- 更新日 : 2026年9月15日
源泉徴収票はいつもらえる?発行時期や見方、もらえないときの対処法を解説
源泉徴収票は、実務上年末調整後の12月後半〜1月、退職時は退職後1カ月以内にもらえます。
- 年末調整後は12月後半〜1月に発行
- 退職・転職時は退職後1カ月以内が目安
- 当初から交付されていない場合は税務署へ届出が可能
Q. 転職時、源泉徴収票はいつもらえる?
A. 退職後2〜3週間〜1カ月程度で前職の会社から発行され、転職先の年末調整に使用します。
源泉徴収票は、年末調整や転職、確定申告など会社員のさまざまな場面で必要になる重要な書類です。本記事では、源泉徴収票をいつもらえるのか、発行時期の目安やどこでもらうのか、もらえない場合の対応方法まで、バックオフィス担当者にも役立つ形で解説します。
そもそも源泉徴収票とは?
源泉徴収票とは、1年間の収入額と会社が国に納付した所得税額を証明する書類のことです。給与所得用・退職所得用・公的年金等の3種類があり、対象者や発行元がそれぞれ異なります。
会社員が受け取る源泉徴収票は、税額を正しく申告・証明するための公的な根拠資料であり、勤務先や日本年金機構など発行元も種類ごとに定められています。
給与所得の源泉徴収票
給与所得の源泉徴収票は、年末時点で在籍している従業員に対し、年間の給与総額と源泉徴収された所得税額を記載した書類です。会社(給与の支払者)が発行します。
正社員だけでなく、パートやアルバイトなど雇用形態にかかわらず、給与の支払いを受けたすべての従業員が対象です。
退職所得の源泉徴収票
退職所得の源泉徴収票は、退職金の支払額と源泉徴収税額を記載した書類です。退職金は毎月の給与とは別枠で税額計算が行われるため、通常の給与所得用とは別に発行されます。
所得税法では、年の途中で退職した従業員について、退職日以後1カ月以内に源泉徴収票を発行するよう定められています。
公的年金等の源泉徴収票とは
公的年金等の源泉徴収票は、年金受給者に対して年間の年金支払総額と源泉徴収された所得税額を記載した書類です。会社ではなく、日本年金機構などの年金保険者が発行します。
給与所得や退職所得の源泉徴収票とは発行元が異なる点に注意が必要です。
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源泉徴収票の見方は?記載項目の意味を解説
源泉徴収票には、支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額という4つの主要項目が記載されています。これらは、年間の所得税額を算出する計算過程を段階的に示したものです。
各項目のつながりを理解すると、自分の年収や納税額を正しく把握できます。
支払金額
支払金額とは、残業代や賞与を含め、会社から支払われた給与の年間合計額(額面総額)のことです。社会保険料や所得税が差し引かれる前の金額であり、月15万円以下の通勤交通費など非課税の手当は含まれません。
一般に「年収」という場合、この支払金額を指すことがほとんどです。
給与所得控除後の金額
給与所得控除後の金額とは、支払金額から給与所得控除(会社員における経費相当分の控除)を差し引いた金額です。会社員には個人事業主の必要経費に相当する控除の仕組みとして、給与所得控除が設けられています。
給与所得控除額は収入区分ごとに計算方法が定められており、たとえば年間収入が360万円超660万円以下であれば「収入金額×20%+44万円」で算出します。なお令和7年度税制改正により、給与所得控除の最低保障額は収入190万円以下の場合に55万円から65万円へ引き上げられており、令和7年分(2025年分)以後の所得税から適用されています。
参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁
所得控除の額の合計額
所得控除の額の合計額とは、給与所得控除後の金額からさらに差し引ける、社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除、基礎控除などの合計額です。この金額を差し引いた残りが、所得税額算出のもとになる課税所得額となります。
令和7年度税制改正では基礎控除の仕組みも見直され、一律48万円だった基礎控除額が合計所得金額に応じて段階的に設定されるようになりました。
| 合計所得金額 | 基礎控除額(令和7年分) |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超336万円以下 | 88万円(令和9年分以後は58万円) |
| 336万円超489万円以下 | 68万円(令和9年分以後は58万円) |
| 489万円超655万円以下 | 63万円(令和9年分以後は58万円) |
| 655万円超2,350万円以下 | 58万円 |
参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁
※令和8年度税制改正により、令和8年・9年分についてさらに基礎控除が引き上げられ、合計所得金額489万円以下では104万円となります。基礎控除の本則部分は58万円から62万円へ引き上げられ、特例加算が追加されています。
源泉徴収税額
源泉徴収税額とは、課税所得額をもとに計算された年間の所得税額のことです。その年の給与等から源泉徴収された所得税および復興特別所得税の額が記載されます。
年末調整を受けた給与所得者の場合は、年末調整によって精算された後の年税額が記載されます。一方、年の途中で退職し年末調整を受けていない場合などは、給与から実際に源泉徴収された税額が記載されるため、必ずしもその人の最終的な年間所得税額と一致するわけではありません。
源泉徴収票はいつもらえる?発行時期の目安
源泉徴収票がもらえるタイミングは、年末調整・転職・確定申告・収入証明など、必要になる場面によって異なります。年末調整による発行が最も一般的ですが、退職や副業収入がある場合は別のタイミングでの取得が必要です。
以下の表で、代表的なケースごとの発行時期を整理します。
| 発行が必要になる場面 | 発行時期の目安 |
|---|---|
| 年末調整のとき | 12月後半〜翌1月 |
| 転職・退職したとき | 退職後1カ月以内 |
| 確定申告が必要なとき | 在籍中は12月後半〜1月、退職後は1カ月程度後 |
| 収入証明が必要なとき | 会社への依頼から発行まで数日〜数週間 |
年末調整のとき
年末調整とは、その年の給与・賞与合計額から算出した本来の税額と、毎月天引きされた税額との過不足を清算する手続きです。年末調整の実施は会社の義務であり、実施と同時に従業員一人ひとりへ源泉徴収票が発行されます。
発行時期は例年12月後半から1月にかけてで、年末調整直後の給与明細に同封して配布されるケースが多く見られます。
転職・退職したとき
転職する場合は、転職前の会社が発行した源泉徴収票を転職先に提出する必要があります。転職先が前職分の収入を踏まえて年末調整を行うために必要な書類だからです。
通常、最終給与や控除税額が確定してからでないと発行できないため、退職後2〜3週間から1カ月程度で交付されるのが一般的です。
確定申告が必要なとき
年収が2,000万円を超える場合や、副業などで給与以外に20万円を超える所得がある場合等は、自分自身で確定申告を行う必要があります。退職後に個人事業主として独立する場合も同様です。
なお、確定申告では源泉徴収票に記載された支払金額や源泉徴収税額等を申告内容に反映します。現在は申告書への源泉徴収票の添付・提示は不要です。。
収入証明が必要なとき
住宅ローンの契約や保育園の入園手続きなど、収入証明が必要な場面では、会社に源泉徴収票の発行を依頼するのが一般的な対応です。
あらかじめ必要な時期を会社の担当部署に伝えておくことで、提出期限に間に合うよう手配してもらいやすくなります。
源泉徴収票はどこでもらう?発行元を確認
源泉徴収票は、従業員の給与計算を担当する部署(総務・人事・経理部門)が発行します。雇用形態や在籍状況によって、依頼先や受け取り方が異なります。
正社員の場合
正社員の場合、年末調整終了後に会社の総務人事部門が一人ひとりに源泉徴収票を発行します。年末調整直後の給与明細に同封される形で配布されることが多いです。
パート・アルバイトの場合
パートやアルバイトであっても、給与の支払いを受けている以上、源泉徴収票は発行されます。正社員と同様に、年末調整終了後に会社の総務人事部門から現物が配布されます。
すでに退職している場合
退職済みの場合は、前職の会社の総務人事部門に発行を依頼します。退職時に受け取れなかった場合や、退職後に改めて必要になった場合も、依頼先は同じく前職の担当部署です。
源泉徴収票がもらえないときはどうする?
源泉徴収票が発行されない、または受け取れない場合は、まず会社への発行依頼を行い、それでも対応してもらえない場合は税務署へ相談するという流れが基本です。発行は会社の義務であるため、正当な理由なく拒否することはできません。
以下、状況別に対応方法を解説します。
会社が倒産したとき
会社が倒産すると自動的に退職扱いとなりますが、事務機能が失われているために源泉徴収票を発行してもらえないことがあります。
このような場合は、次の手順で対応します。
- 破産管財人に源泉徴収票の発行状況を確認する
- 会社の所在地を管轄する税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する
- 税務署からの案内に従い、必要書類をそろえて相談する
前職が発行してくれないとき
前職の会社が源泉徴収票を発行してくれない場合、まずは直接発行を依頼することが基本です。それでも応じてもらえないときは、会社の所在地を管轄する税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することで、税務署から会社へ行政指導が行われます。
この届出書は、税務署の窓口のほか、e-Taxを利用してオンラインで作成・提出することも可能です。
年末調整までに間に合わないとき
前職の源泉徴収票が年末調整の時期までに届かない場合は、年末調整に間に合わせるのではなく、原則として自分自身で確定申告を行う必要があります。
前職の会社へ速やかな発行を依頼しつつ、確定申告の準備を並行して進めましょう。
紛失した場合
源泉徴収票を紛失した場合は、発行元の会社に再発行を依頼します。会社が再発行に応じない場合は、会社の所在地を管轄する税務署に相談する対応が有効です。
在籍中・退職後を問わず、担当部署(総務・経理)への連絡が最初のステップになります。
源泉徴収票を正しく理解し、必要なタイミングで受け取ろう
源泉徴収票は、年間の収入額や納付した所得税額を証明する、会社員にとっての確定申告書ともいえる重要書類です。いつもらえるかは年末調整・転職・確定申告など場面ごとに異なり、もらえない場合は税務署への届出という手段も用意されています。発行時期の目安を把握し、必要な場面で確実に受け取れるようにしておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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