に基づき、労働者からの適法な育児休業の申し出や、出産日がずれたことによる開始日の変更希望は、事業主は原則として拒否できません。ただし、円滑な手続きのためには、会社とのコミュニケーションが重要です。
予定日より早く生まれても、育休には問題なし
赤ちゃんが予定日より早く生まれることは、十分にあり得ることです。そんな時でも慌てずに対応できるよう、事前にポイントを押さえておきましょう。
最も大切なのは、母子の健康です。まずは無事の出産を第一に考え、体調が落ち着いてから会社への連絡・手続きを進めましょう。事前に会社とコミュニケーションを取り、万が一の場合の対応について相談しておくと、より安心して出産に臨めるはずです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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