• 更新日 : 2026年9月15日

【事例付き】年末調整の還付金はいつ、いくら戻ってくる?令和8年分の支払日や金額の計算方法を解説

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Point年末調整の還付金はいつ戻る?

年末調整の還付金は、12月または1月の給与支払日に支給されるのが一般的です。

  • 支払日は12月が多く、1月になる会社もある
  • 受け取り方法は給与振込か手渡しが主流
  • 令和8年分は基礎控除引き上げで還付増の見込み

Q. 年末調整の還付金はいつ振り込まれる?

A. 多くの会社では12月の給与支払日に一括還付。1月下旬になる会社もあります。

年末調整に出てくる還付金とは、1年間に支給される給与や賞与から徴収された源泉所得税が本来の源泉所得税の金額より多い場合に、12月または1月に戻ってくるお金のことです。年末調整は過不足税額の調整をする仕組みであるため、源泉所得税が不足していた場合には追加徴収されます。令和8年度税制改正により基礎控除等が見直されたことで還付額にも影響が出るため、最新情報とあわせて年末調整による還付金の支払日や受け取り方法を解説します。

年末調整によって戻る還付金とは?

年末調整によって返還される還付金とは、給与や賞与から天引きされた源泉所得税が、1年間の正確な所得税額より多かった場合に精算後に戻ってくるお金です。年末調整は1月1日から12月末までに徴収した所得税と本来の所得税額を比較して過不足を精算する制度であり、不足していた場合は追加徴収されます。

なぜ年末調整で所得税の過不足精算が必要なのか

毎月の源泉徴収税額はあくまで概算であり、正確な控除額は年末にならないと確定しないため、年末に過不足を精算する必要があります。

毎月源泉徴収される所得税は前年の年末調整時に提出した扶養控除申告書をもとに決定されますが、上記のとおり概算額です。一方、生命保険料控除や配偶者控除など、年末になって初めて確定する控除もあります。そのため、年末に年間給与と各種控除をもとに正しい年税額を計算し、源泉徴収済みの税額との過不足を精算します。

過不足税額について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

生命保険料控除などを申告する際の注意点

生命保険料控除や地震保険料控除を受ける場合は、従業員自身が保険料控除申告書に記入して申告する必要があります。会社は従業員が個人的に加入している保険の情報を把握していないためです。

10〜11月頃に保険会社から送付される保険料控除証明書を提出し、年末までの支払い予定を含めたその年の支払保険料額を証明します。

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年末調整による還付金の支払日はいつ?

12月中に還付する会社が多い一方、業務上の都合や共働き世帯の増加を背景に、1月下旬を支払日とする会社もあります。

12月の給与支払日にあわせて還付されるケース

年末調整の還付金の支払日は、12月中であることが多いようです。12月最後の給与支給日に一緒に振り込まれるパターンが一般的です。

年末調整は、1年間のうちに支給した給与や賞与を精算することを目的に実施するものであるため、年内に終わらせる必要があると考える会社が多いことが挙げられます。また、還付金を給与とは別に支給すると振込手数料がかかることも理由です。

12月賞与にあわせて早期に還付されるケース

所得税法に関する基本通達では、12月賞与をその年最後の給与とみなして年末調整を行うことも認められています。

12月賞与は12月給与よりも先に支給されることが多いため、このケースでは12月上旬には年末調整の還付金を受け取ることもあります。

1月下旬に還付される会社が多い理由

年末調整の還付金の支払日を12月の給与支払日と同じ日とする会社が多いなか、1月下旬頃に振り込む会社もあります。

それには、下記のような理由が挙げられます。

  1. 年末の繁忙期を避けるため
  2. 12月の給与支払日以降に控除額の修正が入る可能性があるため
  3. 従業員が共働きのケースで、1月にならないと配偶者の所得が確定しないため
  4. 年末調整で所得税を追加徴収する場合、1月と2月にわけて徴収できるため

年末調整結果の税務署提出期限に注意

年末調整後は、源泉徴収票や給与支払報告書などの作成・提出が必要です。税務署へ提出する給与所得の源泉徴収票等や、市区町村へ提出する給与支払報告書の提出期限は原則として翌年1月31日です。この期限を過ぎないよう社内スケジュールを組みましょう。

年末調整による還付金の受け取り方法は?

年末調整による還付金の受け取り方法は、会社によってさまざまです。給与と一緒に口座への振り込みの形で還付されるケースもあれば、給与とは別に還付金のみを手渡しで渡すケースもあります。

給与への反映による還付

年末調整の還付金は、給与と一緒に支払われるケースが多いようです。現在は給与自体、手渡しではなく口座振込で支払われることがほとんどであるため、別途支払い手数料がかからないように一緒に振り込まれます。

年末調整による還付金の受け取り方法に決められたルールはないため、会社ごとに対応が異なることを覚えておきましょう。

手渡しによる還付

給与を手渡しで支給している場合は、年末調整の還付金も一緒に手渡しで支払うケースがあります。あるいは、給与は口座振込であっても、還付金のみ手渡しで支給している会社もあるかもしれません。従業員の希望に応じて、振り込みと手渡しの両方に対応しているケースもあるようです。

繰り返しになりますが、還付金の支給方法に明確な定めはないため、それぞれの会社の状況に応じた還付方法が採用されています。

年末調整による還付金の計算方法は?

年末調整における年調年税額の計算手順をSTEPごとに確認し、令和8年分の改正をふまえて還付金がどのくらい戻ってくるのかを見ていきましょう。

STEP1.給与所得控除後の給与等の金額を求める

まず、給与総収入額から給与所得額を求めます。給与総収入額を「令和8年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」にあてはめると、給与所得控除後の給与等の金額が算出できます。

参考:令和8年分 源泉徴収税額表|国税庁

STEP2.所得控除額の合計額を求める

次に、所得控除額の合計額を求めます。納税者本人の基礎控除のほか、配偶者控除や扶養控除の額を確認します。あわせて社会保険料控除や各種保険料控除がないかも確認し、所得控除額の合計額を算出します。

STEP3.課税所得金額を求める

STEP1で求めた給与所得控除後の給与等の金額から、STEP2で求めた所得控除額の合計額を差し引くと課税所得金額になります。

STEP4.算出所得税額を求める

STEP3で求めた課税所得金額から、算出所得税額の速算表を用いて算出所得税額を求めます。所得税率は7段階(5〜45%)の超過累進税率であり、令和8年分でもこの区分に変更はありません。

STEP5.年調年税額(還付額の基準)を求める

STEP4で求めた算出所得税額に、復興特別所得税の税率102.1%を掛け算すると年調年税額が算出できます。

これが納税者本人の年調年税額です。給与や賞与からすでに源泉徴収されている所得税額と比較して多く納付している場合には、12月または1月に本人へ還付することになります。

令和8年分は基礎控除・給与所得控除がどう変わるのか

令和8年分の年末調整では、基礎控除額が合計所得金額に応じて最大104万円まで引き上げられます。物価上昇に連動した本則の引き上げ(58万円→62万円)に、令和8年・9年分限定の時限特例が上乗せされるためです。

具体的には、合計所得金額489万円以下の人は基礎控除104万円(本則62万円+特例42万円)、489万円超655万円以下の人は67万円(本則62万円+特例5万円)、655万円超2,350万円以下の人は62万円が適用されます。あわせて給与所得控除の最低保障額も65万円から69万円(令和8・9年分は特例で74万円)に引き上げられました。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

扶養親族等の所得要件緩和と実務上の注意点

基礎控除の引き上げにあわせて、同一生計配偶者や扶養親族の合計所得金額要件も58万円以下から62万円以下に引き上げられました。判定基準が緩和されたことで、これまで対象外だった家族が新たに控除対象になるケースもあります。

なお、この改正分は月次の源泉徴収には反映されません。改定後の源泉徴収税額表の適用は令和9年1月支払分からとなるため、令和8年分の基礎控除引き上げ効果はすべて年末調整でまとめて精算されます。従業員から還付額の変動について質問が増える可能性があるため、早めに社内周知しておくとよいでしょう。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

【事例】600万円の給与収入で還付額はいくらになるか

給与収入の事例を挙げて、令和8年分の年末調整で還付金がいくら戻るのかを確認してみましょう。

計算事例:配偶者(収入なし)と16歳の子どもが1人いる場合

■Hさん(男性)の場合

◆家族構成 ・既婚者、配偶者は専業主婦(収入なし) ・16歳の子どもを扶養

◆給与・控除関係 ・給与総収入額600万円 ・源泉徴収税額13万3838円 ・各種保険料控除額 -社会保険料控除76万9541円 -生命保険料控除4万5000円

事例の計算過程(STEP1〜3)

STEP1

給与総収入額600万円を給与所得控除の計算式(600万円×20%+44万円)にあてはめると、給与所得控除額は164万円となり、給与所得控除後の給与等の金額は436万円になります。この計算式自体は令和7年分から変更されていません。

STEP2

Hさんの合計所得金額(給与所得436万円)は489万円以下にあたるため、令和8年分の基礎控除額は104万円が適用されます。

あわせて配偶者控除38万円、16歳の子ども1名の扶養控除38万円、社会保険料控除76万9541円、生命保険料控除4万5000円を合計すると261万4541円になります。 104万円+38万円+38万円+76万9541円+4万5000円=261万4541円

STEP3

436万円-261万4541円=174万5459円≒174万5000円(1,000円未満切り捨て)が課税所得金額です。

事例の計算過程(STEP4〜5)と還付額

STEP4

課税所得174万5000円は195万円以下の区分にあたるため、税率5%、控除額0円が適用されます。 174万5000円×5%=8万7250円

STEP5

算出所得税額8万7250円に復興特別所得税の税率102.1%を掛け算すると、年調年税額は8万9082円≒8万9000円(100円未満切り捨て)になります。

すでに源泉徴収されている所得税額13万3838円と比較すると4万4838円多く納付していることになるため、Hさんには4万4838円が還付されます。令和7年分の基礎控除58万円で計算した場合の還付額(1万8438円)と比べると、基礎控除の引き上げにより還付額が大きく増えることが分かります。

還付金がもらえない場合

給与や賞与から源泉徴収されている所得税額が、年末調整で計算した年調年税額よりも多い場合は、上記のように差額が還付されます。

一方、所得税額が年調年税額よりも少ない場合は、納付した所得税が不足していたことになり、差額は還付ではなく徴収されることになります。

年末調整の還付金の支払日、受け取り方法を知ろう

年末調整による還付金とは、給与や賞与から源泉徴収された所得税が実際に納めるべき金額を超過していた場合に、納税者に戻ってくるお金のことを指します。令和8年分は基礎控除の引き上げにより還付額が増える人が多くなる見込みです。

還付金が支払われるのは12月の会社もあれば1月の会社もあるといったようにさまざまで、受け取り方法にも明確なルールは存在せず、各会社の状況に応じて対応しています。令和8年分から変わる控除額を正しく理解し、年末調整の還付や徴収に関する手続きを正確に行えるようにしましょう。

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