- 更新日 : 2024年12月13日
シフト管理をペーパーレス化するには?電子化の進め方や成功事例を解説
シフト制を採用すれば、従業員は自分の生活スタイルに合わせて、希望する日時に働くことが可能となります。しかし、シフト制を採用した場合には、通常の勤務体制よりも複雑な勤怠管理が必要です。紙の管理では、管理ミスも発生しやすいでしょう。当記事を参考にシフト管理をペーパーレス化し、効率的な勤怠管理を実現してください。
目次
シフト管理をペーパーレス化するには?
紙によるシフト管理は導入が簡便ですが、非効率的な面も多くペーパーレス化を図ることが推奨されます。ここでは、シフト管理をペーパーレス化する方法について解説します。
シフト管理システムの導入
シフト管理のペーパーレス化には、シフト管理システムなど、シフト管理を効率化できるシステムを導入する方法が考えられます。従業員の勤怠情報や勤務スケジュールをシステム上で一覧管理できるため、情報の把握が容易になります。残業時間の上限規制や、有給休暇の取得義務などの法規制にも対応しやすくなるでしょう。
一方、利用料金が掛かるため、導入にはコストが必要なうえに、使い方に慣れるまで時間を要する場合もあります。
クラウド上でシフト管理を行う
シフト管理をクラウド上で行うことでも、ペーパーレス化は図れます。クラウド上での管理であれば、いつでもどこでもシフト管理が可能となります。急なシフト変更にも対応しやすくなり、従業員の生活スタイルに合わせた柔軟な勤務体制の構築が可能です。また、すでに構築済みのクラウドサービスを利用する関係上、自社で機器を用意する必要がなく、初期コストを抑えられます。
ただし、利用するクラウドサービス自体が終了するリスクもあり、その場合には別の管理方法に乗り換えなければなりません。
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シフト管理を紙で運用するデメリット
紙によるシフト管理は、特別な機器や従業員の教育が不要なため、導入しやすくコストも掛かりません。しかし、デメリットも多くあります。ここでは、シフト管理を紙で運用するデメリットを紹介します。
急な変更に柔軟に対応できない
従業員の希望を基にシフトを組んでいても、病気や怪我、家族の事情などによって、急にシフト変更が必要となることも珍しくありません。しかし、紙による管理は原則として、シフト管理者が出勤している間にしかシフトの変更ができません。急なシフト変更には対応できないでしょう。また、新しいシフト表の作成にも時間が掛かってしまい、反映が間に合わないことも考えられます。
必要な人員が把握しにくい
紙のシフト管理では、いつの時点でどの程度の人員が必要となるか、把握することが困難です。頭では理解していても、従業員の希望を取り入れたうえで、繁忙期や閑散期に対応したシフト表を作成するのは難しい作業でしょう。従業員が希望するシフトを収集している間に、先に提出された従業員の予定が変更され、希望日時が変わる可能性もあります。
希望シフトを一覧化し、リアルタイムで把握・管理できるような体制でなければ、どの時期にどの程度の人員が必要か把握することは困難です。紙によるシフト管理では、対応が難しいでしょう。
手入力のミスが起きやすい
紙によるシフト管理は、手作業や手入力で行います。人の手による作業はミスが発生しがちであり、記入や入力ミスで必要な日時に必要な人員が配置されていない事態も発生してしまいます。また、ミスによってシフトを多く組んでしまい、労働時間の上限を超過してしまう事態も考えられます。
紛失や損傷のリスク
紙の書類には、紛失や汚損のリスクが付いて回ります。紛失や汚損した場合には、再度の作成が必要です。誤りがないか確認しながら再度シフト表を作成・印刷・交付するには、かなりの時間と手間を要します。しかし、紛失や汚損のリスクを嫌い、シフト表を鍵付きのキャビネットなどで厳重に保管すると、従業員がシフトを確認しづらくなってしまいます。
シフト情報を経営判断に活かしづらい
紙のシフト管理では、シフト変更がリアルタイムで反映されるわけではありません。そのため、最新のシフト情報に基づいた判断が遅れてしまう場合もあります。本来の繁忙に合わせて組んでいたシフトが変更された場合には、仕入れ量なども変更することが必要です。しかし、リアルタイムで反映されない紙のシフト管理では、対応が遅れて大きな損失を出すこともあるでしょう。
シフト管理をペーパーレス化するメリット
シフト管理を紙からシフト管理システムなどに置き換え、ペーパーレス化した場合には、多くのメリットを享受することが可能です。シフト管理をペーパーレス化するメリットについて解説します。
シフト変更がリアルタイムに更新される
シフト管理システムでは、シフトを変更した場合、その変更はリアルタイムで反映されます。常に最新の情報が反映されているため、繁忙に合わせて必要な人員の把握が容易になります。従業員も人手不足となる時期がわかりやすいため、変更後のシフトに基づいた希望日時を提出しやすいでしょう。
シフト調整が効率化できる
シフトは一度作成しても、従業員の都合などによって変更される場合があります。そのような場合には、改めて従業員にシフト日時の希望を提出してもらい、調整しなければなりません。この作業を紙で行うと、回収に多くの時間と手間が掛かります。一方、シフト管理システムを導入すると、システム上で希望日時の収集が可能となり、シフト調整作業を効率化できるでしょう。
印刷や保管のコストを削減できる
シフト表をExcelなどで作成している場合には、印刷の工程も必要です。従業員ごとにシフト表を交付している場合には、印刷のコストも大きいでしょう。しかし、シフト管理システムであれば、システム上でシフト表を確認できるため印刷は不要です。印刷が不要であることから、紙の書類では必要となる保管のコストも削減できます。
リモートワークに対応
現在では、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどでリモートワークを行う従業員も少なくありません。紙によるシフト管理では、配布された紙のシフト表を持ち運ぶ必要があります。持ち運ぶ手間が掛かるだけでなく、紛失のリスクも生じるでしょう。しかし、シフト管理をペーパーレス化した場合にはシステム上でシフトを確認できるため、リモートワークも行いやすくなります。
給与計算がラクになる
シフト管理システムは、勤怠データを自動で集計可能です。また、給与計算システムと連携し、給与計算を自動化できるシステムもあります。シフト勤務に基づいた勤怠データを基に、手動で給与計算を行う必要がなくなり、給与計算業務の負担を大幅に軽減可能です。また、手入力で発生していたミスを減らすことで、正確な給与計算も可能となります。
シフト管理のペーパーレス化するためのステップ
シフト管理をペーパーレス化するために、以下のステップを踏まなければなりません。
- シフト管理に必要な機能を精査する
- シフト管理ツールを比較する
- 無料トライアルで試験導入する
- 従業員に周知とサポートを行う
- 効果検証と業務効率化を進める
ステップごとに解説を行います。
1.シフト管理に必要な機能を精査する
シフト管理をペーパーレス化するためには、まず自社のシフト管理にどのような機能が必要なのか精査する必要があります。たとえば、希望シフトの収集作業に課題を感じているなら、クラウド上での提出機能があると便利です。また、リモートワークを行う従業員が多い場合には、スマートフォン等への対応など、自社に必要な機能をリストアップしましょう。
2.シフト管理ツールを比較する
シフト管理システムは、様々な企業からリリースされており機能や料金も様々です。自社が必要とする機能を備えたうえで、予算内で導入できるシステムを選ぶ必要があります。自社にとって最適なシステムを見つけるため、複数のシステムを比較検討しましょう。
3.無料トライアルで試験導入する
シフト管理システムの導入にあたっては、自社にマッチしているか、どのくらいシフト管理を効率化できるかを確認する必要があります。そのために、無料トライアルを積極的に活用して、実際に操作性や機能性を確かめましょう。
4.従業員に周知とサポートを行う
シフト管理システムを導入したら、従業員に周知して利用方法などを指導します。システムに不慣れな従業員がいる場合に備えて、サポート体制を整えておくことも重要です。
5.効果検証と業務効率化を進める
さらなる業務効率化を進めるために、ペーパーレス化の効果を検証します。検証データを基にして、さらなるシフト管理の効率化を目指しましょう。
シフト管理をペーパーレス化する際の注意点
シフト管理をペーパーレス化する際には、業務に支障が出ないように段階を踏む必要があります。まずは、シフト希望日時の提出のみをペーパーレス化するなど、一部のペーパーレス化から始めてみてください。段階を踏んで浸透させていけば、スムーズにペーパーレス化に移行できます。
また、システムに不慣れな従業員がいても、その従業員を対象外としてペーパーレス化を進めてはいけません。紙とペーパーレスの運用が混在すると、どれが最新のシフトなのかが分からなくなるなど社内が混乱します。全社的に取り組むことで、ペーパーレス化の導入効果を最大化できるでしょう。
シフト管理のペーパーレス化に成功した事例
シフト管理のペーパーレス化に成功すると、自社に多くの利益をもたらします。実際の成功事例を紹介するため、導入の参考にしてください。
残業時間を大幅に削減
高品質シャツ専門店を展開するメーカーズシャツ鎌倉株式会社様は、シフト管理のペーパーレス化によって、残業時間の大幅な削減に成功しました。システムの導入による勤怠状況のリアルタイム把握によって、勤怠集計から給与計算までの期間を大幅に短縮しています。
また、店舗側でもスムーズなシステムの導入が行われ、シフトや休暇などの申請作業がクラウド上で行えるようになりました。バックオフィスだけなく、店舗側でも雑務の時間が削減され、残業時間の大幅な削減につながっています。
参考:クラウド勤怠で業務効率がアップし、残業時間を大幅に削減できました
新しい働き方まで実現
建築物の構造設計などを手掛ける株式会社親交設計様は、勤怠管理システムの導入によって、残業時間の削減だけでなく、新しい働き方の実現にも成功しました。紙ベースでは1か月後にずれ込んでいた休暇申請等のシフト管理をリアルタイムで行えるようになり、業務効率が大幅に向上したそうです。このことにより、残業時間の削減にも成功しています。
また、試験導入期間を設けたことで、スムーズなシステム導入が図られ、従業員の希望によるテレワークを原則とする新しい働き方の実現にもつながっています。
参考:クラウド勤怠導入で業務効率化だけでなく、新しい働き方まで実現しました
打刻エラーの解消で大幅な負担減
ITベンチャー企業である株式会社グラッドキューブ様は、システムの乗り換えによって、アナログな手作業での勤怠集計からの脱却に成功しています。以前の勤怠管理システムでは、タイムカードの打刻エラーが登録されると、従業員側で修正が不可能でした。しかし、システムの乗り換えによって従業員自身でも修正が可能となり、担当者の負担が大幅に軽減されています。権限の付与により、従業員自身がデータを登録できるようになったため、シフト作成の効率化にもつながっています。
参考:マネーフォワード クラウド勤怠に乗り換え、大幅な負担減に成功
シフト管理のペーパーレス化はマネーフォワードがサポート
シフト管理をペーパーレス化したくても、自社のみで実現できるのか不安な方も多いでしょう。そのような場合には、ぜひマネーフォワードのサポートをご利用ください。
「マネーフォワード クラウド勤怠」は、基本となる通常勤務制のほかにも、フレックスタイム制や裁量労働制など、様々な勤務制に対応しています。もちろんシフト勤務にも対応しており、シフト管理のペーパーレス化をスムーズに実現できるでしょう。
「マネーフォワード クラウド勤怠」では、勤務予定を入力することで、予定の確認だけでなく、所定労働時間と時間外労働時間の自動集計が可能です。シフト管理の効率化だけでなく、労働時間集計の効率化も同時に図れます。
シフト管理を含む勤怠管理の効率化を実現したい方は、ぜひ1か月の無料トライアルをお試しください。
参考:集計・管理が楽になる 勤怠管理システム|マネーフォワード クラウド勤怠
シフト管理をペーパーレス化し勤怠管理の効率化を図ろう
ペーパーレス化することで、シフト管理だけでなく、勤怠管理全体の効率化を図ることが可能です。シフト制は、通常の勤務体制に比べて複雑であり、人員配置や勤怠集計のミスが起こりがちです。紙による管理であれば、ミスが起きる確率が上がってしまいます。当記事の解説を参考に、シフト管理をペーパーレス化して勤怠管理を効率化させましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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