• 作成日 : 2015年6月29日
  • 更新日 : 2018年10月31日
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社会保険の資格喪失届とは

社会保険の資格喪失届とは

社会保険の資格喪失届とは

社会保険の資格喪失届とは、従業員が退職や解雇、死亡などにより社会保険のうちの健康保険・厚生年金保険の資格を喪失する場合に提出する書類です。なお、被保険者本人が資格喪失届を提出する必要はありません。

社会保険の資格喪失届が必要な場合

社会保険の資格喪失届は、以下の場合に提出が必要です。

1.被保険者が死亡したとき
資格喪失日は、死亡した翌日です。

2.被保険者が退職したとき
資格喪失日は、退職した日の翌日です。退職の理由は、自己都合、会社都合を問わず同じ扱いです。

3.臨時雇用に切り替わるなどの適用除外となったとき
資格喪失日は、適用除外となった日の翌日です。

4.事業所が廃止になったとき
資格喪失日は、廃止になった日の翌日です。

5.任意適用事業所が任意適用の取り消しを認可されたとき
資格喪失日は、認可された日の翌日です。

6.一定年齢に達したとき
・厚生年金保険の場合
資格喪失日は、70歳の誕生日の「前日」です。
・健康保険の場合
資格喪失日は、75歳の誕生日「当日」です。

厚生年金保険の場合は喪失後に新たな保険制度の対象にはならないために誕生日の「前日」、健康保険の場合は75歳になると新たに後期高齢者医療制度の被保険者になるため、誕生日の「当日」扱いとなります。

資格喪失届の提出方法

社会保険の資格喪失届の提出方法について説明します。

資格喪失届の提出先

資格喪失届の提出は、社会保険・労働保険徴収事務センターもしくは事業所の所在地を管轄する年金事務所、または健康保険組合、厚生年金基金で行います。

提出期限

社会保険における資格喪失届の提出期限は資格喪失日から5日以内です。なお、提出は事業主が行います。

添付・確認書類

・健康保険被保険者証(被扶養者分も回収)
資格喪失届の届出日は喪失日より5日以内で、日程に余裕がありません。そのため、退職が予定されている従業員にはあらかじめ健康保険被保険者証を退職日までに返還するよう伝えておきましょう。

・健康保険被保険者証を紛失した場合の添付書類
被保険者より、保険証をなくした旨の申し出をされた場合は「健康保険被保険者証滅失届」を提出します。また、催促しても被保険者が保険証を返還しない場合には「健康保険被保険者証回収不能届」を提出します。

・同日得喪に関する添付書類
60歳以上の従業員が、定年退職をした後に1日もあけずに再雇用された場合は、同日得喪の手続きが必要です。
この場合は、以下の書類のいずれかが必要です。

1.就業規則の写し・退職日の確認ができる辞令などの写し・再雇用の際の雇用契約書の写し
2.退職日と再雇用された日に関する内容が記載された事業主の証明書(事業主印が必要)

退職後に受けられる保険給付

社会保険の資格喪失届が提出された後でも、一定要件を満たす場合には下記のような健康保険に係る保険給付を受けられます。

傷病手当金

以下を全て満たす場合は、資格喪失後も被保険者として受けることのできた期間の傷病手当金を受給することができます。

1.資格喪失日の前日(退職日等)まで引き続き1年以上にわたり被保険者だった場合
2.資格を喪失した時点で傷病手当金の支給を受けている場合または受けられる状態の場合(支給要件を満たしており、報酬との調整のために支給が停止されていた場合など)

ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません

出産手当金

以下の要件を満たす場合は、資格喪失後も所定の期間の範囲内で引き続き支給を受けることができます。

1. 資格喪失日の前日(退職日等)まで引き続き1年以上にわたり被保険者だった場合
2. 被保険者の資格喪失の日の前日に、現に出産手当金の支給を受けているか、受けられる状態(出産日以前42日目が加入期間であること、かつ、退職日は出勤していないこと)であること

出産育児一時金

以下の要件をすべて満たす場合は、資格喪失後であっても出産育児一時金を受給することができます。

1.資格喪失日の前日(退職日等)まで引き続いて1年以上におよび被保険者であった場合
2.資格喪失後、喪失日から6ヶ月以内に出産した場合(出産予定日が半年以内でも、実際の出産日が6ヶ月を超える場合は不可)

資格喪失後、被扶養者となった場合は、資格喪失後の出産育児一時金または家族出産育児一時金のどちらかを選択して受けることとなり、二重に受けることはできません。また、被保険者の資格喪失後にその被扶養者だった家族が出産しても、家族出産育児一時金は支給されません。

埋葬料

以下の要件のいずれかを満たす場合は、被保険者の死亡時にその者によって生計を保っていた埋葬者は、埋葬料を受給できます。なお、死亡に関する給付に関しては、被保険者期間の長さの要件がありません。

1.資格喪失後の傷病手当金もしくは出産手当金の継続的な給付を受ける被保険者が死亡したとき
2.資格喪失後の傷病手当金もしくは出産手当金の継続的な給付を受けていた被保険者が、その給付を受けなくなった時から3ヵ月以内に死亡したとき
3.上記以外の被保険者であった者が、資格喪失した後、3ヵ月以内に死亡したとき

まとめ

社会保険と言っても、健康保険と厚生年金とでは資格喪失年齢が異なるので注意が必要です。なお、退職や死亡時の資格喪失日が「翌日」扱いの理由は、退職日・死亡日になった瞬間(午前0時)の時点で、退職や死亡をしていないため、退職日・死亡日当日においてまだ喪失していないという解釈がなされるためです。

HRプラス社会保険労務士法人 監修

HRプラス社会保険労務士法人
東京都渋谷区恵比寿を拠点に、HR(人事部)に安心、情報、ソリューションをプラスしていくというコンセプトのもと、全国の顧問先に対し、人事労務に関するコンサルティングを行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。



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