- 更新日 : 2025年10月10日
フォローアップとは?意味や人材育成での重要性を解説 | 給与計算ソフト「マネーフォワード クラウド給与」
フォローアップはビジネス用語や医療用語で、見守りや支援の意味で使われます。ビジネスでは従業員の成長を後押しするものとして重要視され、ミーティングや会議、研修の後に適切なフォローアップを行うことで知識やスキルの定着を図ります。具体的には定期的な面談の実施やシステムの整備、フィードバックの実施を指します。
目次
フォローアップとは?
フォローアップは英語の「follow up」をもとにしたカタカナ語で、「追跡する」や「追求する」という意味で用いられます。何かを実施した後に行う見守り・支援を指し、主にビジネス用語や医療用語として使われます。例えば、医療の現場では治療後に行う経過観察を指し、「フォローアップ外来」や「フォローアップ検診」のように用いられます。
ビジネス用語としては商談や打ち合わせ、ミーティングなどの後に追加で情報提供したり、相手のアクションを促したりすることがフォローアップに該当します。商談で打診された事項の返答や、会議で保留となった事案の提案を「フォローアップメール」として送信することで、フォローアップを行います。また、研修後に一定の期間を空けて「フォローアップ研修」を行い、知識・スキルの定着を図ることもフォローアップといえます。
フォローとの違い
ビジネスで担当者が業務を遂行できていない部分を、他の人が補うことをフォローと呼びます。未熟な後輩の仕事を先輩が手伝ったり、部下の失敗を上司が挽回したりすることがフォローに該当し、一時的に行う補佐の意味で用いられます。
これに対してフォローアップは、必要に応じて対象者に寄り添う形で行われます。商談の成立や問題解決、人材の成長のために長期的に行われる行為がフォローアップです。
フィードバックとの違い
フィードバックとは物事を良くするために意見を出したり、問題点を指摘したりすることです。アイデアをブラッシュアップするために第三者から受ける意見や、試作品の提供者から受ける製品化に向けた改良が、フィードバックにあたります。
何かをより良くするために行うという点では、フォローアップとフィードバックは同じですが、フォローアップは寄り添う形で行われるものであるのに対し、フィードバックは返す形で行われる点が異なります。
ビジネスにおいてフォローアップが重要な理由
現代では労働力不足対策の一環で、ビジネスにおいてはフォローアップが特に必要とされています。少子高齢化が進んだことで労働者人口が減少し、世界的に人手不足となっている中、日本でも労働力不足が大きな社会問題になっています。
企業は事業活動に支障がないよう、労働力の確保に努めなければなりません。今いる従業員の離職を防止したり、求職者に就職先として選ばれるようにしたりすることが、企業に求められています。
フォローアップを適切に行うことで、業務に必要な知識・スキルを新入社員に身につけさせ、スムーズに業務を遂行することができます。新入社員が入社前の理想と入社後の現実の差を感じる「リアリティショック」を防ぐこともでき、早期離職の防止に役立ちます。また、定着率が上がることから企業イメージも向上し、就職希望者に対して働きやすい優良な会社であることをアピールできるようにもなるでしょう。
フォローアップを行うメリット・デメリット
フォローアップを行うことの主なメリットは、従業員のスキルアップやモチベーションアップを図れることです。
業務に必要な教育や指導を一度行っただけでは、従業員が知識やスキルを習得することは難しいでしょう。フォローアップを行うことで不足している部分を補ったり、忘れかけている部分を思い出させたりすることができます。また、従業員は会社から十分なフォローアップを受けていると感じ、会社に対する満足度が高まるでしょう。愛社精神や忠誠心が養われることで、モチベーションアップにもつながるはずです。
デメリットとしては手間がかかる、効果がわかりにくいといった点が挙げられます。
フォローアップは、基本的に対象者一人ひとりに応じた内容で行わなければならないため、手間がかかります。フォローアップを行うには、まず対象者がどのようなものを必要としているかを調査する必要があります。ヒアリングや1on1などによって調査しなければならず、また対象者ごとに行わなければならないため、相応の時間を要します。
フォローアップを行ったからといって、目に見える形で結果が出ないこともデメリットです。フォローアップは知識やスキルの定着を目的に行われますが、これらが達成されたとしてもフォローアップによるものかどうかはわかりません。効果が目に見える形で現れず、把握できない点もフォローアップのデメリットといえるでしょう。
また、対象従業員がストレスを感じるおそれがある点もデメリットです。フォローアップの時期が不適切だったり、希望する内容ではなかったりすると、対象従業員はストレスを感じるでしょう。精神的負担を感じて仕事のモチベーションが落ちたり、会社に対して不満を感じて愛社精神がなくなったりするかもしれません。
フォローアップはいつ行うのがベスト?
フォローアップは適切な時期に行ってこそ、効果が得られます。不適切な時期に行ってもあまり意味がなく、むしろ知識やスキルの定着を妨げるおそれがあることに注意しなければなりません。適切なタイミングはケースごとに異なりますが、一般的には3か月後と1年後にフォローアップを実施するのが望ましいとされています。
フォローアップの具体的なやり方
一般的に、会社が従業員に対して行うフォローアップの方法は以下のとおりです。
定期的な面談の実施
定期的に従業員との面談を実施することで、業務上の課題や問題を把握することができます。面談では、従業員が直面している課題や困りごとについて話を聞き、サポートが必要ならば提供します。面談を行う頻度や方法は、会社の方針や従業員の業務内容に応じて決定するとよいでしょう。
フォローアップのためのシステム整備
フォローアップはシステムを整備した上で行うことで、より効果が高まります。従業員が抱える課題や問題を把握でき、また共有も可能になるため、効率化を図れます。システムには課題や問題の種類や重要度に応じて優先順位をつけたり、対応状況を管理したりする機能を備えることが大切です。
フィードバックの提供
従業員が報告した課題や問題に対して、適切なフィードバックを提供することが求められます。フィードバックでは従業員に寄り添い、理解を示したり、具体的なアドバイスを提供したりすることが重要です。
育成計画書のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
適切なフォローアップを実施して、従業員の成長を支援しよう
従業員の成長を支援するためには、適切なフォローアップを実施することが大切です。具体的には、従業員が直面している困りごとについて聞くための定期的な面談の実施や、課題や問題を管理するためのシステムの整備、従業員に寄り添うフィードバックの提供が必要です。従業員の成長を支援するために、適切なフォローアップを実施しましょう。
企業が従業員に対してフォローアップを行うことには、従業員の離職を防止したり、採用活動を優位に進められるようになったりする効果があるため、労働力不足の解消につながるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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