- 更新日 : 2024年11月15日
6月以降に中途入社した従業員の定額減税はどうなる?
定額減税は、従業員の税負担を軽減するための重要な制度です。しかし、6月以降に中途入社した従業員に対しては、月次減税が適用されないため、特別な対応が必要となります。
本記事では、6月以降に中途入社した従業員に対する定額減税の対応方法について、月次減税が適用されない理由、年末調整での対応方法などについて解説します。
目次
6月以降に中途入社した従業員については月次減税を行わない
月次減税とは、毎月の給与支給時に所得税の源泉徴収額から定額減税額を控除することです。これにより、従業員の毎月の税負担が軽減されます。月次減税の適用対象者は、基準日である令和6年6月1日に在職している従業員とされています。
定額減税の対象者の判断基準日は令和6年6月1日です。この基準日に在職している従業員が月次減税の適用を受けることができます。
したがって、令和6年6月2日以降に中途入社した従業員は、この基準日に在職していないため、月次減税の適用対象外となります。
6月以降に中途入社した従業員については年調減税で対応する
定額減税の適用対象者は、6月1日現在で在職している従業員が原則となります。したがって、6月2日以降に新たに就職した従業員は、適用対象から外れることになります。
定額減税は、毎月の給与から定額減税額を源泉徴収する月次減税で行われますが、6月2日以降入社の従業員は判断基準日時点で適用対象外だったため、月次減税の対象にはなりません。
事業主としては、これらの従業員については、給与支払者が毎月の給与から定額減税額を控除する必要はありません。月次減税を行わないことで、源泉徴収事務の負担が軽減されことになります。
ただし、6月2日以降入社の従業員は、年末調整時には年調減税で定額減税の適用を受けることになります。年調減税とは、年末調整で計算した所得税額や個人住民税額から定額減税額を控除する手続きです。
この調整により、6月2日以降入社の従業員も定額減税の恩恵を受けられるようになっています。
このように、月次減税は行わないものの、年末調整時の年調減税で定額減税を適用するという仕組みになっています。適切な手続きを経ることで、6月2日以降入社の従業員も公平に減税が受けられるよう配慮されています。
6月以降に中途入社した従業員について年調減税で対応する流れ
年調減税で対応する場合、まず、年末調整の対象となる従業員を確認し、扶養控除等申告書や配偶者控除等申告書を提出してもらいます。次に、これらの書類を基に、年末調整時に定額減税額を計算し、年間の所得税額から控除します。最終的に、控除後の所得税額を確定し、過不足額を精算します。
年調減税を行うためには、従業員に扶養控除等申告書や配偶者控除等申告書を提出してもらいます。これらの書類には、従業員の扶養親族や配偶者の情報が記載されており、年調減税額の計算に必要な情報が含まれています。また、年末調整に係る申告書も必要となります。
年調減税の対応スケジュールとしては、11月末までに年末調整の準備として、従業員から必要書類を提出してもらいます。次に、12月に年末調整を実施し、定額減税額を計算して控除します。最終的に12月末までに過不足額を精算し、従業員に通知します。
6月以降の中途入社従業員の定額減税を適切に対応しよう!
6月以降に中途入社した従業員に対する定額減税は、年末調整で対応することが求められます。月次減税が適用されないため、年末調整時に正確な減税額を計算し、適切に控除することが重要です。
必要な書類をそろえ、スケジュールにしたがって対応することで、従業員の税負担を軽減し、法令に基づいた適切な処理を行うことができるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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