• 更新日 : 2023年12月15日

寡婦控除の要件やひとり親控除との違い

「寡(やもめ)」とは夫や妻と死別・離縁した後、再婚していない状態を指します。

税法上は「寡婦(女性)」「寡夫(男性)」とされますが、所得税や住民税の計算をする際に「寡婦控除」「ひとり親控除」などの特典を受けることができます。

今回は「寡婦」「ひとり親」の定義から、税法上の特典を受けるための手続きまで解説します。

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寡婦とは

婚姻関係にあったパートナーと死別したり離縁したりした後、再婚せずにいる方や、夫や妻の生死が不明の方で一定要件を満たす方のことを税法では「寡婦(寡夫)」としています。

「寡婦」は女性、「寡夫」は男性を指しますが、いずれも読み方は「かふ」となります。

以前は「寡婦控除」と「寡夫控除」がありましたが、「寡夫控除」は令和2年分以降の所得税に「ひとり親控除」が創設されたことにより統合され、廃止されました。

寡婦やひとり親などの死別や離婚、生死不明などが原因でパートナーと経済的に協力しながら生活していけない方に対して、税法では「所得税や住民税の軽減」という特別な措置を用意しています。

寡婦控除とは

所得税軽減の具体的な手順としては、「所得控除」という方法で所得(所得金額)を減額し、所得税や住民税を軽減することになります。

例えば給与所得者の場合の寡婦控除は次の図のようなイメージです。

給与所得者の場合の寡婦控除のイメージ

所得税や住民税では「課税所得金額」に税率を乗じて税額を計算します。

所得控除により「課税所得」が少なくなれば税額も少なくなる、という仕組みです。

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寡婦控除の対象となる人

「寡婦」となる人の要件をみてみましょう。

寡婦とは

「寡婦控除」を適用するための寡婦の定義は以下のいずれかに該当する方で、いずれも事実上の婚姻関係と同様の事情にある者がおらず、後述する「ひとり親」に当たらない方です。

  1. 夫と離婚した後、婚姻をしていない方で、扶養親族がいてなおかつ合計所得金額が500万円以下の方
  2. 夫と死別した後、婚姻をしていない方で、合計所得金額が500万円以下の方
  3. 夫の生死が明らかでない一定の方で、合計所得金額が500万円以下の方

「合計所得金額が500万円以下」とは、給与所得に限らず、事業所得や不動産所得など全ての所得の合計で判定します。

参考:合計所得金額|国税庁

「扶養親族」とは以下の要件を全て満たす方です。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が48万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

なお「扶養親族」には「年少扶養親族」が含まれることに注意してください。

出典:No.1180 扶養控除|国税庁

「生死が明らかでない一定の方」の要件は以下のリンクを参照してください。

所得税法施行令第11条(寡婦の範囲):所得税法施行令 | e-Gov法令検索

寡婦控除の金額

「寡婦」に該当する場合、所得税の計算上「寡婦控除」を受けることができます。

「寡婦控除」

「寡婦」に該当した場合、27万円の所得控除を受けることができます。

仮に所得税の税率が5%の方であれば、27万円×5%×1.021(復興特別税)≒ 13,700円ほど所得税が安くなります。

寡婦控除を受けるための手続き

「寡婦控除」を受ける方法としては2つのパターンがあります。

年末調整で控除を受ける方法

給与所得者が会社で年末調整をする場合、「扶養控除等申告書」の寡婦にチェックマークを入れれば「寡婦控除」を受けることができます。

各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)

出典:各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)|国税庁
令和5年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を加工して作成

確定申告で控除を受ける方法

事業所得や不動産所得等があり確定申告をしている方の場合、確定申告書第一表に「寡婦控除」の控除金額を、第二表に寡婦となった要因を記載することで控除を受けることができます。

<確定申告書第一表イメージ>

令和5年分以降用 確定申告書第1表 寡婦控除

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
所得税確定申告書」を加工して作成

<確定申告書第二表イメージ>

確定申告書第二表イメージ 寡婦

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
所得税確定申告書」を加工して作成

ひとり親控除との違い

寡婦控除とは別に、「ひとり親控除」があります。

参考:No.1171 ひとり親控除|国税庁

「寡婦控除」と「ひとり親控除」の大きな違いは、婚姻の事実の有無にあります。

「寡婦控除」が婚姻後の、死別・離婚・生死不明等を原因とするのに対し、「ひとり親控除」はシングルマザーのように婚姻の事実がなくても適用されます。

前提条件として、所得が500万円以下で事実上婚姻関係にある者がいないことがあります。
女性の場合「扶養親族」が生計を一にする子供であれば「ひとり親控除」、それ以外であれば「寡婦控除」と考えれば理解しやすいかと思います。男性の場合も、「扶養親族」が生計を一にする子であれば「ひとり親控除」が受けられます。

「ひとり親控除」は親の性別に関係なく要件に該当さえすれば受けることができる控除です。

公的年金制度での寡婦の意味

公的年金制度でも、寡婦に対する優遇があります。ただし、夫の被保険者区分(雇用形態)によって受けられる優遇の内容が異なるため、条件をよく確認しなければなりません。
また、公的年金での寡婦に対する優遇は、中高齢期の生活を保障する意味合いがあるため、税制に比べて寡婦として優遇を受けられる人の範囲が狭くなっています。

夫の
被保険者区分
妻が
受給できる年齢
主な要件
寡婦年金第1号被保険者
(自営業者など)
60歳~65歳夫の国民年金加入期間などが10年以上、10年以上の継続的な婚姻など
中高齢寡婦加算第2号被保険者
(会社員など)
40歳~65歳遺族厚生年金の加算給付の1つ
同一生計の子がいないこと、または子が一定の年齢に達した場合

夫が亡くなった場合には、遺族は遺族年金がもらえます。ただし、夫が国民年金の第1号被保険者(自営業者など)であった場合は、原則として18歳未満の子がいなければ遺族年金はもらえません。

夫が自営業者だった場合は寡婦年金

第1号被保険者である夫が亡くなった場合、18歳未満の子がいなければ「遺族基礎年金」はもらえません。このような不利益を避けるため、第1号被保険者のための制度として「寡婦年金」や「死亡一時金」が設けられています。

寡婦年金は、第1号被保険者である夫が亡くなった場合、妻が60歳から65歳までの間にもらえるものです。寡婦年金の額は、夫が受け取るはずであった年金額の4分の3となります。

寡婦年金をもらうには、次の要件を満たす必要があります。

  • 夫が第1号被保険者として保険料を納めた期間と保険料を免除された期間の合計が10年以上あること。
  • 10年以上継続して婚姻関係にあったこと(事実婚、内縁関係でも可)。
  • 夫が妻の生計を維持していたこと。
  • 夫が障害基礎年金や老齢基礎年金をもらっていないこと。
  • 妻が老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けていないこと。

夫が会社員の場合は中高齢寡婦加算

夫が国民年金の第2号被保険者(会社員や公務員など)である場合は、厚生年金にも加入しているため、子がいるかいないかにかかわらず遺族年金をもらうことができます。
厚生年金から支給される遺族年金には、中高齢寡婦加算というものがあります。次のいずれかにあてはまる場合、40歳から65歳までの間、遺族年金に年間約58万円が加算されます。

  • 夫が亡くなったときに妻が40歳以上65歳未満で、同一生計の子がいない場合。
  • 子が18歳年度末に達したために、遺族基礎年金がもらえなくなった場合。

中高齢寡婦加算を受けていた人が65歳になって自身の年金をもらう場合、自身の年金が中高齢寡婦加算を下回ることがあります。こうした年金額の減少を補うため、経過的寡婦加算が行われる場合があります。

適用を受ける際には要件に注意を

以上のように「寡婦控除」「ひとり親控除」には様々な適用要件があります。
「いずれかに該当」や「全てに該当」といった箇所をよく理解しておく必要があります。
また、税法ではいずれの控除も「事実婚をしていれば適用できない」という点にも注意しましょう。

確定申告について詳しく知りたい方は、次の記事をご確認ください。

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よくある質問

寡婦とは?

婚姻後、死別や離婚、生死不明等の理由で夫と別れ、その後婚姻していない方のうち、所得要件など一定の要件に該当する方を指します。詳しくはこちらをご覧ください。

寡婦控除とは?

寡婦の方が受けることができる所得控除で、所得税や住民税が軽減されます。詳しくはこちらをご覧ください。

寡婦控除を受ける手続きは?

年末調整または確定申告で寡婦である旨の申告をすれば、控除を受けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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