- 更新日 : 2024年8月29日
解雇予告通知書とは?解雇通知書との違いや書き方・注意点について解説
解雇予告通知書とは、従業員に解雇の予告を行う際に作成・交付する書面のことです。従業員に対して、解雇する旨を通告するために用います。従業員の氏名や解雇予定日、解雇理由な
どを記載し、原則として30日前までに解雇予告をしておかなければならないとされています。解雇に関係する書面には、解雇予告通知書の他に解雇通知書や解雇理由証明書があります。
目次
解雇予告通知書とは?
従業員を解雇する際は、法律の定めに違反しないように行わなければなりません。会社が労働者を労働させる際に守らなければならない労働基準法では、解雇をどのようにすべきであると定めているのでしょうか。解雇予告のタイミングや必要な書面について説明します。
解雇予告のタイミング
労働基準法は第20条では、解雇には30日前の予告が必要であると定めています。
労働基準法 第20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
この規定により会社が従業員を解雇する場合は30日前までの予告か、30日分の解雇予告手当の支払いを行う必要があります。労働基準法はこの規定に違反して予告や予告手当の支払いをしなかった場合の罰則を、規定により6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金と定めています。
解雇予告通知書の作成義務
解雇予告通知書は、解雇予告を行う際に従業員に交付する書面です。解雇予告のやり方は労働基準法に規定されていないため、口頭で行っても問題ありません。しかし後のトラブル発生を防ぐため、書面など証拠が残るもので行うのが好ましいとされています。
会社が従業員に対して解雇の意思を伝えるために交付する書面が解雇予告通知書で、作成義務を負うのはもちろん会社です。
パート・アルバイトにも必要か
解雇予告通知は、パートやアルバイトを解雇する際にも必要です。労働基準法は使用者に使用される者を「労働者」としています。パートやアルバイトであっても、労働者として解雇する際は労働基準法の定めるルールで行わなければなりません。
ただし労働基準法第21条の規定により、以下の者に対しては解雇予告する必要はありません。
1.日々雇入れられる者
2.2ヵ月以内の期間を定めて使用される者
3.季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者
4.試みの使用期間中の者
試用期間中の従業員にも必要か
試用期間中の従業員を解雇する際、解雇予告通知は必要ありません。労働基準法の試用期間の従業員とは、雇い入れてから14日以内の従業員のことです。
雇い入れてから14日を経過した従業員は会社にとっては試用期間中であっても、労働基準法の規定では試用期間の従業員には該当しません。解雇しようとする場合は、他の従業員と同じように解雇予告通知が必要です。
解雇予告が無効になる場合
解雇が無効であると認められる場合は、当然解雇予告通知も無効になります。解雇は社会通念上妥当な理由でのみ認められるもので、そうでない場合は会社による解雇権の濫用として無効とされます。
解雇予告通知書と解雇通知書との違い
解雇通知書は従業員の解雇に予告の必要がない場合に、解雇予告通知書の代わりに作成・交付する書面です。労働基準法第20条の規定により、やむを得ず事業の継続が不可能となった場合や労働者に重大な責任がある場合は、解雇予告をせずに従業員を解雇することができます。このような解雇に対しては解雇予告通知書を作成・交付できないため、代わりに解雇通知書の作成・交付を行います。
解雇理由証明書とは
解雇理由証明書とは、解雇の理由を記した書面のことです。労働基準法第22条の規定に基づき、会社には解雇労働者の求めに応じて交付する義務があります。
労働基準法 第22条
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
解雇理由証明書の作成・交付は労働者からの請求に基づいて行いますが、解雇予告通知書は従業員からの請求の有無にかかわらず会社から作成・交付を行います。
解雇予告通知書の書き方
解雇予告通知書について法律で形式や書き方について定められていないため、必要な内容が書かれていれば解雇予告通知書として認められます。解雇予告通知書に記載すべき内容は、以下のとおりです。
1.日付2.解雇する従業員氏名
3.会社名や代表者氏名
4.解雇する日
5.解雇する理由
解雇予告通知書のテンプレート
解雇予告通知書のテンプレートは、以下リンクからダウンロードできます。
無料で、利用制限なく自由にご利用いただけます。ぜひご活用ください。
解雇予告通知書は受け取りを拒否できる?
解雇予告通知書は解雇を予告する従業員に交付を行った、という事実をもって効力が発生します。受け取りを拒否された場合でも、従業員が受け取れる状況にあれば交付を行ったとみなされます。具体的な方法としては、内容証明郵便での郵送が挙げられます。
労働基準法に違反しないよう、解雇で必要とされる書面をきちんと理解しましょう
従業員を解雇するにあたっては、労働基準法の規定に基づき、30日前までに解雇予告を行う必要があります。この解雇予告に用いる書面が解雇予告通知書です。日付や解雇従業員の氏名、会社名、解雇日、解雇理由などを記載して作成し、交付します。
解雇理由証明書も、解雇に関して労働基準法で作成・交付が定められている書面です。従業員から請求があった場合には、事業主は遅滞なく解雇理由証明書の作成・交付を行わなければなりません。解雇で労働基準法に違反しないよう、正しく理解しておきましょう。
よくある質問
解雇予告通知書とは何ですか?
従業員に解雇を通告するために用いる、解雇従業員の氏名や解雇日、解雇理由などを記す書面のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
解雇予告通知書は受け取りを拒否できる?
従業員が受け取りを拒否した場合でも、内容証明郵便での郵送などで効力を発生させることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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