- 更新日 : 2024年10月30日
Z世代とは?どんな世代?年齢や特徴、働き方、育成方法
Z世代とは1990年代から2010年代前半に生まれた世代を指します。自分の価値観・考え方を大切にするという特徴から、物事の理由をきちんと伝えてモチベーションの維持・アップを図ると、仕事で十分な能力発揮が期待できます。安心感があり、多様な働き方ができる職場環境において、Z世代は活躍できます。本記事ではZ世代の特徴や働き方、育成方法などを詳しく解説します。
Z世代とは?
Z世代とは1990年後半から2010年代前半までに生まれた世代を指す言葉です。消費に代表される経済行動、社会に与える影響などにおいて特徴的で、かつ大きな力があり、マーケティングなどへの活用の観点から重要視されています。
なぜZなのか
Z世代の前はY世代(ミレニアル世代)、後にはα世代が続きます。アルファベット順で名付けられたため、Zがアルファベット最後の文字であることから、Z世代にはα世代が続きます。
Z世代の他の言い方
Z世代はジェネレーションZとも呼ばれます。また、生まれたときからインターネットやスマホが当たり前に身の回りにあり、物心ついたときからSNSに触れてきた世代であることからデジタルネイティブ、SNSネイティブなどとも呼ばれます。
Z世代と他の世代との違い。
Z世代より上の世代にはンX世代やY世代、下の世代にはα世代があります。Z世代との違いを紹介します。
Y世代(ミレニアル世代)
Y世代は不景気の中で子供時代を過ごしているため、金銭に対しての執着が強い傾向にあります。昇給や昇格などの出世に意欲的であり、高い評価が得られる仕事を好みます。自分の価値観にマッチする・やりがいが感じられるといった点よりも金銭や地位向上に結びつくかどうかを重視し、会社では自分が不利にならないように上手く立ち回ることが多いようです。
X世代
X世代は景気のよいときが子供時代と重なっていることも多く、Y世代ほど金銭感覚がシビアではありません。買い物に対しても相応の意欲があり、購入という金銭消失を伴う行動もさほど抵抗を感じず行えます。また価値観の多様化・体験の重視が進んだ世代で、働き方を変えることに抵抗がなく、転職や起業をする人が多く見られます。
α世代
α世代はZ世代の次、2010年以降に生まれた世代です。Y世代を親に持ち、強く影響を受けています。デジタル技術が普及した時代に生まれたため、デジタル化・技術革新にすんなり対応できる世代であり、ビジネスでも優れた能力を発揮すると期待されています。
Z世代の特徴
Z世代は生まれたときにはすでにインターネットが普及していた最初の世代で、それまでの世代とは情報の集め方が大きく異なっています。他にも仕事の選び方や働き方、消費の傾向、価値観や考え方について、特徴を説明します。
情報の集め方
Z世代はそれまでの世代が主にテレビから情報を得ていたのとは異なり、インターネットを情報収集に活用します。マスメディア離れが顕著な世代であり、不要な情報が混ざっているテレビコマーシャルなどよりも、検索して必要な情報だけを得られるネットの方に価値を置いています。さらにInstagramやX(旧Twitter)といったSNSを用いた情報収集を、Yahoo!検索やGoogle検索よりも好む傾向も見られます。
仕事の選び方・働き方
Z世代は社会問題に対する意識が高いことが挙げられます。仕事選びでも就職先として給料が高いといった条件がよいところよりも、社会的責任を果たしている会社や、十分に社会に貢献している会社を選ぶ傾向が見られます。やりがいも重視され、自分のやりたいことを仕事として選ぶことが多いようです。
働き方ではワークライフバランスが大切になり、仕事のために他のことを犠牲にしなければならないような選択は避けられます。正社員に固執せず、不安定であっても自由な非正規雇用で働く方を選ぶ傾向も見られます。
消費の傾向
消費傾向としては、脱ブランドという特徴があります。いわゆるブランド物にこだわる人が少なく、世間一般的な評価よりも欲しいかどうかで購入する物を選ぶ傾向が見られます。自分の価値観を大切にしていることと、多様性を重視していることによる消費傾向だとされています。
価値観・考え方
Z世代の特徴として、自分自身の価値観・考え方を非常に大切にする点も挙げられます。個人の自由や多様性は尊重されるべきという思想が浸透しているからで、周囲に無理に合わせたり、自分の意志に反する行動を強要されたりすることを嫌います。
Z世代の能力を引き出すには?
会社では円滑に事業活動を遂行し、求められている成果をあげなければなりません。そのためには、Z世代の能力を引き出し、それぞれが自分の力を活かせるよう、努めなければなりません。能力を引き出すポイントを理解し、実践してZ世代の働きを向上させましょう。
物事の理由をきちんと伝える
会社でZ世代の能力を引き出すためには、まず、物事の理由を明確に伝えることが重要です。自分の価値観・考え方を大切にしているため、自分がきちんと理解・納得したうえでの行動を望みます。自分がする仕事に対しても意義や目的がはっきりしていないと意欲がわかず、十分な成果があげられません。物事の理由をきちんと伝えることで、能動的に前向きな姿勢で仕事に臨めるようになります。
強みや長所をフィードバックする
Z世代の能力を引き出すためには、強みや長所のフィードバックも効果的です。他人の評価を気にするため、長所が認められ価値が評価されていることで大きく自信を持てるようになります。パフォーマンス向上につながるとともに、具体的なフィードバックによりスキル向上が図れます。
フラットなコミュニケーションを心がける
Z世代は自分の意見やアイデアを尊重され、自由に表現することができる環境を好みます。フラットなコミュニケーションを心がけることにより、彼らが新しいアイデアを提案しやすくなるとともに、企業のイノベーション促進にもつながるでしょう。
安心感のある環境づくり
Z世代が能力発揮しやすい職場とするためには、安心感のある職場づくりも大切です。この世代は早いうちから自分自身のスマホを所有し、情報に常に触れ、SNSも多用しています。多過ぎる情報やSNSでのやりとりでストレスを受けるなど、不安定になりやすい点が特徴です。信頼できる人間関係を築いたり、オープンに心配事を相談できる雰囲気にしたりすることで、彼らの求める対応やサポートが行え、伸び伸びと働いて十分に活躍できる場にできます。
Z世代が活躍できる職場環境
Z世代はどのような職場環境において活躍し、十分に能力が発揮できるのでしょうか。職場環境整備でのポイントを理解し、Z世代が生き生きと働ける職場づくりをしましょう。
多様な働き方を整える
Z世代は仕事とプライベートのどちらにも重きを置き、ワークライフバランスを非常に重要視します。個人の事情に合わせた働き方を可能にするための制度を導入するとよいでしょう。フレックスタイムやリモートワーク、裁量労働制、育児や介護のための労働時間短縮、特別休暇など、さまざまな制度の積極的な導入により、多様な働き方を整備しましょう。
オープンなコミュニケーション
小さい頃からSNSなどを利用しているため、相手の年齢によって接し方を変えない傾向が見られます。年上に対しても年下に対しても態度を変えない、フラットな関係構築を望みます。職場の人間関係も風通しがよい、オープンなコミュニケーションを可能にしましょう。
プライバシーの尊重
Z世代は自分の時間やスペースを大切にし、許可のない他人の侵入・介入を嫌います。プライバシーが守られない環境では仕事に集中できず、十分に能力を発揮できません。プライバシーが尊重される環境でこそ、Z世代は自分の尊厳を守りながら、自己実現に向けて効率的に働けます。プライバシーが尊重されるよう職場環境を整備するとともに、個人情報の取り扱いに関するルールの明確化などにも取り組みましょう。
理不尽なことを押し付けない
Z世代は公平性を重視し、自分の意見を尊重する職場環境を求めます。無茶な要求や到底不可能な業務負担をされるとモチベーションが低下し、能力が発揮できなくなるでしょう。彼らの意欲・成果を引き出すためには、職場環境や労働条件の整備・改善により、理不尽なことを押し付けないようにすることが重要です。風通しのよい人間関係構築、開放的な雰囲気づくり、相互に尊重し合える職場文化を育成なども大切になります。
企業がZ世代を採用するポイント
Z世代は採用活動でも他の世代と異なるポイントがあります。採用する際の工夫や注意点を理解して、求める人材の獲得に活かしましょう。
動画やオンラインを活用する
Z世代はYouTubeや各SNSのライブ配信により、動画の視聴を日常的に行っています。採用活動においても企業から採用情報を動画で提供することで、彼らに届けられると期待できます。企業の魅力、職場環境などを動画とすることでしっかりと伝えられ、応募者へ的確にアプローチできるでしょう。
採用プロセスのスピードアップ
Z世代の採用では、プロセスも従前よりスピードアップすることが求められます。これまでのような採用活動では遅いと受け止められ、他企業へ流れてしまう恐れがあります。選考過程の見直し、連絡手段のオンライン化、外部の求人支援サービスの活用などにより、採用活動の効率化を図りましょう。
インターンシップや職場体験の提供
仕事をただの生活のため必要なことだと考えるのではなく、やりがいを感じたり自分自身を成長させたりする点に重きを置いて捉えるのもZ世代の特徴です。将来にわたって誇りを持って働き続けられるかどうかも、この世代の職業選びでは重要なポイントとされます。採用活動においてはインターンシップや職場体験の場を提供することも大切です。
企業の価値観や社会貢献活動を伝える
Z世代は上の世代と比較して、自分の考え方に合う企業を就職先として選ぶ傾向が強まっています。給料などの条件と同様に、企業活動をするうえでどのような点に価値を見出しているのか、社会にどんな活動で貢献しているのかを伝える必要があります。応募者に選んでもらうためには、判断に有用な情報を積極的に提供しなければなりません。企業の価値観や取り組んでいる社会貢献活動を伝えることは、早期退職につながるミスマッチ防止にも役立ちます。
会社の発展に向けて、Z世代の活躍できる職場環境にしよう
Z世代とは、1990年代から2010年代前半に生まれた世代です。自分の価値観や考えを大切にするほか、ワークライフバランスを重視する、やりがいで仕事を選ぶ、といった特徴があります。
Z世代はインターネットやスマホ、SNSなどが生まれたときからあった世代で、デジタルネイティブやSNSネイティブとも呼ばれます。他の世代とは異なる、大きな力を持っていて、社会に大きな影響を与えると考えられています。会社においてもこれから中心になっていく存在であり、今後に向けてZ世代の能力を十分に引き出していくことが求められます。特徴をよく理解し、活躍できる環境をつくりましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
雇用契約書とは?法的な必要性や作り方をひな形付きで紹介
雇用契約書とは、雇用契約の成立を証明する書類です。働く内容や各種手当など、雇用に関するルールが書かれています。法律上は雇用契約は当事者間の合意のみで成立するため、雇用契約書の作成は法律上の義務ではありません。 本記事では、雇用契約書作成が必…
詳しくみる262の法則とは?人材育成での活用ポイントや343の法則との違い
262の法則とは、どの組織でも人材の比率が「優秀な2割「普通の6割」「貢献度の低い2割」で構成されるという考え方です。階層ごとに適切なマネジメントや人材育成を行うことで、組織全体の成長に役立ちます。 本記事では262の法則の意味や343の法…
詳しくみる就業規則に違反した場合の7つの対応方法|違反行為や処分の例も紹介
就業規則の違反には、主に7つの対応方法があります。対応方法とは、始末書の提出や減給といった懲戒処分のことです。 ただ「具体的にはどのような処分がある?」「どのような違反行為に、どういう処分を下すべき?」と疑問に思っている人もいるでしょう。そ…
詳しくみる韓国における外国人労働者|受け入れ政策の現状や問題点、日本との違いについて解説
日本では少子化に伴って生産年齢人口が減少しており、外国人労働者の受け入れが増加しています。実は、韓国も同様に少子化による労働力不足が起きており、外国人労働者受け入れ政策を実施しているのはご存知でしょうか。 本記事では、今後も日本で確保するべ…
詳しくみる外国人雇用管理主任者の概要とは?合格率や取得するメリットを解説
外国人雇用管理主任者は、外国人労働者の雇用管理に関する専門知識を身につけ、企業や団体に対する総合的なサポートを提供できる資格です。資格の取得により、外国人雇用に関する法令や労務管理の実務スキルが向上し、企業の国際化を支援する重要な役割があり…
詳しくみる懲戒解雇の退職金はどうなる?不支給・減額の適切な対処法や注意点
企業経営において、従業員の懲戒解雇は避けられない事態となることがあります。しかし、それに伴う退職金の問題が、企業に新たなリスクをもたらす可能性があることを忘れてはいけません。 本記事では、懲戒解雇に伴う退職金の適切な取り扱い方や解雇手続きに…
詳しくみる