クラウドによるサービス連携で脱・手作業 30%超の業務効率化に成功
(写真左から)課長補佐 豊川様 金城様 三井様
課題
紙の給与明細の発行作業に、給与担当者2名で毎月10時間かかっていた
法定調書に従業員300人+α分のマイナンバーを手書きしていた
年末調整書類を従業員自身で記入するのが難しく、人事労務担当者が代理で記入することもあった結果
給与明細のWeb化で業務負荷が軽減され、従業員の利便性も高まった
データ連携で社会保険の申請書類への記入が自動化され、電子申請が容易になった
従業員が年末調整書類を記入しやすくなり、給与担当の代理記入が不要になった
紙の給与明細発行に月10時間 法定調書のマイナンバーは手書きだった
ーー人事労務の体制について教えてください。
豊川様: 給与計算をはじめとする労務は、本社にある人事総務本部人事課の2名で担当しています。以前は、本社に次いで従業員規模が大きい名護工場にも労務担当者が1名いましたが、その従業員が産休・育休に入ったのを機に、本社に集約した経緯があります。
ーーマネーフォワード クラウド導入前、人事労務担当者の方々はどのような課題を抱えていたのでしょうか。
金城様: 給与計算では紙ベースの作業やシステムへの手入力といったアナログ対応が大半だったため、膨大な手間がかかっていました。その代表例が給与明細発行業務で、約300人分の印刷、封入、仕分け、そして各拠点の従業員へ郵送する一連の作業に、担当者2名で毎月10時間はかかっていたと思います。
三井様: アナログ作業が残っていた要因のひとつに、20年近く使っていた給与計算システムが機能的に限界を迎えていたことがあります。
例えば、マイナンバー管理ソフトと給与計算システムは連携して使用できなかったため、毎年の源泉徴収票発行時には、従業員約300人分+その扶養家族分のマイナンバーをすべて手書きして、紙で税務署や役所に提出していました。
そのほかにも、旧システムは年間賞与支給回数に制限があったり、物理面では給与明細発行業務に使っていたドットプリンタがたびたび故障したりとさまざまな限界を迎えており、給与システムの刷新は急務となっていました。
選定の決め手は他社クラウドサービスとの連携性
ーークラウド導入はどのように検討を進めていったのですか。
豊川様: もともとは、同じく老朽化していた人事管理システムの見直しについて部署内で議論が持ち上がったのが発端です。その過程で、人事管理システムと連携して使っていた給与計算システムの課題も改めて認識され、併せて刷新することを決めました。
ーーさまざまなクラウドツールの中で、マネーフォワード クラウドを選んだ理由は何だったのでしょうか。
豊川様: マネーフォワード クラウドを知ったきっかけは、人事管理システムの検討時に、商談していた会社から紹介してもらったことでした。
複数社比較した中で、最終的にマネーフォワード クラウドを選んだ決め手は、他社クラウドサービスとの連携のしやすさです。検討を進めていた人事管理システムと連携できるのはもちろん、すでに導入済みの他社のクラウド勤怠管理ソフトともボタンひとつでデータ連携できるということで、運用の現実性が高いと判断しました。
またその際、単純に給与計算部分だけを移行するのではなく、関連領域をトータルでクラウド化してこそツールの効果を最大化できると考え、「クラウド給与」に加えて「クラウド年末調整」「クラウド社会保険」の導入も進めた形です。
ーー導入はスムーズに進みましたか。
金城様: はい。サポートが手厚く、担当営業の方が導入・移行のスケジュール管理まで手伝ってくださったのは大変ありがたかったです。導入当初は操作や設定など何かと確認点が多くなりますが、チャットでいつでも気軽に質問でき、スピーディに問題解決できました。
労務体制1名減、作業日数1日減でも余裕を持って業務を進められるように
ーー導入後の成果はいかがですか?
豊川様: 成果は非常に大きいと感じています。まずは工場所属の給与担当者がいない状態、言い換えれば労務体制が1名分縮小した状態でも、問題なく業務を遂行できるようになりました。
その上、ほぼ同じタイミングで経理の締め日が早くなり、給与計算にかけられる日数が1日短くなってしまったのですが、それでも現在の2名体制を維持できていると考えると、効率化の効果は30%を優に超えていると思います。
ーーマネーフォワード クラウドを運用してみての感想を詳しくお聞かせください。
三井様: 紙と手入力のアナログ作業が自動化され、率直に言って業務がかなり楽になりました。中でも給与明細をWeb化できたおかげで、10時間分の発行作業を丸々削減できたのはもちろん、郵送された明細を従業員が受け取るまでのタイムラグが解消されたのはよかったです。
社会保険では、特に離職票作成の手軽さに感動しました。これまでは給与計算システム上のデータを見ながら、月ごとの給与と対象者の労働日数を「e-Gov」に手入力して電子申請していたのですが、現在では「クラウド社会保険」上のボタンひとつで「クラウド給与」からデータを呼び出して一気に自動入力。電子申請まで同じシステム上で完結でき「こんなに簡単でいいの?!」と驚きました。
金城様: 年末調整に関しては配布後1週間で半数を回収でき、書類のチェックを前倒しにできたのが助かりました。労務用語に慣れない従業員でも、わかりやすいアンケート形式で記入・提出できるのがよいですね。
以前は記入の煩雑さから「人事で代理記入してもらうのが当たり前」という従業員も少なくありませんでしたが、「クラウド年末調整」導入を機にそうした状況を脱却できたのも、見逃せない派生効果だと思っています。
豊川様: 一気にクラウド化を進めましたが、社内の抵抗感はほとんどなく、スムーズに移行できたと感じます。勤怠管理ツールを先立って導入していたこともあり、「クラウド」というものを受け入れられる土壌ができていたのかもしれません。
クラウド化で一層の業務効率化を 人事労務は社員サービス向上に注力したい
ーー人事労務の業務について、今後の展望を教えてください。
豊川様: クラウド化で定型業務をスリム化できた分、まだまだ対応が十分でない社員サービスの向上など、人事労務本来の業務に力を入れていきたいと思っています。
例えば各部署の時間外労働時間の分析・予測情報をより短いスパンでタイムリーに各上長へ配信することで、各上長の管理業務を軽減したり、部下の時間外労働の抑制・平準化に取り組んだりして、従業員全体のワークライフバランスを促進させていきたいですね。また、現在当社では上場に向けた準備を進めていることもあり、人事制度や規程の見直し、整備も進めていきたいところです。
今後人事管理システムもクラウド化できれば、従業員情報を一元管理でき、人事データの活用もしやすくなるでしょう。関連データをすべてクラウド上で連携できる体制を整えることで、さらに業務効率化を推進できるのを今から楽しみにしています。
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