- 更新日 : 2024年10月17日
退職金規程に使える無料テンプレートを紹介
退職金規程の作成は、多くの企業にとって重要かつ複雑な作業です。退職金規程は適切なテンプレートを活用することで大幅に簡素化できます。本記事では、退職金規程の作成方法や退職金規程作成に役立つ無料テンプレートを紹介し、活用方法について解説します。
目次
退職金規程とは?
退職金規程とは、企業が従業員に対して支払う退職金について定める規程のことです。退職金に関する事項は、就業規則における任意的必要記載事項として、退職金制度を設ける場合は必ず、就業規則に記載しなければなりません。基本的には、就業規則本体に記載することになりますが、内容が大部にわたる場合は、退職金規程として別途切り分けて定めることができます。ただし、就業規則の一部であることには変わりありません。
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※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
就業規則の作成・変更マニュアル
就業規則には、労働者の賃金や労働時間などのルールを明文化して労使トラブルを防ぐ役割があります。
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就業規則(ワード)
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規程の新規作成や見直しの際のたたき台として、ぜひご活用ください。
就業規則変更届 記入例
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退職金規程の作成方法は?
退職金規程を作成する際には、さまざまな確認や見直しが必要です。
目的と基本方針の設定
退職金規程の目的には、主に以下の点を記載します。
- 従業員の退職金に関する支給条件および支給基準を明確に定めること
- 長期勤続を奨励し、従業員の勤労意欲を高めること
- 退職後の生活の安定を支援すること
- 会社への貢献に対する感謝の意を表すこと
基本方針には、以下のような内容を含めることが望ましいでしょう。
- 公平性と透明性の確保
退職金の算定方法や支給条件を明確に定め、無秩序な運用を避ける
- 会社の経営状況との整合性
会社の財政状況を考慮した持続可能な制度設計を行う
- 法令遵守
労働基準法などの関連法規に準拠した規程を設ける
- 従業員のモチベーション向上
長期勤続や業績向上へのインセンティブとなる制度を考える
- 柔軟性の確保
社会情勢や経済状況の変化に応じて、適切に見直しができる余地を残す
- 適用範囲の明確化
正社員、パートタイマー、契約社員など、適用される従業員の範囲を明確に定める
退職金規程の目的と基本方針を明確に定めることで、従業員の理解を得やすくなります。また、会社の退職金制度の運用指針としても機能し、公平で透明性の高い退職金制度の実現につながります。
支給対象者の定義
退職金規程の支給対象者は通常、正社員を基本としつつ一定の勤続年数を条件として定義されます。
- 会社と正式な労働契約を締結した者
- 一定期間以上勤務した者(例:3年以上、5年以上など)
- 定年退職、自己都合退職、会社都合退職など、退職理由を問わない場合が多い
一方で、以下のような従業員は通常、支給対象から除外されることが一般的です。
- 定年退職後に再雇用された者
- 日々雇用されるアルバイト
- 期間限定で雇用される契約社員
また、懲戒解雇された従業員や退職後に懲戒解雇相当の事由が発覚した場合は、退職金の全部または一部を支給しない可能性があることも規程に明記されることがあります。
支給条件の設定
退職金の支給条件を設定する際は、勤続年数や退職理由を考慮することが一般的です。例えば、「勤続3年以上の正社員が自己都合または会社都合で退職する場合」といった具体的な条件を定めます。
また、定年退職や死亡退職、懲戒解雇など、特殊なケースについても明確に記載しておくことが重要です。支給条件は公平性を保ちつつ、会社の実情に合わせて設定することが求められるでしょう。
支給額の計算方法
退職金の支給額計算方法は、一般的に「基本給×支給率」の形式で定められます。支給率は勤続年数や退職理由によって変動させることが多く、例えば「勤続1年につき0.5カ月分の基本給」などです。
また、職位や貢献度を考慮したポイント制を採用する企業もあります。計算方法は従業員にとってわかりやすく、かつ会社の財務状況を考慮しましょう。
支給方法の決定
退職金の支給方法には、一時金として一括で支払う方法と、分割して支払う方法があります。一時金支給が一般的ですが、会社の資金繰りや従業員の希望によっては分割支給も検討しましょう。
また、現金支給だけでなく、退職金の一部を企業年金として支給する方法もあります。支給方法は従業員の生活設計に大きく影響するため、慎重な決定を行いましょう。
規程の文書化
規程の文書化は、後々のトラブル防止や円滑な運用のために極めて重要な作業です。退職金規程を文書化する際は、法律用語を適切に使用し、明確かつ簡潔な表現を心がけます。目的、適用範囲、支給条件、計算方法、支給方法など、必要な項目を抜け漏れなく記載しましょう。従業員が理解しやすいよう、具体例や図表を用いて説明を補足することも効果的です。
社内での承認と見直し
見直しの際は、従業員代表の意見を聞くなど、透明性の高いプロセスを心がけましょう。作成した退職金規程は、人事部門や経営陣による承認を得る必要があります。承認プロセスでは、法的妥当性や財務への影響、従業員への影響などを多角的に検討しましょう。
また、承認後も定期的に規程の見直しを行い、社会情勢や会社の状況変化に応じて適宜改定することが重要です。
退職金規程に記載する項目は?
退職金規程には、目的、適用範囲、支給条件、計算方法、支給方法など、退職金制度の運用に必要な事項を漏れなく記載しましょう。特に重要な項目について、以下に詳しく説明します。
目的
退職金規程の目的を明確に記載することで、制度の意義や会社の姿勢を従業員に伝えられます。例えば、「長年の勤務に対する感謝の意を表すとともに、退職後の生活の安定に寄与すること」などを入れておきましょう。
適用範囲
退職金規程の適用対象となる従業員を明確に定義します。正社員、契約社員、パートタイマーなど、雇用形態ごとの適用可否の明記が必要です。また、勤続年数や年齢などの条件がある場合についても明確にしておきます。
退職金の額
退職金の計算方法を具体的に記載します。基本給や勤続年数をベースにした計算式や、ポイント制を採用する場合はその詳細の記載も必要です。職位や貢献度による加算がある場合も併せて説明します。
退職金の支払方法及び支払時期
退職金の支払方法(一時金か分割払いか)と、支払時期(退職日から何日以内か)を明確に記載します。また、分割払いの場合は、その回数や各回の支払額についても明記が必要です。
退職金規程の無料テンプレート
退職金規程の無料テンプレートを使用すれば、必要事項を漏れなく記載できます。
まずは以下の無料テンプレートを参考にしつつ、自社の状況に合わせてカスタマイズすると良いでしょう。
エクセル:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/3363
ワード:https://biz.moneyforward.com/payroll/templates/3368
退職金規程を作成するときのポイントは?
退職金規程を作成する際は、法的妥当性、公平性、財務への影響など、多角的な視点からの検討が必要です。
以下に主要なポイントを説明します。
法的な基準を確認する
退職金規程は、就業規則の一部であり、労働基準法を遵守している必要があります。必要に応じて専門家のアドバイスを受けてみましょう。
公平性と透明性について検討する
退職金の支給条件や計算方法は、従業員間で公平であり、かつ透明性の高いものでなければなりません。恣意的な運用を避け、客観的な基準に基づいて設計することが求められます。
支給額と計算方法について定める
退職金の支給額と計算方法は、具体的かつ明確に定めましょう。その際に、基本給や勤続年数をベースにした計算式や、ポイント制を採用する場合はその詳細の明記も必要です。従業員が自分の退職金を概算できるよう、わかりやすい説明を心がけましょう。
支給方法と時期について決定する
退職金の支給方法(一時金か分割払いか)と支給時期を明確に定めます。労働基準法に定められた賃金支払いの原則を考慮しつつ、会社の資金繰りと従業員の希望のバランスを取ることにも注力しましょう。
特例や例外について決定する
懲戒解雇や自己都合退職など、通常と異なる退職ケースについても退職金の取り扱いを明確に決めましょう。また、会社の業績悪化時の対応など、特殊な状況下での取り扱いについても検討しておくと良いでしょう。
社内承認と周知を徹底する
作成した退職金規程は、人事部門や経営陣による承認を得たうえで、全従業員に周知します。説明会の開催や社内イントラネットでの公開など、効果的な周知方法を検討しましょう。
定期的な見直しと改善を繰り返す
社会情勢や会社の状況変化に応じて、定期的に退職金規程の見直しを行います。見直しの際は、従業員の意見も聞きながらよりよい制度への改善を目指しましょう。
財務面の検討を行う
退職金制度は会社の財務に大きな影響を与えます。将来の退職金支払い見込額を試算し、必要な資金を計画的に確保する方策を検討しましょう。退職給付引当金の計上など、会計処理についても専門家に相談することをおすすめします。
退職金規程は会社の成長を支える要素
適切な退職金規程は、従業員のモチベーション向上と長期的な人材確保に寄与し、会社の持続的な成長を支える重要な要素となります。退職金規程の作成は、従業員の権利と会社の財務状況のバランスを取りながら慎重に進め、法的要件を満たしつつ、公平性と透明性を確保し、会社の実情に合った制度設計を心がけましょう。
また、作成後も定期的な見直しと改善を行い、常に最適な退職金制度の運用を目指すことを考えましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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