- 更新日 : 2025年8月18日
家族手当申請書とは?申請方法や書き方を解説【無料テンプレートつき】
家族手当とは、扶養家族がいる従業員の経済的な負担の軽減を目的とした福利厚生制度の一つです。ただし、これは法的な制度でないため、設けるか否かは企業が決めることになります。もし、制度が運用する企業の場合、家族手当申請書を作成が必須です。
本記事では、家族手当制度の申請が必要な方向けの概要と書き方、注意点を中心に解説します。
目次
そもそも家族手当とは?
家族手当は、企業の福利厚生制度の一つとして、配偶者や子どものいる従業員に給料とともに支給されるものです。あくまでも企業が設ける制度ですので、法律により支給が定められているわけではありません。
家族手当とは?
配偶者や子どもなどの扶養家族がいる場合、生活費がかかります。そうした従業員の経済的負担を軽減するために支給されるのが福利厚生制度の一つである家族手当です。この手当は、家族を抱える従業員が安心して仕事に専念できる労働環境を整えるために設けられており、支給対象となる家族の範囲や金額、支給条件は企業によって異なります。
家族手当の支給対象は、企業の判断によって決定され、必ずしも健康保険法上の被扶養者に限られるわけではありません。同居の両親などを対象にする企業もあります。
家族に関する手当
家族のいる従業員に支給される手当には、家族手当の他に扶養手当、育児手当(または育児支援手当)があります。扶養手当の場合、対象となる家族の収入が一定の支給基準を超えないことを条件とする企業が一般的です。
例えば、児童手当の支給については、従業員と世帯を同じくする子どもで「中学校修了まで」「成人年齢」など、企業によって該当者が異なっています。
なお、国の育児支援制度として児童手当や児童扶養手当があります。これらについては行政の手続きと認定が必要です。混同しないよう気をつけましょう。
家族手当は必ず支給されるわけではない
家族手当は、先述のとおり法律上の制度ではないので、支給しない企業もあります。家族手当を運用する場合には、従業員の離婚・結婚の有無、子どもの独立、同居者の死別などの情報を逐次把握することになります。こうした情報の取り扱いを考慮して、家族手当とは異なる手当を支給する企業も出てきています。
家族手当の申請から支給までの流れは?
結婚した、子どもが生まれた、実家で暮らしていた親が同居することになったなどの事情により家族手当の支給を受けるためには、そうした事情が発生したこと、支給の要件に該当することを従業員から申告する必要があります。
まず就業規則で家族手当の有無を確認しよう
家族手当を支給する場合には、賃金など含む就業規則として定めなければなりません。家族手当制度の有無、支給要件などは就業規則で確認しましょう。制度的には任意であることから、扶養手当や児童手当といった名称の制度を設置している場合もあります。
支給対象家族を証明する書類を準備しよう
支給対象家族であることを証明する書類として何が必要かは、企業によって異なるでしょう。一般的には、戸籍謄本または住民票の写し、配偶者の所得に関する基準がある場合には所得証明書や課税証明書があります。
自宅を離れて寮に入っている子どもがいる場合には、在学証明書や入寮証明書なども必要になることが考えられるでしょう。
申請書類に記入して担当課に提出しよう
家族手当申請書の書き方は、決して難しいものでなく、書式にしたがって正確に記入すれば問題ありません。一緒に提出する添付書類と相違がないことを確認して提出しましょう。
家族構成に異動があったら速やかに報告しよう
家族構成の異動は、家族手当の支給につながるケースと、支給要件から外れるケースとがあります。支給につながるケースであるにもかかわらず家族手当申請書を提出しない場合は、単に手当の支給を受けられないだけのことです。
一方、支給要件から外れたことを申告しなかった場合には、不当に家族手当の支給を受けることになります。悪質な場合には、法的な問題や懲戒処分の対象にする書類が必要になるでしょう。遅かれ早かれ不当という事実はいずれ明らかになるので、支給対象者に異動があったら速やかに手続きをしましょう。
家族手当申請書の書き方は?
ここでは一般的な家族手当申請書のフォーマットの書き方を解説します。①支給対象となる家族の氏名、続柄、生年月日、②支給対象となった被(異動年月日)、③その家族の同居・別居の区分、④支給対象となった理由(異動事由)を記載しましょう。
②の異動年月日の欄には、配偶者であれば婚姻届を出した日、退職して扶養に入ったのであれば退職日を記入します。配偶者が休業することとなり給与の支給がなくなったことに伴い家族手当を申請するのであれば、休業の開始日を記入します。子どもであれば出生日などが該当します。
④の異動事由は、結婚、退職、休業、出生などの事情を簡潔に記載します。家族手当の対象から外れる場合にも、上記の説明を参考に記入すれば問題ありません。
家族手当申請書の無料テンプレート
家族手当申請書の書式は、企業がすでにストックしている場合もありますが、別途必要になった場合には、下記のURLからダウンロードすることができます。
テンプレートには、家族手当を支給する要件を満たしているか否かを判断するのに必要な項目は全て盛り込んでいます。ご活用ください。
ワード:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/4597
エクセル:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/4601
家族手当申請書を記入するときの注意点は?
家族手当申請書は、上記の無料テンプレートリンクを見ればわかる通り、決して複雑な内容ではありません。あくまでも事実に基づいて記載することが大切です。
問題となりやすいのは、家族手当の対象から外れることとなった場合です。例えば、配偶者が就職し収入が支給要件を超えている場合、子どもの年齢が基準の年齢を超えた場合などにその申告をしなければ、不当に家族手当の支給を受けていることになります。返還が求められるだけでなく、意図的に放置して受給している場合は懲戒処分の対象となる可能性も考えられます。
家族手当は賃金~しっかり申請しよう
一般的に家族手当は、従業員の生活の安定させることによって、モチベーションの向上、離職の防止などを意図して設けられます。自社の就業規則を確認し、家族手当があり、支給要件に該当する場合には迷わず申請しましょう。
また、家族手当は、所得税、社会保険料、雇用保険の対象となりますが、割増賃金の基礎となる賃金からは除外される賃金です。その点を理解したうえで、家族手当申請書を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
給与の締め日・支払い日を変更する方法は?従業員へのお知らせの書き方も
「給与締日変更のお知らせ」は、従業員の生活設計に大きく関わる重要な通知です。本記事では、給与の締め日や支払い日の変更方法や、従業員へのお知らせの書き方や注意点について解説します。適切な手続きを踏むことで、スムーズな給与日程の移行を図りましょ…
詳しくみる所定労働日数22日の給与計算のやり方は?残業や欠勤の調整方法を解説
従業員は、「所定労働日数」という形で何日働くべきか定められています。所定労働日数は給与計算だけでなく、有給休暇にも関係する重要なものです。当記事では、所定労働日数の重要性や計算・決定方法などについて解説します。具体的な所定労働日数を挙げたう…
詳しくみる退職者も給与支払報告書は必要?不要な場合や書き方の注意点を解説
退職者の給与支払報告書は、原則として作成・提出が必要です。本記事では、給与支払報告書と源泉徴収票の違いや給与支払報告書の提出が不要なケース、書き方の注意点、よくある質問などを解説します。退職者に関する手続きを正しく進めるために、必要な知識を…
詳しくみる源泉所得税が0円の所得税徴収高計算書の書き方は?税務署への提出は必要か
所得税徴収高計算書を0円で提出する場合、本税の欄に「0」と記入するだけで対応可能です。本記事では所得税徴収高計算書の書き方の中でも、源泉所得税の納付額が0円になる場合とその具体例、書き間違えた場合の訂正方法、0円でも提出する理由も解説します…
詳しくみる皆勤手当とは?概要や相場、有給休暇を取っていてももらえる?
皆勤手当は、1ヵ月の所定労働日数の内、一定以上出勤したことを条件に支給される手当のことです。しかし、従業員が遅刻をした場合や年次有給休暇を取得した場合に、皆勤手当を支払うべきか迷うこともあるでしょう。 皆勤手当とは何か、時間外労働・休日・深…
詳しくみる最適な住宅系福利厚生は?借り上げ社宅/社有社宅/住宅手当を徹底比較
従業員人気の高い住宅系福利厚生の導入を検討しているものの、「制度ごとの違いがわからない」「自社にマッチした制度の選び方は?」といった疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、住宅系福利厚生制度のメリット・デメリットを…
詳しくみる