- 更新日 : 2024年10月7日
家族手当申請書とは?申請方法や書き方を解説【無料テンプレートつき】
家族手当とは、扶養家族がいる従業員の経済的な負担の軽減を目的とした福利厚生制度の一つです。ただし、これは法的な制度でないため、設けるか否かは企業が決めることになります。もし、制度が運用する企業の場合、家族手当申請書を作成が必須です。
本記事では、家族手当制度の申請が必要な方向けの概要と書き方、注意点を中心に解説します。
目次
そもそも家族手当とは?
家族手当は、企業の福利厚生制度の一つとして、配偶者や子どものいる従業員に給料とともに支給されるものです。あくまでも企業が設ける制度ですので、法律により支給が定められているわけではありません。
家族手当とは?
配偶者や子どもなどの扶養家族がいる場合、生活費がかかります。そうした従業員の経済的負担を軽減するために支給されるのが福利厚生制度の一つである家族手当です。この手当は、家族を抱える従業員が安心して仕事に専念できる労働環境を整えるために設けられており、支給対象となる家族の範囲や金額、支給条件は企業によって異なります。
家族手当の支給対象は、企業の判断によって決定され、必ずしも健康保険法上の被扶養者に限られるわけではありません。同居の両親などを対象にする企業もあります。
家族に関する手当
家族のいる従業員に支給される手当には、家族手当の他に扶養手当、育児手当(または育児支援手当)があります。扶養手当の場合、対象となる家族の収入が一定の支給基準を超えないことを条件とする企業が一般的です。
例えば、児童手当の支給については、従業員と世帯を同じくする子どもで「中学校修了まで」「成人年齢」など、企業によって該当者が異なっています。
なお、国の育児支援制度として児童手当や児童扶養手当があります。これらについては行政の手続きと認定が必要です。混同しないよう気をつけましょう。
家族手当は必ず支給されるわけではない
家族手当は、先述のとおり法律上の制度ではないので、支給しない企業もあります。家族手当を運用する場合には、従業員の離婚・結婚の有無、子どもの独立、同居者の死別などの情報を逐次把握することになります。こうした情報の取り扱いを考慮して、家族手当とは異なる手当を支給する企業も出てきています。
家族手当の申請から支給までの流れは?
結婚した、子どもが生まれた、実家で暮らしていた親が同居することになったなどの事情により家族手当の支給を受けるためには、そうした事情が発生したこと、支給の要件に該当することを従業員から申告する必要があります。
まず就業規則で家族手当の有無を確認しよう
家族手当を支給する場合には、賃金など含む就業規則として定めなければなりません。家族手当制度の有無、支給要件などは就業規則で確認しましょう。制度的には任意であることから、扶養手当や児童手当といった名称の制度を設置している場合もあります。
支給対象家族を証明する書類を準備しよう
支給対象家族であることを証明する書類として何が必要かは、企業によって異なるでしょう。一般的には、戸籍謄本または住民票の写し、配偶者の所得に関する基準がある場合には所得証明書や課税証明書があります。
自宅を離れて寮に入っている子どもがいる場合には、在学証明書や入寮証明書なども必要になることが考えられるでしょう。
申請書類に記入して担当課に提出しよう
家族手当申請書の書き方は、決して難しいものでなく、書式にしたがって正確に記入すれば問題ありません。一緒に提出する添付書類と相違がないことを確認して提出しましょう。
家族構成に異動があったら速やかに報告しよう
家族構成の異動は、家族手当の支給につながるケースと、支給要件から外れるケースとがあります。支給につながるケースであるにもかかわらず家族手当申請書を提出しない場合は、単に手当の支給を受けられないだけのことです。
一方、支給要件から外れたことを申告しなかった場合には、不当に家族手当の支給を受けることになります。悪質な場合には、法的な問題や懲戒処分の対象にする書類が必要になるでしょう。遅かれ早かれ不当という事実はいずれ明らかになるので、支給対象者に異動があったら速やかに手続きをしましょう。
家族手当申請書の書き方は?
ここでは一般的な家族手当申請書のフォーマットの書き方を解説します。①支給対象となる家族の氏名、続柄、生年月日、②支給対象となった被(異動年月日)、③その家族の同居・別居の区分、④支給対象となった理由(異動事由)を記載しましょう。
②の異動年月日の欄には、配偶者であれば婚姻届を出した日、退職して扶養に入ったのであれば退職日を記入します。配偶者が休業することとなり給与の支給がなくなったことに伴い家族手当を申請するのであれば、休業の開始日を記入します。子どもであれば出生日などが該当します。
④の異動事由は、結婚、退職、休業、出生などの事情を簡潔に記載します。家族手当の対象から外れる場合にも、上記の説明を参考に記入すれば問題ありません。
家族手当申請書の無料テンプレート
家族手当申請書の書式は、企業がすでにストックしている場合もありますが、別途必要になった場合には、下記のURLからダウンロードすることができます。
テンプレートには、家族手当を支給する要件を満たしているか否かを判断するのに必要な項目は全て盛り込んでいます。ご活用ください。
ワード:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/4597
エクセル:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/4601
家族手当申請書を記入するときの注意点は?
家族手当申請書は、上記の無料テンプレートリンクを見ればわかる通り、決して複雑な内容ではありません。あくまでも事実に基づいて記載することが大切です。
問題となりやすいのは、家族手当の対象から外れることとなった場合です。例えば、配偶者が就職し収入が支給要件を超えている場合、子どもの年齢が基準の年齢を超えた場合などにその申告をしなければ、不当に家族手当の支給を受けていることになります。返還が求められるだけでなく、意図的に放置して受給している場合は懲戒処分の対象となる可能性も考えられます。
家族手当は賃金~しっかり申請しよう
一般的に家族手当は、従業員の生活の安定させることによって、モチベーションの向上、離職の防止などを意図して設けられます。自社の就業規則を確認し、家族手当があり、支給要件に該当する場合には迷わず申請しましょう。
また、家族手当は、所得税、社会保険料、雇用保険の対象となりますが、割増賃金の基礎となる賃金からは除外される賃金です。その点を理解したうえで、家族手当申請書を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
障害者雇用の給料は低い?平均給料や減額の特例について解説!
障害者雇用の労働者の給料は、一般雇用の労働者と比べ低いと言われています。 本記事では、障害者雇用の労働者の給料の現状、給料の水準が低い理由、給料の決め方などについて解説します。障害者雇用の労働者の給料に関するこれらの情報を踏まえ、意欲や能力…
詳しくみる遅刻で減給は可能?減給ルールと注意点、企業が取るべき対策を解説
遅刻による給与の控除や減給は、法律のルールを守らなければ違法になることがあります。とくに給与の減額は労働トラブルにつながる可能性があるため、企業側は正しいルールを理解することが重要です。 本記事では、遅刻による減給の法律上のルールと、企業が…
詳しくみる賃金とは?給料との違いや支払い義務について解説!
企業が従業員に支払う対価には、給料、給与、賃金、報酬などさまざまな呼び方があります。いずれも労働の対価として支払うものであり、一般的には区別することなく用いられることが多いでしょう。しかし、厳密には法律によって含まれる範囲が若干異なります。…
詳しくみる給与計算の業務内容は?労務を新しく担当する方向け
給与計算の担当者は、従業員に毎月賃金を支払う役割を果たすほか、国に税金を正しく納める業務を担います。責任が大きい分、やりがいも感じられる仕事といえるでしょう。 初心者が給与計算の業務に携わる場合には、関連する知識や法律、システムの扱い方など…
詳しくみる住民税非課税世帯とは? 対象世帯への臨時特別給付金も解説
住民税非課税世帯とは、所得が一定以下で住民税の「所得割」と「均等割」の両方が非課税となる世帯です。住民税非課税世帯に該当すると、優遇措置を受けられますが、事前に自分が非課税に当たるか確認しておくことも重要です。 本記事では、住民税非課税世帯…
詳しくみる確定拠出年金の節税効果
確定拠出年金の節税効果 確定拠出年金の加入メリットについては、「確定拠出年金の10のメリット」の項で税制上の優遇があることを紹介しました。では、確定拠出年金には実際にどのような節税効果があるのでしょうか? 今回は具体例とともに…
詳しくみる