- 更新日 : 2025年12月8日
異文化理解とは?メリットやよくある失敗例、企業の取り組みを解説
外国人労働者が増える中、異文化理解の重要性が高まっています。異文化理解とは、異なる人種の人と英語でコミュニケーションし意思疎通を図ることだけではありません。
本記事では、異文化理解の意味や異文化を理解するためのポイントについて解説します。メリットやよくある失敗例、企業の取り組みも紹介しますので、異文化理解を深めるために役立ててください。
目次
異文化理解とは?
異文化理解とは、国籍や宗教、価値観などが異なる背景・文化を持つ人々がお互いの違いを認識した上で理解し合うことです。経済や人材のグローバル化が進み海外で働く日本人や日本で働く外国人が増える中で、企業経営においても異文化理解の重要性が高まっています。
異文化を理解することで効果的にコミュニケーションすることが可能となり、業務が円滑に進むようになるでしょう。また、人材のダイバーシティ化により組織の活性化も期待できます。
そもそも異文化とは
異文化とは、「生活様式や社会習慣、ものの考え方などの異なる文化」という意味です。文化の違いは、国籍や人種、民族、宗教、歴史的背景、居住地などから発生します。日本国内でも、性別や年齢、学歴、職業などによって違いが生じます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
人事・労務の年間業務カレンダー
毎年大人気!人事労務の年間業務を月別にまとめ、提出や納付が必要な手続きを一覧化しました。
法改正やシーズン業務の対応ポイントについて解説するコラムも掲載していますので、毎月の業務にお役立てください。
従業員の見えない不満や本音を可視化し、従業員エンゲージメントを向上させる方法
従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員の状態把握が重要です。
本資料では、状態把握におけるサーベイの重要性をご紹介いたします。
エンゲージメントサーベイを用いて、離職防止を推進する⽅法
離職防止には従業員エンゲージメントの向上が効果的です。そのために、従業員の状態把握が必要です。
本資料では、従業員の状態を把握する具体的な手段としてマネーフォワード クラウドサーベイをご紹介します。
【テンプレート】育成計画書(エクセル)
従業員の育成計画書の準備は進んでおりますでしょうか。
本資料は、すぐにお使いいただける育成計画書のExcelフォーマットです。ぜひダウンロードいただき、貴社の人材育成にご活用ください。
よくある異文化理解の失敗例
異文化を理解できないと必要なコミュニケーションが取れないケースがあります。よくある異文化理解の失敗例を紹介します。
日本での身近な例
日本人同士でも、相手のことがよくわからずコミュニケーションがうまくいかないことがあります。その一例が世代間ギャップです。
たとえば、仕事一筋で頑張ってきた上司が部下のキャリアアップを願って大きな仕事を任せても、部下にとっては重荷でしかないこともあるでしょう。部下がブラック企業だと感じて退職したり、上司によるパワハラだと訴えたりする可能性もあります。
終身雇用を重要視する中高齢者社員と転職が当たり前の若年社員、仕事最優先のベテラン社員とワークライフバランスを大切にする新人社員についても、相手の考え方や価値観が理解できずに人間関係がうまく行かないケースもあります。
日本と海外の方との身近な例
日本人と外国人の文化の差はより大きくなるため、相手のことが理解できずに人間関係がうまく築けないケースが数多く見られます。
残業に対する考え方の違いもその1つです。急な仕事が入って上司が外国人の部下に残業を依頼したら断られ、やる気がないと評価するなどのケースです。
仕事を最優先する人が多い日本と異なり、雇用契約で決められた仕事以外はする義務はないと考える人が多い国や、仕事より家庭を大切にするのが一般的な国は多数あります。残業しないために効率的に働き勤務時間内に仕事が終わっていれば、残業はしたくないでしょう。
異文化を理解せずに仕事の内容より長時間仕事をすることを評価する上司がいたら、不満を抱えて退職する外国人もでてきます。会社にとって有用な人材を失うことにもなりかねません。
異文化理解が必要な理由
企業が異文化理解を必要とする大きな理由は、外国人労働者の増加です。外国人労働者は年々増加し、2023年には200万人を突破しました。

引用:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和5年10月末時点)|厚生労働省
外国人労働者が増加している主な理由は、以下のとおりです。
- 少子高齢化による人手不足を外国人労働者で補っている
- 人材のダイバーシティ化によって組織の活性化を図る企業が増えている
また、日本企業の海外進出により世界を舞台に活躍するグローバル人材の需要が高まっていることも、企業が異文化理解を必要とする理由の1つです。
異文化を理解するメリット
異文化を理解する主なメリットは、以下のとおりです。
- 視野が広がる
- 語学が身につく
- 問題解決の選択肢が広がる
- 自国の理解が深まる
- 柔軟性が身につく
- ビジネスチャンスにつながる
各メリットについて解説します。
視野が広がる
異文化を理解することで、世界にはさまざまな価値観や考え方があることに気づき、視野が広がります。日本社会や勤務先での常識が、世界では通用しないこともあるでしょう。
たとえば、「上司や会社の命令は絶対」という考え方も、外国人にとっては常識ではありません。何のためにするのか合理的な説明がないと、日本人のように理由も聞かずに指示に従ってくれないこともあります。
Noと言わないビジネス習慣や上司に対する極端は気遣いなども、世界の常識ではありません。
語学が身につく
お互いを理解するために外国人とコミュニケーションを図ることによって、語学力の向上が期待できます。ネイティブの外国語が聞ける上、日常的な会話により実践的な語学力が身につきます。
異文化理解をきっかけに、外国語の勉強を始めるのもよいでしょう。
問題解決の選択肢が広がる
問題や課題を解決する方法も、日本人と外国人では違います。たとえば、取引先とトラブルになった場合、穏便に解決を図ろうとする日本人に対し、外国人は自分には責任がないことを強く主張する傾向があります。
異文化の問題解決方法を理解することで、いざというときの選択肢が広がることもメリットです。
自国の理解が深まる
異文化への理解が進むと、日本と外国の違いがわかってきます。日本の良いところと悪いところが明確になり、自国への理解も深まります。
また、外国人に日本の習慣や特徴を説明する機会が増え、当たり前だと思っていたことの意味や理由を改めて考えたり、知らないことに気づいたりすることもあるでしょう。
柔軟性が身につく
異文化に触れることで、これまで通りのやり方では対応できないことも増えてきます。お互いの考えを理解・尊重しながら対応を考えることで、柔軟性が身につきます。
さまざまな考え方や価値観があることを意識して、固定観念にとらわれずに異文化の理解に努めましょう。
ビジネスチャンスにつながる
異文化を理解することが、ビジネスチャンスにつながることもあります。たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- 外国人の発想ややり方を活用して新しいサービスや商品を開発する
- 日本の強みを発見して海外でのビジネスチャンスを発掘する
- 外国人の人脈を利用して販路を広げる
異文化理解を深めるために必要なこと
異文化理解を深めるために必要なことは以下の通りです。
- 相手を理解したいと思うこと
- マナーや生活習慣を理解する
- 表情やしぐさ、距離感を理解する
- 間違いを恐れないこと
- 日本の文化や習慣を押し付けないこと
それぞれについて解説します。
相手を理解したいと思うこと
異文化理解を深めるためには、相手を理解したいと思う気持ちが重要です。その気持ちが強いほど、異なる価値観や考え方を受け入れやすくなります。
違いがあることを前提に、違いが生じる理由や背景、今後の対応などを検討しましょう。
マナーや生活習慣を理解する
マナーや生活習慣の違いによって、トラブルや摩擦が起こることもあるため注意しましょう。
食事のマナーや冠婚葬祭の習慣、仕事終わりの付き合い方などは、国によってさまざまです。相手のマナーや生活習慣をできるだけ理解し、ささいなことでトラブルになったり、人間関係を損ねたりすることを避けましょう。
表情やしぐさ、距離感を理解する
表情やしぐさ、人との距離感の違いを理解することも必要です。握手やアイコンタクトなど、ボディーランゲージの仕方や意味も国によって異なります。
理解不足で誤ったメッセージを発信し、相手を戸惑わせたり不快にさせたりしないように注意しましょう。
間違いを恐れないこと
間違いを恐れて消極的な対応を取っていると、異文化理解は深まりません。自己主張や外国語で話すことが苦手という人もいますが、自分の意見を伝えるとともに相手の意見をきちんと聞くことが異文化理解の出発点です。
初めて体験することも多く、最初からうまくできないのは当然です。間違いを恐れずにチャレンジしてみましょう。
日本の文化や習慣を押し付けないこと
異文化理解を深めるには、相手の価値観や考え方を尊重することが大切です。「郷に入れば郷に従え」という考え方で、日本の文化や習慣を無理に押し付けても相手の理解は得られません。
世界にはさまざまな価値観や考え方があることを再確認しましょう。
異文化理解を深めるための企業の取り組み
異文化理解を深めるために、企業はさまざまな取り組みをしています。おすすめの取り組みは以下の2つです。
- 異文化理解の研修を実施する
- 異文化体験を行う
各取り組みについて解説します。
異文化理解の研修を実施する
おすすめの取り組みの1つ目は、異文化理解の研修を実施することです。関係する従業員を集めて、日本文化と外国文化との違いについて研修します。
しかし、異文化理解の研修を実施したことがなく何をすればよいのかがわからない企業も多いでしょう。厚生労働省が作成した研修資料などを参考に研修内容を検討してみましょう。
参考:「地域外国人材受入れ・定着モデル事業」異文化理解研修|厚生労働省
自社の外国人労働者に協力してもらう、社外の研修会社に依頼するという方法もあります。
異文化体験を行う
おすすめの取り組みの2つ目は、異文化体験を行うことです。異文化体験とは、異文化の人と生活を共にしたり、一緒に活動したりするプログラムなどに参加することです。
海外の取引先企業や大学、海外ボランティアに従業員を派遣するという方法もありますが、国内の大学や施設で異文化体験ができるプログラムもあります。
異文化理解を成功させるポイント
異文化理解を成功させる最大のポイントは、関係者が異文化を持つ相手や自分の文化との違いを尊重することです。お互いを理解し尊重することで、それぞれが能力を発揮して組織が活性化します。
ただし、異文化を理解することは簡単ではありません。企業のトップと関係者が共通の目標を持って取り組みを継続することが重要です。
異文化理解を深めて組織の活性化を図りましょう
異文化理解とは、国籍や宗教、価値観などが異なる背景・文化を持つ人々がお互いの違いを認識した上で理解し合うことです。外国人労働者の活用やグローバル人材の育成のために、企業にとって異文化理解の重要性は高まっています。
本記事の「異文化理解を深めるために必要なこと」などを参考に、企業は継続的な取り組みを行い組織の活性化を図りましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
職場で物に当たる人の心理と対処法|パワハラにつながる行動への正しい対応
職場で、イライラした拍子に机を叩く、物を投げるといった行動をとる人に困っていませんか。 物に当たる行為は単なる癖ではなく、強いストレスや心理的な不調、場合によっては心の病気が関係している場合もあります。 放置すればパワハラや職場の信頼低下に…
詳しくみるガラスの天井とは?取り除くには?意味や企業の取り組み、事例を解説
ガラスの天井とは、少数派、女性が職場で直面する見えない障壁を指します。これは女性が高い地位や役職に進むことを妨げる社会的、組織的な要因によるものです。多くの企業や国でこの問題が認識され始めており、その解消に向けた取り組みが進められています。…
詳しくみるSMARTの法則とは?5つの目標設定方法やメリット、活用事例を解説!
SMARTの法則とは、目標設定に取り入れるべき要素を表した法則です。Specific(具体的な)・Measurable(測定可能な)・Achievable(達成可能な)・Relevant(関連性のある)・Time-bound(期限が明確な)…
詳しくみる【テンプレ付】360度評価の目的とは?導入前に知るべきポイントを解説
新たな評価制度を導入する際は、本当に効果があるのか気になるものです。 360度評価は、明確に目的を設定し、正しく運用することで、人材育成や組織改善に大きな効果をもたらす評価制度です。 目的が曖昧なまま導入した企業では「意味ない」という声が上…
詳しくみる特定技能外国人を採用する方法|受け入れ条件や必要な届出も解説
特定技能外国人を採用するには、必要な手続きを行ったり届出を提出したりする必要があります。ただ、「どのような手続きを行えばいいの?」「どのような状況で何の届出が必要?」などと疑問に思っている人もいるでしょう。 そこで本記事では、特定技能外国人…
詳しくみる職場で実践するメンタルヘルスマネジメントとは?対象・方法・学び方を解説
近年、働く人の心の健康を守る取り組みとして「メンタルヘルスマネジメント」が注目を集めています。ストレスや不安による不調を未然に防ぎ、健全な職場環境を整えることは、企業にとって重要な経営課題の一つです。 本記事では、メンタルヘルスの基本から管…
詳しくみる


-e1761040031323.png)