- 更新日 : 2025年12月24日
36協定の起算日とは?計算方法や意味をわかりやすく解説!
36協定の起算日とは、36協定が適用される第1日目のことです。年間360時間の時間外労働時間の上限を超えないよう、時間外労働を計算する対象期間の初日を指し、時間労働の数え方に影響を与えます。本記事では36協定の起算日の意味や決定方法のほか、派遣社員に適用する36協定の起算日についても解説します。
目次
36協定の起算日とは
36協定の起算日とは、36協定が適用される第1日目のことです。ここでは、36協定の起算日について、概要や36協定届に記載する必要性などを解説します。
起算日とは労働者が時間外労働を開始した期間を数え始める第1日目
従業員に法定労働時間を超えて労働をさせる場合、労働基準法36条に基づく労使協定を締結しなければなりません。法定労働時間とは、労働基準法に「1日8時間」「1週間40時間」と定められた、労働時間の上限のことです。法定休日に休日労働をさせる場合も、同じように労働基準法36条に基づく労使協定が必要です。
これがいわゆる「36協定」であり、時間外労働時間の上限は原則、年間360時間以内と決められています。そのため、上限の360時間を超えないように時間外労働をカウントしなければなりません。
その計算を行う初日が、起算日となります。36協定の起算日は、時間外労働の数え方に影響するものといえるでしょう。
また36協定の有効期間はもっとも短い場合でも1年であり、この期間が終了する前に再度労使協定を行い、提出しなければなりません。36協定の起算日は、この有効期間が始まる日でもあります。
起算日は36協定届への記載が必要
36協定の起算日は、36協定届の記載欄に正確に記載しましょう。労働基準監督署の窓口で未記入を指摘され、その場で記入する状況は避けなければなりません。労使協定であるため、一方の当事者が勝手に書くものではない点に注意しましょう。
このような届出の実務上の問題はもちろん、起算日は法的にも重要な意味を持つため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
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36協定起算日の決定方法
36協定の起算日について、労働基準法などの法律で定められているわけではありません。起算日の決め方、決める際のポイントなどを解説していきます。
会社ごとにそれぞれ独自の起算日を決めている
36協定の起算日の決め方は法律で決められているわけではなく、それぞれの会社で独自の起算日を決めていることを抑えておきましょう。4月1日にしている会社もあれば、賃金計算期間の起算日としている会社もあります。
前述のとおり、36協定の起算日は有効期間の第1日目でもあり、有効期間が終了する前に再度提出する必要があるため、わかりやすい日に決めている会社も少なくありません。有効期間には起算日も含む点がポイントです。
賃金計算期間の起算日と合致させる
特別な事情がなければ、36協定の起算日は賃金計算期間の起算日と合致させるとよいでしょう。1ヶ月につき60時間を超える時間外労働をした場合には、50%の割増賃金を支払わなければなりません。この規定は2023年3月31日までは大企業のみに適用され、中小企業は猶予措置が取られていましたが、2023年4月1日からは企業の規模を問わず適用になります。
割増賃金を正しく支払うためには、毎月の時間外労働時間を計算し賃金台帳に記録する必要があります。36協定と賃金計算期間の起算日がずれていると、給与計算においては法定労働は60時間に収まっていても、36協定の起算日から計算すると60時間を超えるケースもあるでしょう。
賃金計算期間の起算日と36協定の起算日を揃えることで、給与計算業務が煩雑化することを防げます。
36協定起算日は基本的に変更できない
36協定の起算日は、基本的には変更できません。ここからは、起算日を変更できない理由や、例外として変更できるケースをご紹介します。起算日をなんとなく決めてしまうことのないよう、しっかり確認しておきましょう。
有効期間中は起算日の変更が不可能
基本的に、一度決めた36協定の起算日を変更することはできません。起算日の安易な変更を認めてしまうと、時間外労働を無制限に行わせないための規制の効果が、期待できなくなるためです。
36協定の起算日を変更するには、現行の36協定を無効にする必要があります。一度締結し届け出たにもかかわらず、無かったものとして扱うことを認めてしまうと、時間外労働の上限規制を厳格に運用することは困難になります。そのため、36協定の起算日を別の日に変えることは、原則として認められていません。
例外として起算日を変更できるケース
原則、認められていない36協定の起算日の変更ですが、例外的に変更できる場合もあります。会社が複数の事業所を持っており、それぞれの事業所の起算日が異なっているようなケースです。こういった会社が、36協定の起算日を全社的に統一する場合には、例外的に変更が認められています。
やむを得ない事情によって起算日を変更した場合、再締結した36協定を遵守するだけではなく、当初の年間時間外労働の上限360時間を遵守しなければなりません。
また、1ヶ月あたりの時間外労働の上限として設定されているのは原則45時間で、月45時間を超えて時間外労働を行ってもよいのは、年6ヶ月までです。この6ヶ月のカウントも、36協定の再締結によりリセットされるのではなく、当初の36協定の対象期間における上限月数を引き続き遵守することが求められます。
ただし繰り返しになりますが、原則、起算日の変更はできません。後で変更の必要性が生じないよう、自社の賃金計算期間などを考慮し、十分に検討して決める必要があります。
参考:改正労働基準法に関するQ&A|厚生労働省
時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省
派遣社員の場合、36協定起算日に違いはある?
派遣社員に適用する36協定の起算日も、一般的な起算日設定の考え方と違いはありません。ただし通常の36協定と異なり、派遣社員の36協定を締結するのは実際に勤務する派遣先の会社ではなく、派遣元の会社である点に注意しましょう。
その上で、勤務するのは派遣先の会社であることから、36協定の内容は派遣先の会社の事業内容を踏まえる必要があります。
なお、36協定に違反して労働した場合、責任を問われるのは派遣先会社である点もポイントです。派遣先会社の労務担当者は、派遣元の会社と労働者が締結している36協定の内容を確認しておく必要があります。
36協定に関する協定書のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
起算日について理解を深め、適切に36協定の手続きを行いましょう!
36協定の起算日は、36協定が適用される第1日目のことであり、年間360時間の時間外労働時間の上限を超えないよう、時間外労働を計算する対象期間の初日を指します。
36協定の起算日の決め方は、法律で決められているわけではありません。それぞれの会社で、独自の起算日を決められます。ただし特別な事情がなければ、36協定の起算日は賃金計算期間の起算日と同じ日にして、給与計算の業務が煩雑になるのを防ぐとよいでしょう。
起算日は原則、変更が認められていないため、なんとなく決めるのではなくよく検討した上で決定することをおすすめします。36協定の起算日について理解を深め、適切に手続きを行えるようにしましょう。
よくある質問
36協定の起算日とは何ですか?
36協定が適用される第1日目のことです。年間360時間の時間外労働時間の上限を超えないよう、時間外労働を計算する対象期間の初日を指します。詳しくはこちらをご覧ください。
派遣社員の場合、36協定起算日に違いはありますか?
一般的な起算日設定の考え方と違いはありません。ただし36協定を締結するのは派遣先の会社ではなく、派遣元の会社である点に注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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