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  • 更新日 : 2021年6月11日

会社を設立する上で必要な定款(ていかん)とは?意味や内容についてわかりやすく解説

会社を設立する上で必要な定款(ていかん)とは?意味や内容についてわかりやすく解説

会社設立に関連する用語として「定款(ていかん)」というものがあります。

会社を設立する上で、定款の意味をある程度は理解していることが求められます。もちろん専門家に会社設立を任せることもできますが、定款は設立の際だけでなく、設立後もさまざまな場面で重要になるためです。

今回は、会社を設立しようとしている方などに向けて、定款について端的にわかりやすく説明しました。ぜひご一読ください。

定款とは

定款とは、その会社における「憲法」のようなものです。

会社が組織として成立するための大切な規約をまとめたものであり、会社に必ず1つ必要な書類となります。その内容は最低でも数ページに及び、紙・データのどちらで作成してもかまいません。具体的には、以下のようなことを書きます。

  • 「なにをしてお金を稼ぐのか」
  • 「お店の名前はどうするか」
  • 「会社の責任者はだれか」

なお、定款を作成する際、それぞれの会社が好き勝手に書いてしまうと、外部の人が見たときに読みにくかったり、意味がよくわからなかったりするかもしれません。このようなことにならないよう、定款に書く内容は会社法という法律でルールとして定められています。

そもそもなぜ定款を作成するのか?

「定款は会社の憲法のようなもの」と上述しました。つまりは会社を設立する際、事前準備として行わなくてはならないのが定款の作成です。

なお、定款は公証役場と法務局の2カ所での手続きが必要となり、ダブルチェックが入ります。

定款作成の目的は、会社設立のための事前準備

定款の作成は、会社設立のための事前準備となり、その目的は2つあります。

1つは、すでに説明したように、公証役場と法務局での手続きをクリアするためです。

手続き的には、会社法で求められている内容が定款にしっかりと書かれているかどうかチェックされます。特に、公証役場では「定款の認証」という手続きが行われ、認証された定款には法律的な効力が認められます。つまり、書類から「会社の根拠」へと変化します(詳しくは後述します)。

もう1つの目的は、会社絡みの金銭トラブルを事前に防止するためです。

会社絡みの金銭トラブルは主に「会社と株主」「会社と取引先」「会社の内部」で起こります。会社を設立するときは、まだ会社自体がないため責任を取れません。そのため、金銭トラブルが起こった場合は誰が責任を取るのか、さらには誰がいくら出資して何株持つのかもはっきりさせなければいけません。そこで会社法では、まずは定款を作成し、上記のようなことを最低限書いておくよう求めています。

定款に記載する内容は?

定款を作成する目的は2つあり、会社の根拠となること、金銭トラブルを防止することは説明しました。この2つが主にベースとなり、会社法では定款に以下の事項を求めています。

事項強制の程度
絶対的記載事項(会社法27条)定款に必ず記載しなければいけない
相対的記載事項(会社法28条)該当すれば定款に記載する
任意的記載事項(会社法29条)定款に記載してもしなくても良い

それぞれについて説明していきましょう。

絶対的記載事項

定款に必ず記載しなければいけない絶対的記載事項は以下の通りです。

【絶対的記載事項】

  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  5. 発起人の氏名又は名称及び住所
    (会社法27条各項)

なお、「発起人(ほっきにん)」とは、会社設立の責任者のことを指します。

当然のことながら、責任者である発起人が定款の作成を行い、定款に記名押印しなければいけません。発起人が複数人いるときは発起人の全員が対象になります(会社法26条)。

相対的記載事項

相対的記載事項は、以下の金銭トラブルが起きやすいことに備えるために記載します。下記に該当する場合は、定款に書くべきことを書かないと法律的に無効になってしまいます。

項目具体例
現物出資(げんぶつしゅっし)お金以外の出資。土地や車の出資など
財産引受(ざいさんひきうけ)設立成功を条件として会社が受け取る、または買う予定の財産のこと
発起人の報酬・特別利益設立成功時の発起人に対する報酬・利益
設立費用設立後に会社が負担する例外的な設立費用

(会社法28条各項)

補足として、設立では会社に出資して、会社をスタートさせるための財産を確保すると同時に、株主が出資した金額に応じて公平・平等に株式を受け取れることが重要です。この場合に、上記のようなことを行うと金銭トラブルにつながりやすくなります。

特に現物出資と財産引受は、お金以外の物(土地や車など)で行われるため金額がはっきりしないことが多いです。土地や車を相場以上の高い金額で出資できた場合は、他の出資者との間で不公平になるため金銭トラブルにつながります。

任意的記載事項

任意的記載事項は、定款に記載してもしなくても良い事項です。記載しなくても設立時に困ることはありません。

なお、定款は会社を設立した後でも変更することができますが、変更するためには「株主総会の特別決議」が必要です。また、重要な内容であれば登記手続きが必要になることもあるため、現実的には定款に記載するようなことは設立の際にまとめて記載しておいたほうが良いです。例としては「公告の方法」や「定時株主総会の開催時期」「事業年度」などが挙げられます。

また、会社法では、株式に関する権利や役員(取締役や監査役など)に関すること、株主総会に関することなど「定款に記載していたら有効」というルールがいくつもあります。これは各会社が自由にルールを設計できるよう会社法が配慮しているためです。

定款作成~会社設立までの流れ

 

定款作成~会社設立までの流れ

会社設立は「定款作成」「定款認証」「法人登記」「会社設立」というステップをふむことになります。

なお、法人登記の手続きは2週間以内の期限が設定されているものがあるため、逆算して、余裕をもって準備できるようにスケジュールを組むことが大切です。次項では、各手続きにおける重要な部分を説明していきます。

定款作成

定款作成の際に、定款に記載することは以下の通りとなります。

  • 絶対的記載事項(会社法27条)
  • 相対的記載事項(会社法28条)
  • 任意的記載事項(会社法29条)
  • 法人登記で必要な記載事項(会社法910条)

まず絶対的記載事項を記載します。ここで漏れがあると法律的に欠陥になってしまうため必ず記載しましょう。

金銭トラブルが起きやすい相対的記載事項に該当する場合は、定款に金額や株式数、氏名などを記載します。特に複数人で会社を設立する場合は、独断ではなく全員で話し合い、議事録を記録しておくことが重要です。

そして、必要であれば任意的記載事項を記載します。会社設立後の定款変更で対応することもできます。任意的記載事項で必要となるかどうかは会社によりますが、会社設立後を想定すると自然と必要なことがわかる場合があります。

最後に、後述する法人登記の手続きの際に必要となる事項を記載します。絶対的記載事項と重なる内容もありますが、「発行可能株式総数」「代表取締役の氏名」などです。

定款認証

定款認証とは、公証役場の公証人が定款を認証することをいいます。

この手続きは株式会社を設立する場合に必要な手続きです。公証人の認証を受けることによって定款に法律的な効力が生じます。

補足ですが、持分会社といわれる株式を発行しない会社を設立する場合には、公証人の認証は必要ありません。持分会社は、「合名(ごうめい)会社」「合資(ごうし)会社」「合同(ごうどう)会社」の3つがあります。

法人登記

法人登記は、法務局で行う手続きです。

この手続きを行うためには認証された定款だけでなく、法人の印鑑届出書や出資金が払い込まれたことを証明する書類などが必要です。

また、法人登記の手続きは登録免許税という費用がかかります。登録申請1件につき最低でも15万円はかかるため不備がないように十分に注意しましょう。

補足として、法人登記の手続きで会社設立の日が決まります。会社設立の日付を指定したい場合は、法人登記の手続きから逆算して事前に定款などの必要書類を準備しましょう。

会社設立

法人登記の手続きが終わると、法務局から「登記事項証明書」が発行されます。これで「法人」として会社が認められたことになります。会社設立についてはこれで完了しましたが、設立後にはさらなる手続きが必要です。参考までに、その内容などを挙げておきます。

提出先内容
税務署設立の届出、青色申告の届出、源泉徴収
年金事務所厚生年金、健康保険
公共職業安定所(ハローワーク)雇用保険
労働基準監督署労災保険
各省庁必要であれば業種の認可申請の手続き

定款は「会社の憲法」ともいえるほど重要なもの

この記事では、株式会社を想定して、定款について会社の設立を踏まえながら説明しました。

会社の重要な書類や、会社を設立しようとしたときに、定款は必ずといっていいほど出てくる、とても大きな意味を持つ書類です。会社設立においては公証人の認証と法人登記の2つの手続きで定款が求められます。

最後に、この記事では定款について誤解のない範囲でわかりやすく説明する趣旨で執筆しています。会社法の厳密な解釈などで違いがあるかもしれませんがご了承ください。

よくある質問

定款とは?

定款とは、その会社における「憲法」のようなものです。詳しくはこちらをご覧ください。

定款に記載する内容は?

「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3種類があります。詳しくはこちらをご覧ください。

定款作成~会社設立までの流れは?

「定款作成」「定款認証」「法人登記」「会社設立」というステップをふむことになります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:加賀爪 優作 (司法書士)

税理士法人ゆびすい
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