- 更新日 : 2023年12月15日
無申告加算税を払うことになる前に…申告忘れをゼロにする方法
個人事業主が、3月15日の申告期限後に確定申告した場合、また無申告だった場合は、無申告加算税や延滞税などが加算されることがあります。この記事では、無申告加算税が課税される理由や課税された場合の対応方法をはじめ、電子申告などの便利な納税方法、申告期限延長制度などについてご紹介します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
この記事を読む方におすすめ税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
目次
日々の取引入力、申告書の作成から申告作業まで、1つで完結するのが「マネーフォワード クラウド確定申告」。家計簿感覚で簡単に使えるので、初めての方にも多くご使用いただいています。
スマホのほうが使いやすい方は、アプリからも確定申告が可能です。
無申告加算税が課税される事由とは
無申告加算税は、確定申告書を法定申告期限(所得税の場合は翌年3月15日)までに提出せず、期限後提出または税務署からの決定処分を受けた場合に課税されます。無申告加算税が課税された人は、本来払うべき税金に無申告加算税を加えて支払わなければなりません。
所得税の確定申告のほか、毎年3月15日までに終わらせる必要がある主な手続きは以下の通りです。
これらのうち、3月15日を越えて申告をした場合は「期限後申告」という扱いになります。申告自体はいつでも可能で、全ての期限後申告に無申告加算税が課税されるわけではありません。以下の条件を全て満たしている場合には無申告加算税がかかりません。
- 申告期限後1ヵ月以内に自主的に申告している
- 以下のふたつの条件を満たし、期限内申告をする意思があったと認められる
・確定申告の期限内(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)に納税を行った
・直近5年間に期限後申告による無申告加算税又は重加算税を課されていない
国税庁が狙っているのは、毎年正しく納税してもらうことです。過去に納税漏れなどの違反履歴がなく、少額の納税漏れがあるという程度の場合には、無申告加算税が課せられないといえば国税庁の狙いがイメージしやすいでしょう。一方、納税遅れの常習者や高額な税金の納税漏れについては、必ずペナルティが課せられます。
無申告加算税が課税されてしまうと
無申告加算税が課税された場合の税率は以下のとおりです。
条件 | 無申告加算税割合 |
---|---|
自主的に期限後申告をした場合 | 5% |
~50万円まで | 15% |
50万円を超える部分 | 20% |
※隠ぺい又は仮装など悪質な場合 | 40% |
無申告加算税は各年分に分けて課税され、納付すべき税額に対して50万円までが15%、50万円を超える部分は20%をかけた金額となるのが原則です。
しかし、二重帳簿や帳簿書類の改ざんなどで売り上げを隠蔽したり、架空契約書を作るなど事実を仮装したりする明らかな所得隠しがあった場合には40%の 無申告加算税が加算されます。
このように、 無申告加算税は場合によって非常に重くのしかかる税金です。できるだけ早く納税しておくことが賢明でしょう。
なお、通常青色申告をした場合、最大65万円の特別控除があります。しかし申告期限後に青色申告をしようとした場合、仮に過不足なく複式簿記で書類を用意していたとしても、青色申告で得られる特別控除が65万円から10万円に減額されてしまいます。
また、場合によっては延滞税が発生する場合もあります。このように納税の遅れは無申告加算税に限らず思わぬデメリットとなる場合があるのです。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
無申告加算税が課されないために
毎年の確定申告書の申告期限は決まっているので、無申告加算税が課税されないようにするためには、期限までに確定申告に必要な情報を整理しなければなりません。以下の点に注意しておくと良いでしょう。
日々経費集計などスケジュールをたてる
あらかじめ、いつ経費集計をするかスケジュールを決めておきましょう。領収書は毎日必ず、入出金や請求書は1ヵ月ごとに整理するなど自分なりにルール化するのが大切です。目につく場所にメモしておいたり、スケジュール管理アプリやカレンダーの通知機能を使ったりするのも有効です。
確定申告ソフトを利用して決算書作成を効率化する
複式簿記の書き方がわからず時間がかかってしまうようであれば、確定申告ソフトを使うと便利です。ソフトウェアをパソコンにインストールするもの以外に、月額使用料だけで使えるクラウド型の確定申告ソフトもあります。自分にあったシステムを活用してみましょう。
電子申告を利用する
申告書の作成も国税庁のe-Taxページやクラウド確定申告ソフトから準備できます。マイナンバーカードなど事前の準備を行えば、確定申告の申請も税務署に行かず自宅からできるようになり、税務署での待ち時間が減らせます。現在はスマホからも申告が可能となっているため、必ずパソコンを用意する必要はありません。
青色申告特別控除の条件にも、電子申告の場合は65万円控除の対象となるので、納税額面からもメリットがあると言えます。
また、どうしても確定申告の期限に間に合わなかった場合は以下が重要です。
自己申告する
ここまでご紹介した通り、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告した場合には、無申告加算税が5%に軽減されます。できるだけ早い段階で申告を行いましょう。
支払いの意志をみせる
無申告加算税が課税されない条件に当てはまるよう、できるだけ期限内に税金を収め、納税遅れを繰り返さない努力をしましょう。
災害等のやむを得ない場合には申告期限延長の特例が認められる場合も
個人や事業所が被災した場合には、一定期間を定めて申告期限の延長が認められます。
風水害や地震など、災害の規模が多い場合は、国が申告期限延長する場所として地域全体を指定するため、税務署への申請は不要です。
一方、地域指定で申告期限が延長されておらず、個別に被災した場合には、税務署に申請をすることで申請期限が延長されます。忘れずに申し入れるようにしましょう。
無申告加算税を課税される前に正しく納税しよう
法定申告期限後に申告しようとすると、本来の納税額のほかに、ペナルティとして無申告加算税が課税されるのが原則です。無駄な費用をおさえるためにもあらかじめスケジュールをたて、効率的な確定申告を行いましょう。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読む※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
租税公課の関連記事
新着記事
課税証明書とは?取得方法や必要書類、見方や注意点を徹底解説!
一般に課税証明書とは、住民税について所得、控除、課税額などを記載した書類のことです。児童手当や奨学金などの申請や、金融機関でのローンの申し込みなどで必要になります。 本記事では、課税証明書が必要な場面や取得方法、取得できる場所などを解説しま…
詳しくみる個人事業主の定額減税ガイド!やり方・所得税なしの場合は?
2024年には、インフレ対策として定額減税が実施されています。定額減税を受けるためには、どのような手続きが必要になるか知りたい個人事業主の方も多いのではないでしょうか。 個人事業主が定額減税を受けるためには、確定申告が必要です。今回の記事で…
詳しくみる個人の税務調査はいくらから?どこまで調べる?
税務調査が入るかどうか、不安を感じている個人事業主の方は多いのではないでしょうか。法人に比べると頻度は少ないですが、個人事業主にも税務調査は入ります。 そのため会計ソフトなどを使った、適切な対策が必要です。本記事では税務調査の概要や、税務調…
詳しくみる松戸市の確定申告ガイド!郵送先や相談方法は?
当記事では、松戸市で確定申告を行おうとしている方に向けて、松戸市の管轄税務署や郵送先、相談会場、確定申告のやり方・提出方法などを、ギュッとまとめております。 なお、松戸市の確定申告会場に行かなくても、確定申告書の作成・提出は可能です。 初心…
詳しくみる簡易課税の消費税申告のやり方を個人事業主向けに解説!
消費税の申告にあたっては、税額の計算方法として、原則である一般課税のほかに簡易課税制度が置かれています。簡易課税と一般課税では何が異なるのでしょうか。個人事業主向けに、簡易課税制度による消費税申告の計算や申告の方法を解説します。 簡易課税制…
詳しくみる消費税申告とは?やり方・計算【個人事業主対応】
消費税申告とは、個人事業主の場合は各年(1月1日から12月31日までの1年)、法人の場合は各事業年度に納めるべき消費税を管轄の税務署に申告することです。この記事では、消費税申告の対象者や計算方法、個人事業主向けの確定申告のやり方や作成方法な…
詳しくみる