- 更新日 : 2022年4月15日
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方
個人事業主をはじめ、給与等を支払った者が源泉徴収票などの法定調書を税務署に出す際には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」も提出する必要があります。
ここでは、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方について解説します。
目次
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表とは
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表は下に示す用紙です。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表は、それぞれの法定調書を集計するための書類です。たとえば、従業員が100人いる場合、源泉徴収票が100枚送られてきても、税務署の職員が全部計算するのは大変です。そこで、事業主体ごとに集計したものを提出することになっています。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の様式
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の様式は、一般的に利用が多い以下の法定調書の合計表で構成されています。
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」は、上記の支払調書とともに、翌年の1月31日までに所轄の税務署に作成・提出をする必要があります。
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出する際には、自社に関係する支払調書を添付します。関係のない支払調書は作成・提出する必要はありません。
これら以外の法定調書についても同様に合計表の添付が必要になります。各種法定調書等は国税庁ホームページよりダウンロードすることができます。
国税庁|No.7401 法定調書の種類
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方のポイント
ここからは、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を作成するにあたり注意すべき点を見ていきましょう。
1.給与所得の源泉徴収票合計表
源泉徴収票は、給与などを支払った場合に必ず作成しなければなりませんが、すべて税務署に提出しなければならないわけではありません。一定の要件を満たす場合にのみ、税務署に提出する必要があります。
A「俸給、給与、賞与等の総額」欄には、支給したすべての給与等の件数と総額について記載します。そのうえで、「源泉徴収票を提出するもの」欄に税務署に提出する源泉徴収票の人数と総額を記入します。そうすることで、全体の状況と提出された人数がどれくらいかを把握できます。
2.退職所得の源泉徴収票合計表
退職所得の源泉徴収票合計表の「退職手当等の総額」欄も給与所得と同じで、支給したすべての退職手当等の件数と総額について記載します。そして、「源泉徴収票を提出するもの」欄に税務署に提出する源泉徴収票の人数と総額を記入します。
3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」の「人員」欄には、個人にかかるものと個人以外にかかるものとを区分して記入しなければなりません。「支払金額」と「源泉徴収税額」欄は、個人・個人以外を問わず合算で記載します。
なお、報酬等の区分は以下のとおり、1号から8号まで分かれていますので、支払った報酬がどこの区分に該当するのか間違わないようにしなければなりません。
- 原稿料・講演料等の報酬又は料金(1号)
- 弁護士・税理士等の報酬又は料金(2号)
- 診療報酬(3号)
- 職業野球選手・騎手・外交員等の報酬又は料金(4号)
- 芸能等に係る出演・演出等の報酬又は料金(5号)
- ホステス等の報酬又は料金(6号)
- 契約金(7号)
- 賞金(8号)
4.上記以外の合計票
「不動産の使用料等の支払調書合計表」「不動産等の譲受けの対価の支払調書合計表」「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書合計表」については、形式が同じなので、併せて解説します。
いずれも「○○の総額」と書いてある欄には、支払ったすべての人員数と支払金額の合計額を記入します。さらに、「○○の支払調書を提出するもの」欄には、税務署に法定調書を提出すべき人の数と支払金額の合計額を記入します。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表は期限までに忘れず提出を
法的な書面はどうしても細かいことが多く読むのが大変かもしれませんが、ひとつひとつを見ていくとそれほど難しいものではありません。税理士にお任せする場合も、しっかりと理解した上で依頼するようにしましょう。
また、法定調書の作成にかかわる給与計算については、クラウドサービスで業務を効率化することができます。
マネーフォワード クラウド給与は、給与計算から振込までをオンラインで完結させ、法令改正や増税・社会保険料の料率変更などがあった際にも自動でアップデート。従業員はパソコンやスマホから給与明細を確認できるため、ペーパーレス化も即時に対応可能です。
製品の詳しい機能や使い方については、企業担当者さま向けのオンライン個別説明会を行っておりますので、まずは気軽にお問い合わせください。
よくある質問
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表とは何ですか?
個々の法定調書を集計し、税務署に提出するものです。詳しくはこちらをご覧ください。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の提出期限はいつですか?
翌年の1月31日までに、提出します。 詳しくはこちらをご覧ください。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表とともに提出が必要な支払調書とは?
給与所得の源泉徴収票や退職所得の源泉徴収票など6つの種類があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
給与所得控除とは?控除の種類や所得税の計算方法をわかりやすく解説
給与所得控除は、給与所得者が所得税を計算する際に重要な役割を果たす控除制度です。給与所得者は、収入を得るために必要な経費を概算で控除することができ、これにより課税対象となる所得を減額することができます。 本記事では、給与所得控除の基本的な概…
詳しくみる退職金にも所得税はかかる!計算方法と注意すべきこと
退職金=退職所得。退職金にも所得税は課せられます。 ここではそもそも税法上「退職所得」とはどんなお金を意味するのか、と言うところから始め、退職金の源泉所得税の計算方法を解説するとともに、退職時に重要な書類となる「退職所得の受給に関する申告書…
詳しくみる賞与から住民税は天引きされる?手取り金額の計算方法も紹介
賞与(ボーナス)をもらった際に、手取り額が思ったより少なく感じたことはありませんか? 賞与支給額に対して控除金額が多かったからだと考えられますが、給与では控除される住民税も賞与から天引きされているのでしょうか? 今回は賞与からの控除金額、手…
詳しくみる源泉徴収義務者になる基準とは?
源泉徴収とは、給与等を支払う側が、受け取る側の所得税額を計算し、あらかじめ給与等から差し引いて(天引きして)国に前払いすることをいいます。 では、源泉徴収の義務は誰に発生するのでしょうか。 源泉徴収は誰の義務? 給与等を受け取る者が、対象と…
詳しくみる医療費控除で住民税も安くなる
医療費が多くかかった年は、確定申告で所得税が安くなることをご存知の方も多いでしょう。実は、医療費控除では住民税も安くなります。所得税の確定申告をすれば、住民税のために追加で手続きをする必要はありません。 医療費控除とは 医療費控除とは、所得…
詳しくみる給与計算代行の料金相場は?依頼できる6つの業務も徹底解説
給与計算代行は、給与計算に関する業務を外部委託するサービスです。給与計算は正確性や専門性が求められるため、負担を軽減するために多くの企業が外部への依頼を検討しています。 本記事では給与計算代行に依頼できる業務範囲や料金相場を体系的にまとめた…
詳しくみる