法定調書とは?知っておきたい法定調書の基礎知識

「法定調書」と聞いてどのようなものをイメージするでしょうか。

法律に定められた書面だということは言葉からわかると思いますが、どのような書面なのかといわれるとピンとこない方も多いはず。

しかし、実は意外と目にしている書類です。今回は、法定調書とは何かについて解説していきます。

法定調書とは

法定調書というのは1種類の書類ではありません。所得税法や相続税法上などに、提出することが定められている資料のことです。法定調書の提出は義務となっており、提出先は税務署となっています。

簡単にいうと、税務署はお金の支払いがあった場合に、その事実を届出させることで、お金の動きを把握します。そのときに提出させる資料が法定調書です。

どのように活用されているのか

たとえば、A社がBさんに100万円の報酬を払ったとします。そうすると、A社はBさんに100万円の報酬を払ったとする支払調書を税務署に提出します。

このとき、Bさんが100万円の事業所得があったと確定申告すれば、両者の数値は一致し適正に申告されたものであることがわかります。

ところが、Bさんが確定申告をしない、あるいは50万円しか事業所得を得ていないとして確定申告をした場合、支払調書の内容と一致しないので、どちらかが間違っていることになります。

そうすると、税務署としては、「お尋ね」という問い合わせの文書を送付するか、あるいは、税務調査をして確認することになります。

つまり、支払調書があるおかげで脱税を防ぐことができる仕組みになっているわけです。

「お尋ね」にしろ、税務調査にしろ、あまりうれしいものではありません。そのような負担を減らすためにも、確定申告は間違えないよう提出しましょう。

法定調書の種類

所得税法等で規定されている法定調書は59種類あります。全部を紹介することはできませんので、主な法定調書についてみていきましょう。

1.給与所得の源泉徴収票

サラリーマンやアルバイトをしたことがある人なら、次にあるような給与所得の源泉徴収票をもらったことがあると思います。給与を支払う者は必ず作成しなければならないものです。

給与所得の源泉徴収票

提出義務者

「給与所得の源泉徴収票」を提出するのは、給与を支払った側、つまり会社や事業主です。ただし、年末調整を行っていて税務署に提出しなければならないのは、次のような場合です。

1. 役員の場合:150万円を超えて支払われた給与等
2. 弁護士、司法書士、税理士等の場合:250万円を超えて支払われた給与等
3. その他の場合:500万円を超えて支払われた給与等

2.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

フリーランスの方などは原稿料や作業に対する報酬を受け取ることも多いと思います。このような場合に作成されるのが、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。

提出義務者

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出義務者は、外交員報酬、税理士報酬などの報酬、料金、契約金及び賞金の支払いをする人です。

提出する範囲の例示は、次のようなものです。

・外交員、集金人の場合:合計金額が50万円を超えて支払われた報酬、料金
・馬主の場合:75万円を超えて支払われた競馬の賞金がある年のすべての支払い額
・プロ野球選手の場合:合計5万円を超えて支払われた報酬や契約金
・弁護士の場合:合計5万円を超えて支払われた報酬や原稿料
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬の場合:一人に合計50万円を超えて支払われた診療報酬

提出期限

これらの法定調書は、原則として翌年1月31日が提出期限となっています。つまり、平成29年のいずれかの日に支払いがなされたならば、平成30年1月31日までに税務署に提出しなければなりません。

その際には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」をあわせて提出します。

まとめ

法定調書は意外にも身近にあるものだということがわかって頂けたかと思います。

今回紹介したもの以外にも、退職金を支払ったときに作成する「退職所得の源泉徴収票」、利子を支払ったときに作成する「利子等の支払調書」、生命保険金を支払ったときに作成する「生命保険契約等の一時金の支払調書」、株式を譲渡したときに作成する「株式等の譲渡の対価等の支払調書」など、お金が動くところに法定調書があります。

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監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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