- 更新日 : 2025年7月30日
社会保険料の納入告知書(納付書)とは?領収書としても使える?
社会保険料の納付時には、日本年金機構より納入告知書(納付書)が発行されます。普段何気なく受け取っている社会保険の納入告知書(納付書)ですが、記載項目などを正しく把握しているでしょうか。そこで、この記事では社会保険の納入告知書(納付書)の概要やもらい方、領収書としての使用可否などについて詳しく解説します。
目次
社会保険料の納入告知書(納付書)とは?
社会保険料の納入告知書(納付書)とは、国から権限を委任された日本年金機構が社会保険料を徴収する際に発行される納入命令書です。
そもそも、会社員や公務員が加入する社会保険は、厚生年金保険と健康保険からなります。厚生年金保険は国が運営する公的年金で、運営主体は日本年金機構です。健康保険については、大企業は自らが運営する健康保険組合を設立し、社員を加入させるのが一般的です。中小企業は全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽに加入します。
厚生年金保険と健康保険で運営主体は異なりますが、保険料については国から委託された日本年金機構による一括徴収です。ここでは、社会保険料の納付に係る納入告知書(納付書)について紹介します。
社会保険料の納入告知書(納付書)の発行方法
社会保険の保険料は翌月徴収・翌月納付が原則です。例えば、4月末日時点で在籍している従業員の社会保険料は、5月に支給される給与から徴収し5月末に日本年金機構へ納付します。ただし、一部の会社などでは当月徴収している場合もあるため、気をつけましょう。
日本年金機構が社会保険料を徴収する際には、各事業所へ社会保険料の納入告知書(納付書)が発行されます。納入告知書(納付書)は毎月送られてくるため、万が一届かない場合は所管の年金事務所へ速やかに連絡しましょう。
納入告知書(納付書)を受領した各事業所は、記載された納付期限までに社会保険料を納付しなければなりません。納付期限は、原則納付対象月の翌月末日です。翌月末日が休日だった場合は、翌日以降の最初の営業日となります。
なお、保険料の納付方法は、金融機関の窓口で納付する方法以外に、口座振替と電子納付から選択可能です。金融機関の窓口納付と電子納付には日本年金機構から送られてくる納入告知書(納付書)が必要となるため、紛失しないよう十分気をつけましょう。
参考:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年金機構
参考:厚生年金保険料等の納付|日本年金機構
社会保険料の納入告知書(納付書)の見方
日本年金機構が発行する社会保険料の納入告知書(納付書)は、下記の順に綴ってあります。
- 領収済通知書
- 領収控
- 納入告知書(納付書)・領収証書
領収済通知書には、納付しなければならない健康保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金の金額と合計額が記載されています。「領収済」となっていますが、既に納付した社会保険料の領収書ではなく、これから納付しなければならない社会保険料の告知書であることに気をつけましょう。
健康保険料と厚生年金保険料は労働者と事業所が半額ずつ負担する労使折半なので、従業員の給与から控除した額の2倍が告知額と一致することを確認してください。1円未満の端数が生じた場合は、50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円となります。なお、子ども・子育て拠出金全額事業所負担です。
引用:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年金機構
参考:保険料の計算方法について|日本年金機構
社会保険料の納入告知書(納付書)はいつもらえる?
社会保険料の納入告知書(納付書)は、毎月20日頃に日本年金機構より送付されます。ただし、郵便事情によっては到着までに時間がかかる場合もあるでしょう。 また、郵便物の転送届を提出している事業所ではさらに時間がかかる場合があるため、注意が必要です。納入告知書(納付書)が届かない場合は所管の年金事務所へ連絡し、再発行を依頼してください。
社会保険料の納入告知書(納付書)の再発行方法
社会保険料の納入告知書(納付書)を再発行するには、所管の年金事務所へ連絡して再発行依頼をしましょう。納入告知書(納付書)の到着から納付期限まで10日前後の猶予しかないため、納入告知書(納付書)が到着しない、もしくは紛失してしまった場合は、放置することなく速やかに対応することが重要です。
社会保険料の納付状況を確認したい場合は、日本年金機構に申請することで「社会保険料納入証明書」および「社会保険料納入確認書」の発行を受けることが可能です。
社会保険料納入証明書は、歳入徴収官が直近2年間の納入状況について証明した書類で、「社会保険料納入証明申請書」を所管の年金事務所へ提出することで取得できます。
社会保険料納入確認書は、年金事務所長が社会保険料の納入状況について確認した書類で、「社会保険料納入確認(申請)書」を所管の年金事務所へ提出することで取得可能です。
社会保険料の納入告知書(納付書)は領収書として使用可能
社会保険の納入告知書(納付書)について紹介しました。社会保険料の納入告知書(納付書)は3枚綴りで、領収証書も含まれます。領収証書は公的な領収書として使用可能です。
社会保険料の納付を証明する大切な書類なので、失くさないよう大切に保管しましょう。
口座振替で納付している場合は、毎月20日頃「保険料納入告知額通知書」が日本年金機構から送られてきます。保険料納入告知額通知書には領収済額通知書が含まれており、領収書として使用可能です。
電子納付をした場合は領収証書が発行されません。領収証書が必要な場合は金融機関の窓口納付を利用しましょう。
電子納付の場合、もしくは領収証書を紛失した場合は、前章で紹介した社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認書を取得することで、公的な証明書として使用することが可能です。
よくある質問
社会保険料の納入告知書(納付書)とはなんですか?
国から権限を委任された日本年金機構が社会保険料を徴収する際に発行される納入命令書です。健康保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金の合計金額と納付期限が記載されています。詳しくはこちらをご覧ください。
社会保険料の納入告知書(納付書)の発行方法について教えてください
日本年金機構が社会保険料を徴収する際には、各事業所へ社会保険料の納入告知書(納付書)が発行されます。毎月20日頃送られてくるため、万が一届かない場合は所管の年金事務所へ速やかに連絡しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
入院時のパジャマ代は労災保険の対象?自己負担になる理由をわかりやすく解説
労災保険は、仕事中や通勤途中にケガや病気になった際に医療費をカバーしてくれる制度ですが、「入院中のパジャマ代も補償されるのか?」という細かな疑問を抱く方は少なくありません。この記事では、労災保険の入院給付が具体的にどこまでカバーされるのか、…
詳しくみる配偶者や親族の扶養に入るためには?手続きや条件を解説!
夫婦で働いている人は、それぞれが社会保険に加入して働くか、それとも、夫か妻の扶養に入って働くかの選択によって、それぞれの働き方が違ってきます。被保険者の扶養に入ることで、保険料が免除になったりするようになります。 今回は、被扶養者について再…
詳しくみる厚生年金保険の加入年齢と受給年齢について
厚生年金保険はいつから加入でき、いつまで保険料を納めることができるのか。また、いつから厚生年金を受け取ることができるのか。これらを理解することは、老後の生活を維持するうえでとても重要になります。 そこで、今回は、厚生年金保険の加入年齢と受給…
詳しくみる社会保険料(国民年金保険料)控除証明書とは?発行日や使用ケース
国民年金に加入している方には、毎年10月下旬から11月上旬、または翌年の2月上旬の2回、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が届きます。この証明書は確定申告や年末調整の際に必要なのですが、何のために使用されるのでしょうか。本記事では、社会…
詳しくみる扶養手当とは?支給条件や金額、家族手当との違いについて解説
扶養手当とは、企業が福利厚生の一環として、扶養家族のいる従業員に対して支給する手当のことです。本記事では扶養手当の金額の相場や支給条件、家族手当との違いを解説します。また、育休中や離婚したとき、ひとり親への対応についてもお伝えします。近年、…
詳しくみる厚生年金保険料が引かれすぎ?計算方法を解説!
会社員に支払われる給与と賞与からは、所得税(源泉徴収税)などが差し引かれています。厚生年金保険料も控除されているものの1つで、給与からは標準報酬月額に厚生年金保険料率をかけた金額、賞与からは標準賞与額に厚生年金保険料をかけた金額が天引きされ…
詳しくみる