- 更新日 : 2024年9月3日
作業員名簿の書き方をテンプレートで解説!
作業員名簿とは、一定の工事現場で従業員を働かせる場合に作成しなければならない書類です。
建設業法改正により2020年10月から安全書類に加えられ、作成が義務付けられました。労災事故の発生に備えて、施工管理台帳の一つとして現場に備えておく必要もあります。記載必須項目は作業員氏名や生年月日、年齢、職種などです。
目次
作業員名簿とは?
建設現場のような作業場で従業員を労働させる場合、グリーンファイルと呼ばれる安全書類を作成する必要があります。作業員名簿は建設業法が改正されたことにより、2020年10月から安全書類に加えられました。作業員名簿とはどのような書類なのか、目的や必要になるケースを説明します。
作業員名簿の目的
作業員名簿は安全衛生管理や、労災事故が発生した場合の被災労働者の迅速な把握を目的に作成する書類です。建設現場では元請業者の従業員と下請業者の従業員が混在し、また工事の進行によって職人も入れ替わります。どのような人が労働しているのかわからなければ、安全衛生管理の徹底がなされません。また労災事故が発生した場合に、死傷した労働者の氏名などを把握するという目的もあります。
作業員名簿が必要になるケース
作業員名簿が必要になるケースとして、労災事故で被災した労働者の氏名や連絡先を確認する場合が挙げられます。また労災事故の発生原因を調べたり、再発防止策を講じたりする場合にも用いられます。
法律上の作業員名簿の定義と説明
作業員名簿は、建設業法施行規則第14条の2の4において規定されている事項を記した書類です。第一次下請や第二次下請の従業員の他、作業工程に応じてさまざまな職人が出入りし、入れ替わる現場において、労災事故が発生した場合に被災労働者を特定したり、発生原因を特定したりするために用いられます。
作業員名簿のフォーマット
作業員名簿に記載すべき項目は法律で規定されていますが、フォーマットは定められていません。そのため、企業は作成や運用が容易にできる形式で、作業員名簿を自由に作成することができます。国土交通省HPから、必要な記載事項欄が設けられた作業員名簿をダウンロードできます。
記載が必須の項目
作業員名簿には、以下の項目を記載することが必須です。
作業員名簿の記入例・書き方とテンプレート
作業員名簿には以下のように記入します。

- 健康保険欄
左欄に健康保険の名称(健康保険組合、協会けんぽ、建設国保、国民健康保険)を記載します。 - 年金保険欄
左欄に年金保険の名称(厚生年金、国民年金)を記載します。 - 雇用保険欄
右欄に被保険者番号の下4桁を記載します。
日雇労働被保険者の場合は左欄に「日雇保険」と記載します。 - 建設業退職金共済制度欄・中小企業退職金共済制度欄
それぞれの欄に加入していれば有、加入していなければ無と記載します。
作業員名簿のテンプレート
この記事で紹介した作業員名簿のテンプレートは、以下からダウンロードすることができます。
作業員名簿の保管方法
作業員名簿は施工管理台帳の一つとしてy、建設現場に備え付けておくことが求められています。現場にあることが必要で、会社内といった他の場所での保管は認められていません。個人情報が記載されていることからプライバシーの保護に十分留意しつつ、必ず現場に備え付けましょう。
作業員名簿の作成に監査はある?対策と対応について
建設現場に対する監査が行われる際は、作業員名簿も対象になります。施工管理台帳の一つとして建設現場にきちんと備え付けられているか、記載内容に不備がないかといったことがチェックされます。記入内容に漏れや誤りがないか確認し、現場にきちんと備え付けておきましょう。
労災事故で重要な役割を担う作業員名簿を正しく作成しよう
作業員名簿は建設現場など、一定の工事現場で従業員を労働させる際に作成しなければならない書類です。建設業法の改正により、2020年10月から作成が義務化されました。安全書類(グリーンファイル)として提出すること、また施工管理台帳のうちの一つとして現場へ備えておくことが求められます。
第一次下請や第二次下請の従業員が働き、また工事の進捗に応じて多くの職人が出入りする場合、現場に入っている人が誰であるか容易に把握することができません。そのような環境で従業員を働かせることは、非常に危険です。労災事故が発生した場合に被災した労働者が誰かわからず、必要な連絡が取れないおそれがあります。
また、作業員名簿は発生した労災事故の原因を究明し、再発防止のための対策を講じる際にも重要な役割を果たします。作業員名簿への理解を深めて、正しく作成できるようになりましょう。
よくある質問
作業員名簿とは何ですか?
建設現場など、一定の工事現場で従業員を労働させる際に作成が義務付けられている書類です。詳しくはこちらをご覧ください。
作業員名簿を利用するケースを教えてください。
労災事故が発生した場合の被災労働者の把握や、事故の原因究明・再発防止に利用されます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
育休はいつまで?期間や給付金、延長の条件、職場の復帰日の決め方を解説
育休(育児休業)は男女問わず取得できる制度で、子どもが原則1歳になる前日まで取得できます。本記事では、育休の取得期間や育休手当、育休を延長するために満たさなければならない条件について解説します。また、復帰日の決め方や従業員の育休復帰までに会…
詳しくみる離職票とは?退職証明書との違いや発行手続きについて解説!
離職票とは、雇用保険に加入している退職者が失業手当を受け取るための必要書類です。退職者から依頼を受けた会社は、退職日から一定の期間内にハローワークへの手続きをしなければなりません。 本記事では離職票の概要や発行手続きの流れ、申請してから届く…
詳しくみる労働条件とは?明示義務や必須項目・変更の手続きについて解説
労働条件とは労働者が使用者の下で働く際に、どのような条件で働くかを取り決めたものです。使用者は、雇い入れの際の労働者への明示が義務付けられています。また労働者にとって不利益な内容に変更する場合、合理的な理由と労働者への周知が必要です。本記事…
詳しくみる人事制度とは?見直しのタイミング、設計に必要な3本の柱を解説
人事制度の重要な柱は「等級制度」と「評価制度」「報酬制度」です。企業を取り巻く環境が変化したとき、人事制度の見直しが必要になるケースもあります。 本記事では、人事制度を構成する3本の柱について解説します。人事制度の目的や見直しの方法・タイミ…
詳しくみる退職手続きでは何をするべき?従業員側と会社側に分けて解説
退職手続きでは、従業員と会社の双方が適切に進めることが重要です。従業員は退職届の提出や引き継ぎ、貸与物の返却などを行い、会社は社会保険や雇用保険の喪失手続きを進めます。 本記事では、従業員側と会社側それぞれがすべき手続きを徹底解説します。ス…
詳しくみる寝坊で遅刻したときの始末書とは?書き方・注意点を解説!無料テンプレートつき
この記事では、寝坊で遅刻した際の始末書の重要性と書き方を解説します。具体的な記載内容や注意点、再発防止策も紹介しますので参考にしてください。実践的な無料テンプレートも使えます。職場での信頼回復に向けた効果的な対策を学びましょう。 寝坊で遅刻…
詳しくみる