- 更新日 : 2026年6月15日
レイオフとは?意味やリストラとの違い、メリットについて解説
レイオフは一時的解雇を指します。企業業績悪化時に、再雇用を前提に実施されます。海外、とくに北米などでは珍しくありませんが、雇用が強固に守られる日本では行われません。会社都合で行われるためメリットも企業側にのみもたらされるイメージがありますが、従業員側にも転職のチャンスとして報酬が受け取ることができるという恩恵があります。
目次
レイオフとは?
レイオフとは解雇の1つで、再雇用を前提にした一時的解雇を指します。経営悪化を理由に行われる、企業側の都合による解雇です。業績不振により経営が一時的に苦しくなった企業が、固定費である人件費負担を軽減して困窮した状態から脱却することを目的に実施します。業績が回復した際には再雇用により復帰した従業員の再雇用が行われます。
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レイオフとリストラ・解雇との違い
リストラ・解雇も、従業員との労働契約を解除する意味ではレイオフと同じです。また、リストラ・解雇もレイオフと同様、業績が悪化した企業の経営を建て直すために行われます。
リストラ・解雇とレイオフとの違いは、再雇用を前提にしているかどうかにあります。レイオフは経営状態が改善すれば離職した従業員を再び雇い入れますが、リストラ・解雇は離職者の再雇用は行いません。事業が上向いて人員の補充が必要な場合、新たな募集により従業員を雇用します。
また労働契約解除の対象者選定方法も、リストラ・解雇とレイオフでは異なります。リストラ・解雇は年齢が高い・勤続年数が長い従業員から対象者としますが、レイオフは逆で、年齢が低く、勤続年数が短い従業員から順番に対象者としていきます。再雇用は年齢が高い・勤続年数が長い人から行います。
レイオフが行われる理由
レイオフは経営状態が悪化した企業が、倒産を回避して、事業を軌道に乗せるために行う経営手法です。具体的には何故、どういった理由で、何を目的に行われるのかを説明します。
人件費の削減
レイオフが行われる理由の1つ目には、人件費削減が挙げられます。人件費は企業支出の中でも大きなウエイトを占め、経営圧迫の主要な原因になります。また毎月継続してかかる固定費であるため、収支改善に大きく役立ちます。
人材・技術の流出防止
レイオフ実施の理由の2つ目には、人材・技術の流出があります。人件費削減はリストラ・解雇でもできます。しかしリストラ・解雇をしてしまうと離職者が他社に就職し、人材を失います。また離職者のスキルや技術も流出し、ライバル会社に渡ってしまう可能性もあります。リストラ・解雇ではなくレイオフを実施することで、何物にも代えがたい人材・技術の流出を防止することができます。
レイオフにおける企業と労働者のメリット
レイオフは企業の経営状態改善を目的に実施され、倒産の危機回避や収支の健全化が図られます。具体的なメリットについて、企業側・従業員側の両方から説明します。
企業側のメリット
レイオフの企業側のメリットには、目的通りに人材や技術の流出を防ぎながら、人件費削減が可能になる点が挙げられます。またレイオフによって企業経営状態の改善が図れた際には労働契約を解除した労働者を再雇用することで、迅速にレイオフ前の状態に戻せる点も大きなメリットになるでしょう。
労働者側のメリット
従業員には転職機会の獲得や、労働意欲の回復というメリットが、レイオフによってもたらされます。レイオフを契機に希望する待遇・条件での転職が叶えば、従業員にとっては大きなメリットになるでしょう。またレイオフによる一時的な離職は、リフレッシュになったり働き方を含めた生き方を見つめ直したりする、良い機会になります。労働意欲の回復につながり、モチベーションアップや作業効率向上といった効果が期待できます。
近年のレイオフ事例
近年に行われたレイオフとして、Amazon、Google、Twitter(現在はX)の3社の事例を紹介します。
Amazon
Amazonは、2023年3月に9,000人の人員削減、4月26日にクラウドコンピューティング部門と人事部門での従業員の解雇開始を発表しました。人数は明らかにされていませんが両部門でレイオフが行われ、対象となるアメリカ・カナダ・コスタリカの従業員には同日、その他の国や地域の対象者にも順次通知が行われました。
Googleは、2023年1月に約12,000人をレイオフすると発表しました。コスト削減、およびAI(人工知能)などの優先度の高い事業の集中化を目的としたもので、対象人員数は従業員の6.4%にも上りました。
イーロン・マスクに買収されたTwitterでは、7,500人の従業員の半数を超える4,500人がレイオフされました。日本本社にも対象者がいて、メールで通知を受け取ったとされています。
日本でレイオフが行われない理由
海外、とくに北米では珍しくないレイオフですが、日本では行われません。日本では労働者保護の観点から、法律上、企業側から労働契約を解除することは簡単にはできないためです。
労働契約法 第16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
また労働基準法第20条では企業が従業員を解雇する場合の手続きについて予告、予告を行わない場合は解雇予告手当の支払いが必要である旨を定め、解雇の難しさを規定しています。
労働基準法 第20条(解雇の予告)
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
② 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
もしレイオフを言い渡されたら?
外資系企業の従業員などがレイオフを宣告された場合、素直に了承する以外に継ぎの2つの手段で対抗する方法があります。
- レイオフを拒否して、労働契約維持を求める
レイオフに応じない旨を伝え、撤回を求めます。 - レイオフを承諾するものの、条件引き上げの交渉をする
レイオフに応じる代わりに、一時金の増額や解雇の先延ばしを求める方法です。生活維持や転職活動のために、必要な保障を得られるよう交渉します。
レイオフが現在は日本で行われることはないが、将来に備えて知識は持っておこう
レイオフは海外、とくに北米では頻繁に行われています。一時的解雇を意味し、再雇用を前提としている点が特徴的です。業績悪化のために従業員を一時的に解雇し、回復した際には再雇用が行われます。日本では雇用の維持で強固に守られるため、一般的には行われていません。ただし外資系企業では日本でも対象者が出る場合があります。
レイオフは企業側にしかメリットがないイメージもありますが、実際は従業員側に恩恵がもたらされることもあります。将来は日本でも行われるようになるかも知れないため、人事担当者として少しでも知識を持っておくようにしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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