【源泉徴収の計算の基礎】源泉徴収の計算方法と対象となる所得

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源泉徴収

わたしたちが払っている税金は、1年間の総収入から基礎控除や社会保険料などの差し引きできるものを減じた後、その残額に税率を掛けることにより計算されます。

通常、一般的なサラリーマンの場合、勤め先の会社側が税額を計算するので給料からあらかじめ天引きされています。この天引きされた税額が源泉徴収です。

給与所得の源泉徴収税額表とは

給与から源泉徴収される額は、給与所得の源泉徴収税額表を使って計算します。

この税額表は、「月額表」と「日額表」、「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」を含み、給与が毎月支払われる場合(半月ごとや半年後などの給与の支払いも含む)は「月額表」、働いた日ごとに給与が支払われる、または1週間ごとや日割り計算で給与が支払われる場合は「日額表」が使われます。

「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」は、ボーナスを支払う場合に用いますが、例外として、前月中に支払われる給与がない場合やボーナスが前月中の給与の10倍を超えている場合は、月額表を使用します。

税額表の「甲欄」「乙欄」「丙欄」について

所得税は、使用する税額表にある「甲欄」や「乙欄」、または「丙欄」を参照して税額を計算します。

給与を受け取る側が、その給与について配偶者控除や扶養控除、障がい者控除などの控除を受ける場合に提出される申告書は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と呼ばれ、この申告書が提出されている場合は「甲欄」を使用し、提出がない場合は「乙欄」、短期のアルバイトや日雇いに対する給与を支払う場合は「丙欄」を用いて計算して税額を求めます。

税額表を参照した給与等の金額

税額表を参照する際は、当該月または日分の給与などの総額から厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料を差し引いて計算した金額が使われます。

たとえば、給与所得者で扶養家族がいる場合、月額表の「その月における社会保険料等控除後の給与等の金額」から社会保険料等を差し引いた後の金額がある行を見つけます。

その金額がある行と、「控除対象配偶者」や「控除対象扶養親族家族の数」などの扶養者数をすべて加えて計算した数字に該当する税額表中の「甲欄」が交わったところにある金額が、源泉徴収される金額となります。

給与所得の源泉徴収税額表|国税庁

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出済みで配偶者がいる給与所得者の平成26年度分の源泉徴収税を例に見てみましょう。

この給与所得者の社会保険料等を差し引いた後の金額が月27万円の場合、給与所得の源泉徴収税の「月額表」の27万円を含む金額がある行と、「甲欄」の「扶養親族等の数」の「1人」が交わるところにある5,670円が源泉徴収税額となります。

なお、個人事業主の場合、源泉徴収税の税率は復興特別所得税の0.21%を含む10.21%となり、報酬金額が20万円のケースだとこれに10.21%をかけて計算して源泉徴収税額を求めます。

(例) 消費税込みの報酬金額20万円 × 10.21% =20,420円 (源泉徴収税額)

源泉徴収の対象となる所得

源泉徴収の対象となる所得には、次のようなものがあります。

・給料や賃金、賞与などの給与、役員や使用人に対する手当(残業手当や休日出勤手当、住宅手当など)※1
・弁護士や税理士などへの報酬、原稿料など※2
・公社債や預貯金などの利子
・株式などから生じる配当
・退職金
・支払われた側に経済的利益を生む現物給与(無償または低価額で譲渡された物品や土地、家屋など)

※1 パートやアルバイトの税額も、一般の社員と同様、「給与所得の源泉徴収税額表」の「月額表」や「日額表」の「甲欄」または「乙欄」を使って計算されます。

※2 だれも雇っていない個人の場合、支払う報酬について源泉徴収は不要です。

源泉徴収で差し引かれた税金は、差し引いた側(源泉徴収義務者)によって税務署に納付され、対象となる給与などが支払われた月の翌月10日までに納付することになっています。

期限までに納付されない場合、源泉徴収義務者に延滞税や不納付加算税などのペナルティが課されることがありますので、十分な注意が必要です。

なお、給与等の支払いを受ける者が10人未満の場合、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄の税務署長に提出して許可を受けることにより、源泉徴収税の納付を2回(1月から6月までの分は7月10日が納入期限、7月から12月までの分は翌年1月20日が納入期限)に分けることが可能です。

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監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

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