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  • 更新日 : 2021年7月15日

合同会社とは?設立のメリット・デメリットや株式会社との違い、設立の手続きまで解説!

それまでの有限会社に代わって、法人化への道のりをより簡便にしたのが合同会社です。一方で、簡便にするために株式会社とは異なる形態や制限もあります。

法人設立を考えている人は、こうしたメリットとデメリットをしっかり把握して選択する必要があります。

合同会社のメリットとデメリットをチェックしていきましょう。

そもそも合同会社とは

現在の日本における会社形態は、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4つの形態があります。その1つである合同会社は、2006年施行の会社法で導入された比較的新しく設けられた会社形態で、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルとしています。

株式会社との違いは?

株式会社と合同会社では、出資者(株主)の責任が有限責任であることは共通しています。しかし、株式会社では株主が会社の経営を経営者に委任し、経営者が会社の業務を行います(所有と経営の分離)。これに対し、合同会社では出資者自身が業務執行権限を有し、会社の業務を行います(所有と経営の一致)。

例えばどんな会社がある?

合同会社は比較的新しい会社形態であるため、株式会社と比べると認知度が低く、信用性も低いといえます。しかし、設立手続きの手軽さや費用の面でメリットも多く、その数は増えつつあり、認知度も高くなってきているのも事実です。

また、誰もが知っているような有名企業でも合同会社という形態をとっている会社もあります。例えば「グーグル合同会社」「アップルジャパン合同会社」「アマゾンジャパン合同会社」「合同会社ユー・エス・ジェイ」「ワーナーブラザース合同会社」などが実在します。

合同会社設立のメリット

合同会社が株式会社設立より有利であるといわれているのは次のような部分です。

安い設立費用

合同会社を選ぶ最大のメリットに設立費用の安さがあります。株式会社設立に際して納めなければならない一律の税金や手数料が約20万円であるのに対して、合同会社は最少で約6万円と3分の1以下で済みます。費用が少ない分、手続きも簡単です。

決算公告の義務なし

株式会社では決算公告を毎年必ず行う必要があります。決算公告とは、定時の株主総会が終了した後に、会社の定款に示した方法によって財務情報の開示を行うことです。開示方法は官報、一般時事を扱う日刊新聞紙、電子公告のいずれかを選んで定款に定めることができます。

比較的掲載料が安いといわれる官報では、通常は大会社以外の会社(会社法の定めで資本金5億円未満、負債額200億円未満の会社を指す)が一般的な決算公告を掲載する際に必要な料金は約6万円ですが、これが不要になります。

役員任期の更新が不要

株式会社では、取締役と監査役の任期は決められており、延ばすには定款に記す必要があります。定款に定めれば、取締役の原則2年、監査役の4年を10年まで延ばすことができます。

一方で合同会社は役員の任期が設ける必要がないため、役員改選でかかる手間と費用を削減することができます。

剰余金分配の制限なし

株式会社では、剰余金の配当を行おうとする際には、毎回株主総会の決議を経て内容を決めなければならないといった制約があります。また、配当比率は出資比率と同じでなければなりません。

合同会社ではこれを自由に定款で決めることができます。つまり、社員である出資者の業績に見合った配当を、出資比率とは別に行うことができます。

税制は株式会社と変わらず

株式会社より規制が緩いにもかかわらず、同じ税制が適用される点が合同会社のメリットです。会社設立による節税の恩恵を、株式会社と同様に受けることができます。

社員は有限責任

社員である出資者は、出資の範囲において有限責任を負えば済みます。

株式会社への移行も可能

業績が拡大すると、合同会社を継続するよりも株式会社のほうが便利であったり、有利になったりすることがあります。出資者の変更や融資を受けて事業規模を大きくしようとする場合には、組織変更の手続きによって、合同会社を株式会社にすることができます。

組織変更の公告を官報に掲載する費用(約3万円)と登録免許税の収入印紙代(6万円)、このほかに司法書士に支払う手数料(5万円程度)で株式会社への移行を済ませることができます。

合同会社設立のデメリット

合同会社が株式会社設立より不利であるといわれているのは次のような点です。

合同会社の信用度が高くないこと

合同会社という名称の認知度が低く、株式会社と同等の価値を与えられていない現状があります。取引先にこうした印象を与えることはマイナス要素になり、ビジネスの形態によっては避けたほうが賢明な場合もあります。取引先が会社名にこだわらない業態かどうかで判断したほうがよいでしょう。

出資者が業務執行権を持つ

合同会社への出資者は『社員』と呼ばれ、経営権を持ちます。社員が複数人いる場合は、その全員が経営に対する決定権を持ちますが、出資額にかかわらず全員に同じ決定権が与えられます。

そのため社員間で意見が食い違った際に、上下関係を理由にした意思決定ができず、問題の収拾が困難になりかねません。

権利譲渡や事業承継がやりにくい

出資者である『社員』の地位をだれかに譲る場合、『社員』全員の同意が原則になります。したがって、権利譲渡はかなり慎重に行わなければなりません。

さらに、『代表社員』の継承も同様です。譲渡や継承をきっかけに社内が対立するリスクも考えられます。

合同会社設立の手続き

合同会社の設立は、必要書類も株式会社設立に比べて少ないため、手間や時間、設立費用を抑えることができます。事前の準備は数日あれば終えることができます。法務局へ設立の申請をしてから設立登記が終わるまで1週間ほどです。

では、設立までの手順を追ってみましょう。

設立項目を決める

合同会社の設立手続きに入る前に、決めておく項目がいくつかあります。主なものは「商号(会社名)」「事業目的」「本店所在地」「資本金額」「社員構成」「事業年度」です。

資本金額は、半年程度の運転資金が目安になります。取引先の信用にも影響しますので、株式会社の資本金と同様の配慮が必要となります。

社員構成では、出資者である社員の誰に代表権があるのか、業務執行権を持つ人は誰かなどを決めます。

また、会社印も必要になるので、事前に用意しておきましょう。

登記の際に代表社員の印鑑証明書も必要になります。

設立費用は6万円(電子定款の場合)が最低限必要です。電子定款にしない場合は、定款の収入印紙代4万円が加算されます。

定款を作成する

合同会社も株式会社と同様、定款を作成しなければなりません。しかし、株式会社で要求される公証役場での「定款の認証」は必要ありません。

なお、電子定款では登記申請の際に必要な定款の印紙代が不要ですが、電子定款を作成するための機器やソフトなどを購入する必要があります。

登記書類を作成する

合同会社の登記には、下記のような書類が必要になります。

代表社員の印鑑証明書

代表社員になる人の個人の印鑑証明書が必要です。合同会社では代表社員を複数にすることもできるので、その場合は全員の印鑑証明書が必要になります。

払込証明書

定款に記した資本金を証明する書類です。

定款の作成後、社員がそれぞれ定められた出資額の振り込みを行います。振り込み先は代表社員となる人の個人の普通預金の口座です。通帳記帳に際しては、誰からの振り込みかが判断できるようにします。また、振込日は定款の作成日より後でなければなりません。通帳のコピー(通帳の表紙・裏表紙・振込が記帳されたページ)を払込証明書に添付します。通帳のないインターネット口座などの場合は、「名義人名」「金融機関名・支店名」「預金の種類」「振込部分」を示した画面のプリントアウトでも認める法務局が増えているので、あらかじめ申請先の法務局へ問い合わせる必要があります。また、支払った出資者への領収書(原本)でも通帳のコピーに替えることができます。

印鑑届出書

会社の実印登録のための届出書

合同会社設立登記申請書

登記に使用する申請書

登録免許税の収入印紙

登記申請の際に納める収入印紙をA4のコピー用紙などに貼付。なお、消印は絶対にしないこと

登記用紙と同一用紙

登記事項で必要な項目をすべて書き出したもの。法務局の専用OCR用紙か、CD-Rでの提出も可

このほかに、場合によって「代表社員決定書」及び「就任承諾書」と「本店所在地及び資本金決定書」が必要になります。現物出資で資本金を用意する場合は別途書類が必要になります。

作成した定款

法務局で設立の登記申請をする

書類の用意が済んだら、法務局で登記を行います。

これで登記手続きが無事に終了すれば、合同会社は設立となります。

法人設立の際に合同会社を選ぶか株式会社を選ぶか

設立しようとする会社の事業内容や規模、将来性や人的な環境などによってもメリットとデメリットの重要度は変わります。

以下のポイントについて自分の事業が合同会社に適しているかどうかを判断してみてください。

  • 設立費用の負担があっても大丈夫か、少ないほうが望ましいか
  • 毎年行わなければならない決算公告や、定期的に更新しなければならない役員人事などの費用や手間がかかってもよいのか、かからないほうが望ましいか
  • 合同会社というマイナーなイメージがあっても事業運営に取り組む意欲がもてるか、株式会社の確立したブランドのほうが安心できるか

よくある質問

合同会社のメリットは?

設立費用が安い、決算公告の義務がない、役員任期の更新が不要、剰余金分配の制限がないなどのメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

合同会社のデメリットは?

信用度が高くない、出資者が業務執行権をもつ、権利譲渡や事業承継がやりにくいなどのデメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

合同会社設立の手続きは?

合同会社の設立は、必要書類も株式会社設立に比べて少ないため、手間や時間、設立費用を抑えることができます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

「マネーフォワード クラウド会社設立」で会社設立をもっとラクに

監修:田中 宏征 (公認会計士 / 税理士 )

税理士法人ビジネスナビゲーション
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