- 更新日 : 2025年7月14日
離職票はいつ届く?離職票が届くまでの流れや届かない場合の対処法も解説
離職票は退職してから10日〜2週間ほどで届きます。前職とハローワークのやり取りを経て発行されるため、最短でも10日はかかるでしょう。
ただ、退職してから数日ほど経っている人の中には「離職票はいつまで待つべき?」「数週間待っても届かないときはどうすれば良い?」などと気になっている人もいるでしょう。
そこで本記事では、離職票が届くまでの目安の日数や離職票が届くまでの流れについて解説します。離職票が届かない原因や届かない場合の対処法などもまとめています。
目次
離職票をもらえる条件
離職票をもらえるのは、雇用保険に加入していた人です。雇用保険に加入するには、以下の2つの条件を満たさなければなりません。
- 雇用期間が31日以上の見込みである
- 週の所定労働時間が20時間以上である
上記の条件をどちらも満たしていなければ、雇用保険には加入できていなかったことになります。たとえば、契約期間が1ヶ月以内であった人や1日8時間で週2勤務の契約であった人などは、雇用保険に加入していなかった可能性が高いです。
自身が雇用保険に加入していたかどうかは、給与明細で確認可能です。給与から雇用保険料が引かれていれば加入できていたことになりますが、引かれていなければ加入できていなかったことになります。また、手元に「雇用保険被保険者証」があるか確認してください。「被保険者証」があれば会社が手続きをした証拠になります。
なお、雇用保険に加入できていなければ、離職票は発行されず失業手当も受給できません。給与明細を見たうえで不安が残る場合は、前職で加入していたか確認すると良いでしょう。
参考:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか! |厚生労働省
離職票はいつ届く?
離職票は、退職日から10日~14日後に届くのが一般的です。
離職票の発行手続きは会社だけで完結するわけではなく、ハローワークとのやり取りを経て発行されます。よって、退職してから数日で受け取れる可能性は低いでしょう。
最短でも離職票が届くまでに10日はかかることが予想され、会社やハローワークで手続きに時間がかかると2週間後に届く場合もあります。退職してから数日しか経っていない人は、2週間ほどは待ちましょう。
離職票が届くまでの流れ
離職票が届くまでの流れは以下の通りです。
- 離職票の発行を依頼する
- 会社がハローワークへ離職証明書を提出する(退職日の翌々日から10日以内)
- ハローワークが会社に離職票を送付する(1日~5日ほど)
- 会社が退職者の自宅に離職票を送付する(1日~3日ほど)
上記のように会社とハローワークがやり取りしたのちに離職票が発行されるため、退職者のもとへ届くまでに10日〜2週間はかかります。
それぞれの手続きの内容について、以下より詳しく解説します。
1. 離職票の発行を依頼する
退職を決めたら、人事部や管理部に退職の意思を伝えるのと同時に離職票の発行を依頼します。
一般的には離職票が必要か聞いてくれる会社が多いですが、何も聞かれなかったときは自分から発行を依頼しましょう。本人の依頼がなければ離職票の発行は不要と判断される場合もあるためです。
なお、離職票は退職後でも発行の依頼ができます。すでに退職している人は、メールもしくは電話で離職票の発行を依頼すると良いでしょう。
2. 会社がハローワークへ離職証明書を提出する
従業員が退職したら、会社がハローワークへ離職証明書を提出します。
雇用保険法施行規則の第7条で退職日の翌々日から10日以内に提出することが義務付けられているため、遅くとも退職日から11日以内には離職証明書が提出されます。
連休や会社の繁忙期と重なっていなければ、数日で提出してもらえる場合もあるでしょう。
3. ハローワークが会社に離職票を送付する
ハローワークが会社から離職証明書を受け取ったら、記載された離職理由や退職日などを確認します。
離職証明書の内容に問題がなければ、おおよそ1日~5日で離職票が発行され会社に送られます。退職者の自宅に直接送付されるわけではないため、注意しましょう。
4. 会社が退職者の自宅に離職票を送付する
会社がハローワークから送られた離職票を受け取ったら、退職者の自宅に1~3日ほどで郵送されます。
普通郵便ではなく簡易書留や特定記録郵便で届くこともあり、特に簡易書留は対面での受け取りが必要です。
もし退職後すぐに引越してしまうと離職票が届かない可能性があるため、引越しを予定している場合は転居先の住所も伝えておきましょう。
離職票はいつまで待つべき?
離職票は10日~14日ほどで届くため、2~3週間は待つべきです。会社やハローワークの繁忙期と重なっている場合は、3~4週間ほど様子を見ましょう。
ハローワークの繁忙期は、3月~5月の年度替わり、ボーナス支給の翌月にあたる1月や7月などです。退職者が増えて窓口の利用者や失業保険の受給者が多くなるため、離職票の発行も通常より時間がかかることが考えられます。
また、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始は会社もハローワークも営業していないことが大半であるため、連休と重なった場合も3~4週間は待ちましょう。
最長で1ヶ月ほど待っても離職票が届かない場合は、本記事の「離職票が届かないときの対処法」という見出しで紹介している方法を試してみてください。
離職票が届かない場合に考えられる原因
離職票が届かない場合に考えられる原因は以下の通りです。
- 離職票の発行を申請していない
- 会社での発行手続きが遅れている
- ハローワークでの発行手続きが遅れている
- 離職票が発行される対象ではない
離職票の発行を申請していなかった場合、手続き自体がされていないことが考えられます。
退職時に離職票が必要か聞いてくれる会社が大半ですが、退職者が自ら離職票の発行を希望しないと手続きしてくれない会社もあるためです。
また、会社やハローワークでの発行手続きが遅れている可能性もあるでしょう。繁忙期と重なると離職票の作成に時間がかかったり、連休と被ると営業していなかったりすることが考えられます。
なお、離職票発行の対象外である場合は、いくら待っても届きません。前述の通り、離職票が発行されるのは雇用保険に加入していた人です。雇用保険に加入していなければ、離職票も届かず失業保険にも申請できません。
離職票が届かないときの対処法
離職票が届かない場合の対処法を3つ紹介します。
- 会社に連絡する
- ハローワークで相談する
- 労働基準監督署に相談する
まずは前職に連絡してみて、離職票の手続きがどうなっているのか、何日ぐらいで離職票を送付できそうかなど確認しましょう。メールよりも電話で連絡した方が確実です。
前職に連絡するのに抵抗がある場合や前職が発行手続きに対応してくれない場合は、ハローワークで相談してみてください。会社を管轄するハローワークへ行くと、手続き状況を確認してくれたり発行するように促してくれたりします。
もしハローワークの催促を無視し続けているようであれば、労働基準監督署へ相談するというのも一つの手です。違法の疑いがある企業に対して調査を行う権限を持っているため、相談すれば労働基準監督署が指導してくれる可能性があります。
離職票が届かないと何もできない?
失業保険の申請には原則として離職票が必要ですが、離職票が手元になくてもハローワークで失業手当の申し込み手続きを行えます。よって、2~3週間ほど待っても離職票が届かない場合は、先にハローワークで仮手続きを進めておくと良いでしょう。
退職日の翌日から12日目以降に仮手続きができるようになります。たとえば、6月18日が退職日である場合は、6月30日から仮手続きが可能です。
ただ、失業手当を受給するためには、初回の認定日までに離職票を用意しなければなりません。初回の認定日は失業保険の申請から約2~3ヶ月後であるため、それまでに用意して提出してください。
仮手続きの詳しい流れについて、以下より解説します。
仮手続きをして失業手当を受給する流れ
以下の流れで仮手続きができます。
- ハローワークへ行って失業保険の申請と求職の申し込みを行う
- 受給資格が決定し、今後の手続きで必要な書類や仮の離職票などをもらう
- 雇用保険受給者初回説明会に出席する
- 求職活動を行う
- 失業の認定を受ける
- 求職活動と認定を繰り返しながら失業手当を受給する
初めて失業の認定を受ける日までに離職票を用意しておきましょう。初回の認定日に、前職からもらった離職票も必要書類と併せて持参してください。
また、失業保険を申請するときや認定を受けるときに必要書類は以下の通りです。
失業保険を申請するとき | 失業の認定を受けるとき |
---|---|
|
|
上記の書類を忘れないようにハローワークへ持っていきましょう。「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」はハローワークから交付されるため、自分で用意する必要はありません。
参考:ハローワーク留萌の雇用保険受給手続きについて|ハローワーク留萌
会社が離職票の発行手続きをしないのは違法
雇用保険法の第76条の第3項により、離職票の発行を求められたら会社は対応しなければなりません。
もし対応しなかった場合は法律違反となり、同法の第83条の第4項によって6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
離職票の発行を依頼したにもかかわらず、失業手当の初回認定日が近づいても離職票が届かない場合は前職が雇用契約法に違反している可能性があります。違反が疑われる際は、前職を管轄している労働基準監督署へ相談すると良いでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
クロスファンクショナルチーム(CFT)とは?メリットや導入事例を解説!
クロスファンクションチームとは特定の課題を解決するために、専門知識・スキルを持つ人材が集められたチームを言います。メンバーは部署に関係なく選ばれ、目指すのは全社的な問題解決です。日本企業の実践から着想を得て、欧米で理論化が進められました。日…
詳しくみる外国人雇用で利用できる助成金とは?2025年最新情報を徹底解説
近年では事業における人材不足が進んでおり、グローバル化に伴い外国人雇用をご検討の方もいらっしゃるでしょう。事業者向けの各種助成金制度を活用すれば、採用負担を軽減できるチャンスも広がります。 本記事では、2025年最新の制度情報や対象条件、申…
詳しくみる雇用期間とは?有期雇用契約を締結する際の注意点や契約書の書き方を解説!
有期雇用契約は、企業の人材ニーズに柔軟に対応できる雇用形態として広く活用されています。しかし、有期雇用契約を結ぶ際には法的な制約や注意点が多く、契約期間などに注意を払う必要があります。 本記事では、雇用期間の基礎知識から、有期雇用契約の締結…
詳しくみる社員旅行実施報告書の書き方・記入内容は?無料テンプレートつき
社員への慰労や社員間の親睦を深めるために、社員旅行を実施する企業も少なくありません。また、社員旅行の後に幹事が報告書を作成する場合もあります。 当記事では、社員旅行後に作成する社員旅行実施報告書について解説します。書き方や記入内容だけでなく…
詳しくみるジョブディスクリプション(職務記述書)とは?目的や書き方を解説!
ジョブディスクリプションは職務記述書とも呼ばれ、職務内容、求められるスキル等をまとめた書類のことです。ジョブ型雇用という雇用システムで活用されるもので、経団連の提言などでジョブ型雇用の導入機運が高まり、注目を集めています。この記事ではジョブ…
詳しくみる休職期間満了について|自然退職?解雇は違法?
従業員が休職期間を満了した場合、会社は復職させる、退職させる、あるいは解雇するかを判断が必要です。こちらの記事では、これらの違いや適切な対応方法について、法的な観点から解説します。また、具体的な手続きや注意点についても分かりやすく説明します…
詳しくみる