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  • 作成日 : 2020年11月6日
  • 更新日 : 2020年11月6日

固定費と変動費の違いとは?求め方や削減方法を紹介!

固定費」と「変動費」は、勘定科目とは異なった費用の分類方法です。この記事では、経営分析をするにあたって必要な考え方である「固定費」や「変動費」について、その求め方を解説します。
また、勘定科目から「固定費」や「変動費」を選択する際の一覧表で、費用の分け方について概要をつかんでください。

固定費と変動費の違いとは?

会社の経営分析をする方法の一つとして、損益分岐点を求める方法があります。
売上高に連動して得られる利益を「限界利益と呼びます。限界利益は、会社がある商品の売上について、継続すべきかどうかを判断するときなどに指標として利用されます。
経営分析において限界利益を求め、損益分岐点はどのあたりかを導くためには、対象となる費用を「固定費」と「変動費」に分ける作業が必要となります。

固定費とは

固定費とは、会社の売上高や販売数量などに影響されない、一定に発生する変動しない費用のことです。言いかえれば、その事業を継続するために固定的に発生する費用です。

主な固定費には、給与・賞与・退職金や福利厚生費などの人件費や減価償却費、家賃や光熱費、リース料などがありますが、業種によって、光熱費やリース料が変動費となったりすることもあります。
人件費は、一般には固定費とされますが、「残業手当」は固定的ではなく、変動費ととらえる考え方もあります。

また、損益計算書の中では販売費及び一般管理費とされる中には多くの固定費が含まれています。

売上にかかる費用を固定費と変動費の2つに分け、そのうち固定費が少ない場合、残りの変動費は売上と比例関係にあるため、固定費が小さいほど会社にとっては儲かりやすいことになります。

変動費とは

変動費とは、生産量・販売量に比例して増減する費用を指します。
具体的には、原材料費、販売手数料、運送費などが含まれます。

固定費が売上に関係なく一定額が発生するのに比べ、変動費は売上高に比例して増減します。
たとえば、100個の製品を製造するために、原材料を100個仕入れる必要があるなど、原則として売上高や生産高とともに金額が「変動」する費用は変動費とされます。

変動費・固定費の求め方・計算方法

損益分岐点分析をするためには、まず費用を、売上との関連を考えて変動費と固定費に分けます。このように分けることを「原価分解」または「固変分解」などと呼びます。

操業度や生産量に比例する変動費比例しない固定費を分けることにより、変動する利益を予測するのが損益分岐点分析なのです。

図1:費用を固定費と変動費に分ける

変動費 固定費 計算

原価分解にはいくつかの方法がありますが、よく用いられるのが勘定科目ごとに変動費と固定費に分類する方法です。
しかし、勘定科目によっては変動費と固定費の両方に含まれる場合があり、どちらかに振り分けるのは難しいこともあります。次項には業種別の一覧表サンプルを示しましたので参考にしてください。

企業における固定費と変動費の一覧表

一例として、固定費と変動費の考え方をいくつかの業種に分けて紹介しますので、参考にしてください。
なお、事業の実態に沿って考え、次の方法なども併用してください。

  • 光熱費などについて固定費(基本料金等)と変動費(従量料金等)に分ける
  • 工員も兼務している事務員の労務費をその労働割合で分けるなど
業種固定費変動費備考
製造業(製造原価)
直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、
(販管費)
販売員給料手当、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員給料手当、支払利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費
(製造原価)
直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、当期製品知仕入原価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸高、酒税


小売業
販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、車両修理費(卸売業の場合50%)販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員給料手当、事務員給料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その他管理費売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%)、保険料(卸売業の場合のみ50%)注:小売業の車両燃料費、車両修理費、保険料は全て固定費
建設業労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、通信交通費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理費材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価のみ)運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価

【参考】中小企業庁|中小企業BCP策定運用指針

変動費と固定費から損益分岐点がわかる

損益分岐点とは、売上と費用の関係が等しくなることによって、利益がちょうどゼロとなる状態のことをいいます。ある商品について利益を得るためには、損益分岐点を超える必要があります。

限界利益をもとめる

限界利益とは、売上高から変動費を差し引いたものをいいます。また、限界利益率とは売上に対する変動費の割合をいいます。
限界利益は、損益計算書からは求められない考え方です。なお、ここでは固定費は出てきませんが、限界利益とは固定費と利益を足したものでもあります。

図2:限界利益をもとめる
限界利益 計算

損益分岐点分析で固定費と変動費が適切か確認

先に、「損益分岐点とは利益がちょうどゼロ」となる状態といいました。利益がゼロとなる状態ですので、下の図3のような状態です。このようになるときの売上高を「損益分岐点売上高」といいます。
損益分岐点以上の売上を得るために、どのくらいの販売量にするかを検討します。

図3:損益分岐点における売上高

損益分岐点売上高

損益分岐点の売上高の求め方は次のとおりです。

損益分岐点売上高 = 固定費 /(限界利益 ÷ 売上高)

この式では右辺のカッコの中は限界利益率とも言えます。式でなく図4のようにグラフから損益分岐点売上高を求めることもできます。

図4では、グラフの上の点が損益分岐点であり、この点から下に延ばした線が水平軸と交わる点が損益分岐点売上高となります。
図4では比較的固定費が抑えられていますが、固定費が高いと損益分岐点売上高が右へ移動し、「たくさん売らないと利益が出ない」状態になります。

図4:損益分岐点と損益分岐点売上高

損益分岐点

固定費と変動費を削減するには?

固定費の削減については、従来より見直しがなされていなかった部分にもメスを入れる必要があります。

例えば、社長車のグレードや交際費の内容まで固定費に関係していることを上層部に知ってもらう必要がありますし、単に金銭の支出だけではなく労働時間についても、労務費だけでなく光熱費や通信費に影響があることを社員に周知する必要があります。

しかしながら、削減のポイントとしては、まず根幹的な費用の見直しが優先されます。
本当にそのオフィスの広さは必要なのか、駐車場は必要なのか、管理部門から製造部門への人員異動をすべきなのか等、影響度の大きいものから考えていきます。

変動費の削減については、さらに慎重にならなければなりません。
新たな商品やサービスの提供により発生する変動費については、損益分岐点分析のグラフで言うと変動費の三角形の傾斜確度に当たります。損益分岐点を低くしたいのであれば、変動費も固定費同様に考えて何が必要なのかを見極めていかなければなりません。

変動費と固定費の違いを理解して経営に活かそう!

いかがでしたでしょうか?
変動費と固定費の分別は、一度決めたら固定的なものでなく、新たな費用の発生などにより都度見直す必要があります。
また、固定費や変動費を低く抑えることによって利益率の高い営業活動ができますが、利益率とともに継続性の高い商品やサービスを考えていくことも重要なポイントと言えます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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