• 作成日 : 2016年10月14日
  • 更新日 : 2018年4月6日
  • 年末調整

扶養控除等(異動)申告書の書き方を一から丁寧に解説

扶養控除等(異動)申告書の書き方を一から丁寧に解説

扶養控除等(異動)申告書の書き方を一から丁寧に解説

年末調整は原則として企業などの給与の支払者に対して、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下、扶養控除等申告書)を提出した人の全員について行います。

扶養控除制度は扶養対象者がいる人にとっては節税面でとても重要な書類です。ここではこの書類の書き方と、書類中の項目についてそれぞれ解説します。

扶養控除等申告書の上段の書き方

扶養控除等(異動)申告書_上段

(出典:平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|国税庁

扶養控除等申告書の上段は給与の支払者と給与所得者自身の基本的な情報を記入する欄です。

「所轄税務署長等」の「税務署長」の欄には企業などの給与支払者の所在地等の所轄税務署の名称を、「市区町村長」の欄には給与所得者の住所地等の名称を記入します。

「給与の支払者の名称(氏名)」には企業などの名前を書き、「給与の支払者の所在地」も給与所得者が記入して問題ありません。

また「給与支払者の法人(個人)番号」と「あなたの個人番号」についてですが、2016年1月以降の年末調整ではこの欄にそれぞれのマイナンバーを記入する必要があります。

なお給与の支払者が法人の場合は、その法人番号をあらかじめ記載(または印字)して給与所得者に渡しても構いません。

一番右にある「従たる給与についての扶養控除等申告書の提出」は、2カ所以上から給与の支払を受けている人が、他の給与の支払者に対して「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している場合に○をつける欄です。

「従たる給与についての扶養控除等申告書」は主たる給与からだけでは配偶者控除や扶養控除、障害者控除などの全額が控除できないと考えられる場合のみ提出できる書類となっています。

なお、扶養控除等申告書を提出する給与の支払者から受け取る給与を「主たる給与」と呼び、それ以外の給与を「従たる給与」と呼びます。

扶養控除等申告書の中段の書き方

扶養控除等(異動)申告書_中段

扶養控除等申告書の中段は、控除対象配偶者や控除対象扶養親族についての情報を書く欄です。書き方を見る前に「控除対象配偶者」及び「控除対象扶養親族」の定義を明確にしておきましょう。

控除対象配偶者とは?

控除対象配偶者とは配偶者控除の対象となる配偶者です。次の4つ全てに当てはまる場合に、控除対象配偶者となることができます。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

また合計所得金額が38万円超76万円未満の人の場合は、配偶者特別控除の対象配偶者となります。配偶者特別控除の申告は別途「給与所得者の配偶者特別控除申告書」を提出が必要です。

控除対象扶養親族とは?

控除対象扶養親族とは扶養親族のうち、16歳以上の年齢の人を指します。さらにこのうち次の4つの条件を全て満たしている必要があります。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

また控除対象扶養親族には4種類あります。一般の扶養控除対象扶養親族は16歳以上の人ですが、19歳以上23歳未満の人は「特定扶養親族」となります。

また70歳以上の控除対象扶養親族は「老人扶養親族」と呼ばれ、そのうち「同居老親等」と「同居老親等以外の者」に分かれます。

同居老親等とは納税者またはその配偶者の父母や祖父母などの直系尊属のうち、納税者またはその配偶者と常に同居している人のことです。

控除対象扶養親族の種類条件
一般の扶養親族16歳以上
特定扶養親族19歳以上23歳未満
同居老親等70歳以上で、かつ納税者またはその配偶者の父母や祖父母などの直系尊属のうち、納税者またはその配偶者と常に同居している人
同居老親等以外の者70歳以上で、同居老親等ではない控除対象扶養親族

扶養控除申告書の中段の書き方

それでは実際の書き方を見ていきましょう。「氏名及び個人番号」は控除対象配偶者及び控除対象扶養親族に該当する人の名前と個人番号を記載する欄です。

「老人控除対象配偶者または老人扶養親族」の欄は先ほど見た内容に従って該当する方に○をつけます。「特定扶養親族」に該当する場合も○をつけます。

「平成28年中の所得の見積書」はその人の所得の見積額を記載する欄です。これが38万円を超える場合は控除対象扶養親族には該当しないということになります。

Cの「障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」のうち給与所得者や扶養親族等の中に障害者がいる場合は「1 障害者」の表にその旨を記載します。給与所得者が2〜5に該当する場合は、該当するものに○をつけます。

「左記の内容」は障害者等に該当する場合に、該当する事実や氏名等を記載する欄です。

扶養控除等申告書の下段の書き方

扶養控除等(異動)申告書_下段

扶養控除等申告書の下段は「他の所得者が控除を受ける扶養親族等」と「住民税に関する事項」についてです。まず「他の所得者が控除を受ける扶養親族等」の欄の書き方について見ておきましょう。

1つの生計内に給与所得者が2人以上いる場合、その扶養親族等をどちらか任意の給与所得者の扶養親族等としたり、その生計内の扶養親族等を給与所得者で分けて控除を受けることができます。

例えば扶養親族等に該当する子供が2人いる共働きの夫婦が、1人ずつ扶養親族等として申告書に記載するような場合です。このような時に左側の氏名・住所等の欄に扶養親族等の情報を記載し、右側にその人を扶養親族等として扶養控除申告書に記載する給与所得者の情報を記載します。

「住民税に関する事項」には「16歳未満の扶養親族」の欄には、該当する扶養親族等の情報を記入するだけです。

まとめ

扶養控除は扶養親族等1人につき最低でも38万円もの控除が受けられる制度です。

したがって給与所得者が扶養している人が扶養親族等に該当するかどうかも含め、扶養控除等申告書は非常に重要な書類と言えます。書類の書き方だけでなく、扶養親族等の定義をよく理解し、自分に該当する項目は確実に埋めるようにしましょう。