• 作成日 : 2015年6月9日
  • 更新日 : 2018年9月3日
  • 雇用保険

雇用保険に取締役は入れるのか

雇用保険に取締役は入れるのか

雇用保険に取締役は入れるのか

雇用保険は、会社に雇用された人の生活や雇用を安定させ、なおかつ再就職を希望する人に対しては援助を行うことを目的とした制度です。

事業主は、事業に従事する人を雇用した場合には雇用保険の被保険者として届出をしなければなりません。つまり、事業主と雇用関係にあり、事業に従事することで収入を得て生活している人が対象となります。しかし、事業に従事していても被保険者の適用を受けないのが取締役といった法人の役員です。

今回は、雇用保険における取締役ほかの法人の役員についての取り扱いについて見ていきます。

雇用保険における株式会社の取締役の取り扱い

株式会社において、取締役として登記された人に対しては、雇用保険は原則として適用されません。なお、代表取締役はもちろん、監査役への適用もありません。

ただし、代表取締役を除く取締役のなかには、雇用保険が適用される取締役もいます。使用人兼務役員と呼ばれる、使用人(労働者)としての肩書きをもっている場合がそれにあたります。使用人兼務役員(以下兼務役員)であると判断される要件は以下のとおりです。

1.雇用保険が適用される一般労働者と同様の役職を与えられている人。例えば部長としての肩書で社内的なセクションやプロジェクトを担当していたり、支店長や工場長といった施設単位の責任者的な立場を任されている場合
2.雇用保険が適用される一般労働者と同様の賃金が支給され、それが役員報酬を上回っている場合
3.就業規則に関しても、雇用保険が適用される一般労働者と同じものが課されており、取締役として区別されていない場合

以上の要件にいずれも当てはまる場合には、取締役であっても雇用保険の被保険者になることができます。(判断はハローワークが行いますので、状況によっては必ずしも認定されるとは限りません。)

雇用保険における有限会社(特例有限会社)の取締役の取り扱い

有限会社(特例有限会社)において、取締役として登記された人に対しては、雇用保険は原則として適用されません。なお、株式会社と同様、監査役への適用もありません。

ただし、代表取締役を除く取締役のなかには、雇用保険が適用される取締役もいます。有限会社(特例有限会社)の取締役(代表取締役を除く)で雇用保険が適用される要件は次のとおりです。

1.雇用保険が適用される一般労働者と同様の業務に従事しているが、業務の執行を除外されている場合。業務執行の除外の決定は、定款への記載や、社員総会における決議、また取締役の過半数の賛成が必要
2.雇用保険が適用される一般労働者と同様の賃金が支給され、それが役員報酬を上回っている場合
3.就業規則に関しても、雇用保険が適用される一般労働者と同じものが課されており、取締役として区別されていない場合
以上の要件にいずれも当てはまる場合には、取締役であっても雇用保険の被保険者になることができます。

雇用保険における合名会社の取締役の取り扱い

合名会社においては、すべての社員と監査役において、雇用保険の適用がありません。ただし、代表社員を除く社員のなかには、雇用保険が適用される社員もいます。合名会社で雇用保険の適用がある社員の要件は次のとおりです。

1.雇用保険が適用される一般労働者と同様の業務に従事している場合
2.雇用保険が適用される一般労働者と同様の賃金が支給され、それが役員報酬を上回っている場合
3.就業規則に関しても、雇用保険が適用される一般労働者と同じものが課されている場合

以上の要件にすべて当てはまる場合には、社員であっても雇用保険の被保険者になることができます。

雇用保険における合資会社の取締役の取り扱い

合資会社においては、すべての無限責任社員と監査役において、雇用保険の適用がありません。ただし、なかには雇用保険が適用される社員もいます。合資会社で雇用保険の適用がある社員の要件は次のとおりです。

1.有限責任社員である場合
2.無限責任社員(代表社員を除く)で、受け取り賃金に関しては、一般労働者と同じ支払い条件下にあり、しかもそれが役員報酬を上回っている場合
3.就業規則に関しても、雇用保険が適用される一般労働者と同じものが課されている場合

以上の要件にすべて当てはまる場合には、社員であっても雇用保険の被保険者になることができます。

まとめ

雇用保険の適用は、取締役に対してはなされないというのが原則です。しかし、例外もあります。雇用保険の適用除外には、会社を代表する役職であるかどうかが関係します。一般労働者と同様の業務に従事し、役員報酬を上回る待遇を受けている場合には、取締役であっても雇用保険の適用を受けることができます。

詳細は会社住所地を管轄する労働局(都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省)に問い合わせてください。



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