- 更新日 : 2022年11月28日
火災保険・地震保険は年末調整や確定申告で控除できる?
2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ
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初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。
地震保険と火災保険はセットで契約しますが、税制上の取り扱いはそれぞれ異なります。地震保険は所得控除の対象にできますが、火災保険は控除の対象外であることは意外に知られていません。
火災保険や地震保険に加入している人は、年末調整や確定申告を正しく実施するためにも、本記事をぜひご一読ください。
目次
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火災保険は控除対象になる?
火災保険は年末調整や確定申告の控除対象ではありません。生命保険や地震保険が控除対象であることから勘違いする人も多いですが、控除対象ではないため注意しましょう。
以前は「損害保険料控除」という項目が存在したため、火災保険も年末調整や確定申告において控除が受けられましたが、税制改正の結果、現在は火災保険料が控除対象ではなくなりました。
税制改正の結果、控除対象外になった損害保険料控除には経過措置があり、いくつかの条件を満たす長期契約の火災保険は、引き続き保険料に基づき所得控除が受けられます。
旧長期損害保険の対象となるのは、保険期間が10年以上の契約で、2006年末までに保険契約を締結していた損害保険などです。
旧長期損害保険の控除金額は、地震保険料と同じように支払った保険料に応じて変動します。控除額の計算方法は、地震保険の控除額にあわせて説明していきますので、該当する契約がある人は参考にしてください。
地震保険は控除対象になる?
地震保険は年末調整や確定申告の控除対象です。
日本は地震が非常に多い国で、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災で経済や生活基盤に甚大な被害を受けてきました。自然災害である地震を自助努力で回避することは不可能です。日本で暮らす人にとっては、地震発生を見越した対策が欠かせません。
地震保険料が控除対象となったのは2007年のことです。上記のような背景をふまえ、地震災害対策への自助努力を促すために地震保険料控除が新たに設定されました。
地震保険は火災保険とセットになっており、火災保険が控除対象外なら地震保険も控除対象にならないと勘違いしている人も少なくありません。もれなく申告して、しっかり控除を受けるようにしましょう。
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地震保険料控除とは
ここからは地震保険料控除の仕組みについて具体的に解説していきます。控除額を確認するための表も掲載しているため、年末調整や確定申告でどの程度の控除が受けられるか確認しておきましょう。
控除の対象
地震保険料の控除額は、1年間で払い込んだ地震保険料に応じて変動します。経過措置中の長期損害保険契約がある人も同様です。
控除対象になるのは、その年の保険契約者(保険料負担者)となりますので、住宅が夫婦共有名義のような場合でも、控除が受けられるのは保険契約者のみである点に注意してください。
また、控除額については、所得税と住民税に対して、それぞれ違う割合の控除額が適用されます。所得税は最高5万円、個人住民税は最高2万5千円を課税所得金額から控除することが可能です。
控除額
地震保険料、長期損害保険料控除(経過措置)の控除額は以下の通りです。
所得税
控除対象保険料 | 控除額 | |
---|---|---|
地震保険料控除 | 50,000円以下 | 支払保険料全額 |
50,000円超 | 50,000円 | |
長期損害保険料控除 (経過措置) | 10,000円以下 | 支払保険料全額 |
10,000円超 20,000円以下 | 支払保険料×1/2 +5,000円 | |
20,000円超 | 15,000円 |
住民税
控除対象保険料 | 控除額 | |
---|---|---|
地震保険料控除 | 50,000円以下 | 支払保険料×1/2 |
50,000円超 | 25,000円 | |
長期損害保険料控除 (経過措置) | 5,000円以下 | 支払保険料全額 |
5,000円超 15,000円以下 | 支払保険料×1/2 +2,500円 | |
15,000円超 | 10,000円 |
地震保険料控除を受けるには?
地震保険料控除を受けるために必要な手続きや書類を解説します。
年末調整で控除を受ける
会社員など、被雇用者のほとんどの人が年末調整を行います。年末調整とは、会社が1年間の所得税の総額を計算し、過不足がないように納税額を調整してくれる手続きです。会社員であれば、年末調整のタイミングで会社の指示にしたがって申告の手続きをするだけで地震保険料の控除が受けられます。
年末調整に必要な書類は「地震保険料控除証明書」と「給与所得者の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書」です。
地震保険料控除証明書は、1年契約の場合保険証書と一緒に送られてくることが一般的ですが、なかには保険証書と一体型になっている場合もあるようです。長期契約の場合は毎年10月頃に、保険会社からその年の支払額に関する証明書が送られてきます。どちらの場合も、保険会社が発行する控除証明書が申告には必須です。なお、地震保険料控除証明書は、電子データでの提出が可能です。
給与所得者の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書は、年末調整の時期になると会社から配布されます。指示にしたがって記入し、期限内に提出しましょう。
確定申告で控除を受ける
確定申告では、確定申告書に加えて年末調整と同様に地震保険料控除証明書が必要です。
確定申告書に地震保険料控除に関する金額を記入し、証明書類として地震保険料控除証明書を添付します。なお、確定申告についても、地震保険料控除証明書は電子データでの提出が可能です。
地震保険料控除の注意点
地震保険料控除自体は特別難しいものではありませんが、2つの注意点があります。
保険料を一括で支払った場合
複数年分の地震保険料を一括で払い込んだ場合、地震保険料の控除額は、次の計算式で1年分の金額に換算して算出します。
あらかじめ保険期間で割った金額を地震保険料控除証明書に掲載する保険会社もあるため、具体的な控除額は保険会社が発行する控除証明書で確認しましょう。
夫婦共有名義の建物の保険の場合
最近は建物を夫婦共有名義にするケースも珍しくありません。こうした場合、建物は共有名義であったとしても、保険契約者はどちらか1人です。
地震保険料控除は、保険料に応じた控除額を所得から差し引くことによって所得税や住民税を軽減する制度です。所得税は累進課税で、所得が多いほど所得税率も高くなります。そのため、所得控除の効果を高くしたい場合は、所得の多い人を契約者にして控除を受けることが得策でしょう。
地震保険料は忘れずに申告すること
地震保険料は難しい計算が必要なく、必要書類を準備するだけで簡単に申告できます。申告するだけで保険料を所得額から控除できますので、忘れずに申告しましょう。もし年末調整で申告できなかった場合は、地震保険料控除だけでも確定申告が可能です。年末調整のタイミングを逃してしまったからといって諦めずに、確定申告で所得控除を受けましょう。
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よくある質問
火災保険は控除できる?
控除の対象外。ただし、経過措置として長期の火災保険(旧長期損害保険)は控除できる特例がある。詳しくはこちらをご覧ください。
地震保険は控除できる?
火災保険と違い、控除の対象となっている。所得税から最高5万円、個人住民税から最高2万5千円を所得金額から控除できる。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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