- 更新日 : 2023年5月12日
社会保険料の納入告知書(納付書)とは?領収書としても使える?
社会保険料の納付時には、日本年金機構より納入告知書(納付書)が発行されます。普段何気なく受け取っている社会保険の納入告知書(納付書)ですが、記載項目などを正しく把握しているでしょうか。そこで、この記事では社会保険の納入告知書(納付書)の概要やもらい方、領収書としての使用可否などについて詳しく解説します。
目次
社会保険料の納入告知書(納付書)とは?
社会保険料の納入告知書(納付書)とは、国から権限を委任された日本年金機構が社会保険料を徴収する際に発行される納入命令書です。
そもそも、会社員や公務員が加入する社会保険は、厚生年金保険と健康保険からなります。厚生年金保険は国が運営する公的年金で、運営主体は日本年金機構です。健康保険については、大企業は自らが運営する健康保険組合を設立し、社員を加入させるのが一般的です。中小企業は全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽに加入します。
厚生年金保険と健康保険で運営主体は異なりますが、保険料については国から委託された日本年金機構による一括徴収です。ここでは、社会保険料の納付に係る納入告知書(納付書)について紹介します。
社会保険料の納入告知書(納付書)の発行方法
社会保険の保険料は翌月徴収・翌月納付が原則です。例えば、4月末日時点で在籍している従業員の社会保険料は、5月に支給される給与から徴収し5月末に日本年金機構へ納付します。ただし、一部の会社などでは当月徴収している場合もあるため、気をつけましょう。
日本年金機構が社会保険料を徴収する際には、各事業所へ社会保険料の納入告知書(納付書)が発行されます。納入告知書(納付書)は毎月送られてくるため、万が一届かない場合は所管の年金事務所へ速やかに連絡しましょう。
納入告知書(納付書)を受領した各事業所は、記載された納付期限までに社会保険料を納付しなければなりません。納付期限は、原則納付対象月の翌月末日です。翌月末日が休日だった場合は、翌日以降の最初の営業日となります。
なお、保険料の納付方法は、金融機関の窓口で納付する方法以外に、口座振替と電子納付から選択可能です。金融機関の窓口納付と電子納付には日本年金機構から送られてくる納入告知書(納付書)が必要となるため、紛失しないよう十分気をつけましょう。
参考:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年金機構
参考:厚生年金保険料等の納付|日本年金機構
社会保険料の納入告知書(納付書)の見方
日本年金機構が発行する社会保険料の納入告知書(納付書)は、下記の順に綴ってあります。
- 領収済通知書
- 領収控
- 納入告知書(納付書)・領収証書
領収済通知書には、納付しなければならない健康保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金の金額と合計額が記載されています。「領収済」となっていますが、既に納付した社会保険料の領収書ではなく、これから納付しなければならない社会保険料の告知書であることに気をつけましょう。
健康保険料と厚生年金保険料は労働者と事業所が半額ずつ負担する労使折半なので、従業員の給与から控除した額の2倍が告知額と一致することを確認してください。1円未満の端数が生じた場合は、50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円となります。なお、子ども・子育て拠出金全額事業所負担です。
引用:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年金機構
参考:保険料の計算方法について|日本年金機構
社会保険料の納入告知書(納付書)はいつもらえる?
社会保険料の納入告知書(納付書)は、毎月20日頃に日本年金機構より送付されます。ただし、郵便事情によっては到着までに時間がかかる場合もあるでしょう。 また、郵便物の転送届を提出している事業所ではさらに時間がかかる場合があるため、注意が必要です。納入告知書(納付書)が届かない場合は所管の年金事務所へ連絡し、再発行を依頼してください。
社会保険料の納入告知書(納付書)の再発行方法
社会保険料の納入告知書(納付書)を再発行するには、所管の年金事務所へ連絡して再発行依頼をしましょう。納入告知書(納付書)の到着から納付期限まで10日前後の猶予しかないため、納入告知書(納付書)が到着しない、もしくは紛失してしまった場合は、放置することなく速やかに対応することが重要です。
社会保険料の納付状況を確認したい場合は、日本年金機構に申請することで「社会保険料納入証明書」および「社会保険料納入確認書」の発行を受けることが可能です。
社会保険料納入証明書は、歳入徴収官が直近2年間の納入状況について証明した書類で、「社会保険料納入証明申請書」を所管の年金事務所へ提出することで取得できます。
社会保険料納入確認書は、年金事務所長が社会保険料の納入状況について確認した書類で、「社会保険料納入確認(申請)書」を所管の年金事務所へ提出することで取得可能です。
社会保険料の納入告知書(納付書)は領収書として使用可能
社会保険の納入告知書(納付書)について紹介しました。社会保険料の納入告知書(納付書)は3枚綴りで、領収証書も含まれます。領収証書は公的な領収書として使用可能です。
社会保険料の納付を証明する大切な書類なので、失くさないよう大切に保管しましょう。
口座振替で納付している場合は、毎月20日頃「保険料納入告知額通知書」が日本年金機構から送られてきます。保険料納入告知額通知書には領収済額通知書が含まれており、領収書として使用可能です。
電子納付をした場合は領収証書が発行されません。領収証書が必要な場合は金融機関の窓口納付を利用しましょう。
電子納付の場合、もしくは領収証書を紛失した場合は、前章で紹介した社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認書を取得することで、公的な証明書として使用することが可能です。
よくある質問
社会保険料の納入告知書(納付書)とはなんですか?
国から権限を委任された日本年金機構が社会保険料を徴収する際に発行される納入命令書です。健康保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金の合計金額と納付期限が記載されています。詳しくはこちらをご覧ください。
社会保険料の納入告知書(納付書)の発行方法について教えてください
日本年金機構が社会保険料を徴収する際には、各事業所へ社会保険料の納入告知書(納付書)が発行されます。毎月20日頃送られてくるため、万が一届かない場合は所管の年金事務所へ速やかに連絡しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
育児休業とは?育児休暇との違い、取得可能な期間を解説
育児休業は、1歳未満の子どもを育てるために取得することができる休業です。育児・介護休業法に定められており、女性労働者だけではなく、男性労働者にも育児休業の取得が推奨されています。 今回は、育児休業の解説、育児休暇や産前・産後休業との違い、育…
詳しくみる引越ししたら、どうする? 住所変更時の社会保険手続き
社会保険の適用事業所に勤める従業員が結婚、転居、自宅の新築などで住所が変更になったときには、住所の変更状況を国が把握しなければなりません。 住所変更先が国内か国外かによって把握する方法が異なります。国外移住の場合は、移住先の社会保障制度に加…
詳しくみる健康保険の限度額とは?医療費が高額になった時
健康保険には限度額が定められており、医療費が高額になり自己負担限度額を超えた場合は高額医療費として払い戻しを受けることができます。事前に健康保険限度額適用認定証の交付を受けている場合は、外来受診時や退院時の支払いは自己負担限度額までです。こ…
詳しくみる転職における厚生年金・国民年金の手続き – 空白期間があったらどうなる?
公的年金である厚生年金や国民年金は、現役時代に保険料を負担し、老後は負担に応じた年金を受給できる制度です。 保険料の納付期間に空白がなければ相応の年金額になりますが、途中で退職して空白期間があれば年金額が少なくなる可能性があります。 本稿で…
詳しくみる社会保険は口座振替できる?手続きや提出方法を解説!
社会保険料は会社が国に保険料を納付する義務のある保険料です。皆さんの会社では、社会保険料を納付する際にどのような手続きをされているでしょうか。 今回は、社会保険料の納付の手続きについて、支払方法にはどのような種類があるか、口座振替はできるの…
詳しくみる社会保険の出産手当金とは – 条件や期間も解説!
出産手当金とは、被保険者が出産により休職し給与の支払いを受けられない場合、休職期間の生活保障のために、社会保険の一つである健康保険から支給される手当のことです。今回は出産手当金の概要や支給条件のほか、傷病手当金や出産一時金と支給が重なった場…
詳しくみる