• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2018年9月18日
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年末調整での年調年税額の計算

年末調整での年調年税額の計算

Calculator and coins

年調年税額とは、一年間に従業員に支給した給与に対する所得税を計算するための数字を指します。ここで言う所得税には、復興特別所得税が含まれます。

年末調整では、従業員ごとに算出した年調年税額と、すでに源泉徴収した金額とを比べて、過不足額を精算します。つまり、年調年税額の計算が完了した時点で、年末調整の作業は最終段階に入ったことになります。

「扶養控除申告書」の提出作業

では、年調年税額を算出するまで、どのような流れになっているか見てみましょう。

まず、年末調整の対象となるすべての従業員から、「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいます。

各種保険に加入しており、控除を受けたいと考えている従業員からは、「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」を、住宅ローン控除を受けたいと考えている従業員からは、「住宅借入金等特別控除申告書」を、あわせて提出してもらいましょう。

毎年秋ごろになると、各種金融機関や保険会社より「控除証明書」や「残高証明書」が従業員の自宅に届き始めます。

これらの証明書はすべて、「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書(平成30年度からは保険料控除申告書)」や「住宅借入金等特別控除申告書」に記入する金額を証明する大切な書類になります。また、申告書にあわせて提出してもらうことになりますので、前もって従業員に「なくさないように」と注意喚起しておくと良いでしょう。

また、その年に入社した従業員については、前の職場(アルバイト含む)で発行された「源泉徴収票」を提出してもらうことで、前職分の給与を合算して年末調整を行うことが可能です。
必要な書類の回収が完了すれば、各種申告書の内容に基づき年末調整の作業を進めていきましょう。

源泉徴収簿による集計作業と年調年税額の計算

次に、従業員ごとの「源泉徴収簿」を次の要領で作成します。

1.年末調整の対象である年の1月から12月までの間に、以下を記載します。
 ・従業員に支払った給与・賞与の金額
 ・支払った給与や賞与から控除した社会保険料
 ・源泉徴収した税額

2.給与・賞与の金額(給与等の金額)や、社会保険料額、源泉徴収した税額を集計します。

3.国税庁が発行する「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を用意します。

この表の中で、先ほど集計した給与等の金額に合致する欄から、「給与所得控除後の給与等の金額」を割り出します。

4.従業員に提出してもらった「扶養控除申告書」「配偶者特別控除申告書 兼 保険料控除申告書」「住宅借入金等特別控除申告書」に記載された金額から各種の控除額を計算します。

5.給与所得控除後の給与等の金額から各種の控除額を控除し、1,000円未満の端数を切り捨てます。
この金額を「課税給与所得金額」といいます。

6.課税給与所得金額に、一定の税率を掛け合わせて所得税の金額を計算します。
これを「年調所得税額」といいます。

なお、「住宅借入金等特別控除申告書」を提出した従業員の場合は、住宅ローン控除額を差し引いた金額が、年調所得税額になります。

7.最後に、年調所得税額に102.1%(平成49年までは数値の改正予定なし)を乗じて、100円未満を切り捨てます。
この結果、復興特別所得税も考慮した「年調年税額」が算出されます。

還付か、徴収か? 年調年税額を使った精算作業

算出された年調年税額と、源泉徴収した金額を比較して、精算を行います。

■年調年税額が毎月源泉徴収した金額より多い場合
 実際の年税額より少ない金額を納付していたことになるため、不足分を追加徴収します。

■年調年税額が毎月源泉徴収した金額より少ない場合
 実際の年税額より多い金額を納付していたことになるため、超過分を還付します。

このように源泉徴収簿の「差引超過額または不足額」欄に、過不足額を記入すれば、年末調整の書類上での作業は完了したことになります。

あとは、従業員への給与支払時に、年末調整の過不足額をあわせて通知し、実際の年末調整処理を行いましょう。

提出書類と資料、これがそろえば計算は意外とスムーズ

年末調整は、従業員から回収する書類や資料等がすべてそろっていれば、源泉徴収簿の該当箇所を埋める作業を進めていくだけです。意外とスムーズだと感じる方も多いのではないでしょうか。

ただし、実際の精算作業には正確さが要求されます。作業を始める前に書類の不足などがないように十分に確認したうえで計算を行いましょう。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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