- 更新日 : 2026年10月13日
確定申告で雑損控除を受ける方法とは?要件や計算方法も解説
今回は雑損控除についてまとめました。該当する場合は確定申告の際に忘れないように申告しましょう。
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雑損控除とは?
確定申告において、所得控除のひとつに「雑損控除」があります。
地震や火事、害虫による被害など、自然災害や生物、人の行為が要因となる災害または、盗難、横領などによる損害を受けた場合に適用可能な所得控除です。
所得控除について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
雑損控除の対象となる資産の要件は?
雑損控除を受けられる対象者は、「納税者」または「納税者と家計を一にする配偶者やその他の親族で、総所得金額が58万円以下(令和2〜6年分:48万円以下、令和8年分以降:62万円以下)の方」に限ります。
雑損控除の対象となる資産は、次のものです。
(総所得金額が58万円以下、(令和2〜6年分:48万円以下、令和8年分以降:62万円以下)
- 棚卸資産、事業用固定資産等以外
- 生活に通常必要な資産
したがって、別荘など趣味・娯楽・保養・鑑賞の目的で保有する不動産や、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・書画・骨とう品などは、対象外です。
雑損控除の対象となる損害の原因は?
雑損控除となる損害の原因は次のどれかの場合に限られています。
- 震災、風水害、冷害、雪害、落雷などの自然災害によるもの
- 火災、火薬類の爆発など人為的な災害によるもの
- 害虫など生物による異常な災害によるもの
- 盗難
- 横領
なお、横領などと異なり、詐欺や恐喝によるものは雑損控除の対象となりません。
雑損控除の計算方法・計算例は?
雑損控除によって控除される金額は、次のうち多い金額です。
②(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
「差引損失額」とは、「損害金額」と「災害関連支出の金額」の合計から「保険金などで補填される金額」を差し引いた金額です。
「損害金額」とは損害直前の時価を基に計算された金額のことを言います。同じものを今、取得するために必要な価額から使用年度による減価償却分を差し引いた金額です。
「災害関連支出の金額」とは、災害により被害を受けた住宅の取り壊しや撤去費用、修繕費用です。
例えば、総所得金額500万円の人が火災に遭い、400万円の資産を焼失し、災害関連支出額が50万円、保険の補填300万円を受けた場合の雑損控除による控除額を計算してみましょう。
上記の①に当てはめると
(400万円+50万円-300万円)- 500万円×10%=100万円
次に、上記②に当てはめて、
50万円-5万円=45万円
となります。
したがって、①>②となり、多い①が適用され、雑損による所得控除額は100万円になります。
なお、所得控除額が大きくて、その年の所得金額から控除しきれないときは、翌年以後(3年間限度)に繰り越すことができます。(東日本大震災・令和5年4月1日以後の特定非常災害による損失は「5年間」)
この際、雑損控除は他の所得控除に先だって控除します。
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確定申告で雑損控除を受ける方法は?
雑損控除を受ける場合は、確定申告書の「雑損控除」に関する事項欄に記載するとともに、火災は消防署、盗難は警察が発行する被害額届出用の証明書、災害等に関連して支出した金額についての領収書を添付します。
では、上記で計算した総所得金額500万円の人が火災に遭った時の確定申告書の書き方を見てみましょう。
まず、確定申告書第二表の「雑損控除に関する事項(㉗)」に、損害金額400万円、災害関連支出額が50万円、保険の補填300万円を受けたことを記載します。
- 「損害の原因」 火災
- 「損害年月日」 R7.7.2
- 「損害を受けた資産の種類など」 家財
- 「損害金額」 4,500,000 ※4,000,000+500,000=4,500,000(災害関連支出を含みます)
- 「保険金などで補填される金額」 3,000,000
- 「差引損失額のうち災害関連支出の金額 500,000
次は、確定申告書第一表に記載します。
上記①の計算後 100万円>上記②の計算後 45万円
と、金額の多い100万円が控除額となるので次のように記載します。
- 「合計⑫」 5,000,000
- 「雑損控除㉗」 1,000,000
※計算の対象となる総所得金額等は⑫(所得の合計額)ですが、次のものがあれば加味します。
- 総合課税の長期譲渡所得
- 一時所得
- 退職所得、山林所得
総所得金額等については、例えばこの例のように給与所得だけの場合には上記⑫の金額(500万円)となります。ただし、退職所得などがある場合には、加算等が必要となりますので、詳しくは次の国税庁サイトを参考にしてください。
参考:総所得金額等|国税庁
災害にあった場合は災害減免法と有利な方を選べる
災害で受けた住宅や家財の損害が時価の1/2以上で、かつ、災害にあった年の所得が1,000万円以下の場合に、雑損控除を受けずに「災害減免法」により所得税の軽減を受けることができます。
なお、所得が1,000万円を超える場合に利用できるのは雑損控除だけです。
また、盗難や横領により損害を受けた場合に適用できるのも雑損控除だけです。
災害減免法による所得税の軽減免除額は、次の通りです。
引用:No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除|国税庁
災害減免法による所得税の軽減免除を受ける場合は、適用を受ける旨や被害の状況、損害金額を記載して、確定申告書等を提出します。その際、損失額の明細書の添付が必要です。
給与所得者は、「源泉所得税の徴収猶予・還付申請書」を勤務先に提出すれば、災害があった日からその年の12月31日までの給与の支払のときに所得税の徴収猶予を受けることができます。
雑損控除と災害減免法の選択については、災害減免法が適用できるのは損害が比較的大きな場合に適用することになります。被害額や所得等を考慮し、試算し比較検討の上、適用しましょう。
災害による損害が発生した場合の確定申告については、こちらの記事もご参照ください。
自治体による減免制度が受けられる場合も
天災や火災により被害を受けた場合、住民税の免税や納税期間の猶予を設けている地方自治体もあります。
例えば、東京都では「都税の減免」という制度があります。一度課税されているがまだ納期限前の税金を、災害(地震や風水害、火災など)による被害の程度で軽減または免除するというものです。
免除される税金には、個人事業税、固定資産税・都市計画税・不動産取得税、個人の都民税、軽油取引税、事業所税などがあります。地方自治体によって対応が違うので、住んでいる自治体が設けている制度を確かめておくと、いざという時に備えることができます。
雑損控除を受ける場合は必ず確定申告しましょう
雑損控除は年末調整ではできないため、確定申告することになります。確定申告することにより、所得税だけでなく住民税にも反映されますので、節税額は大きくなります。
申告にあたっては、災害等に関連した支出の金額の証明書類を添付することを忘れないようにしましょう。
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よくある質問
雑損控除とはなんですか?
地震や火事、害虫による被害など、自然災害や生物、人の行為が要因となる災害または、盗難、横領などによる損害を受けた場合に適用可能な所得控除を言います。 詳しくはこちらをご覧ください。
雑損控除の対象となる人はだれですか?
雑損控除を受けられる対象者は、「納税者」または「納税者と家計を一にする配偶者や親族で、総所得金額が48万円以下の方」に限ります。詳しくはこちらをご覧ください。
災害減免法とはなんですか?
雑損控除とは別に、建物や家財に一定の災害があった人が、所得1,000万円以下であるときは災害減免法による所得税の軽減免除があります。災害減免法は雑損控除との選択適用となります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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