• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2019年4月5日
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年末調整の対象とならない人とは? 対象者を解説

年末調整_対象

通常、給与所得者は年末調整において年間の所得税を精算しますが、例外的に年末調整の対象とならない場合があります。
年末調整の対象となる場合と対象とならない場合は、それぞれどのような点で異なるのでしょうか。その場合にはどう対処すべきか、あらかじめ理解しておきましょう。

年末調整の概要と流れ

給与支払い時に天引きされる所得税は仮払いのため、納付すべき税金額は総収入額や控除額が判明する年末に精算し決定されます。
これを年末調整と呼び、会社に所得税の過不足を調整してもらえるため、各納税者が個別に申告する手間が省けます。

年末調整は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出している人全員について行われ、年間通じて勤務した人だけでなく、転職してから年末まで継続して勤務した人も対象となります。

また、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しない場合、勤務先は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がある場合よりも多く源泉所得税を徴収することになります。さらに、年末調整ができないため、自身で確定申告を行い、所得税を精算しなければなりません。

年末調整の対象とならない人は、納税者本人が対象年の翌年2月16日から3月15日までの間に、確定申告によって所得税を精算することになります。なお、年末調整で控除できない医療費控除、(一年目の)住宅借入金等特別控除などは、翌年の確定申告期間に限らず、5年以内であればいつでも還付申告をすることができます。

年末調整ができず、かつ確定申告をしなければ、所得税の過払い分の還付が受けられず(5年以内なら還付申告が可能)、または、不足分が追徴された上で無申告加算税や延滞税などのペナルティが課せられる可能性があります。
確定申告についての基本情報は「【初心者向け】確定申告の手順|はじめてガイド」をご参照ください。

会社は年末調整後、源泉徴収票に給与や給与所得控除、社会保険料、生命保険料などの人的・および物的控除の金額、最終決定した所得税額を記し、(転職者を含む)社員に交付します。

年末調整の対象となるケース・ならないケース

年末調整の対象となる人、対象とならない人を、具体的な条件とともに見ていきましょう。

年末調整の対象となるケース

「扶養控除等(異動)申告書」を提出した納税者のうち、主たる給与の収入金額が年間2,000万円以下で、災害による源泉所得税等の納税猶予や還付を受けていなければ、原則として年末調整の対象となります。
年末調整の対象となるための主な条件には、以下のとおりです。

・1年間を通して勤務した、あるいは転職後、年末まで継続して勤務した場合。
・死亡により退職した、または心身の障害により年の中途で退職し、本年中に再就職が見込めない場合。
・12月中に給与を受け、その後退職した場合。
・パートタイムで働いていた者が退職し、本年の給与総額が103万円を超えない場合。(ただし、退職後、本年中に別の勤務先から給与を受け取る場合を除きます)。
・海外の支社や子会社に年の中途で転勤することとなり、非居住者となった場合。(非居住者とは、国内に住所も1年以上の居所も有しない人をいいます)

なお、上記の理由にあたらない退職者は年末調整の対象者にはならないため、確定申告が必要です。

また、退職した後に給与による支払いがなかったとしても、株式売買による譲渡所得や家賃収入などによる不動産所得を得るなど給与収入以外の合計所得が20万円以上生じた場合は、年末調整済の源泉徴収票と合わせて確定申告することになります。

年末調整の対象とならないケース

年末調整が不要となる主なケースは、以下のとおりです。

・主たる給与の収入金額が年間2,000万円を超える場合
・災害による源泉所得税等の納税猶予や還付を受けている場合
・2か所以上から給与の支払を受けている人で、他の勤務先に扶養控除等(異動)申告書を提出している場合
・年末調整を行うときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合
・年の中途で退職した人で、上記対象者のケースに該当しない場合
・非居住者の場合
・継続して同一の雇用主に雇用されないいわゆる日雇労働者の場合

年末調整の対象とならない人は、原則としてその年の12月31日に企業に在籍していない従業員(=退職した従業員)となります。

ただし年の途中で転職した場合は、転職先の会社において12月31日時点で在籍している従業員となるため、年末調整の対象となります。

つまり、
転職前の会社:年末調整の対象とはならない
転職後の会社:年末調整の対象者となる
ということになります。

年末調整を受けなかった給与は、所得税を多く納め過ぎていることが考えられるため、確定申告することによって納め過ぎた税金を取り戻すことができます

まとめ

2つ以上の会社から給与を受け取っている場合には、メインとなる勤務先にのみ「扶養控除等(異動)申告書」を提出し、そこで年末調整を受けます。そのため、年末調整が行われていない収入については、必ず本人による確定申告を行わなければなりません。年の中途で退職し、本年中に再就職しなかった場合も、所得税の過払い分を取り戻すには還付申告を行ってください。

さらに「扶養控除等申告書」を会社に提出しないと、年末調整を受けられないだけでなく人的控除も適用されないため、翌年の源泉徴収税額が大幅に高くなります。
独身者や配偶者等の扶養となっている場合でも、申告書を受け取ったなら、すみやかに提出しましょう。

年末調整が不要なケースの詳しい情報は、国税庁のHP(下のリンク)を参照してください。
国税庁 年末調整とは

監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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