• 更新日 : 2026年8月20日

会社の定款とは?意味や読み方・記載事項を解説!

Point会社の定款とは何か?

定款とは、会社名・事業目的・資本金など会社の基本ルールを定めた文書です。

  • 株式会社の設立に定款作成は法律上必須
  • 記載事項は絶対・相対・任意の3種類
  • 設立後も銀行・許認可手続きで必要になる

Q. 定款は一度作れば変更できない?

A. 変更可能です。ただし株主総会の特別決議が必要で、商号・目的変更など登記事項の変更は法務局への申請も伴います。

「定款(ていかん)」は、会社設立に関連する用語のひとつです。会社を設立する上で、定款の意味をある程度は理解していることが求められます。

もちろん専門家に会社設立を任せることもできますが、定款は設立の際だけでなく、設立後もさまざまな場面で重要になるためです。今回は、会社を設立しようとしている方などに向けて、定款について端的にわかりやすく説明しました。ぜひご一読ください。

定款の読み方は「ていかん」

「款」は「かん」と読みます。

【まこと、まごころ(例;款誠)】【心からよろこぶ、たのしむ(例:款待)】という意味がある漢字です。

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定款とは?

定款とは、会社の基本的なルールを定めた文書のことです。会社名、事業目的、本店所在地、資本金、株式、役員など、会社を運営するうえで重要な事項を記載します。

定款は会社の基本ルールを定めた書類

定款は、会社の組織や運営方法を明確にするために作成します。たとえば、会社の商号、本店の所在地、どのような事業を行うのか、株式をどのように発行するのか、役員をどのように置くのかといった内容を記載します。

株式会社だけでなく、合同会社などの持分会社を設立する場合も、定款の作成は法律上必要です。定款がなければ、会社の基本的な枠組みが決まらず、設立手続きを進めることができません。

定款は会社設立後も重要な役割を持つ

定款は、会社設立時だけでなく、設立後の運営でも重要です。たとえば、新しい事業を始める場合、その事業が定款の事業目的に含まれていないと、許認可申請や官公庁への届出、金融機関・取引先による確認などで支障が生じる場合があります。また、役員構成や株式の扱いを変更する場合にも、定款変更が必要になるケースがあります。定款は一度作成して終わりではなく、会社の実態に合わせて見直すべき書類です。

定款のサンプル

引用:定款テンプレートまとめ集

定款に記載する内容は?

定款に記載する内容

ここでは、株式会社の定款に記載する内容について見ていきましょう。定款の記載事項は、株式会社や合同会社などの会社形態によって異なります。

絶対的記載事項

定款に必ず記載しなければいけない絶対的記載事項は以下のとおりです。

絶対的記載事項

  • 目的(どのような事業を行うかなど)
  • 商号(会社名)
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  • 発起人の氏名又は名称及び住所

会社法27条各号)

なお、「発起人(ほっきにん)」とは、株式会社の設立に関する事務を行い、設立時発行株式を引き受ける者を指します。当然のことながら、責任者である発起人が定款の作成を行い、定款に記名押印しなければいけません。発起人が複数人いるときは発起人の全員が対象になります(会社法26条)。

参考:会社法第26条、第27条|e-Gov

相対的記載事項

相対的記載事項は、会社法上、定款に定めなければ効力が生じない事項です。

項目 具体例
現物出資 お金以外の出資。土地や車の出資など
財産引受 株式会社の成立後に、特定の財産を譲り受けることをあらかじめ約すること
発起人の報酬・特別利益 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益
設立費用 株式会社が負担する設立に関する費用(定款認証手数料など、法令上除外される費用を除く)

参考:会社法第28条|e-Gov

なお、この4項目は、相対的記載事項のうち、会社法第28条に定められた「変態設立事項」です。相対的記載事項には、このほかにも株式の譲渡制限、取締役会や監査役を設置する旨、会社の存続期間・解散事由、公告方法などがあります。

補足として、設立では会社に出資して、会社をスタートさせるための財産を確保すると同時に、株主が出資した金額に応じて公平・平等に株式を受け取れることが重要です。この場合に、上記のようなことを行うと金銭トラブルにつながりやすくなります。

特に現物出資と財産引受は、お金以外の物(土地や車など)で行われるため金額がはっきりしないことが多いです。土地や車を相場以上の高い金額で出資できた場合は、他の出資者との間で不公平になるため金銭トラブルにつながります。

任意的記載事項

任意的記載事項とは、絶対的記載事項および相対的記載事項以外で、会社法に違反しない範囲で任意に定められる事項です。記載がなくても定款自体は無効になりませんが、会社運営上のルールを明確にするため、事業年度、定時株主総会の招集時期、株主総会の議長、取締役や監査役の員数などを記載することがあります。なお、定款は会社を設立した後でも変更することができますが、変更するためには「株主総会の特別決議」が必要です。また、会社法では、ある程度自由に記載事項を決めることもできます。定款に記載しておくことで、有利になることも多いので、株主総会についてなど、記載したいことがある場合は記載しておきましょう。

定款はどんな場面で必要になる?

定款は、会社設立時に作成して終わる書類ではありません。会社の基本情報や運営ルールを確認する資料として、設立後もさまざまな場面で提出や確認を求められることがあります。

銀行口座の開設や融資申請

会社設立後に法人名義の銀行口座を開設する際、金融機関から定款の提出を求められることがあります。銀行は、会社の商号、本店所在地、事業目的、代表者などを確認し、実際にどのような事業を行う会社なのかを審査します。

また、日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける場合にも、定款が確認資料になることがあります。定款の事業目的と、融資の対象となる事業内容が大きくずれていると、説明を求められる可能性があります。新規事業を始める場合は、定款の目的にその事業が含まれているかを事前に確認しておくことが大切です。

許認可申請や補助金申請

許認可が必要な事業を始める場合、申請書類の一部として定款の提出を求められることがあります。建設業、古物商、人材紹介、介護事業、酒類販売などでは、定款の事業目的に対象事業が記載されているかを確認される場合があります。

補助金や助成金を申請する際にも、会社の事業内容を確認する資料として定款が使われることがあります。申請する事業と定款の目的が一致していないと、事業の実態を説明しにくくなるため注意が必要です。将来の事業展開を見越して、必要な目的を過不足なく記載しておくことが重要です。

株式や役員に関する手続き

定款は、株式の譲渡、増資、役員変更、株主総会の運営など、会社内部の重要な手続きでも確認されます。株式譲渡制限の有無、役員の任期、取締役会の設置有無、株主総会の決議方法などは、定款に定められている場合があります。

これらを確認せずに手続きを進めると、本来必要な承認や決議を省いてしまうおそれがあります。複数人で会社を運営している場合や、出資者が増える場合は、定款の内容がトラブル防止に直結します。定款は、対外的な提出書類であると同時に、会社内部の意思決定を支える基準にもなる書類です。

定款作成~会社設立までの流れは?

定款作成から会社設立までは、主に「定款作成」「定款認証」「資本金の払込み」「設立登記」「設立後の届出」の順に進みます。株式会社では、定款を作成するだけでなく、公証役場で認証を受け、法務局で設立登記を申請する必要があります。

1. 定款を作成して会社の基本事項を決め

最初に行うのは、会社の基本ルールとなる定款の作成です。定款には、商号、事業目的、本店所在地、設立時に出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称および住所など、法律上必ず記載する事項があります。これらは「絶対的記載事項」と呼ばれ、記載が欠けると定款は無効になります。

また、株式の譲渡制限、現物出資、取締役の任期など、定款に記載して初めて効力を持つ事項もあります。複数人で会社を設立する場合は、出資割合、役員構成、意思決定の方法を事前に話し合い、後日のトラブルを防ぐことが重要です。

2. 公証役場で定款認証を受ける

株式会社を設立する場合は、作成した定款について公証役場で定款認証を受けます。定款認証とは、公証人が定款の内容や作成手続きに問題がないかを確認し、正式な定款として認証する手続きです。

紙の定款で認証を受ける場合は収入印紙の貼付が必要ですが、電子定款を利用すれば印紙税を抑えられます。ただし、電子署名や専用ソフトが必要になるため、自分で行うか、専門家に依頼するかを事前に検討するとよいでしょう。なお、合同会社などの持分会社を設立する場合、定款認証は不要です。

3. 資本金を払い込み、登記に必要な書類を準備する

定款認証後は、発起人の個人口座などに資本金を払い込みます。会社名義の銀行口座は、設立登記が完了するまで作れないため、設立前は発起人の口座を使うのが一般的です。

その後、払込証明書、就任承諾書、印鑑届出書、登記申請書など、設立登記に必要な書類を準備します。書類の内容に不備があると補正が必要になり、会社設立日や事業開始の予定に影響する可能性があります。商号、本店所在地、役員名、資本金額は定款と登記書類で整合しているか確認しましょう。

4. 法務局で設立登記を申請する

必要書類がそろったら、本店所在地を管轄する法務局に設立登記を申請します。株式会社の場合、登録免許税は原則として資本金額の0.7%ですが、最低額は15万円です。資本金が小さい会社でも、少なくとも15万円は必要になる点に注意しましょう。

会社の設立日は、登記が完了した日ではなく、法務局に登記申請をした日です。そのため、設立日を特定の日付にしたい場合は、その日に申請できるように定款認証や資本金払込みを前倒しで済ませておく必要があります。

参考:商業・法人登記申請手続|法務局

5. 登記完了後に各種届出を行う

設立登記が完了すると、登記事項証明書を取得できるようになります。また、登記所に会社の印鑑を提出している場合は、会社の印鑑証明書も取得できるようになり、会社としての法人格を対外的に証明できます。ただし、会社設立の手続きは登記だけで終わりではありません。

設立後は、税務署へ法人設立届出書を提出します。また、設立第1期から青色申告の承認を受ける場合は、期限までに青色申告承認申請書も提出しましょう。従業員を雇用する場合は、年金事務所で社会保険、ハローワークで雇用保険、労働基準監督署で労災保険の手続きも必要です。許認可が必要な業種では、営業開始前に所管官庁への申請も確認しましょう。

提出先 内容
税務署 設立の届出、青色申告の届出
年金事務所 厚生年金、健康保険
公共職業安定所(ハローワーク) 雇用保険
労働基準監督署 労災保険
各省庁 必要であれば業種の認可申請等の手続き

参考:新設法人の届出書類|国税庁新規適用の手続き|日本年金機構、事業主の行う雇用保険の手続き|厚生労働省労働保険の成立手続|厚生労働省

このほか、都道府県や市区町村にも法人設立・設置に関する届出が必要です。提出先や期限は自治体によって異なるため、本店所在地を管轄する自治体の案内を確認しましょう。

定款の作成例などの詳しい内容は、次の記事に記載されています。こちらを、ご参照ください。

電子定款と紙定款とは?

定款を作成する方法として、「電子定款」と「紙定款」の2種類があります。

これらは形式が異なるだけで、法的効力に違いはありませんが、手続きや費用に大きな差があります。

  • 電子定款(電磁的記録による定款)
  • 電子データ(PDFファイルなど)で作成し、電子署名を施して認証を受ける定款です。
  • 紙定款の場合に必要な印紙税4万円がかかりません。これが電子定款の最大のメリットで、設立費用を大幅に節約できます。
  • 紙定款(書面による定款)
  • 紙に印刷して作成し、発起人全員が署名捺印(実印)を行い、製本して認証を受ける従来の定款です。

現在、費用面でのメリットが大きいため、多くの場合、電子定款が推奨されています。司法書士や行政書士などに電子定款の作成・認証手続きを依頼すれば、依頼者自身が電子署名に必要な環境を準備せずに済む場合があります。ただし、専門家報酬やサービス利用料が発生することもあるため、依頼費用を含めて比較検討しましょう。電子定款の利用率の調査データ

マネーフォワード クラウド会社設立の利用者へのアンケートによると、電子定款の利用者は98.07%(紙定款の利用者は1.93%)というデータがあります。

出典:マネーフォワード クラウド会社設立、利用後のユーザー様へのアンケート(回答者:1449名、集計期間:2022年7月~2025年9月)

参考:電子公証制度(定款を含む私署証書の認証)ご利用の手引|法務省

定款変更する際の手続きは?

定款変更は、会社の基本ルールを変更する手続きです。事業目的、本店所在地、商号、発行可能株式総数、役員任期などを変更する場合に必要になることがあります。株式会社では、原則として株主総会の特別決議が必要です。変更内容によっては、株主総会の決議だけで終わらず、法務局で変更登記を行う必要があります。

1. 変更が必要な定款事項を確認する

まず、変更したい内容が定款に記載されているかを確認します。たとえば、新規事業に伴う事業目的の追加、商号の変更、役員任期の見直しなど、定款に記載された内容を変更する場合は定款変更が必要です。本店移転については、定款に記載した所在地の範囲によって、定款変更が必要かどうかが異なります。社内運用だけで対応できる内容であれば、必ずしも定款変更までは必要ありません。定款は会社の根本規則であるため、変更範囲を広げすぎると、株主総会や登記の負担が増えます。最初に「定款変更が必要な事項か」「社内規程の変更で足りる事項か」を切り分けることが重要です。

2. 定款変更案を作成する

変更後の定款案を作成します。定款変更案では、変更する条文、変更前の内容、変更後の内容を明確にします。実務では、株主総会の招集通知や議案資料に、変更理由と変更内容を記載することが一般的です。

たとえば、事業目的を追加する場合は、将来行う可能性のある事業まで含めるかを検討します。変更後の内容は、実態や今後の事業計画に合う範囲で整理しましょう。

3. 株主総会で特別決議を行う

株式会社が定款を変更する場合は、原則として株主総会の特別決議が必要です。特別決議では、定款または会社法に定める要件に従い、一定数以上の株主の出席と賛成を得る必要があります。

決議後は、株主総会議事録を作成します。議事録には、開催日時、場所、出席株主数、議決権数、議案の内容、決議結果などを記載します。変更登記が必要な場合、この株主総会議事録は法務局への添付書類になるため、内容に不備がないように作成することが大切です。

4. 変更内容に応じて法務局で変更登記を申請する

定款変更の内容が登記事項に関係する場合は、法務局で変更登記を申請します。商号、目的、本店所在地、発行可能株式総数、役員に関する登記事項などを変更した場合は、登記手続きが必要になることがあります。

変更登記には、変更登記申請書、株主総会議事録、必要に応じて取締役会議事録や株主リストなどを添付します。登録免許税も発生するため、変更内容ごとに金額を確認しておきます。登記が必要な変更を放置すると、過料の対象になる可能性があるため注意が必要です。

5. 変更後の定款を保管し、関係先へ共有する

定款変更後は、変更内容を反映した最新の定款を作成・保管します。会社では、原始定款だけでなく、変更後の定款や株主総会議事録も整理しておく必要があります。

また、変更内容によっては、税務署、金融機関、取引先、許認可を管轄する行政機関への届出や連絡が必要です。商号や本店所在地を変更した場合は、銀行口座、契約書、請求書、Webサイト、名刺などの表記も更新します。定款変更は社内手続きだけで完結せず、対外的な情報更新まで含めて進めることが重要です。

定款変更の手続きについては、次の記事で詳しく解説しています。こちらを、ご参照ください。

定款の作成や変更にかかる費用は?

次に、定款の作成や変更にかかる費用について見ていきましょう。

定款の作成にかかる費用

定款の作成にかかる主な費用は「定款認証手数料」「印紙税」「定款の謄本代」です。それぞれ次のようになります。

定款認証手数料 【資本金の額等が100万円未満】

  • 1.5万円(※下記の優遇要件を満たす場合)
  • 3万円(上記以外)

※以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 発起人の全員が自然人であり、かつ、その数が3人以下であること。
  2. 定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載又は記録があること。
  3. 定款に取締役会を置く旨の記載又は記録がないこと。

【資本金の額等が100万円以上 300万円未満】4万円
資本金の額等が300万円以上5万円

印紙 4万円(電子定款認証の場合はかからない)
定款の謄本代 1枚につき250円(一般的には2,000円程度。ページ数によって異なります)

司法書士などに作成を依頼する場合は、別途、司法書士費用がかかります。そのほか、設立登記の際には、登録免許税は原則、資本金×0.7%(株式会社の場合)ですが、算出された金額が15万円に満たない場合は、1件につき15万円の登録免許税が必要です。

定款変更にかかる費用

定款変更は、原則、株主総会の特別決議により行うため、費用はかかりません。しかし、商号変更や目的の変更など、登記が必要な場合は、変更する種類に応じた登録免許税が必要です。

定款のテンプレート集(ひな形・作成例)

下記から、株式会社・合同会社の定款のサンプル・テンプレートを無料でダウンロードいただけます。

定款は「会社の憲法」ともいえるほど重要なもの

定款は、会社の基本的な決めごとを記載した、いわば「会社の憲法」といえるものです。定款の記載事項には、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3つがありますが、どれも重要なものです。定款を作成する場合には、記載内容をしっかりと考える必要があるでしょう。

定款の記載例は、日本公証人連合会でも公表しているので、併せて活用してみるとよいでしょう。ただし、掲載されている記載例はあくまで一例であるため、会社の事業内容や機関設計に合わせて調整しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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