- 更新日 : 2025年8月29日
シフト管理の方法は?エクセルとアプリのメリット・デメリットを比較
店舗や企業の運営に欠かせないシフト管理。「作成に時間がかかる」「スタッフから不満が出る」など、その方法に悩む経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。
シフト管理には、手書きやエクセル、専用のアプリやシステムなどさまざまな方法があります。この記事では、それぞれの方法のメリット・デメリットを比較し、シフトの組み方のコツから自社に合ったツールの選び方まで、わかりやすく解説します。
目次
シフト管理の主な方法とは?
シフト管理の方法は、大きく分けて「手書き」「エクセル」「シフト管理アプリ・システム」の3つです。それぞれに特徴があり、事業の規模や状況によって最適な方法は異なります。まずは、各方法の概要を理解し、自社に合っているのはどれか考えてみましょう。
手書きによる管理方法
紙のシフト表やホワイトボードを使って、手で書き込みながら管理する方法です。昔からある最もシンプルな方法といえるでしょう。パソコンが苦手な人でもすぐに始められて、導入コストがかからないのが大きなメリットです。
しかし、作成や修正に時間がかかるほか、シフトの共有は電話や掲示板などアナログな手段に頼ることになります。紛失や破損のリスクもあるため、運用には少し気をつかう必要があります。
エクセルによる管理方法
多くの Windows パソコンにインストールされていることが多いパソコンにインストールされている表計算ソフト「エクセル」を使ってシフト表を管理する方法です。専用ツールと違い追加の費用がかからず、多くのパソコンに入っているため、すぐに使えるのもポイント。
レイアウトや項目を自由にアレンジできる柔軟さがあり、関数やマクロを使えば集計やチェックもある程度自動化できます。
ただし、ファイルの共有や同時編集がしづらく、特定の人しか扱えない「属人化」が起きやすい点には注意が必要です。また、スマートフォンでの操作がしにくいなど、作業環境によっては不便を感じることもあります。
シフト管理アプリ・システムの活用方法
スマートフォンアプリやクラウド型のサービスなど、シフト管理専用に作られたツールを活用する方法です。シフトの希望提出から作成、共有までをオンラインで完結できるので、作業時間をぐっと短縮できます。従業員もスマートフォンで手軽にシフトを確認できるのが便利です。
ただ、導入には月額料金がかかるものも多く、最初は操作に慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。とはいえ、管理にかかる負担を減らしたい方には、検討する価値のある選択肢です。
エクセルを使ったシフト管理の方法と作り方のコツ
コストをかけずにシフト管理を始めたいなら、エクセルは手軽に取り組める方法のひとつです。
エクセルの大きな魅力は、追加費用がかからず、自社のやり方に合わせてレイアウトや項目を自由にアレンジできる柔軟さ。関数やマクロを使えば、集計もある程度自動化できます。
ただし、関数の知識がないとシフト表の作成や修正に手間がかかったり、特定の人しか扱えなくなったりすることも。また、ファイルのバージョン管理が煩雑になったり、複数人で同時に編集しにくいといった点から、チームでの共有や共同作業には少し不向きな面もあります。
エクセルでのシフト表の作り方
エクセルの難しい関数を知らなくても、基本的なシフト表は作成できます。以下の手順で進めましょう。
- 日付と曜日の入力:
1行目に日付、2行目に曜日を横方向に入力。オートフィル機能を使うと便利です。 - 従業員名のリストアップ:
A列に縦方向で従業員の名前を入力。 - 勤務パターンの用意:
「早番」「遅番」「休み」など、使用する勤務パターンをあらかじめリスト化。 - 入力欄の作成と設定:
日付と従業員が交差するセルをシフトの入力欄とし、「データの入力規則」でプルダウンリストを設定。これにより、入力ミスを防ぎ、効率的な入力が可能になります。
関数を活用した効率的なシフト管理方法
エクセルでは関数を使うと、手作業で行っていた集計作業を自動化できます。よく使われる便利な関数を紹介します。
- COUNTIF関数:
特定の勤務パターンの日数を自動で計算。「=COUNTIF(範囲, “検索条件”)」のように使い、従業員ごとの「早番」の回数や公休の日数を集計するのに使用します。 - SUM関数:
従業員ごとの総労働時間を計算するのに使用。日々の労働時間を入力しておけば、月間の合計時間を自動で算出できます。 - IF関数:
条件に応じた表示の切り替え。「”早番”と入力されたら”8時間”と表示する」といった設定が可能です。
エクセル管理で起こりがちな課題と注意点
エクセルは手軽に始められる一方で、注意しておきたいポイントもいくつかあります。たとえば、うっかり数式を消してしまって集計が合わなくなったり、ファイルが壊れて中のデータが見られなくなったりと、ちょっとした操作ミスが大きなトラブルにつながることもあります。
また、スマートフォンのアプリのように、外出先からシフトを確認したり、急な変更をすぐ全員に伝えたりといったことは、エクセル単体ではなかなか難しいもの。こうした運用面での不便さが、続けるうちにストレスになるケースもあります。
シフト管理アプリ・システムを活用する方法と比較ポイント
エクセルでの管理に限界を感じていたり、もっと効率よくシフトを組みたいと考えている場合は、シフト管理専用のアプリやシステムを取り入れるのもひとつの方法です。
シフト管理にアプリやクラウドシステムを使うと、シフトの希望収集から作成、共有、さらには勤怠の確認まで、シフト管理に関わる一連の作業をまとめて効率化できます。
従業員はスマートフォンから簡単に操作でき、管理側もリアルタイムで状況を把握できるので、やりとりの手間がぐっと減ります。
一方で、導入には月額料金などのコストがかかる場合もあり、新しい操作に慣れるまでに少し時間がかかることもあります。これまでのやり方を変えるには準備も必要ですが、そのぶん作業の手間やミスが減るなどの効果も期待できます。
シフト管理アプリ・システムの主な機能
多くのシフト管理システムには、以下のような便利な機能が搭載されています。
- シフト希望収集:
従業員がスマホアプリなどから希望の休みや勤務時間を提出できる機能。 - シフト自動作成:
設定したルール(必要人数、連続勤務日数、スキルなど)に基づき、システムが公平なシフト表を自動で作成する機能。 - 勤怠管理・給与計算ソフト連携:
作成したシフト情報と打刻記録を勤怠データとして取り込み、給与計算ソフトと連携させることで、集計作業の手間を大幅に削減できる機能。 - コミュニケーション機能:
急な欠員が出た際にヘルプを募集したり、業務連絡を行ったりできるチャット機能。 - 複数店舗管理:
本部やエリアマネージャーが、複数の店舗のシフト状況をまとめて管理できる機能。
自社に合ったアプリ・システムの選び方
多くの製品の中から自社に合うものを選ぶには、いくつかのポイントがあります。以下の点をふまえて検討しましょう。
課題を解決できる機能があるか
「シフト作成に時間がかかる」「人件費を管理したい」など、自社が抱える課題を解決できる機能が備わっているかを確認します。
自社の業種や規模に合っているか
飲食店、小売業、介護など、業種に特化したシステムもあります。また、従業員数に応じた料金プランになっているかも重要です。
操作は簡単か
管理者だけでなく、従業員が直感的に使えるかどうかも大切なポイントです。無料トライアル期間を利用して、実際の使用感を試してみるのがおすすめです。
料金体系は妥当か
初期費用や月額料金が予算に見合っているかを確認します。従業員一人あたりの課金なのか、店舗単位の課金なのかもチェックしましょう。
システム導入前に確認すべき費用やサポート体制
システムの導入を決める前には、費用とサポート体制を詳しく確認しましょう。
月額料金以外に初期費用やオプション料金がかからないか、最低利用期間の縛りはあるかなどを確認しておきましょう。また、導入時の設定サポートや、運用開始後に不明点があった場合の問い合わせ方法(電話、メールなど)が充実しているかも、安心して利用を続けるための重要な判断材料になります。
効率的で公平なシフト管理を実現する方法とコツ
最適なツールを選ぶこととあわせて、シフトを組む際の運用ルールやコツを押さえることで、管理業務はさらにスムーズになります。ここでは、従業員の満足度を高め、管理者の負担を減らすための効率的で公平なシフト管理のコツを解説します。
スタッフの希望を上手に取り入れるシフトの組み方
従業員の希望を可能な限り反映させることは、モチベーション維持に欠かせません。そのためには、希望を提出するためのルールを明確にしましょう。
「毎月20日までに専用アプリから提出する」のように、締切日と提出方法をはっきりさせることで、希望の出し忘れや提出遅れを防ぎます。口頭やメモでの希望受付は、聞き間違いや紛失のリスクがあるため、記録が残るシステムやメールなどに統一するのがよいでしょう。
シフト作成の時間を短縮するコツ
毎月のシフト作成にかかる時間を短縮するための工夫をいくつか紹介します。
まず、曜日や時間帯ごとの「勤務パターン」をあらかじめ作成し、テンプレート化しておくと、一から作成する手間が省けます。
また、従業員の勤務傾向が大きく変わらない場合は、前月のシフトをベースに調整する方法も効率的です。シフト管理システムの自動作成機能を活用すれば、こうした作業そのものを大幅に削減できます。
「シフトを組む人がずるい」と思わせないための工夫
シフトに対する不公平感は、職場の人間関係を悪化させる大きな原因です。これを防ぐには、シフト作成のルールを従業員全員に公開し、透明性を確保することが重要です。
「土日の休みは月に2回まで」「3連勤までしか組まない」といった具体的なルールを設け、全員がそれを認識できるようにします。シフト管理システムを使えば、こうしたルールを登録して客観的な基準でシフトを組むことができ、属人的な判断による不公平感をなくすのに役立ちます。
急な欠員にも対応できるシフトマネジメントとは
従業員の急な体調不良や家庭の事情による欠員は、どうしても発生します。こうした不測の事態に備えるには、シフト管理システムのヘルプ募集機能を活用するのが有効です。
管理者が空いたシフトを登録すると、全従業員に通知が届き、出勤可能な人が応募できる仕組みです。これにより、管理者が一人ひとりに電話をかけて確認する手間が省けます。また、日頃から複数の業務をこなせる従業員を育成しておくことも、柔軟な人員配置を可能にするでしょう。
シフト管理の方法を見直す経営上のメリット
シフトの管理方法を見直すことは、単に業務の効率を上げるだけでなく、人件費の使い方を見直したり、スタッフが働きやすい環境を整えたりすることにもつながります。結果として、職場の安定や経営全体にも良い影響をもたらします。
ここでは、シフト管理を見直すことで得られる経営面でのメリットを紹介します。
適切な人員配置で人件費をコントロールしやすくなる
人員配置を見直すことで、人件費を無理なくコントロールできるようになります。売上や業務のボリュームに合わせて、必要な人数を過不足なく配置できれば、ムダな人件費を減らしつつ、忙しい時間帯にはしっかり対応できる体制が作れます。
たとえば、シフト管理システムを使えば、過去の売上や来店データをもとに「ピーク時は5人、アイドルタイムは2人」といった具体的な人数を自動で割り出すことも可能です。効率よく人を配置しながらサービスの質もキープできるようになります。
スタッフの働きやすさが向上し、離職を防げる
働きやすいシフト体制を整えることで、スタッフの満足度が上がり、離職率の低下にもつながります。「休みの希望が通りにくい」「いつも同じ人に負担が偏っている」といった不満は、働く人のモチベーションを下げる要因です。
とくにパートやアルバイトが多い職場では、こうした環境が人材定着に直結します。希望休をオンラインで出せたり、シフトの決め方がきちんと共有されていたりするだけでも、不公平感を軽減できます。
さらに、勤務条件やスキルなどをふまえて自動でシフトを組めるツールを使えば、バランスの取れた配置がよりスムーズに行えます。スタッフが安心して働けるようになれば、結果として離職が減り、採用や教育にかかるコストをおさえられる傾向があります。
属人化をなくし、安定した運営につなげる
よくあるのが「店長しかシフトを組めない」といったケースですが、もしその人が休んだり退職したりすると、店舗の運営自体がまわらなくなるリスクがあります。シフト作成は、勤務条件や希望などさまざまな調整が必要なため、担当者に負担が集中しがちです。
この問題を解消するには、シフトのルールを文書でまとめ、誰でも対応できるようにすることが大切です。システムを使えば、法律や社内ルールをあらかじめ設定し、それにそったシフト案を自動で作ってくれます。こうした仕組みがあれば、担当者が変わっても安定した運営が続けられますし、管理の負担も減らせます。
法令遵守(コンプライアンス)の労務管理ができる
働き方改革によって、残業時間の上限や有給休暇の取得など、企業が守るべきルールは以前より厳しくなっています。手作業やエクセルでは、こうした点の見落としやミスが起きやすくなり、知らないうちにルール違反になってしまう可能性もあります。
主要なクラウド型のシフト管理システムには、そうしたリスクを減らすための機能があらかじめ備わっています。たとえば、労働時間がオーバーしそうなときに警告を出したり、有給の取得状況をチェックして通知を送ったりといった機能があります。これらを活用することで、法令違反を防ぎ、安心して事業を続けるための環境づくりができます。
自社に最適なシフト管理の方法で業務効率化を進める
シフト管理の方法は、エクセルやアプリ、紙での管理などさまざまありますが、どれが正解というわけではありません。コストや業務効率、従業員の働きやすさなど、何を重視するかによって、選ぶべき手段は変わってきます。
大切なのは、「どれが一番いいか」ではなく、「自社に合っているかどうか」です。従業員の人数や職場の雰囲気、今感じている困りごとに合わせて、ぴったりの方法を選ぶことが、無理なく続けられるシフト管理につながります。
たとえば、「毎回シフト作成に時間がかかって大変…」という場合は、自動作成機能があるツールを取り入れるのも一つの手ですし、「スタッフから不満の声が多い…」という場合は、希望が出しやすく見える化できる仕組みを考えてみるのもよいでしょう。
まずは今の管理方法を見直してみることで、業務のムダを減らしながら、スタッフにとっても働きやすい環境を少しずつ整えていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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