• 作成日 : 2016年8月31日
  • 更新日 : 2018年9月26日
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社会保険には加入義務がある!手続き書類の書き方を解説

社会保険には加入義務がある!手続き書類の書き方を解説

社会保険には加入義務がある!手続き書類の書き方を解説

社会保険は事業所に勤めている人たちが安心して働くために全国健康保険協会(協会けんぽ)や日本年金機構が整備している保険です。

保険料の一部は事業所が負担しなければならないため、経営者にとっては悩みの種でもあります。しかし社会保険は厚生労働省の定めにより、条件に当てはまる人や事業所には必ず加入義務があります。

ここではどのような事業所に社会保険の加入義務があるのか、加入義務がある場合はどうすれば加入できるのかについて解説します。

加入義務のある社会保険には2種類ある

健康保険

厚生労働省が「社会保険」という枠組みで整備している保険は2種類あります。1つ目は健康保険です。これは労働者やその扶養家族が病気や怪我、出産、死亡した時などに必要となるお金を支給するための制度です。

病院に行く時に会社の名前が記載された保険証を提示したことがあるはずです。これが社会保険の健康保険証で、提示することで病院での窓口負担額が本来の治療の3割で済みます。

例えば健康保険証を提示して窓口で1,200円の治療費を支払ったとすると、本来の治療費は4,000円もかかっていることになります。4,000円から1,200円を差し引いた2,800円分は、保険によってまかなっているのです。

国や地方公共団体、または法人の事業所、あるいは製造業や土木建築業などの一定の業種で、常時5人以上を雇用する個人事業所は健康保険への加入義務があります(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業などや農業、漁業などはこの限りではありません)。
上記の、加入義務がある事業所を「強制適用事業所」と言います。それ以外の事業所も一定の要件を満たせば健康保険に加入することができ、その場合「任意適用事業所」と言います。

強制適用事業所や任意適用事業所に常時使用される人は、健康保険に加入しなければなりません(加入する人を被保険者と言います)。
パート・アルバイトであっても「1日または1週間の労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の分の4分の3以上」という条件を満たしていれば、事業所はその従業員を健康保険に加入させなくてはなりません。
また、常時501人以上の会社に勤務している場合は、さらに別の加入条件があります。

なお保険料は労働者と事業主で折半となります。

厚生年金保険

厚生年金保険は高齢や病気、怪我によって働けなくなったり、大黒柱の死亡によって遺族の生活が立ち行かなくなってしまった場合などに、必要なお金を給付するための制度です。

「基礎年金」とも呼ばれる国民年金は日本国内に住所を持っている20歳以上60歳未満の人がすべて加入義務があります。

一方、厚生年金保険は加入義務の条件、保険料の負担割合ともに健康保険と同じで、特定の人が加入する年金制度です。

厚生年金は「上乗せ年金」とも呼ばれ、加入者は国民年金にだけ加入している人よりも多くの年金給付を受けることができます。

健康保険及び厚生年金保険の加入方法

健康保険及び厚生年金保険加入のための手続き・必要書類

健康保険と厚生年金の加入手続きはまとめて行うことができます。事業所は2つの保険への加入義務が発生した日から5日以内に、事業所所在地を管轄する年金事務所に「新規適用届」を提出しなくてはなりません。

ただし実際に事業を行っている事業所の所在地と登記上の所在地が一致しない場合は、実際に事業を行っている事業所の所在地を管轄する年金事務所に提出します。

例えば登記上は大阪に事業所があるが、実際は東京で事業を行っている場合は、東京の管轄の年金事務所に提出します。

提出方法は電子申請でも可能で、そのほか郵送や窓口持参も認められています。事業所が法人事業所の場合は新規適用届以外に、「法人(商業)登記簿謄本(コピー不可)」、個人事業所の場合は事業主の世帯全員の住民票(コピー不可・マイナンバーの記載のないもの)を添付する必要があります。
(任意適用事業所の場合は、さらに提出必要書類が追加されます。)

なお、実際に事業を行っている事業所の所在地と登記上の所在地が一致しない場合は法人(商業)登記簿謄本ではなく、「賃貸借契約書のコピー」などの所在地が確認できる書類が必要です。

「新規適用届」の書き方

次に新規適用届の実際の書き方を、実物を見ながら解説します。

健康保険厚生年金保険新規適用届

(出典:新規適用の手続き|日本年金機構

こちらが新規適用届の表面の全体です。ポイントは以下の6つです。

・1のような「※」のついた欄は記入が必要なし。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント1

・7の「事業所所在地」は都道府県名を除いて記入する。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント2

・8の「事業所名称」のフリガナでは、株式会社を「カ」、有限会社を「ユ」、合名会社を「メ」、合資会社を「シ」と記入する。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント3

・18とエは厚生年金基金に加入している場合に記入する。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント4

・22.23.25.26は該当する番号に○をつけます。株式会社などの法人格を持つ場合は「法人」、個人経営の事業所などは「個人」、地方公共団体などは「国・地方公共団体」を選びます。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント5

・23のうち「法人番号」と「会社法人等番号」の両方を持っている場合は「法人番号」を選択する。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント6

続いて新規適用届の裏面について見ていきましょう。

健康保険厚生年金保険新規適用届のポイント7

こちらが新規適用届の裏面の全体です。

健康保険厚生年金保険新規適用届の裏面

キとクは該当するものすべてに○をつけます。記載されている手当すべてを支給している場合は、すべてに○をつけます。

まとめ

健康保険と厚生年金保険は、法令で定められている事業所に加入義務が課せられています。申請までの期日が5日以内と短いので、加入義務がある場合は直ちに新規適用届の作成・提出を行う必要があります。

また、新規適用届によって事業所として社会保険に加入する手続きに加え、それとは別に、従業員が社会保険の被保険者となるための手続きも併せて行う必要があります。

従業員が安心して働けるように、ヌケ・モレのないように対応しましょう。

監修:川本 祐介 (社会保険労務士)

税理士法人ゆびすい
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