- 更新日 : 2025年12月17日
コミットメントとは?意味やビジネス・組織において高めることの効果
コミットメントとは、「公約、約束、責任」などを意味する言葉です。コミットメントは心理学やビジネスなどのシーンで用いられます。この記事では、コミットメントの概要や、組織コミットメント、従業員のコミットメントを高めることの効果、人事担当者がすべきことについて解説します。
目次
コミットメントとは?
ここでは、シーン別にコミットメントの意味を紹介します。
コミットメントの一般的な意味
コミットメント(commitment)は、委託や公約、責任、言質などを意味します。CMでも「○○にコミットメントする」「○○にコミットする」などのフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか。この言葉は「責任を持って約束する」というニュアンスで使われることが一般的です。ただ約束をするのではなく、強い責任を持って目的を達成することを約束するという意味が込められています。場合によっては「義務」や「関係性」と言い換えることも可能です。関係性の意味で使用する場合は、「コミットメントが濃い」というようなフレーズになります。
心理学におけるコミットメントの意味
心理学においては、決断することや積極性を持って関与することを意味します。カウンセリングで患者がある行動をとると決断することを指す場合もあるようです。心理学では、「コミットメント効果」という用語があります。これは、新しいことを始めるときや、目標を達成しようとするとき、その意思を誰かに宣言(コミット)することで、これから取り組む物事が実現しやすくなる効果のことです。政治家や企業のトップは、設定された公約に対する表明として「パブリックコミットメント」を用います。これは、心理学者のクルト・レヴィン氏が提唱した言葉です。この表明も、周囲に目標や公約を宣言することで達成率が高まるとされ、注目を集めました。
ビジネスにおけるコミットメントの意味
ビジネスにおいてはシーンによって以下のように異なる意味で使われます。
- 「成果をコミットメント(約束)する」
- 「社長からのコミットメント(承認)が必要だ」
- 「新規プロジェクトにコミットメント(強い責任を意識して参加)する」
関連する用語は以下のとおりです。
- フルコミット
「全責任を負う」「最大限の努力をする」という意味です。コミットメントをより強調した表現で、フルコミットメントと表記することもあります。
- オーバーコミットメント
自分の担当の範囲を超えて介入したり、他人に余計な指示を出したりする越権行為のことです。過度な緊張を長期間感じている状況を指す場合もあります。
- コミットメント力
責任を果たす能力のことです。仕事において高い成果を出せたり、確実に納期を守れたりする人は「コミットメント力」が高い人と言えます。
組織コミットメントとは?
所属する組織に対する帰属意識や関係性を表す言葉です。組織コミットメントは、以下の3つの要素から構成されています。
- 情緒的コミットメント
- 功利的コミットメント
- 規範的コミットメント
ここでは、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。
情緒的コミットメント
個人の感情や価値観など情緒的な要素により生じる愛社精神のことです。たとえば、「自社製品やサービスが好き」「職場の人たちが好き」などの気持ちから生まれる「この会社で働きたい」といった組織コミットメントを指します。
功利的コミットメント
労働条件や報酬、評価など損得勘定による帰属意識のことです。「存続的コミットメント」とも呼ばれます。条件の良さから「この会社で今後も働きたい」と考える組織コミットメントを指します。
規範的コミットメント
「組織に属するからにはその組織に尽くすべき」といった考えに基づく忠誠心のことです。特に根拠を持たず、従業員が無条件で会社のルールに従おうとする組織コミットメントを指します。
従業員のコミットメントを高めることの効果
従業員の帰属意識や愛社精神、忠誠心を高めると企業にとって多くのメリットを得られます。ここでは、代表的なメリットについて見ていきましょう。
離職率の低下
従業員のコミットメントが高まると、従業員が「ずっとこの会社で働き続けたい」と考えるようになり、離職率が低下します。離職率の低下によって優秀な人材の流出を防ぎ、自社の成長促進も可能です。
生産性の向上
組織コミットメントの高い従業員は、会社に対して責任を持っているため、遅刻や欠席、早退をすることが少ない傾向です。また、組織コミットメントが高まると、業務に対するモチベーションや集中力を維持しやすく、生産性の向上につなげられます。生産性が向上すれば従業員の報酬に還元でき、さらに功利的コミットメントが上がるというサイクルを作れるのです。
コミュニケーションの活性化
従業員の組織コミットメントが全体的に高いと、従業員同士のコミュニケーションが活性化します。これは、従業員と会社との間に信頼関係が生まれ、個々の積極性が高まることによるものです。この状態は、オープンでコミュニケーションをとりやすい職場環境が整っていることを示します。コミュニケーションの活性化によって、課題の発見や解決策の考案、アイディアの創出などが行われ、会社の競争力の強化や発展が期待できるでしょう。
従業員のコミットメントを高めるために人事担当者ができること
従業員の組織コミットメントを高めることでさまざまなメリットが得られることを解説しました。ここでは、従業員の帰属意識や愛社精神、忠誠心を高めるために人事担当者ができることを3つ紹介します。
従業員の適性に合った仕事や役割を与える
情緒的コミットメントを高めるには、従業員のスキルや適性に合った仕事や役割を与えることが重要です。そうすることで、仕事や会社に対する満足度が向上して、組織コミットメントが高まります。まずは、各従業員の日頃の仕事ぶりを観察し、現在の業務状況や今後のキャリアプランに関する面談を実施しましょう。コミュニケーションをしっかり重ねたうえで、本人のスキルや希望に応じた仕事や役割を与えることがポイントとなります。
企業理念や経営方針を共有する
「この会社で働くことが自分にとって価値がある」「この会社は忠誠心を持つに値する」と従業員に思ってもらえるように企業理念や経営方針を正しく共有しましょう。方向性が曖昧なまま毎日同じ業務を繰り返していると、従業員が「この会社でなくてもできる」と感じてしまうかもしれません。その結果、帰属意識や愛社精神が低下し、人材の流出や生産性の低下につながるリスクがあります。従業員の情緒的コミットメントを高めるためにも、企業理念や経営方針の共有は定期的に行うことが大切です。社内報で周知したり、経営陣から直接伝えたりするなど、複数の手段を用いてすべての従業員に企業理念と経営方針を共有しましょう。
オープンで働きがいがある職場環境を整備する
オープンで働きがいがある職場環境も、組織コミットメントを高めるために欠かせません。従業員にとってのやりがいと働きやすい環境を両立することで、従業員は「この会社より働きやすい会社はない」と感じるのです。福利厚生の充実度だけでなく、従業員の要望も積極的に組織運営に取り入れる仕組み作りも行いましょう。気兼ねなく意見交換や相談ができることで組織コミットメントが高まり、前述したコミュニケーションの活性化につながります。風通しの良い職場風土となることで経営と現場の距離が縮まり、情緒的コミットメントの向上はもちろん、適切な情報共有が可能です。透明性の高い経営によって会社への信頼が強まり、組織コミットメントをより高められるでしょう。
組織コミットメントを高める取り組みをしましょう
ここまで、コミットメントの意味やビジネス・組織において高めることの効果について解説しました。コミットメントは、一般的には約束や責任、関係性などを意味し、会社(組織)においては従業員の帰属意識や愛社精神、忠誠心などを表す言葉です。組織コミットメントを高めることで、離職率の低下や生産性の向上、コミュニケーションの活性化などさまざまなメリットを得られます。この機会に、個々の従業員に適した職務を与え、オープンで働きがいがある職場環境を整備し、組織コミットメントを高めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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