• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2019年4月12日
  • 年末調整

会社員の年末調整 還付金の仕組みと必要書類について

還付金

年末調整の時期は、給料の金額が一時的に増えるという、うれしい経験をすることがあります。

年末調整とは毎月所得税や地方税など、さまざまな税金と所得控除を調整して、本来、その年度に課されるべき税金を計算することです。

年末調整のしくみや控除の対象となる項目を知っておくことで、多く支払った税金を還付金という形で取り戻すことができます。

年末調整の基本的な処理

全ての国民には、納税の義務があり、基本的にその税額は確定申告によって決まります。

しかし、会社員においては、勤務先が毎月の源泉所得税の計算を行い、社会保険料などとともに給与からの天引きとなっています。勤務先は毎年12月の社員の給与が決定する時期に、社員から所得控除に必要な資料を提出してもらい、1年間の税金を計算し直す年末調整を行います。そのため、会社員はほとんどの場合、確定申告を行う必要がありません。

源泉所得税は毎月の給与から引かれているもので、総支給額から通勤費や社会保険料などを差し引いた所得額を基準に計算されます。しかし、源泉所得税を1年間分合計したものが、そのまま年間の所得税額にはなりません。

なぜなら、控除の対象となるものは通勤費や社会保険料以外にもあるからです。

勤務先で毎月の源泉所得税を決定する項目

勤務先が毎月の源泉所得税額を決定する項目には、以下のようなものがあります。

社会保険料を控除した後の給与支給額(1カ月分)

社会保険料には、厚生年金保険料、健康保険料及び雇用保険料などが含まれます。給与支給額とは給与明細に記載される、基本給や手当などを含んだ総支給額です。ここには実費である通勤費は含みません。

扶養人数

扶養人数は入社時や、毎年年末調整の前になると配られる「扶養控除等(異動)申告書」で、社員本人が書いた内容どおりに作成されています。

このため、結婚や出産により扶養人数が変化した場合は、還付金が戻るケースが多く、扶養人数の変更があった場合は早急に届け出ることがとても大切です。


(参照:平成30年分 源泉徴収税額表|国税庁

毎月の源泉所得税は国税庁の源泉徴収税額表にもとづいて、扶養人数によって決定されます。
「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」の具体的な記入方法はこちらのページをご覧ください。

年末調整のしくみ

年末調整では1月1日から12月31日までの年間給与所得から、いろいろな所得控除の対象となる金額を差し引き、本来の年間所得を計算します。

その所得金額から算出した本来の所得税額が、毎月概算で支払った源泉所得税額の合計よりも少ない場合、税金の払いすぎということになり、還付金として税金が戻ってきます。

しかし、本来の所得税額が、毎月の源泉所得税額の合計よりも多い場合には、税金を追加して支払わなければなりません。

・年末調整額(還付金として給与に追加)
(給与総支給額―所得控除額)による本来の所得税額  毎月支払った源泉徴収の年間合計額
・年末調整額(追加して所得税を支払い)
(給与総支給額―所得控除額)による本来の所得税額  毎月支払った源泉徴収の年間合計額

年末調整で還付税額が発生する理由と考えられる項目

年末調整において還付税額が発生するのは、年始に提出した扶養控除等(異動)申告書の内容が年の途中で変わったり、下記の項目の所得控除があるためです。

扶養控除

「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」では所得などの情報を記入します。配偶者や子どもに収入があった場合、給与所得控除額、公的年金等控除額を差し引いた所得金額を記入します。
仮に複数の会社に勤めていても、この扶養等控除申告書は1箇所にしか出せませんので注意が必要です。主たる事業所を自分で決めて、その事業所に提出しなければなりません。
「扶養控除等(異動)申告書」の提出後に、出産や親との同居などの理由で扶養人数が増えた場合、対象となります。

詳しくは「年末調整における扶養控除とは」のページをご参照ください。

配偶者特別控除

配偶者の年間の所得が38万円を超えた場合、配偶者控除の対象からは外れてしまいますが、配偶者の所得金額によっては、「配偶者特別控除」という一定金額の控除を受けられる場合があります。
配偶者特別控除は、合計所得額が1,000万円以下で、配偶者が下記の5つすべてに当てはまる場合に適用されます。
・婚姻届を提出している配偶者であること(内縁関係は該当しません)
・納税者と同一の生計を営んでいること
・その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
・ほかの人の扶養親族でないこと
・年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であること

年末調整における配偶者控除についてはこちらのページにてより詳しく解説しております。

保険料等控除

生命保険、地震保険、社会保険などは年間の保険料の支払額に応じて控除の対象となりますが、一部対象外となるものもあるので、注意が必要です。
子や親など自分以外の社会保険料を支払っている場合は対象になります。

控除の情報を「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を記入し、保険会社などから届く控除通知書を添付します。

このほかに、勤務先で行う年末調整だけでなく、自分で確定申告することによって、還付金が戻ってくる項目もあります。

住宅借入金等特別控除

住宅ローンを利用して自身や家族が住むための家を新築または増改築工事をしたときに受けられる控除です。
「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と金融機関等からの借入金の残高証明を添付して会社に提出すると、控除が受けられます。

給与所得控除

給与収入の金額に応じて、最低65万円の控除が認められています。

寡婦控除・寡夫控除

死別や離婚後に婚姻していない人で、所得が38万円以下の子供がいる場合または、扶養親族がいない寡婦の場合で合計所得が500万円以下の場合、対象になります。
年末調整における寡婦・寡夫控除についてはこちらのページをご参照ください。

下記の国税庁のサイトで所得控除の対象となる項目を確認し、年末調整できないもので還付金の対象となる項目がある場合は、確定申告をします。
(参照:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

還付金を受けるために必要な書類

年末調整で還付を受けるためには、所得控除の対象となることを証明する書類が必要です。

毎年秋頃に送られてくる生命保険料の控除証明書や、家族の国民年金・健康保険料などを支払っている場合の控除証明書、忘れやすい住宅ローンの年末残高証明などは必ず保管しておきます。年末調整の際に勤務先へ提出した証明書などは添付の形で勤務先に保管されます。

そのほか確定申告が必要な場合

会社員でも確定申告が必要な場合があります。
納税者が同一の生計を営んでいる配偶者やそのほかの親族の医療費を代わりに支払い、その医療費が一定額を超える場合には、医療費控除を受けることができます。この医療費控除は年末調整では申告できないため、医療費控除を適用するためには確定申告をしなければなりません
給与の支払元が複数ある場合や、給与所得・退職所得以外に20万円を超えて所得があった人は確定申告をしなくてはいけません。給与が2000万円を超える人も確定申告の対象者です。

また、会社で行ってくれる年末調整の際、提出し忘れた書類等があった場合、翌年3月15日までに確定申告をすると控除を受けることができます。

まとめ

税金は収入と負担のバランスによって税額が決定されるように工夫されています。その仕組みは、できるだけ公平に税が負担されるようになっています。
年末調整で正当な還付金を受けるためには、必要な証明書類などを不足無く準備しておくことが大切です。年末調整を受けるための必要書類が準備できない場合でも、慌てずに自分で確定申告をすれば、還付を受けることができます。

また、結婚や出産など扶養に関する事は、変更があった時に早めに勤務先に届けておくなど、届出書や控除の内容などを日頃から確認しておきましょう。
そして、これらの手続きの流れを理解して、年末調整時期には不足のないように必要書類を揃えるように心がけましょう。



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